星の守護龍 ~覚醒と混沌へのカウントダウン~

雪月 光

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2章~時の契約~

25.~取り戻した記憶~

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更新遅くなってしまいすみませぬー><
次の話のねた考えつつ、どう話を進めればつじつまが合うか模索しながら編集しながら・・・思考フリーズしてましたorz
来週は仕事がもりもりあるから更新また止まりそうな・・・今のうちに少しでもためておかないと(@@;)

*************************************



「まだ寝てるね・・」

「いつ目が覚めるのかな?」

心配そうに覗き込むリアンと結衣。
あれから家に帰宅してジンはすぐに深い眠りに入ってしまった。
リアンが魔石を光にしてジンに与え続けているけれど、まだ一向に目覚める気配がない。
時折顔を見せに来る真紀とラディオスが家から出れない結衣に代わっていろいろな情報を教えてくれた。

「何か来る途中の街中の人もおかしかったんだけど」

「おかしい?」

「変な物持ち歩いてた」

真紀が言うとラディオスが付け足すように口を出した。

「魔宝具ですね、私も本でしか目にしたことはないのですが」

「魔宝具・・・・なんでそんなものがこの世界に?」

リアンが真剣な眼差しで言う。
黒い円らな瞳が僅かに細められた。

「何それ?」

結衣が反応した。

「古の古代人が作ったとされる様々な力を持つ伝説級の道具さ」

「そうなんだ・・・」

「能力によってその価値も大きく変動するけど・・物自体珍しいんだ」

「魔界にはあったんでしょ?」

「・・・・少なくとも僕は見たことないよ・・ジンはどうか分からないけど」

まだ深い眠りのままのジンに皆の視線が集まった。

「街の中も物騒になったって事ね?」

真紀が言うと辺りは静まり返った。
肯定したくない現実に声が出なくなる。
人間の世界に魔王が召喚されたことで世界のバランスが崩れかけていた。




▲魔王サイド▲

『俺は・・・昔あの男に会っている』

魔王が口にする。

「ジンという魔族に?」

『ああ、まだひ弱な人間だったころだ・・・』

遠い過去を探りながら思い出そうとする。
ズキンと鈍く痛む頭を抑えながら続ける。

『琥珀色の卵、力の核・・・封じられているこの先の記憶・・・誰に・・・?』

独り言を呟く魔王、昶は何も口出しはしない。

「これ、つかうといいかも」

現れたのは本を持った金色の髪をした青い目の小さな少女。
少女が差し出したのは虹色の宝玉だった。

「やあ、カリン」

昶が言う。

「こんにちは、おじさま」

『それは?』

「4神守護獣とよばれる地の守護獣アルフォリスの持つ宝玉の1つ」

『・・・伝説と言われたあの守護獣の・・?』

「うん・・持ち主じゃないからきっと1度しか使えないと思うけど」

カリンは魔王にそれを渡した。

「カリンは本の中身を実物に出来るんだ、本自体を自分で紡ぐ事だって出来る」

『神のような力だな・・・』

驚いた様子もなく魔王は淡々と言う。

「世界を映す宝玉、過去も未来も見ることが出来る、体の1部を差し出すことで・・・」

魔王は自らの血を宝玉に垂らした。
光と共に辺りには映像が広がった。
人間だったときの記憶・・・。
守りたかった妹・・・。
絶対的な力を求めた・・・。
呪文を呟く人間だった頃の自分の姿が見えた。
声は聞こえない・・・。
ただ確かに力を与えたのは昨日のあの男だった・・・。
場面は変わり暗い洞窟・・。
妹を盾に脅されもう1度いわれるままに魔王を召喚した。
前のような背筋が寒くなるような威圧もなくそれは現れた。怪我をしていたらしい。
集団の持つ黒い純粋な邪悪から出来るという結晶から作った短剣。
左手の甲をそれで貫かれていた。
その場を離れたのだろう白い光が飛び込んできた。
次に現れたのは高台からの視界。
仲間だった者を。
愛する者を。
信頼していた友を。
次々に手にかけるあの男の姿。
すぐに操られていたと知った。
溢れ出す尋常ではない魔力が世界を一瞬で飲み込んだから。
それは1上級魔族や魔王の魔力の桁をはるかに凌ぐ力。世界そのものが共鳴して泣いているようだ。
別の男が手にした奪い取った魂石、輝きも大きさも全てにおいて常識を外れていた。
洞窟の中。自分も興味本位に跡をつけたのだろう。
後を追いかけた男と水の龍。
圧倒的力の前に敗れ体は光となって散らばった。
代わりに突然現れた4神守護獣が男の後ろの石版の中へ消えた。
それからだ・・・。
ぐにゃりとその空間が歪んで一瞬の強烈な光に目を奪われた。
そして気付くと力を授かった神殿の近くの森の中に倒れていた。

時間が戻った・・・。
世界中全ての者から”あの男”に関わった記憶を代価に。
勝手に記憶を消されていた・・・。
怒りが湧き上がったがふと思う。

・・・しかしこれは・・・親しかった者たちからも忘れられるという事だ。片方だけが覚えている。

『辛いな・・・』

魔王が小さく呟いた。
広がっていた光も消えて守護獣アルフォリスの宝玉はもう魔王の手にはなかった。

「見えたの?」

カリンが聞く。

『ああ・・・全て思い出した・・・』

「・・・やはり彼は・・」

『前魔王・・・そして全ての世界の中心にいた・・・・』

世界の理を捻じ曲げ、時を戻り過去を変えた・・・。
だがその代価が自分に関わった記憶の消去・・・だけ・・・。
軽すぎる気がした。世界に干渉した者への罰にしては・・・。
まるで・・・存在を消すことで世界に身を守られているかのような・・・。

『ただの前魔王だけではないようだがな』

「・・・・・ほう・・」

昶は目を輝かせた。

「是非、私の手に収めたい!」

コレクターが目の前の宝を欲しがるようなそんな表情。

『変な奴だな・・・お前・・・』

そう言いながらも楽しそうにくすくす笑う。本当に退屈しないですみそうだ。

魔王一真は覚えている。
あの時魔王を呼び出した召喚の呪文を。
ただ過去を見るまで何の呪文かすら覚えてはいなかった。
今は確信がある。
この魔法陣の上に”あれ”を呼び出せば簡単に昶の望みを叶えられると。

『裏技は最後までとっておくものだよな?簡単すぎるとつまらないだろう?』

何のことだろう・・昶は首を傾げるが口元に笑みを浮かべたまま頷いた。

「そうだね・・・楽しまないとね、苦労したほうが後からの感動も高まるというものだ」

もしあれがただの前魔王だけでなく、凄い力を持っていると言うなら人間になど渡すはずがない。
魔王たる自分が手に入れ自分だけがその力を独占し世界を支配する。
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