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2章 拠点を作ろう

10話 ふさわしいメイド

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突如始まった専用メイド決定戦

第一試合は私に関するクイズらしい。
どこで情報を拾ってきたのかはわからんがマオが楽しそうな顔をしてるので多分コイツだろう。

第二試合は私に対する愛らしい。

もうどうでもいいのでクーコに話しかける

「クーコ」

「はい、どうしたんですか?ご主人」

「狐族の尻尾って触ったりしたらダメなの?」

「身内だったり好きな相手にしか普通は触らせないですねぇ」
がっかり…がっかリスである。
落ち込んでいるとクーコが尻尾を腰から回して前に出した。

「触りたいですか?ご主人?」
少し頬を染めて口元を尻尾で隠すクーコ

「うん、触りたい!」
食い気味に答える

「ふふ、だめどす」
パッと手を離し尻尾を後ろに隠したあと意地悪に笑うクーコ。

ぐぬぬ、ふんふん!ぐううううううううう!ぬうううん!ぬうううううううううううおおおおおお!

声にならない声を上げる。

「そ…そんなに…触りたかったんですか?…そこまでとは…すいません…」
ドン引きするクーコ。
あまりの形相だったらしく後日聞いたら目から血が出てもおかしくないほど、だそうだ。


その後、普通に触らしてもらった。
ふわふわで気持ちよかったです。


モフモフ成分を堪能した私は新たなモフモフが目に入る。

ゾフィとユッテだ。

「ゾフィはいっぱい食べてるな」

「うん、うちの飯はいつも美味しい!」
嬉しいことを言ってくれるゾフィ。

「ユッテはどう?」

「まぁまぁ」
といいつつモグモグ食べている。多分気に入ってる感じだ。

「獣人は耳とか尻尾触られるといや?」

「んー私は友達ならいいかな」
と答えるゾフィ

ユッテを見ると
「エルならいい」
私を少し見た後モグモグとご飯を食べ続ける。

うーん可愛い。
多分触っても良さそうなので2人の耳を触っていると

「浮気者」

バッと、振り返るとそこにはクーコの姿が

「ちっ…違うんだ!」

「別になにも言うておりませんよ」
プイッとそっぽを向くクーコ。

「ち…ちがうんだ!!」
土下座に近いポーズをする私


「そこに耳があっただけなんだ!」


真剣な表情で訂正する私。

「許してくれ…」

ふふっと笑ったクーコは冗談ですよと言い去っていった。

手玉に取られている。悪くない。

「何してるんじゃお主…」
マオが気持ち悪いものを見るような目で見ながら言う。

土下座に近いポーズで微笑んでいる私

それはそう。

不意に歓声が上がる
ついに私の専用メイドが決まったらしい

「私がエル様のメイドです。」
勝ち誇った笑みを浮かべるニーナ。

「くそっ…すいません、ご主人様…私が不甲斐ないばかりに…」
ガクッと膝をつくナキリ

いや別に負けてもいいよ。

「しかしです、貴女のエル様を思う気持ち伝わりました。」
悔しがり膝をついているナキリに視線を合わせ握手をするニーナ。

「私でエル様を支えましょう」

「フッ…この私をいれたこと…後悔させて見せますよ」
サッと指で涙を拭うナキリ


立ち上がる両者。
歓声が上がる。
なぜか、私が壇上に呼ばれる。
私の横に立つ2人。
歓声が上がる。


なんだこれ…
2人の専用メイドができた。

歓迎パーティーが終わりお風呂へと行く。

頭をわしゃわしゃ洗っていると扉が開く音がする。

「私が入ってるよー」
大きな声を上げる。

「存じ上げてます」
と湯浴みを着たニーナが来た。

「お背中お流ししますね」

「え?ありがと」
誰かと一緒に入るお風呂は楽しいので普通に嬉しい。

「では、前も失礼します」
クルッと回転させられた私はニーナと目が合うと思ったがニーナは下を見ている。

「ん?なに?」

「あら、エル様は殿方?…エル様は男性…あらあらあらあらあら…」

あ…そうだった。私男だ。

「変なもの見せてごめんね!」
サッと後ろを向きニーナに背を向ける。

「まだ、洗ってませんよー」
クルッと回転私。

「だ…大丈夫だから」
サッと後ろを向…けない私。
エルは逃げられない。

「まさかエル様が男性だったとは…」
ウットリとした表情を浮かべるニーナ。
やばいと思った私はスラちゃんを召喚。
ウルフになってもらう。

「わっ」

びっくりしたニーナは私から手を離しすぐさま私は逃げだした。

裸で逃げ出す私。

音を聞きつけてやってくるみんな。

「「「ご主人様!?」」」

「「エル!?」」

メイド達とゾフィとユッテが叫ぶ。


「「「男だったの?」」」

え?そうだよ。


「なんだ、みんな知らなかったんだ」
ごめんごめーん

「その見た目でっていうもんだからてっきり…」

ゾフィが答える。
君とは3年一緒にすんでるのにね…

「でも、マオはあった時から気づいてたよ」
マオを見る。

「わかるじゃろ」
興味なさそうに飲んでた紅茶のカップを置いて言うマオ

「ジルも知ってるよね」

「知ってますよー、そんなことよりスラちゃん召喚する時は言ってください!!消えたかと思ったじゃないですか!」
ぷんぷんしながらニーナからスライムを回収する。

流石スライム係である。

「マオが奥さんなの?」
ユッテが急に答える。

「ブフォ!」
紅茶を噴き出すマオ。

「ばっ…バカ言うな!こんな奴わしの伴侶になるわけないじゃろ!」
と、紅茶を飲むマオ。

しかし口がカップについてない。膝に紅茶を飲ませている。

「あっつ!!あっちーじゃろがい!」
慌てふためくマオ。

どうどう。〈ヒール〉

「風呂に行く」
そう言って去っていくマオ。

照れちゃって可愛いんだからマオは

「じゃあ、今のところ伴侶はいないのですか?」

「いないよ」


そう言った瞬間視線が突き刺さるのであった。

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