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第五話
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結果的にエリックの拳は私には届かなかった。
彼の拳が私に届く直前、
横から現れた腕がエリックの腕を掴んだからだ。
その腕は白く、細いようにも見えるが、相当な鍛錬を積まれていることが分かる程引き締まったもので。
私が驚いて視線を上げると、切り整えられた黒髪と、同色の瞳が映った。
それは私の良く知る人物。
整った顔と学者風のストリクトな雰囲気を漂わせる『エリート系イケメン』。
「ア、アル―――――・・・・?」
「御無事ですか、エリザベータ様。」
王子殿下の腕を掴んでいるというのに、完全にそちらは無視で安否を確認するアルフォンス。
二人の間に甘酸っぱい空気が流れ、新たな進展が来そうだったが・・・・
「貴様!誰の手を掴んでいる!身の程を知れ!」
外野の邪魔が入った。まあ、当然だ。
「ミランダさん、エリザベータ様の治療を。」
アルのその言葉に麻薬が切れた様に、口の痛みが復活します。
痛さに思わず口を覆いつつも、引きずられるようにミランダに壁際に運ばれました。
さあ、治療開始です!
まあ、ポーションを飲んで、後は完治を待つだけなんですけどね。
痛たた・・。
ちなみにこの世界のポーションは所謂速攻万能薬と言うものではありません。
効能として人体にある治癒能力を底上げするというのが一番痛たたた
つまり、治るにはそれなりの時間がかかるという訳です。その上、麻酔効果も無く、高速治癒の反動で治療中は動くこともままならない。
そんなことを考えながら。
ポーションをちびちびと飲まされていた私の視線の先で、
アルとエリックは未だに睨み合っっていた。
と言うより、時間が止まったかのように先程から、微塵も動きません。
当然エリックは怒り。
「貴様!平民の分際で!何のつもりだ!」
「それは此方のセリフです。他人の屋敷で、その屋敷の主人に手を上げるとは、どういうおつもりですか?」
「その女が私の妻を気づ付けるような言葉を言ったのだ!男として立ち向かうのは当然であろう!」
元婚約者(わたし)のいる前で堂々とそんなことを言うエリックにはマジ怒ですわ、
一応筋はと通っていますけど・・・。
何か言い返してやりなさい!と、私が思っていると、アルフォンスは更に腕を握る手の握力を強めた。
「女性に手を上げるのは紳士として当然なのですか?」
エリックは一瞬押し黙り、
私は脳内で喝さいを送る、
が、すぐに
「黙れ!道理を通してほしくば、まずは自分の非を認めたらどうだ!?」
「エリザベータ様は先程自分に非は無いと仰っていたではありませんか?」
「あんな女の言葉を本気で信じている訳では無いだろうが!?」
「何―――――?」
その言葉にアルの口から数段トーンの落ちた言葉が出る、
大人しくしていたミランダとレインハルトまでもが殺気を出し始めます。
「どういう・・・意味です・・・?」
「言葉のままだ。エリザベータは身分をかさに着せ、人の信頼を踏みにじるような女だ。謝罪することすら出来ず、自分には非がが無いだと!増長するのもたいがいにしろ!」
言葉を紡ぐにつれ、どんどんと饒舌になってくるエリックと、
それと比例して視線を冷たくするアルフォンス達・・・。
一触即発、限界ギリギリ、爆発寸前・・・
色んな言葉が脳内に浮かんでは消えていく。
いやいや流石にそこまでの事にはならないでしょう・・・。
大丈夫、な・・はず?
(いや、全然大丈夫じゃないぞ。)
頭の中の何かが、それは甘いと否定します。
(よく見てみろ?レインハルトとセバスだったか・・・。あいつらやる気満々だぞ?扉を封鎖しやがった。)
封鎖・・・?え・・あっ・・・?ホントだ。・・・・あの二人、何時の間に扉の前に・・・・
おもわず、私は眼をぱちぱちさせて。二度見三度見します。
この部屋の扉は三つ。北扉の前にセバス。東扉の前にレインハルト。西扉は私の後ろにある。(もっともこの西扉は開かずの扉(物理的に)なのだが・・・)
つまり今、応接室は完全に隔離状態というわけですか・・・・。
・・・・・・・・・これは~、想像以上にマズい事態なのでは・・・?
遅ればせながらそんなことを考える。
応接室の中に緊張と沈黙が流れ、扉の向こうから(エリックの)衛兵の呼ぶ声まで聞こえだします。
沈黙が続き、緊張が高まり、急速に収束へと向かうこの状況で、
私のけがの治療はようやく終わりました(←治療中は急速治癒による反動で動けない)。
すぐさま立ち上がり、二人の間に入るべく、走り出す私。
それに付き従うミランダ。
尚も睨み合うアルとエリック。
目を覆うリーシャさん。
慌てて止めに入るレインハルトとセバス。
全てがぶつかり混乱となる。そんな幻影にエリザが目をつぶりかけた瞬間。
アルとエリックの二人の間に、紅蓮が舞い降りました。
揺らめく紅蓮は結構な高さから落ちたというのに、スッタンと言う軽い着地で顕現します。
そして、
「悪ぃ、床が外れた!」
荒々しくも、そう告げました。
+-----------------------------------------------------------
すみません!投稿遅れました!
水、木、金曜日は実習のため遅れ気味になるかもです!
彼の拳が私に届く直前、
横から現れた腕がエリックの腕を掴んだからだ。
その腕は白く、細いようにも見えるが、相当な鍛錬を積まれていることが分かる程引き締まったもので。
私が驚いて視線を上げると、切り整えられた黒髪と、同色の瞳が映った。
それは私の良く知る人物。
整った顔と学者風のストリクトな雰囲気を漂わせる『エリート系イケメン』。
「ア、アル―――――・・・・?」
「御無事ですか、エリザベータ様。」
王子殿下の腕を掴んでいるというのに、完全にそちらは無視で安否を確認するアルフォンス。
二人の間に甘酸っぱい空気が流れ、新たな進展が来そうだったが・・・・
「貴様!誰の手を掴んでいる!身の程を知れ!」
外野の邪魔が入った。まあ、当然だ。
「ミランダさん、エリザベータ様の治療を。」
アルのその言葉に麻薬が切れた様に、口の痛みが復活します。
痛さに思わず口を覆いつつも、引きずられるようにミランダに壁際に運ばれました。
さあ、治療開始です!
まあ、ポーションを飲んで、後は完治を待つだけなんですけどね。
痛たた・・。
ちなみにこの世界のポーションは所謂速攻万能薬と言うものではありません。
効能として人体にある治癒能力を底上げするというのが一番痛たたた
つまり、治るにはそれなりの時間がかかるという訳です。その上、麻酔効果も無く、高速治癒の反動で治療中は動くこともままならない。
そんなことを考えながら。
ポーションをちびちびと飲まされていた私の視線の先で、
アルとエリックは未だに睨み合っっていた。
と言うより、時間が止まったかのように先程から、微塵も動きません。
当然エリックは怒り。
「貴様!平民の分際で!何のつもりだ!」
「それは此方のセリフです。他人の屋敷で、その屋敷の主人に手を上げるとは、どういうおつもりですか?」
「その女が私の妻を気づ付けるような言葉を言ったのだ!男として立ち向かうのは当然であろう!」
元婚約者(わたし)のいる前で堂々とそんなことを言うエリックにはマジ怒ですわ、
一応筋はと通っていますけど・・・。
何か言い返してやりなさい!と、私が思っていると、アルフォンスは更に腕を握る手の握力を強めた。
「女性に手を上げるのは紳士として当然なのですか?」
エリックは一瞬押し黙り、
私は脳内で喝さいを送る、
が、すぐに
「黙れ!道理を通してほしくば、まずは自分の非を認めたらどうだ!?」
「エリザベータ様は先程自分に非は無いと仰っていたではありませんか?」
「あんな女の言葉を本気で信じている訳では無いだろうが!?」
「何―――――?」
その言葉にアルの口から数段トーンの落ちた言葉が出る、
大人しくしていたミランダとレインハルトまでもが殺気を出し始めます。
「どういう・・・意味です・・・?」
「言葉のままだ。エリザベータは身分をかさに着せ、人の信頼を踏みにじるような女だ。謝罪することすら出来ず、自分には非がが無いだと!増長するのもたいがいにしろ!」
言葉を紡ぐにつれ、どんどんと饒舌になってくるエリックと、
それと比例して視線を冷たくするアルフォンス達・・・。
一触即発、限界ギリギリ、爆発寸前・・・
色んな言葉が脳内に浮かんでは消えていく。
いやいや流石にそこまでの事にはならないでしょう・・・。
大丈夫、な・・はず?
(いや、全然大丈夫じゃないぞ。)
頭の中の何かが、それは甘いと否定します。
(よく見てみろ?レインハルトとセバスだったか・・・。あいつらやる気満々だぞ?扉を封鎖しやがった。)
封鎖・・・?え・・あっ・・・?ホントだ。・・・・あの二人、何時の間に扉の前に・・・・
おもわず、私は眼をぱちぱちさせて。二度見三度見します。
この部屋の扉は三つ。北扉の前にセバス。東扉の前にレインハルト。西扉は私の後ろにある。(もっともこの西扉は開かずの扉(物理的に)なのだが・・・)
つまり今、応接室は完全に隔離状態というわけですか・・・・。
・・・・・・・・・これは~、想像以上にマズい事態なのでは・・・?
遅ればせながらそんなことを考える。
応接室の中に緊張と沈黙が流れ、扉の向こうから(エリックの)衛兵の呼ぶ声まで聞こえだします。
沈黙が続き、緊張が高まり、急速に収束へと向かうこの状況で、
私のけがの治療はようやく終わりました(←治療中は急速治癒による反動で動けない)。
すぐさま立ち上がり、二人の間に入るべく、走り出す私。
それに付き従うミランダ。
尚も睨み合うアルとエリック。
目を覆うリーシャさん。
慌てて止めに入るレインハルトとセバス。
全てがぶつかり混乱となる。そんな幻影にエリザが目をつぶりかけた瞬間。
アルとエリックの二人の間に、紅蓮が舞い降りました。
揺らめく紅蓮は結構な高さから落ちたというのに、スッタンと言う軽い着地で顕現します。
そして、
「悪ぃ、床が外れた!」
荒々しくも、そう告げました。
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すみません!投稿遅れました!
水、木、金曜日は実習のため遅れ気味になるかもです!
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