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高等部
156、クリスVSジェシー
ボクはイクシス様の静止を振り切り、前に飛び出しました。
「ごめんなさいっ!あの、あの、ボクが、ボクが悪いんですっ!
お兄様と一緒に入学できたのが嬉しくてはしゃいでしまって……
そのせいで廊下を曲がるときに、あなたにぶつかってしまいました。
まさか出会い頭にぶつかるなんて思わなくって……。もっとよく確認すべきでした。
お詫びした際には『ケガはない、大丈夫だ』とおっしゃっておりましたが、改めてお詫びに伺うべきだったんですよね?
本当にごめんなさい。
でもボク、弾き飛ばされた衝撃が強かったようで、あの後意識を失ってしまって……。
学校にこられなかったのです。
ボクが休んでいる間『クリスに会わせろ』とお兄様とアイク様になんども食い下がっていらしたそうですね?
でも、ずっと臥せっていて、本当にあなたにお会いしてお詫びできるような状況ではなかったのです。
お二人の嘘ではないかと疑っていらしたのですよね?
本当なのです。証明が必要であれば、医師にご確認ください。
お二人はボクのことを心配して下さっているだけなのです。だからお二人のことを責めないでください。
あの……ボク……知らない方にいきなり近づかれたり触れられたりするのが苦手で……失礼を承知で申しますが、あの、その……あなたのことが怖くて……。
アイク様もジル様も『クリスの心にこれ以上負担を与えたくない』と気を遣ってくださって……。
だから、責めるのなら、ボクを責めてくださいっ。お二人は悪くありませんっ」
後ろ手にお兄様のお袖をギュッと握り「弱弱しく健気な小さな子」が必死で訴えているという状況を作り出します。
もちろん、この幼げで可愛らしいと言われる容姿を最大限に利用し、涙目&上目遣いで。
ミノくんもそれを察し、ボクの話に乗ってくれます。
「クリス、君のせいではない。あれは不幸な事故だったのだ。お互いに避けようが無かった。
だが……ジェシカ、たまたまぶつかっただけの相手に執着するのはどうかと思う、
クリスは恐怖のあまり寝込んでしまっていたのだ。私もジルも、これ以上の君の接触は認められぬ」
「……アイク様……!いいんです、ボクを庇えばまたアイク様が悪く言われてしまいます……。悪いのはボクなのに……」
「クリス、自分を責めるな。私もアイクも、君を守ることができればそれでいいのだ」
「ジル兄様……!」
ギュッとジル兄様に抱き着くボクと、そんなボクを優しく抱きしめ、ジェシーから庇うようにその腕で護るお兄様。
麗しき兄弟愛です。
案の定、周囲の目がガラリと変わりました。
一気にアウェイからホームに。
「あの小さな子が出合い頭にぶつかってしまったみたいね。それに対してピンクの子がもう一度謝らせたかったってことかしら?」
「あの子の方は意識を失って寝込んでいたんだろ?なのに『会わせろ』ってアイク様たちに付き纏ってたのか?非
非常識すぎるだろう」
「私、見たわ。確かにあのピンクの子、ジル様とアイク様に付き纏って『付き纏うのをやめて欲しい』って言われてた!」
「気にしないでって言いたいだけなら、そこまでしつこく付き纏ったりする?」
「普通なら一言伝えるだけにするかお見舞いに花を贈るとか……ねえ?」
「口実だろそんなの。あの小さな子、可愛いだろ。一目ぼれでもしたんじゃないか?」
「ちょっとぶつかっただけで?気持ち悪い!」
「そういえば、いきなり近づいたり触れたりするから怖いって言ってたよな?アイク様も、一度ぶつかっただけの相手に執着するのはどうかと思う、って」
「そりゃあ、あの子だって怖がるだろ。アイク様とジルベスター様だって近づけさせないよ。俺でもそうする」
「わたくし、ジル様とは中等部からご一緒させて頂いているのですが、本当に弟様を可愛がっていらっしゃいますもの。大変仲の良い御兄弟ですのよ」
「どう考えてもピンクの方が非常識だよ。外見はかわいいのになあ。残念だぜ」
周りのみなさんから軽蔑の視線がジェシーに向けられました。
可哀そうですが、おおむね嘘は言っておりません。
ジェシーがしたことをやり返しただけです。
よおし。最後のひとおしです。
「あの、みなさま、ボクを庇ってくださってありがとうございます。
お気持ちはとても嬉しいのですが……あの、ジェシカさんが悪いんじゃないんです。
改めて謝罪するのが遅くなってしまったボクのせいなのです。
失礼なことをしてしまったのはボクなので……。
だからどうか、ジェシカ様を……っ責めないでください……っ。
ボクは、お兄様たちに付き纏ってご迷惑をかけるのさえやめて頂ければ、それで……っ」
「ごめんなさいっ!あの、あの、ボクが、ボクが悪いんですっ!
お兄様と一緒に入学できたのが嬉しくてはしゃいでしまって……
そのせいで廊下を曲がるときに、あなたにぶつかってしまいました。
まさか出会い頭にぶつかるなんて思わなくって……。もっとよく確認すべきでした。
お詫びした際には『ケガはない、大丈夫だ』とおっしゃっておりましたが、改めてお詫びに伺うべきだったんですよね?
本当にごめんなさい。
でもボク、弾き飛ばされた衝撃が強かったようで、あの後意識を失ってしまって……。
学校にこられなかったのです。
ボクが休んでいる間『クリスに会わせろ』とお兄様とアイク様になんども食い下がっていらしたそうですね?
でも、ずっと臥せっていて、本当にあなたにお会いしてお詫びできるような状況ではなかったのです。
お二人の嘘ではないかと疑っていらしたのですよね?
本当なのです。証明が必要であれば、医師にご確認ください。
お二人はボクのことを心配して下さっているだけなのです。だからお二人のことを責めないでください。
あの……ボク……知らない方にいきなり近づかれたり触れられたりするのが苦手で……失礼を承知で申しますが、あの、その……あなたのことが怖くて……。
アイク様もジル様も『クリスの心にこれ以上負担を与えたくない』と気を遣ってくださって……。
だから、責めるのなら、ボクを責めてくださいっ。お二人は悪くありませんっ」
後ろ手にお兄様のお袖をギュッと握り「弱弱しく健気な小さな子」が必死で訴えているという状況を作り出します。
もちろん、この幼げで可愛らしいと言われる容姿を最大限に利用し、涙目&上目遣いで。
ミノくんもそれを察し、ボクの話に乗ってくれます。
「クリス、君のせいではない。あれは不幸な事故だったのだ。お互いに避けようが無かった。
だが……ジェシカ、たまたまぶつかっただけの相手に執着するのはどうかと思う、
クリスは恐怖のあまり寝込んでしまっていたのだ。私もジルも、これ以上の君の接触は認められぬ」
「……アイク様……!いいんです、ボクを庇えばまたアイク様が悪く言われてしまいます……。悪いのはボクなのに……」
「クリス、自分を責めるな。私もアイクも、君を守ることができればそれでいいのだ」
「ジル兄様……!」
ギュッとジル兄様に抱き着くボクと、そんなボクを優しく抱きしめ、ジェシーから庇うようにその腕で護るお兄様。
麗しき兄弟愛です。
案の定、周囲の目がガラリと変わりました。
一気にアウェイからホームに。
「あの小さな子が出合い頭にぶつかってしまったみたいね。それに対してピンクの子がもう一度謝らせたかったってことかしら?」
「あの子の方は意識を失って寝込んでいたんだろ?なのに『会わせろ』ってアイク様たちに付き纏ってたのか?非
非常識すぎるだろう」
「私、見たわ。確かにあのピンクの子、ジル様とアイク様に付き纏って『付き纏うのをやめて欲しい』って言われてた!」
「気にしないでって言いたいだけなら、そこまでしつこく付き纏ったりする?」
「普通なら一言伝えるだけにするかお見舞いに花を贈るとか……ねえ?」
「口実だろそんなの。あの小さな子、可愛いだろ。一目ぼれでもしたんじゃないか?」
「ちょっとぶつかっただけで?気持ち悪い!」
「そういえば、いきなり近づいたり触れたりするから怖いって言ってたよな?アイク様も、一度ぶつかっただけの相手に執着するのはどうかと思う、って」
「そりゃあ、あの子だって怖がるだろ。アイク様とジルベスター様だって近づけさせないよ。俺でもそうする」
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「どう考えてもピンクの方が非常識だよ。外見はかわいいのになあ。残念だぜ」
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可哀そうですが、おおむね嘘は言っておりません。
ジェシーがしたことをやり返しただけです。
よおし。最後のひとおしです。
「あの、みなさま、ボクを庇ってくださってありがとうございます。
お気持ちはとても嬉しいのですが……あの、ジェシカさんが悪いんじゃないんです。
改めて謝罪するのが遅くなってしまったボクのせいなのです。
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だからどうか、ジェシカ様を……っ責めないでください……っ。
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