74 / 164
第五章
王との会談2
しおりを挟む
重厚な扉の前でルディは歩を止めた。
護衛騎士に「下がれ」と命じ、ドアをノックする。
「父上、ルディアスです。
皆をお連れ致しました。入ってもよろしいでしょうか?」
しばらくしてドアが開いた。
「お入りください。陛下がお待ちです」
陛下に個人的にお会いするのは、婚約のとき以来になる。
婚約解消は、公爵にまるなげした。俺としては「レオとスイッチされる」だけのつもりだったからだ。
ルディアスを通じて謝意は伝えられていたが、さすがに緊張する。
扉の中は、一見すると広めの応接室のように見えた。
大きめのソファ、テーブルと暖炉。
奥に見える重厚な造りの机と重ねられた書類らしきもの。それだけがここが執務室なのだと伝えてくる。
そこの椅子から立ち上がる人物。
ルディアスと同じ金色の髪、そしてエメラルドの瞳。陛下だ。
一斉に頭を下げ礼をとる俺たちに、鷹揚にその手でソファを示す。
「楽にするがよい。
ルディアスから大筋の話は聞いておる。
内内の話にしようと思い、ここに来てもらった。
……久しいな、ミルリース。ルディアスの件では迷惑をかけた。
王ではなく、ひとりの父として言わせてほしい。
主に廃嫡を決意させるようなことになり、すまなかった」
思いもしない謝罪に驚き、一瞬頭が真っ白になった。
「あ……。い、いえ。私が公爵家を見限ったのはルディアス殿下の責任ではありません。
私たちには会話が足りなかった。私には幼い頃から常に追い詰められ、余裕がありませんでした。
レオリースを勇めても無駄だと諦めておりましたし……。
殿下のこともはなから諦めていたのです。それが殿下にも伝わっていたのでしょう。
確かに、殿下との過去に良い思い出はありませんが……今は良い関係を築かせて頂いております。
それでよいのです」
「そう言ってくれるか。うむ。ありがとう、ミルリース」
「ミル……!すまなかった!ありがとう。そして……これからは友としてよろしく頼む」
「さて」
居住まいを正したとたん、陛下の表情が引き締まった。
そうなればさすが一国の主。ビリビリと苦しいほどの威圧が放たれる。
「赤病という病が我が国に流行ると予測しているそうだが、それは誠か?
あれは風土病だといわれておる。これまでも隣国で流行はしても我が国に持ち込まれることはなかった。
なぜ今さらそのようなことを?」
鋭い眼光が俺を射た。
「赤病には特効薬があり、それさえ飲めば命の危険はないと聞く。
だがしかし……分かっておるだろうが、我が国には薬の備蓄はない。隣国特有の風土病だとされてきたからだ。
それを今さら『風土病ではない』『我が国に持ち込まれる危険性がある』などと申せば大騒ぎになるぞ。
そなたに責任はとれるのか?」
俺はその視線を正面から受け止めた。
しっかりと陛下の目を見返す。
「責任をとれると言えば嘘になるでしょう。
しかし、そうなると分かっているのに何もしないわけにはいかぬのです。
黙っていれば、多くの犠牲が出る。その中には、私の大切な友人やその家族も含まれるでしょう。
赤病の感染力は強い。一人でれば一気に広まります。
そして…初期の熱は風邪と混同しやすい。隣国では発疹が出たらすぐに治療薬が与えられます。そうすればそのまま赤病は快方に向かい、一週間ほどで完治する。
しかし、発疹が出てすぐに薬を飲まなければ、あっという間に発疹が身体中に広がるのです。
そうなれば致死率は8割。体力のある若者以外はほとんど助かりません。
我が国で流行り出せばあっという間に国中に広まるでしょう。そうなってから薬を取り寄せても、遅いのです。皆を治療するにたる薬が確保できた時にはすでに多くの犠牲が出ていることでしょう。
私はそれを止めたい」
「そなたがそのように確信しておる理由が知りたいのだ」
俺はここで俺の考察について語ることにした。
「私は公爵によりひたすら学問を詰め込まれて育ちました。遊ぶことも許されず、睡眠すら削りひたすら勉強に費やしてきたのです。
そのような日々の中、たまたま目にした書籍により私は疑問を抱きました。『赤病とは本当に風土病なのだろうか』と。
そこで独自に調べることにしたのです。
過去の発症国のデータを集め、またその近隣諸国の文献をも調べました」
ふむ、と陛下が頷いた。俺の境遇については陛下も知るところとなっていたようだ。
「結論から申し上げます。赤病は風土病などではありません。非常に感染力の強い、感染症の一種なのです。
赤病は感染から発症が早い。感染後すぐに高熱により発症者は外出を控え、発疹がでれば医者にかかり治療薬で適切に対処されていました。
遠出する間もなく発症するため、一部地域でのみ爆発的に流行る。だから他の国にまで広がらず風土病だと思われていたのです。
しかし過去の文献を調べると、隣国と距離の近い国では何度か流行したという記録がありました。
発症後に移動した商人が持ち込んだのでしょう。実際に隣国の近隣国について調べてみたところ、いずれも『最初の発症者は商人である』ことを突き止めたのです。これも私が赤病が風土病ではないと判断した理由のひとつです
行き来しやすく取引が頻繁に行われる、比較的距離の近い国の間で、定期的にウイルスが持ち込まれたり持ち出されたりして流行を起こしている。これが俺の見解です。
距離が近く風土が似ていることも風土病だと誤解された一因でしょう。
治療薬もでき、それぞれの国だけで対処可能だっただけに、一度風土病だとされてしまえば、後は調べられることもなくこれまでそう信じられてきたのです」
「……なるほど、と言えばよいのか……。お主の話は今のところ理にはかなっているようだ。
だが、これまでずっとこの国には持ち込まれなかった。
それがなぜ今になって我が国に持ち込まれる?状況はこれまでと大きく変わらぬはずではないか?」
当然の疑問だろう。
さあ、ここからが本題だ。
ここまでは過去の文献をもとにした「事実に基づいた推論」だ。
だがここからは俺の前世の記憶をもとに、現在の状況を照らし合わせてたてた「仮説」になるのだから。
前世の記憶には触れることができないだけに、どこまで俺を信頼してもらえるかにかかっている。
護衛騎士に「下がれ」と命じ、ドアをノックする。
「父上、ルディアスです。
皆をお連れ致しました。入ってもよろしいでしょうか?」
しばらくしてドアが開いた。
「お入りください。陛下がお待ちです」
陛下に個人的にお会いするのは、婚約のとき以来になる。
婚約解消は、公爵にまるなげした。俺としては「レオとスイッチされる」だけのつもりだったからだ。
ルディアスを通じて謝意は伝えられていたが、さすがに緊張する。
扉の中は、一見すると広めの応接室のように見えた。
大きめのソファ、テーブルと暖炉。
奥に見える重厚な造りの机と重ねられた書類らしきもの。それだけがここが執務室なのだと伝えてくる。
そこの椅子から立ち上がる人物。
ルディアスと同じ金色の髪、そしてエメラルドの瞳。陛下だ。
一斉に頭を下げ礼をとる俺たちに、鷹揚にその手でソファを示す。
「楽にするがよい。
ルディアスから大筋の話は聞いておる。
内内の話にしようと思い、ここに来てもらった。
……久しいな、ミルリース。ルディアスの件では迷惑をかけた。
王ではなく、ひとりの父として言わせてほしい。
主に廃嫡を決意させるようなことになり、すまなかった」
思いもしない謝罪に驚き、一瞬頭が真っ白になった。
「あ……。い、いえ。私が公爵家を見限ったのはルディアス殿下の責任ではありません。
私たちには会話が足りなかった。私には幼い頃から常に追い詰められ、余裕がありませんでした。
レオリースを勇めても無駄だと諦めておりましたし……。
殿下のこともはなから諦めていたのです。それが殿下にも伝わっていたのでしょう。
確かに、殿下との過去に良い思い出はありませんが……今は良い関係を築かせて頂いております。
それでよいのです」
「そう言ってくれるか。うむ。ありがとう、ミルリース」
「ミル……!すまなかった!ありがとう。そして……これからは友としてよろしく頼む」
「さて」
居住まいを正したとたん、陛下の表情が引き締まった。
そうなればさすが一国の主。ビリビリと苦しいほどの威圧が放たれる。
「赤病という病が我が国に流行ると予測しているそうだが、それは誠か?
あれは風土病だといわれておる。これまでも隣国で流行はしても我が国に持ち込まれることはなかった。
なぜ今さらそのようなことを?」
鋭い眼光が俺を射た。
「赤病には特効薬があり、それさえ飲めば命の危険はないと聞く。
だがしかし……分かっておるだろうが、我が国には薬の備蓄はない。隣国特有の風土病だとされてきたからだ。
それを今さら『風土病ではない』『我が国に持ち込まれる危険性がある』などと申せば大騒ぎになるぞ。
そなたに責任はとれるのか?」
俺はその視線を正面から受け止めた。
しっかりと陛下の目を見返す。
「責任をとれると言えば嘘になるでしょう。
しかし、そうなると分かっているのに何もしないわけにはいかぬのです。
黙っていれば、多くの犠牲が出る。その中には、私の大切な友人やその家族も含まれるでしょう。
赤病の感染力は強い。一人でれば一気に広まります。
そして…初期の熱は風邪と混同しやすい。隣国では発疹が出たらすぐに治療薬が与えられます。そうすればそのまま赤病は快方に向かい、一週間ほどで完治する。
しかし、発疹が出てすぐに薬を飲まなければ、あっという間に発疹が身体中に広がるのです。
そうなれば致死率は8割。体力のある若者以外はほとんど助かりません。
我が国で流行り出せばあっという間に国中に広まるでしょう。そうなってから薬を取り寄せても、遅いのです。皆を治療するにたる薬が確保できた時にはすでに多くの犠牲が出ていることでしょう。
私はそれを止めたい」
「そなたがそのように確信しておる理由が知りたいのだ」
俺はここで俺の考察について語ることにした。
「私は公爵によりひたすら学問を詰め込まれて育ちました。遊ぶことも許されず、睡眠すら削りひたすら勉強に費やしてきたのです。
そのような日々の中、たまたま目にした書籍により私は疑問を抱きました。『赤病とは本当に風土病なのだろうか』と。
そこで独自に調べることにしたのです。
過去の発症国のデータを集め、またその近隣諸国の文献をも調べました」
ふむ、と陛下が頷いた。俺の境遇については陛下も知るところとなっていたようだ。
「結論から申し上げます。赤病は風土病などではありません。非常に感染力の強い、感染症の一種なのです。
赤病は感染から発症が早い。感染後すぐに高熱により発症者は外出を控え、発疹がでれば医者にかかり治療薬で適切に対処されていました。
遠出する間もなく発症するため、一部地域でのみ爆発的に流行る。だから他の国にまで広がらず風土病だと思われていたのです。
しかし過去の文献を調べると、隣国と距離の近い国では何度か流行したという記録がありました。
発症後に移動した商人が持ち込んだのでしょう。実際に隣国の近隣国について調べてみたところ、いずれも『最初の発症者は商人である』ことを突き止めたのです。これも私が赤病が風土病ではないと判断した理由のひとつです
行き来しやすく取引が頻繁に行われる、比較的距離の近い国の間で、定期的にウイルスが持ち込まれたり持ち出されたりして流行を起こしている。これが俺の見解です。
距離が近く風土が似ていることも風土病だと誤解された一因でしょう。
治療薬もでき、それぞれの国だけで対処可能だっただけに、一度風土病だとされてしまえば、後は調べられることもなくこれまでそう信じられてきたのです」
「……なるほど、と言えばよいのか……。お主の話は今のところ理にはかなっているようだ。
だが、これまでずっとこの国には持ち込まれなかった。
それがなぜ今になって我が国に持ち込まれる?状況はこれまでと大きく変わらぬはずではないか?」
当然の疑問だろう。
さあ、ここからが本題だ。
ここまでは過去の文献をもとにした「事実に基づいた推論」だ。
だがここからは俺の前世の記憶をもとに、現在の状況を照らし合わせてたてた「仮説」になるのだから。
前世の記憶には触れることができないだけに、どこまで俺を信頼してもらえるかにかかっている。
2,573
あなたにおすすめの小説
おしまいのそのあとは
makase
BL
悪役令息として転生してしまった神楽坂龍一郎は、心を入れ替え、主人公のよき友人になるよう努力していた。ところがこの選択肢が、神楽坂の大切な人を傷つける可能性が浮上する。困った神楽坂は、自分を犠牲にする道を歩みかけるが……
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
【8話完結】勇者の「便利な恋人」を辞めます。~世界を救うより、自分の幸せを守ることにしました~
キノア9g
BL
「君は便利だ」と笑った勇者を捨てたら、彼は全てを失い、私は伝説の魔導師へ。
あらすじ
勇者パーティーの万能魔術師・エリアスには、秘密があった。
それは、勇者ガウルの恋人でありながら、家事・雑用・魔力供給係として「便利な道具」のように扱われていること。
「お前は後ろで魔法撃ってるだけで楽だよな」
「俺のコンディション管理がお前の役目だろ?」
無神経な言葉と、徹夜で装備を直し自らの生命力を削って結界を維持する日々に疲れ果てたエリアスは、ある日ついに愛想を尽かして書き置きを残す。
『辞めます』
エリアスが去った翌日から、勇者パーティーは地獄に落ちた。
不味い飯、腐るアイテム、機能しない防御。
一方、エリアスは隣国の公爵に見初められ、国宝級の魔導師として華麗に転身し、正当な評価と敬意を与えられていた。
これは、自分の価値に気づいた受けが幸せになり、全てを失った攻めがプライドも聖剣も捨てて「狂犬」のような執着を見せるまでの、再構築の物語。
【勇者×魔導師/クズ勇者の転落劇】
※攻めへのざまぁ要素(曇らせ)がメインの作品です。
※糖度低め/精神的充足度高め
※最後の最後に、攻めは受けの忠実な「番犬」になります。
全8話。
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
【完結】マジで婚約破棄される5秒前〜婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ悪役令息は一体どうしろと?〜
明太子
BL
公爵令息ジェーン・アンテノールは初恋の人である婚約者のウィリアム王太子から冷遇されている。
その理由は彼が侯爵令息のリア・グラマシーと恋仲であるため。
ジェーンは婚約者の心が離れていることを寂しく思いながらも卒業パーティーに出席する。
しかし、その場で彼はひょんなことから自身がリアを主人公とした物語(BLゲーム)の悪役だと気付く。
そしてこの後すぐにウィリアムから婚約破棄されることも。
婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ一体どうしろと?
シナリオから外れたジェーンの行動は登場人物たちに思わぬ影響を与えていくことに。
※小説家になろうにも掲載しております。
悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました
水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。
原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。
「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」
破滅フラグを回避するため、俺は決意した。
主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。
しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。
「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」
いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!?
全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ!
小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる