もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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東の国

ゲイル奪還にむけて1

ルーダの転移でバースに着けば、中庭には既にこんもりと肉の山ができていた。
そしてその前にはブリードさんと三ドラとブルブル震えるバース勢が。

そういえばバースくんにドラゴン集合って言ってなかった。すまんかった。

「あー……ごめん、バースくん。このドラたち、俺の知りドラだから」

「お、おう。良かったよ戻ってくれて。どうしたもんかと……」

ちょっと涙目のバース勢。
ブリードさんには慣れたといえど、新たな三ドラ(会話不可)はさすがに怖かったようだ。お供えのようにドラたちの前にブリーツが詰まれている。

……ほんと、すまんかった!!

「サフィ………」とキースが目をすがめ、公爵が「……迷惑をかけてすまぬ」と頭を下げている。
ほんと、反省してるってば!




とりあえずバースくんたちにお礼を伝え、頑張ってくれたドラたちのことをいたわる。

「三ドラみんな協力してくれたんだね。ありがとーっ!」

「急ぎなのだろう?皆快く協力してくれた」
『我をフリューゲルと出会わせてくれた恩を返さねば』
『おかげで我もゴーンという番を得ることができたゆえ。この程度礼にもならぬよ』
『我は身体を休めて追ったところ無理やり引っ張り出されたのだ。まあ、ゲイルのためならば仕方あるまい』

フィリューゲルとゴーンは仲良くやっているようだ。
そして……ジーク。相変らず……うん、いろいろと大変そうだね。

「とりあえずヒールしとくね!ヒール!
あとはブリードさんだけ残ってくれたら大丈夫!あ、ごめんだけど、ジーク、キースか公爵乗せてくれる?
後でまたヒールしてあげるから」

「うむ。よいぞ」

だからなぜジークじゃなくてあなたが返事をするの、ブリードさん。
諦めたような顔でジークが頷いている。
すっかり躾けられて……。出会った頃の横暴な態度が懐かしくすら思えるよ……。

フリューゲルたちにはまたお礼に行くね、って伝えて帰ってもらい。
公爵には、用意してもらった物資でマジックバッグに入らなかった分を持ってきたバッグに詰め込んでもらった。

その間に俺は、肉を焼いて焼いて焼きまくり!

「ファイヤー!」「ファイヤー!」「ファイヤー!!」

更にそれを適度な大きさに切っていきます。

「ウインドカッター!」「ウインドカッター!」「ウインドカッター!」

そしてそれをバース勢がせっせと小分けに一食分づつパックにしてどんどん積み上げ。
その向こうでキースがどんどこパックをマジックバッグにIN!
おおお!簡易版の工場のようだ。

この流れ作業のお陰で庭に大きな山となっていた肉はあっという間に片付いたのでした。
ふう。さすがに疲れた………。







改めて、出発前に食事をしながら打ち合わせ。

バースが集めてくれた品は

●薬草(抗菌、解熱、腹痛、風邪) 20箱 ●傷クスリ(軟膏)4箱 
●包帯&打撲に効くオオバンという巨大な葉っぱ 4箱
●消毒用の高濃度アルコール 10箱
○バッファロージャーキー 30樽   ○角ウサギの燻製 20箱  
○チーズ 20箱   ○乾燥させたパン 20箱   ○小麦粉 40箱  ○砂糖・塩などの調味料 合わせて1箱
○ワイン 500本   ○人参 10箱  ○キャベツ 10箱  ○ジャガ芋 20箱  ○ミンツ豆 10箱 
●毛皮 100枚  ●毛布 200枚  


ゲイルのためっていうのと、そもそも東国はバースの隣国だし、っていうのとで、城の備蓄を大放出してくれたみたい。
ありがたい。
ようやく貧しさ脱却して潤い始めたばっかりなのに、ごめんね。

後からお金は払いますので。
足りなければちゃんと稼いで払うから待ってて!


これに王国で集めてきたものも加わる。

●薬草詰め合わせセット 10箱 ●傷クスリ 10箱
●包帯 10箱 ●消毒用アルコール 30箱 ●携帯用ランプ 50個
〇パン 30箱  ○人参 20箱  ○キャベツ 20箱  ○ジャガ芋 20箱
〇ココスの実(大根みたいなもの。長期保存可能) 20箱 
●炊き出し用大鍋セット  ●木皿 200枚  ●木のコップ 200個 
●携帯用燃料 40箱  ●大型テント 40棟  ●寝袋(俺が考案した王国特製) 400個
●耐熱ブーツ 200足  ●あったか下着セット 200組  ●兵士用あったか上着&パンツセット 400組
〇部屋を暖める魔道具&魔石セット 20個  〇伝達用魔道具(ペア)20セット 
〇温風が出る魔道具 20個 
●野営用簡易テント 50棟 ●毛布 300枚 ●マント 300枚 
●使用人さん用の着替えセット 200セット
●燻製ベーコン 5箱 ●干し大根 2箱 
●粉ミルク 2箱 ●木炭 30箱  
●クマさん特製クリームスープ 大鍋10個  ●サンドイッチ 100食
●皮付きふかしじゃが芋(すぐ食べられる) 200個  ●パン 200個


前半の野営セットまでは、緊急ということですぐに運び出せるよう箱詰めされているサフィール騎士団とグランディル騎士団の遠征用セットを拝借してきた。
魔道具はゲートでエリアスの所に行って貰ってきた、冬に販売を考えている試作品。
ちなみに後半は王城&クマさんから。すぐ食べられるシリーズは、申し訳ないが丁度用意中だった王城の皆さんのお食事を頂きました。ごめんね、みんな!昼食が少し遅れちゃうけど許してね!
テントや衣服などに関しては「大急ぎで今あるものを」と頼んだ結果、騎士団の支給品ストック、予備、王宮の使用人さんの着替えストックなどとなっております。
そう言うわけなので一部の品にはサフィール家やグランディールの家紋が付いていたり、メイドさんコスっぽいのもあるのだけれど、そこは……ごめんなさい。テントや寝袋にも王国の紋章や家紋と合わせて、いわゆる「スポンサー広告」だと思っておいて欲しい。



それに俺の秘蔵の品。
そう、クラーケンのイカ焼きとタコ焼き、裂きイカ!
大切にマジックバッグに保存してきたけど、このさい大盤振る舞いしてしまいましょう。


改めて確認すると、よくぞこんなにも詰めたものです。
マジックバッグ、帝国がくれたお土産を参考に俺が大容量なものも作れるようになってから、暇なときにせっせと量産しておいたのだ。ゲイルや王様たち、レオン、キース、ミカミカ、公爵家やサフィール家、ついでにバースくんたちにも餞別代わりに。
できるたびにあちこちにばら撒いておいたかいがあったというもの。
まさかこうしてマジックバッグ大集合になろうとは思ってもみなかったんだけどね。
過去の俺、なんたる慧眼!よくやった!


とりあえず、これくらいあれば飢饉の緩和くらいにはなるのではなかろうか?
寒さに震えている人たちも少しは助けられると思う。
クスリに関しては「ヒールすれば」って言われそうだけど。ぶっちゃけゲイルと俺がエリアヒール繰り返せばかなりいけるとは思うんだけど。
でも本人の「治そうとする力」の前借りみたいなものだから、弱ってる人に痕からくる反動もかんがえなきゃいけない。それになにより、「俺とゲイルがいないとダメ」な状態ではダメなのだ。
東国の人たちに「援助」して「自分たちの力で立ち上がってもらう」ことが大事だと思うから。
だからこその薬セット、治療セットなのだ。



東国がどこまで酷い状況なのか、俺たちには分からない。
だけどゲイルが戻らないことから考えると、それなりには酷いはず。
なかなかハードな「はじめまして」だけど。

待ってて東国!待っててゲイル!







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