もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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東の国

飢餓2

「ひょえっ!」

開けたとたんにお爺さんが転がっていておもわずその場でピョン!

「お、お、おじいさん!大丈夫っ?!」
「待て、サフィ。俺が……」

慌てて駆け寄りキースが救助。
まずは心音と呼吸の確認。念のため脈……って手首細っ!ガリガリじゃんっ!!そんで、冷たっ!
ガリガリすぎて体温の維持もできてないよっ!

慌てて結界して冷気を遮断。さらにばじっくバッグから毛布を取り出してお爺さんを包み、同時にハイヒールもかける。
お年よりには反動が辛いから多用しないほうがいいんだけど、緊急につき。

「………どう?」
「………ああ。体温が戻ったな。呼吸も安定している」

はあーー。
二人同時に肩の力が抜けた。





ガクリと床に座り込み、改めて邸の中を見れば……
おお!「和」だ!
キースにこの感動を伝えられないのが残念!
だって、まさかの畳がある!
しかも、造りが和室っぽい!昔懐かし、田舎のおじいちゃんの家、みたいな感じ。
これはやはり、前世日本人か、日本人転移者が作った国なのかもしれない。
しょうゆや米らしきものの噂を聞いた時点で「これは!」って思ってたけど。
期待以上です!絶対に日本の人いた!
でも、数年って感じじゃないから、過去のどこかにいた、創始者だった、とかそういう感じなんだろうな。
その人はもう「過去の人」なんだろう。
でもここには懐かしいものがたくさんあって、ちょっとだけ泣きたくなってしまった。

「………」
「サフィ?どうした?」
「!あー……王国と全然違うんだなあ、って思って」
「確かにな。閉鎖的な国で、自給自足して自国の文化を守ってるって聞いてはいたが、思った以上に独特だぜ……。
草のマットとか、すげえな」

心の中で「畳!それ畳だから!イグサの畳ですよおお!」と突っ込んでおいた。



ちなみに入ってすぐの所に土間があり火が起こせるようになっていたんだけど……そこに全く火の気はない。
恐らく家具を解体して燃やして暖をとっていたのだろ。その跡だけが残っていた。

「……薪とかもとれそうにないもんね……」
「だな……」

魔法が使えればなんとかなるだろうに。この国には魔法が使える人が居ないって言う話だから「木を燃やして暖を取る」「炭をおこして暖を取る」なんだろう。
魔法が当たり前の暮らしに慣れちゃってるから「不便だなあ」って思うけど、でもこれってば実は前世とかで当たり前の暮らしなんだよね。本来あるべき姿というか。

とりあえず、ゲイルの所にすぐに向かいたいのはやまやまなんだけれど、意識の無い人を勝手に連れて行くのはどうかと思うので、目を覚ますまで待ちましょう。

ガリガリお爺さんが起きた時のために、持ってきたお鍋にパン、ミルク、お砂糖、卵をイン。火魔法で一気に仕上げて、サフィちゃんのなんちゃってパン粥のできあがり!
これを食べたら身体も温まることでしょう。

ことことしていたら、いい匂いがあたりに漂いだした。プリンみたいな甘い香り。

ピクリ。お爺さんの鼻が動いた。
ピクピク。
そしてゆっくりと目をあけ………

「………主らは誰だ?」


「はい!不法侵入者です!お邪魔しております!」
「確かにそうだが、言い方!」




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