もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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東の国

レオンとまたしばしの別れ

俺のお尻もセイツーじゃないシャセーも大丈夫だと分かり、無事パニックが収まった俺。
丸まってしまったレオンに、一応聞いてみた。

一回しまったお尻をもう一度ペロンと出して、と。

「もっかいやる?」

首をかしげてエヘヘと照れ笑い。

するとレオンの顔から表情が消えた。
ギギギと音がしそうな感じで裸んぼ(足にパンツはひっかかってるけど)な俺を上から下まで眺め。

ボン!

真っ赤になってバタンキューとベッドに沈んでしまった。

「レ、レオ、レオンー!!レオンーーー!!」

「……サ、サフィ……君は……もう少し言動に気を付け……」

がくり。
ぎゃあああ!

「ヒール!ハイヒールっ!!」

ピッカーン!ビカビカーン!

「えっと、えっと、エリアヒール!!」

焦った俺は思いつく限りのヒール!
なんとなく疲れた感じだったレオンがピッカピカになった。

気を良くした俺はせっかくなので

「クリーン!」

なんかべたべたしてた俺もレオンもベッドもサラッサラになった。
うむ!素晴らしい!

………あれ?俺何してたんだっけ?

とりあえず苦悶の表情を浮かべていたレオンが安らかな顔になったのを確認。

「……ふわぁ……」

俺もなんだか眠くなってしまった。
だって東国から直行してそのまんまサンタして、にゅるりぐちょってしてたから。

大好きなレオンとふっかふかのお布団の誘惑に負けた俺は、レオンを起こすのをやめてシュパッとその横に滑り込んだ。
ぐいぐいとお布団を手繰り寄せ、そのままレオンの胸にもふっと頬を押し付ける。
おお。前よりもちょこっと筋にクッションがフカフカになっている気がする。
きっと密かに鍛えていたんだろう。
すうーっとレオンの匂いを胸いっぱいに吸い込む。
たまらぬ。ゲイルの匂いもいいけど、レオンの匂いも安心する。帰ってきたんだなあって感じ。

「……レオン、おやすみぃ……」

俺は欲望のままに夢の世界に旅立ったのだった。







翌朝。
目を覚ますと、ベッドの横でレオンが土下座していた。
俺の周りでのみ流行っているザ・DOGEZAスタイル。なんだか懐かしい。
俺とレオンの婚約のときに見たヤツである。

「えっと……これはなんのドゲザ?」

「……ごめん。ゲイルのことでサフィが大変だったのは分かっているのに。
東国で奮闘していたことも知っていたのに。
……それでも寂しくて、我慢できなかった。
タガが外れてしまった。……優しくできなくてごめん」

おおお?!戻ったときは無事だったのに、今闇落ちしてしまいそう!

「いやいやいや!問題なし!
えっと、そもそもゲイルの行方不明も俺が東国調べて来てってわがまま言ったせいだし。
向こうに行ったら忙しくって、ルーダに報告頼んだっきりでレオンだけ放置しちゃってたし!
……俺のほうこそ、ごめんね?
あと、ちょこっと怖かったけど、それはレオンじゃなくってなんかわけわかんないのが怖いだけだから!
ゆっくり説明してくれたら大丈夫だから!
それに……そのお……」

言いにくいし恥ずかしいけれど、レオンのために言っておく方がいいだろう。

「あの、気持ちよかったですし!!」

ババーン!と無意味に胸を張って宣言すれば、レオンの目がまあるくなった。

「…………気持ちよかった?」

「……うん。きもちーのはきもちーです」

ふは!とレオンが笑った。
カチンコチンに力が入っていた土下座スタイルを崩し、ほっと息をつく。

「よかった……!じゃあ、許してくれる?」

「そもそも怒ってないし」

ほら、来なさい!と男らしく腕を広げて見せれば、レオンが飛び込んで来た。

「あはは!いつもと逆~~!!」

「ふふふ!言われてみればそうだね。じゃあ……」

今度はレオンが腕を広げてくれたので遠慮なく飛び込む!
ぎゅうーっ!
これこれ!この包まれる感じが最高!

「……もう少し理性を鍛えておくね?」

「キースとミカミカが『レオンの理性はミスリル製だ。尊敬に値する』って言ってた。
もう鍛えなくても十分だと思う」

「サフィを前にするとね……厳しいかな。サフィも……もう少しその……可愛くしないでくれると……、いや、私は何を言っているんだろう。
はは、まだ冷静じゃないみたいだ。
ごめん、無理を言って。サフィが可愛いのは仕方ない。私が鍛えるしかないね」

自分で言って自分で納得している。
よくわからないけれど、励ましておこう。

「俺がカッコよくて可愛いのは仕方ないから。頑張ってねレオン!」






レオンとクリスマスを過ごした俺は、放置してきた東国にとんぼ返り。
一応レオンにざっくりとこれまでのことを説明し、これからの予定も説明しておく。

「じゃあ、公爵に東国との交易の交渉権を与えよう。宰相だし、そのままサフィと相談して交易を結んでもらって構わない。王国の不利になるようなことはしないだろう?
それに、サフィが居れば全てが丸く収まるだろうしね」

「いや、確かにそうすると話が早いけど!パパとお母様に確認しなくていいの?」

「サフィとゲイルが東国と交易を結んで問題ないと思ったのならば、大丈夫」

俺とゲイルへの信頼が重い。

「……一応予算だけ聞いておいていい?」

念のため。
だって許されたらミソとか醤油とか、もしかしてあるかもしれない小豆とか、爆買いしちゃいそうなんだもん。
俺が俺を信用してない。

「〇〇××くらいかな。それを超えた分は相談してくれれば個人予算から出してもいい」
「それがありなら、俺も!俺も出す!あのね、王家で商会とか作って東国のスパイスだけは王家直売にしてもいいかなって。その方が向こうも安心でしょう?
その代わり、それを使った料理を王国に広めるの。街の経済はそれで潤うでしょ」

頭の中でパチパチと弾けるようにアイディアが溢れて来る。

「ありがとう、レオン!俺、頑張るね!」

嬉しくなってレオンに飛びつけば、ハッとしたようにレオンが釘を刺してきた。

「まずは卒業と結婚もあることを忘れないで?交易を結ぶのはいいけど、サフィが色々始めるのは結婚式の後にしてね?」

そうだった!すっかり忘れてた!





※※※※※※※※


ご要望を頂いたので、15歳サフィちゃんのイラスト作ってみました♡
先頭にも載せておりますがこちらにも……




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