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公爵家についてお怒りの皆様。
様々なご意見、ありがとうございます。
許せない、許されてほしくない、というご意見がとても多いのですが、仰るとうりだろうな、とも思います。
公爵家に関しては、まだ語っていないことやうまく伝えられない作者の力不足が大きいこともあり、申し訳ない限りです。
公爵の側の事情は、虐待された側には関係ありません。どんな理由があれ、子供のネグレクトは虐待です。その結果、派生して起きた出来事も、全て公爵の管理不足が原因です。公爵がしっかり見ていれば防げる事でした。
★以下、ネタバレ含みます★★
公爵家については本文で語るのはまだ先になりそうですので、こちらで少し裏の設定を語りたいと思います。
虐待は連鎖します。
その連鎖に組み込まれているのが公爵です。
公爵は自身がネグレクトされ、虐待された子供でした。公爵には兄弟もなく、助けてくれる人もいませんでした。
まともな情緒が育つはずもなく、感情の伝え方も、人との関わり方もうまくできません。
でも、貴族教育だけは厳しく躾けられたので、対外的には優秀で仕事も出来ます。一見すれば、冷たいが有能な人物、それが公爵です。
公爵の父は貴族至上主義、権威至上主義です。「古き時代」の差別主義、権威主義の集大成のような人。
自分の権力とプライドを満たすことが全ての彼は、息子も「公爵家の為の道具」として「作り」ました。家柄、容姿などの「条件」から妻を「選び」計画的に子供を作りました。
ただ、計画通りにはいかず、子供は1人しかできませんでした。
それが公爵です。
公爵は「公爵家の為に尽くせ」と教えられ、幼い頃から剣や魔法、座学を詰め込みまれて育ちます。家族の団欒も、遊びも知りません。言われたスケジュール通りに寝て起きて食事をして勉強して、を繰り返して育ちました。
それが公爵の「普通」「当たり前」なんです。そういうふうに育てられたからです。
実際に気に食わない、思い通りにいかないと父には暴力も振るわれました。彼は感情を出さないことを学び、次第に感情のよく分からない子になっていきます。(ここで、誰にも暴力は振るわないと心に決めています)
虐待と貴族教育の結果、侯爵は感情の乏しい、冷血公爵と言われる大人に育ちました。
貴族学校でも、美しさや血筋をもてはやされ人気はありましたが、一見すると完璧人間のように見えたため「近寄りがたい」と遠巻きにされ、心を許せる友人はいませんでした。
そんな時、親善試合で怪我をして、ゲイルに治療されます。
ゲイルは相当な痛みだろうに全く顔色をかえず、愚痴も口にしない公爵に驚き、彼の不完全さに気づき、それからは気にかけるように。
そうこうするうち、父は趣味である狩猟の際に魔物と遭遇し、他界。元々父とは政略結婚で公爵を産んで「義務は果たした」とばかりに家に寄り付かなかった母は、宝石などを持ち逃げして間男と家を出ていきます。
公爵はたった一人残され20歳で公爵家の当主に。
両親には思い入れもなく、英才教育のお陰で当たり前のように公爵としてそつなく領地経営をこなし、淡々とこなす日々。
心配してゲイルが訪ねてきてくれたことから、僅かにゲイルに心を開き始める公爵。ゲイルを通じてエリアナと知り合い…いつも明るく暖かな人柄に触れ、強引に連れまわされて少しづつ感情が生まれます。
子供達が生まれてからは、彼が生まれて初めて味わう、穏やかで幸せな日々、
暗く陰惨な空気でいつもピリピリしていた公爵家に、笑顔があふれ、明るさがあふれていきます。
でも、初めて手にした幸せな日々はたった数年でした。
徐々に変わりつつあった公爵は、再び心を閉ざしてしまいます。
公爵は自分も好きではないし、自分を信じてもいません。そもそも自分に価値があると思ってもいない。だから「やること(仕事)さえしていればいいだろう」となってしまいました。
また、エリアナがいた頃はエリアナがフォローしてくれましたが、フォローがないため周りには公爵の意が間違って伝わってしまいます。
エリアナが亡くなった際、あまりの悲しみにゲイルをなじってしまったこと。
エリアナの生前、エリアナがサフィの魔力で弱っていくのを見るに見かねて「おろすように」説得しようとしたこと。
生まれたサフィが、たまたまエリアナが亡くなったタイミングで笑ったためリオネルが「サフィが殺したくせに!」と逆上し、それを公爵が咎めなかったこと。
母の侍女は「公爵はサフィラスがいらない」「サフィラスのせいでエリアナは死んだ」「サフィは公爵に憎まれている」という考えを、全ての元凶はサフィだとして、周りに吹き込みますが、前述のことがそれに信憑性を持たせてしまいます。
また、公爵家を明るく楽しく変えてくれたエリアナを、使用人たちはまるで「女神」のように慕い、崇拝していました。使用人にとって公爵家は息苦しく冷たい職場でしたが、エリアナによって雰囲気が劇的に変わり、待遇も良くなったからです。そのエリアナを失った理不尽な怒りの矛先を、元エリアナの侍女が巧みな誘導によりサフィに向けます。食事も侍女頭になった元母の侍女が意図的に情報を操作し、わざと使用人に「誰かが届けている」のだと思わせて最低限生きられる程度になるように調整していました。幼い子供に食事が与えられない時があったのは、そのためです。
その時間にちょうど使用人の交代が重なるようにし、それぞれに「もう食事は終わっている」のだと思いこませのです。
勿論、公爵がサフィに「サフィラスのせいだ」と言ったことはありません。むしろ、そんなことを言ってしまわうのではないかと、自分が信用できないからサフィに近寄れない。サフィを見たら自分の息子なのに「エリアナはサフィがいなければ生きていた」と思い憎んでしまうかもしれない自分が怖い。自分がどうなるかわからないから、サフィを見ない、無視するという「サフィから逃げる道」を選びました。
「(公爵家の息子として)最低限の世話をするように」指示したので、3男なので兄ズのように早期に貴族教育をする必要はないが、普通に目に入らないところで世話している、使用人がうまく世話をしているというつもりでした。
サフィは痩せていくのに、目を閉じて見ないようにしていたから気づかない。
公爵の「最低限の食事を与え、最低限の世話をするように」は平民のような生活をさしてはいません。
そもそも、彼は高位貴族の生活以外を知らない、悪い意味で貴族社会の申し子のような育てられ方をしています。それ以外の生活を知らないのです。本来ならば「嫡男のような贅沢は許されないが貴族として最低限の生活」におかれるはずだったサフィですが、ここで悪意ある第3者の介在が入ります。
母の侍女です。彼女は屋敷の女主人であるエリアナを女神のように慕い、崇拝する忠実な侍女でした。本来なら複数人作筈の侍女ですが、エリアナは1人だけつけていました。それがこの侍女です。彼女はエリアナに選ばれたことを誇りにし、そのうちエリアナに傾倒していきます。「エリアナ様の一番おそばにいるのは私」「エリアナ様は私を頼りにされている」「エリアナ様は私を一番信頼されている」ラブに近いある種ストーカーのような妄執です。
でも、はた目には主人に忠実で熱心な侍女に見えます。
彼女はエリアナを失ったことで、おかしくなっています。心の内で、主人を殺したのだとサフィを恨み、憎しみを募らせます。そして敢えて公爵の意図を曲解し、さも真実であるかのように使用人たちに伝え、使用人たちを誘導するのです。
こうしてサフィは使用人たちの思う「生きるのに最低限の生活」におかれてしまうのです。
部屋にしても、兄ズは特に父に話ませんでした。サフィについて触れないようにしていたからです。
そのため、父はサフィの部屋を知りません。ネグレクトでダメな父親ですが、サフィが倒れて初めて部屋をみて驚き、慌てて部屋を移動させた、というのがあの「部屋が変わっていた」になります。
家庭教師の暴力についても、知っていて容認していた、と発言しておりますが、
確かに簡潔にいえばそうなるのですが、正確には
「私も家庭教師には罰を与えられたりムチを打たれたりしていた。特に、短時間で教えなければならないのだから、当然罰やムチはあるだろうと理解していた。」
「しかし、公爵家の息子にあのような酷い暴力を振るうなど、有り得ない。ライオネルもリオネルもあの教師に教わっていたが、あそこまでされたことなどなかった。
サフィラスがあそこまでされたのは、私の責任だ。私がサフィラスを侮らせる原因となったからだ。私が、暴力を容認したからだ。そもそも最初から許すべきではなかったのだ。それに、サフィラスの様子をきちんと見て居れば、教師のムチが教育を逸脱したものだったと気付いたはずだ。すべて、知っていながら暴力を容認した私の責任だ。」
というのが、公爵の本当に言いたかった内容になります。
でも、公爵は説明なんてしません。「自分が暴力を知っていた」「それなのに容認した」というのが、公爵の思う事実だからです。
実際には公爵は「教育」の範囲のものを容認しただけ。でも、言い訳なので公爵はそれは言いません。
教師のサフィへの行いを知り、公爵はすぐに兵を向け捕らえて死刑にしようとしております。←これはゲイルが止めました。今は地下牢でゲイルが「教師を教育」中です。
以上が、公爵が閉じこもっている、悲観して、サフィを避けている間のことになります。
ゲイルはその目を「サフィ死んじゃうぞ」という恐怖で開かせました。 愛するエリアナの死により、公爵は自分の親の時は感じなかった「死の恐怖」を知りました。ゲイルの脅しでエリアナとサフィが繋がり、ガーン!と頭にパンチをされたような衝撃を受けます。
それまで公爵は自己肯定感はありませんでしたが、自分が悪だとも思わない「無」の人でした。初めて「何もしない事も罪」だと、自分が「悪」だったと気付き、幼い息子を傷つけていた罪をハッキリと自覚します。見ようとせず目をそらした結果、周りにサフィを侮らせ、どう扱ってもいいと思わせたのだと、自分の愚かさを痛感します。
サフィが倒れた後の発言は、自分の発言の結果サフィがそのような状況となっており、それを知り「サフィに起きたことの全ては自分のせいなのだ」という発言になります。
公爵は、とにかく言葉が足らない。自分が意図したことと、サフィのされてきたことが違おうと関係ないのです。
結果的に自分のせいでサフィが苦しんだことは事実なのですから。
サフィがほんとうに最低限の食事で栄養不良になり、粗末な部屋に置かれ世話もろくにされなかったのは、自分の発言のせい、自分が一度もサフィをみようとしなかったせい。
使用人たちに「公爵はサフィを虐げてよいと思っている」と思わせたせい。
公爵家を管理する立場である自分のせい。だから、憎まれても仕方ない。憎まれて当たり前だと思っています。
公爵はわざと露悪的な言い方をしています。
使用人たちのしたことも全て自分がしたことのように思っているんです。
大元は自分のせいなのだから、と。
「無」の人、愛を知らずに育ち、ようやく得た愛を再び失い引きこもった公爵ですが、そこからサフィちゃんへ償う為に必死で自ら考え、動き、学び変わっていく。
許されないが、それでも「少しでも償おうと努力する」不器用な、それまで大人になれなかった情緒が子供な人。それが公爵になります。
サフィちゃんも色々思うところはありますが、それをまだ言語化して上手く口に出せません。ずっとほとんど話さず育ったので「話をする筋肉」がまだ正常には鍛えられていません。今それをしているところなんです。
だから「まだ」言わない。10歳までは利用する、と割り切り、自分の精神的衛生のため、一旦おいておく。
無駄に組む時間がもったいない、俺は愛する方にパワーをむけるぞ、と意識的に公爵家に対してはフラットに。前世過去の試合に触れて「こうしよう」とイメージするのが大事、と言ったことがありますが、それを実践しています。
たまに「きいい」となり、イタズラしたり「げぼく」扱いして溜飲をさげております。
10歳の時には区切りとして全てぶっちゃけますので!お待ちくださいませ。
サフィちゃんは教師に痛めつけられ疲弊し、ゲイルの優しさにふれ「嬉しいからもういいかな」と消えかけましたが、俺くんが「行くな!」と止めたためギリギリ残りました。そして俺くんに融合されています。消えてはいませんのでご安心下さい。今は俺くんと毎日幸せにたのしくしております。
俺くんの言動の幼さはサフィちゃんの影響によるものです。俺くんも、元の俺くんとは変わっています。17歳俺くんとサフィちゃんと融合したのが、今のつよつよ甘えんぼサフィちゃんになります。
サフィちゃんは「幸せだからいいの」「ゲイルがいたらいい」と健気なポヤポヤさんで、公爵家への恨みはありません。恨みとかがよく分からないんです。でも俺くんは「サフィを辛い目に合わせたヤツ」という想いがあるので、下僕にしたりイタズラ(嫌がらせのつもり)を。許すつもりはありません。でも不幸は望まない。
こんな感じです。
サフィちゃんは虐待の連鎖を断ち切ります。
現実には難しいのでしょうが、恨みとか憎しみとかそういう全てをぶっとばして幸せに向かう、そんな強さをもった子だから皆から愛されていく。そういう話にしたいな、と。
作者力不足により、とにかく言葉も描写もたりておりません。基本的に「辛く苦しめられた過去もある。けど、そこに囚われず前にいこうぜ!」という「おとぎ話」です。そのため、あえて「ポジティブ」な描写をメインに。ザマァは、精神的な償いがメインになります。イライラを募らせる形となってしまい申し訳ない。。。。。
サクサク10歳まで進むつもりがサフィちゃんが「嬉しい!楽しい!好き!」とあまりに嬉しそうなので、「サフィとゲイルの日常」でなかなか進みません。
公爵家エピソードは先になりそうなので、ここで少しネタバレさせて頂きました。
様々なご意見、ありがとうございます。
許せない、許されてほしくない、というご意見がとても多いのですが、仰るとうりだろうな、とも思います。
公爵家に関しては、まだ語っていないことやうまく伝えられない作者の力不足が大きいこともあり、申し訳ない限りです。
公爵の側の事情は、虐待された側には関係ありません。どんな理由があれ、子供のネグレクトは虐待です。その結果、派生して起きた出来事も、全て公爵の管理不足が原因です。公爵がしっかり見ていれば防げる事でした。
★以下、ネタバレ含みます★★
公爵家については本文で語るのはまだ先になりそうですので、こちらで少し裏の設定を語りたいと思います。
虐待は連鎖します。
その連鎖に組み込まれているのが公爵です。
公爵は自身がネグレクトされ、虐待された子供でした。公爵には兄弟もなく、助けてくれる人もいませんでした。
まともな情緒が育つはずもなく、感情の伝え方も、人との関わり方もうまくできません。
でも、貴族教育だけは厳しく躾けられたので、対外的には優秀で仕事も出来ます。一見すれば、冷たいが有能な人物、それが公爵です。
公爵の父は貴族至上主義、権威至上主義です。「古き時代」の差別主義、権威主義の集大成のような人。
自分の権力とプライドを満たすことが全ての彼は、息子も「公爵家の為の道具」として「作り」ました。家柄、容姿などの「条件」から妻を「選び」計画的に子供を作りました。
ただ、計画通りにはいかず、子供は1人しかできませんでした。
それが公爵です。
公爵は「公爵家の為に尽くせ」と教えられ、幼い頃から剣や魔法、座学を詰め込みまれて育ちます。家族の団欒も、遊びも知りません。言われたスケジュール通りに寝て起きて食事をして勉強して、を繰り返して育ちました。
それが公爵の「普通」「当たり前」なんです。そういうふうに育てられたからです。
実際に気に食わない、思い通りにいかないと父には暴力も振るわれました。彼は感情を出さないことを学び、次第に感情のよく分からない子になっていきます。(ここで、誰にも暴力は振るわないと心に決めています)
虐待と貴族教育の結果、侯爵は感情の乏しい、冷血公爵と言われる大人に育ちました。
貴族学校でも、美しさや血筋をもてはやされ人気はありましたが、一見すると完璧人間のように見えたため「近寄りがたい」と遠巻きにされ、心を許せる友人はいませんでした。
そんな時、親善試合で怪我をして、ゲイルに治療されます。
ゲイルは相当な痛みだろうに全く顔色をかえず、愚痴も口にしない公爵に驚き、彼の不完全さに気づき、それからは気にかけるように。
そうこうするうち、父は趣味である狩猟の際に魔物と遭遇し、他界。元々父とは政略結婚で公爵を産んで「義務は果たした」とばかりに家に寄り付かなかった母は、宝石などを持ち逃げして間男と家を出ていきます。
公爵はたった一人残され20歳で公爵家の当主に。
両親には思い入れもなく、英才教育のお陰で当たり前のように公爵としてそつなく領地経営をこなし、淡々とこなす日々。
心配してゲイルが訪ねてきてくれたことから、僅かにゲイルに心を開き始める公爵。ゲイルを通じてエリアナと知り合い…いつも明るく暖かな人柄に触れ、強引に連れまわされて少しづつ感情が生まれます。
子供達が生まれてからは、彼が生まれて初めて味わう、穏やかで幸せな日々、
暗く陰惨な空気でいつもピリピリしていた公爵家に、笑顔があふれ、明るさがあふれていきます。
でも、初めて手にした幸せな日々はたった数年でした。
徐々に変わりつつあった公爵は、再び心を閉ざしてしまいます。
公爵は自分も好きではないし、自分を信じてもいません。そもそも自分に価値があると思ってもいない。だから「やること(仕事)さえしていればいいだろう」となってしまいました。
また、エリアナがいた頃はエリアナがフォローしてくれましたが、フォローがないため周りには公爵の意が間違って伝わってしまいます。
エリアナが亡くなった際、あまりの悲しみにゲイルをなじってしまったこと。
エリアナの生前、エリアナがサフィの魔力で弱っていくのを見るに見かねて「おろすように」説得しようとしたこと。
生まれたサフィが、たまたまエリアナが亡くなったタイミングで笑ったためリオネルが「サフィが殺したくせに!」と逆上し、それを公爵が咎めなかったこと。
母の侍女は「公爵はサフィラスがいらない」「サフィラスのせいでエリアナは死んだ」「サフィは公爵に憎まれている」という考えを、全ての元凶はサフィだとして、周りに吹き込みますが、前述のことがそれに信憑性を持たせてしまいます。
また、公爵家を明るく楽しく変えてくれたエリアナを、使用人たちはまるで「女神」のように慕い、崇拝していました。使用人にとって公爵家は息苦しく冷たい職場でしたが、エリアナによって雰囲気が劇的に変わり、待遇も良くなったからです。そのエリアナを失った理不尽な怒りの矛先を、元エリアナの侍女が巧みな誘導によりサフィに向けます。食事も侍女頭になった元母の侍女が意図的に情報を操作し、わざと使用人に「誰かが届けている」のだと思わせて最低限生きられる程度になるように調整していました。幼い子供に食事が与えられない時があったのは、そのためです。
その時間にちょうど使用人の交代が重なるようにし、それぞれに「もう食事は終わっている」のだと思いこませのです。
勿論、公爵がサフィに「サフィラスのせいだ」と言ったことはありません。むしろ、そんなことを言ってしまわうのではないかと、自分が信用できないからサフィに近寄れない。サフィを見たら自分の息子なのに「エリアナはサフィがいなければ生きていた」と思い憎んでしまうかもしれない自分が怖い。自分がどうなるかわからないから、サフィを見ない、無視するという「サフィから逃げる道」を選びました。
「(公爵家の息子として)最低限の世話をするように」指示したので、3男なので兄ズのように早期に貴族教育をする必要はないが、普通に目に入らないところで世話している、使用人がうまく世話をしているというつもりでした。
サフィは痩せていくのに、目を閉じて見ないようにしていたから気づかない。
公爵の「最低限の食事を与え、最低限の世話をするように」は平民のような生活をさしてはいません。
そもそも、彼は高位貴族の生活以外を知らない、悪い意味で貴族社会の申し子のような育てられ方をしています。それ以外の生活を知らないのです。本来ならば「嫡男のような贅沢は許されないが貴族として最低限の生活」におかれるはずだったサフィですが、ここで悪意ある第3者の介在が入ります。
母の侍女です。彼女は屋敷の女主人であるエリアナを女神のように慕い、崇拝する忠実な侍女でした。本来なら複数人作筈の侍女ですが、エリアナは1人だけつけていました。それがこの侍女です。彼女はエリアナに選ばれたことを誇りにし、そのうちエリアナに傾倒していきます。「エリアナ様の一番おそばにいるのは私」「エリアナ様は私を頼りにされている」「エリアナ様は私を一番信頼されている」ラブに近いある種ストーカーのような妄執です。
でも、はた目には主人に忠実で熱心な侍女に見えます。
彼女はエリアナを失ったことで、おかしくなっています。心の内で、主人を殺したのだとサフィを恨み、憎しみを募らせます。そして敢えて公爵の意図を曲解し、さも真実であるかのように使用人たちに伝え、使用人たちを誘導するのです。
こうしてサフィは使用人たちの思う「生きるのに最低限の生活」におかれてしまうのです。
部屋にしても、兄ズは特に父に話ませんでした。サフィについて触れないようにしていたからです。
そのため、父はサフィの部屋を知りません。ネグレクトでダメな父親ですが、サフィが倒れて初めて部屋をみて驚き、慌てて部屋を移動させた、というのがあの「部屋が変わっていた」になります。
家庭教師の暴力についても、知っていて容認していた、と発言しておりますが、
確かに簡潔にいえばそうなるのですが、正確には
「私も家庭教師には罰を与えられたりムチを打たれたりしていた。特に、短時間で教えなければならないのだから、当然罰やムチはあるだろうと理解していた。」
「しかし、公爵家の息子にあのような酷い暴力を振るうなど、有り得ない。ライオネルもリオネルもあの教師に教わっていたが、あそこまでされたことなどなかった。
サフィラスがあそこまでされたのは、私の責任だ。私がサフィラスを侮らせる原因となったからだ。私が、暴力を容認したからだ。そもそも最初から許すべきではなかったのだ。それに、サフィラスの様子をきちんと見て居れば、教師のムチが教育を逸脱したものだったと気付いたはずだ。すべて、知っていながら暴力を容認した私の責任だ。」
というのが、公爵の本当に言いたかった内容になります。
でも、公爵は説明なんてしません。「自分が暴力を知っていた」「それなのに容認した」というのが、公爵の思う事実だからです。
実際には公爵は「教育」の範囲のものを容認しただけ。でも、言い訳なので公爵はそれは言いません。
教師のサフィへの行いを知り、公爵はすぐに兵を向け捕らえて死刑にしようとしております。←これはゲイルが止めました。今は地下牢でゲイルが「教師を教育」中です。
以上が、公爵が閉じこもっている、悲観して、サフィを避けている間のことになります。
ゲイルはその目を「サフィ死んじゃうぞ」という恐怖で開かせました。 愛するエリアナの死により、公爵は自分の親の時は感じなかった「死の恐怖」を知りました。ゲイルの脅しでエリアナとサフィが繋がり、ガーン!と頭にパンチをされたような衝撃を受けます。
それまで公爵は自己肯定感はありませんでしたが、自分が悪だとも思わない「無」の人でした。初めて「何もしない事も罪」だと、自分が「悪」だったと気付き、幼い息子を傷つけていた罪をハッキリと自覚します。見ようとせず目をそらした結果、周りにサフィを侮らせ、どう扱ってもいいと思わせたのだと、自分の愚かさを痛感します。
サフィが倒れた後の発言は、自分の発言の結果サフィがそのような状況となっており、それを知り「サフィに起きたことの全ては自分のせいなのだ」という発言になります。
公爵は、とにかく言葉が足らない。自分が意図したことと、サフィのされてきたことが違おうと関係ないのです。
結果的に自分のせいでサフィが苦しんだことは事実なのですから。
サフィがほんとうに最低限の食事で栄養不良になり、粗末な部屋に置かれ世話もろくにされなかったのは、自分の発言のせい、自分が一度もサフィをみようとしなかったせい。
使用人たちに「公爵はサフィを虐げてよいと思っている」と思わせたせい。
公爵家を管理する立場である自分のせい。だから、憎まれても仕方ない。憎まれて当たり前だと思っています。
公爵はわざと露悪的な言い方をしています。
使用人たちのしたことも全て自分がしたことのように思っているんです。
大元は自分のせいなのだから、と。
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許されないが、それでも「少しでも償おうと努力する」不器用な、それまで大人になれなかった情緒が子供な人。それが公爵になります。
サフィちゃんも色々思うところはありますが、それをまだ言語化して上手く口に出せません。ずっとほとんど話さず育ったので「話をする筋肉」がまだ正常には鍛えられていません。今それをしているところなんです。
だから「まだ」言わない。10歳までは利用する、と割り切り、自分の精神的衛生のため、一旦おいておく。
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たまに「きいい」となり、イタズラしたり「げぼく」扱いして溜飲をさげております。
10歳の時には区切りとして全てぶっちゃけますので!お待ちくださいませ。
サフィちゃんは教師に痛めつけられ疲弊し、ゲイルの優しさにふれ「嬉しいからもういいかな」と消えかけましたが、俺くんが「行くな!」と止めたためギリギリ残りました。そして俺くんに融合されています。消えてはいませんのでご安心下さい。今は俺くんと毎日幸せにたのしくしております。
俺くんの言動の幼さはサフィちゃんの影響によるものです。俺くんも、元の俺くんとは変わっています。17歳俺くんとサフィちゃんと融合したのが、今のつよつよ甘えんぼサフィちゃんになります。
サフィちゃんは「幸せだからいいの」「ゲイルがいたらいい」と健気なポヤポヤさんで、公爵家への恨みはありません。恨みとかがよく分からないんです。でも俺くんは「サフィを辛い目に合わせたヤツ」という想いがあるので、下僕にしたりイタズラ(嫌がらせのつもり)を。許すつもりはありません。でも不幸は望まない。
こんな感じです。
サフィちゃんは虐待の連鎖を断ち切ります。
現実には難しいのでしょうが、恨みとか憎しみとかそういう全てをぶっとばして幸せに向かう、そんな強さをもった子だから皆から愛されていく。そういう話にしたいな、と。
作者力不足により、とにかく言葉も描写もたりておりません。基本的に「辛く苦しめられた過去もある。けど、そこに囚われず前にいこうぜ!」という「おとぎ話」です。そのため、あえて「ポジティブ」な描写をメインに。ザマァは、精神的な償いがメインになります。イライラを募らせる形となってしまい申し訳ない。。。。。
サクサク10歳まで進むつもりがサフィちゃんが「嬉しい!楽しい!好き!」とあまりに嬉しそうなので、「サフィとゲイルの日常」でなかなか進みません。
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ですが、本編終了後の話ですので、そちらの登場人物達の顔出しネタバレが有ります
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