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まさかまさかの新生活
俺の聖女、意外とホワイトだった
「サフィの魔力も聖なる力も、桁違いなだ。魂の力が非常に強い。
この世界では見たこともないような力を感じるのだが、何か心当たりはないか?」
ある!あるわ!
異世界の俺とサフィと2人分の魂が混じってるわ、俺!
2人分の魂がギュギュッと1つになっております!言えないけど!
「…ある」
「ふむ。それが何かは聞くまい。
繰り返すが、我が子が使命を果たす前に、すでに今代の浄化はなされた。
もう問題はない。
ゲイルもサフィも、自由に好きにするが良い」
俺は思わず拳を突き上げ叫んだ。
「わーい!やったあああ!
ぼく、ぼうけんしゃになるぞおおお!」
俺に教育されてきたみんなはなんとなく「おおお!」といいながら空気を読んで拍手!
よきよき。うんうん。
俺はにこにこしながら皆の声援に答える。
「サフィから浄化は伝播していく筈だが、やはり直接訪れる方が効率はよい。
世界から負の魔素自体を減らしてしまえば、魔王は生まれず、数代は持つだろう。
冒険者ならばちょうど良いと思うぞ」
おお!
「ぼく、ぼうけんしゃになるべくしてうまれた!」
「いや、聖女ではないのか?」
王様が突っ込んできたので、俺はチチチと指を振った。
「わかっていませんなあ。
ぼうけんしゃはたびにでるもの。
ぼく じょうかのぼうけんにでるの!」
「浄化って冒険なのかなあ?」
「ぼうけんついでにじょうか。よき」
「浄化がついでなのか…」
「ゲイルもいるし。ゲイルもびょーいんついでにじょうかすればよき」
とはいえ。
さすがに世界平和の為にとはいえ、世界中に旅するのは大変じゃね?
「でも、せかいじゅうは むり?
ゲイルにあえなくなるしおうちにかえれなくなる」
困ったなあ、どうしようかと首を捻ると、ルーダが爆弾発言。
「大丈夫だぞ?
我のいうところの世界とは、我の守護範囲。すなわちこの大陸だ。
他の国、いや世界はそれぞれの聖獣と聖女が守れば良い」
「んんん?」
「せかいって、このへんだけ?」
「??何かおかしなことを言うたか?」
「……ルーダ。聖女の家系ってのは、うちだけじゃねえのか?」
「ああ。大陸ごとにいるぞ。魔王の家系もな。
でなくば、遠方ほど負の魔素が溜まってしまうではないか。
それぞれの大陸で魔王が負を集め、それを聖女が浄化しておる。
それを見守るのは、それぞれの聖獣の仕事だ」
「まさかの、せいじゅうぶんぎょうせい⁈」
「「「「…………」」」」
当たり前のように言うルーダに、目が点。
聖獣の言う「世界」って、ちっさ!!
いや、デカいけど、スケールちっさ!!!
会社じゃん!聖獣が部下の神様カンパニーじゃん!
言われてみれば確かに「全世界を守れ!」って「どんなブラック企業⁈」って感じだもんね。
どうやら、そんなに気負わなくていいみたい。むしろ、もらえる能力考えたら超ホワイト企業じゃん!
この大陸くらいならおっけーよ!まかせて!
でも…魔王と聖女、思ってたより軽い。
なんか、ちょっとガッカリ感ある。
ゲイルも公爵家もそう思ったみたいで、なんとなあく顔を見合わせて苦笑。
「??何をガッカリしておる?
だから先程から『問題ない』『大丈夫』だというておるだろう?」
はあ。そういう「問題ない」「大丈夫」でしたか。
はい。納得です。
「先にもいうたが、聖女の家系にも良いことはある。
子を産むつもりがあるならば産めるのだぞ?」
もっと喜べ、と片目をつぶるルーダ。
何その「聖女特典」みたいな言い方!さっき聞いたし!また蒸し返すのやめて⁈元気づけようとしたのかもしれないけど、逆効果だからね⁈
「ルーダったら、おちゃめだなあ!
うむわけないじゃない!ぼくおとこのこですよ?
わるいじょーだん やめて?
あはははははは!!」
ゲイルと俺は乾いた笑みを漏らした。
マジでやめて⁈
だがそこで、何故か王様とお兄様が食いついた。
「もしや必要な時が来るかも知れませぬ。詳しく教えて頂くことはできますでしょうか?」
「そうですね。ぜひ聞かせてください」
いや、どんな必要が?
必要無いよね⁈
マジっぽい感じがこわい。
どん引きな俺に、お兄様が爽やかスマイル。
「サフィ。あくまでも『念のため』だからね?何があるかわからないだろう?」
いやいや。必要ないってば!
何があろーとママにはならぬ!それだけは確か!
プンスコな俺にお兄様がとどめをさした。
「ママになるかどうかはさておき、ママになる事が可能なら…例えばだけど、私と婚約だってできるかもしれないんだよ?そうすればずっと一緒にいられるよ?」
一緒にはいたいけど、ふつーに一緒にいたらいいでしょー⁈
聖女ってだけで豹変しすぎじゃない?
もしかして、俺より聖女がいいの⁈
そんなに聖なる力が欲しいですか!そうですか!
「このおたんこなすびー!!!
ぼくより せいじょがだいじかーー!!」
俺はもうカンカンに怒って、
「おにいさま、キライ!
もうこうしゃくけ たちいりきんし!
おとまりもきんし!
だっこもいらぬ!!」
とお兄様に言い渡したのだった。
「き…きらい…きらい…サフィが私を…きらい…」
お兄様は漫画のようにガクリと床に崩れ落ち、灰になった。目が死んでいる。
ゲイルが
「自業自得だな。発言には気をつけろ」
と珍しく冷たく吐き捨てた。
ゲイルもママだしね。他人事ではないのでしょう。
ビミョーな問題だもん。触れてはならぬのよ。
ところで。
俺はずっと気になってたことを聞いた。
「あのね、ルーダ。
ルーくんよこすの、おそすぎない?
ゲイルにあうまで、4ねんもぼく、ふぐーだった!しぬとこだった!
おわってからくるの、おそすぎ!」
「…すまぬ。この世界とは時の流れが違うてな…。ひと眠りしてからと思うたら…」
はああああ⁈
そんな理由⁈
俺は鬼の形相になった。
「ヒイ!」
ルーダの尻尾がぶわりとなって、股の間に挟み込まれる。
「ぼくとつながったんだよね?
…よびだしていいって、やくそくしたよね?
しょうらいドラゴンとかドラゴンとかたおしたりするつもりですので!よろしくたのむ!
いろんはみとめぬ!!」
「う、うむ!うむ、約束だ!誓おう!
だから、だからその顔はやめてくれ!」
俺は冒険者になったら、容赦なくルー親子をこき使おうと心に誓った。
にしても…
「かお、そんなにこわい?」
こくこく。
みんな無言で頷いた。
「いや…かわいいんだが…普段との落差が凄すぎてな?でも、かわいいぞ?」
ゲイルうううう!好きーーーっ!!!
この世界では見たこともないような力を感じるのだが、何か心当たりはないか?」
ある!あるわ!
異世界の俺とサフィと2人分の魂が混じってるわ、俺!
2人分の魂がギュギュッと1つになっております!言えないけど!
「…ある」
「ふむ。それが何かは聞くまい。
繰り返すが、我が子が使命を果たす前に、すでに今代の浄化はなされた。
もう問題はない。
ゲイルもサフィも、自由に好きにするが良い」
俺は思わず拳を突き上げ叫んだ。
「わーい!やったあああ!
ぼく、ぼうけんしゃになるぞおおお!」
俺に教育されてきたみんなはなんとなく「おおお!」といいながら空気を読んで拍手!
よきよき。うんうん。
俺はにこにこしながら皆の声援に答える。
「サフィから浄化は伝播していく筈だが、やはり直接訪れる方が効率はよい。
世界から負の魔素自体を減らしてしまえば、魔王は生まれず、数代は持つだろう。
冒険者ならばちょうど良いと思うぞ」
おお!
「ぼく、ぼうけんしゃになるべくしてうまれた!」
「いや、聖女ではないのか?」
王様が突っ込んできたので、俺はチチチと指を振った。
「わかっていませんなあ。
ぼうけんしゃはたびにでるもの。
ぼく じょうかのぼうけんにでるの!」
「浄化って冒険なのかなあ?」
「ぼうけんついでにじょうか。よき」
「浄化がついでなのか…」
「ゲイルもいるし。ゲイルもびょーいんついでにじょうかすればよき」
とはいえ。
さすがに世界平和の為にとはいえ、世界中に旅するのは大変じゃね?
「でも、せかいじゅうは むり?
ゲイルにあえなくなるしおうちにかえれなくなる」
困ったなあ、どうしようかと首を捻ると、ルーダが爆弾発言。
「大丈夫だぞ?
我のいうところの世界とは、我の守護範囲。すなわちこの大陸だ。
他の国、いや世界はそれぞれの聖獣と聖女が守れば良い」
「んんん?」
「せかいって、このへんだけ?」
「??何かおかしなことを言うたか?」
「……ルーダ。聖女の家系ってのは、うちだけじゃねえのか?」
「ああ。大陸ごとにいるぞ。魔王の家系もな。
でなくば、遠方ほど負の魔素が溜まってしまうではないか。
それぞれの大陸で魔王が負を集め、それを聖女が浄化しておる。
それを見守るのは、それぞれの聖獣の仕事だ」
「まさかの、せいじゅうぶんぎょうせい⁈」
「「「「…………」」」」
当たり前のように言うルーダに、目が点。
聖獣の言う「世界」って、ちっさ!!
いや、デカいけど、スケールちっさ!!!
会社じゃん!聖獣が部下の神様カンパニーじゃん!
言われてみれば確かに「全世界を守れ!」って「どんなブラック企業⁈」って感じだもんね。
どうやら、そんなに気負わなくていいみたい。むしろ、もらえる能力考えたら超ホワイト企業じゃん!
この大陸くらいならおっけーよ!まかせて!
でも…魔王と聖女、思ってたより軽い。
なんか、ちょっとガッカリ感ある。
ゲイルも公爵家もそう思ったみたいで、なんとなあく顔を見合わせて苦笑。
「??何をガッカリしておる?
だから先程から『問題ない』『大丈夫』だというておるだろう?」
はあ。そういう「問題ない」「大丈夫」でしたか。
はい。納得です。
「先にもいうたが、聖女の家系にも良いことはある。
子を産むつもりがあるならば産めるのだぞ?」
もっと喜べ、と片目をつぶるルーダ。
何その「聖女特典」みたいな言い方!さっき聞いたし!また蒸し返すのやめて⁈元気づけようとしたのかもしれないけど、逆効果だからね⁈
「ルーダったら、おちゃめだなあ!
うむわけないじゃない!ぼくおとこのこですよ?
わるいじょーだん やめて?
あはははははは!!」
ゲイルと俺は乾いた笑みを漏らした。
マジでやめて⁈
だがそこで、何故か王様とお兄様が食いついた。
「もしや必要な時が来るかも知れませぬ。詳しく教えて頂くことはできますでしょうか?」
「そうですね。ぜひ聞かせてください」
いや、どんな必要が?
必要無いよね⁈
マジっぽい感じがこわい。
どん引きな俺に、お兄様が爽やかスマイル。
「サフィ。あくまでも『念のため』だからね?何があるかわからないだろう?」
いやいや。必要ないってば!
何があろーとママにはならぬ!それだけは確か!
プンスコな俺にお兄様がとどめをさした。
「ママになるかどうかはさておき、ママになる事が可能なら…例えばだけど、私と婚約だってできるかもしれないんだよ?そうすればずっと一緒にいられるよ?」
一緒にはいたいけど、ふつーに一緒にいたらいいでしょー⁈
聖女ってだけで豹変しすぎじゃない?
もしかして、俺より聖女がいいの⁈
そんなに聖なる力が欲しいですか!そうですか!
「このおたんこなすびー!!!
ぼくより せいじょがだいじかーー!!」
俺はもうカンカンに怒って、
「おにいさま、キライ!
もうこうしゃくけ たちいりきんし!
おとまりもきんし!
だっこもいらぬ!!」
とお兄様に言い渡したのだった。
「き…きらい…きらい…サフィが私を…きらい…」
お兄様は漫画のようにガクリと床に崩れ落ち、灰になった。目が死んでいる。
ゲイルが
「自業自得だな。発言には気をつけろ」
と珍しく冷たく吐き捨てた。
ゲイルもママだしね。他人事ではないのでしょう。
ビミョーな問題だもん。触れてはならぬのよ。
ところで。
俺はずっと気になってたことを聞いた。
「あのね、ルーダ。
ルーくんよこすの、おそすぎない?
ゲイルにあうまで、4ねんもぼく、ふぐーだった!しぬとこだった!
おわってからくるの、おそすぎ!」
「…すまぬ。この世界とは時の流れが違うてな…。ひと眠りしてからと思うたら…」
はああああ⁈
そんな理由⁈
俺は鬼の形相になった。
「ヒイ!」
ルーダの尻尾がぶわりとなって、股の間に挟み込まれる。
「ぼくとつながったんだよね?
…よびだしていいって、やくそくしたよね?
しょうらいドラゴンとかドラゴンとかたおしたりするつもりですので!よろしくたのむ!
いろんはみとめぬ!!」
「う、うむ!うむ、約束だ!誓おう!
だから、だからその顔はやめてくれ!」
俺は冒険者になったら、容赦なくルー親子をこき使おうと心に誓った。
にしても…
「かお、そんなにこわい?」
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みんな無言で頷いた。
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