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俺、またしてもお披露目会?!
俺、いったん休憩ですってよ!
しばらくして、お兄様が落ち着いたタイミングで、ゲイルやら公爵やら王様たちやらがぞろぞろと入ってきた。
これ、ぜったいに入るタイミング見計らってたやつー!!
お兄様もおんなじことを感じたようで、ちょっと顔を赤くして複雑そう。
ゲイルや王様&王妃様はニヤニヤ。
公爵たちはどこか気の毒そうな表情。
お兄様、気にしなくて大丈夫よ!
みんな通る道だもの!
ゲイルだって泣いてたし!
俺はポンポンとお兄様の肩を叩いてなぐさめた。
王様がお兄様に生ぬるーい視線を送っている。
俺は無言のまま王様を「じとーっ」と見返す。
やめたげてっ!いたたまれないきもち、大人なら分かるでしょお!
王様だって経験あるでしょ!
え?あるからこそそんな顔になるんだ、って?
ええー、なにそれ。
王様と目と口パクで語り合っている俺にゲイルが首をかしげる。
「なにやってんだ、サフィ?」
そしてその大きな手で俺の顎を掴み、俺の目を覗き込んだ。
「サフィ、具合はどうだ?落ち着いたか?」
目を合わせたまま顎を左右に動かされる。
何してるの?
「ん。めまいはなさそうだな。視点も安定してる」
おお!お医者さんっぽい!
感心する俺に「うんうん」と満足そうにうなずき、今度は手を取られた。
俺の手を両手で包み、何やら…念を込めてる?
「あ!ぱちん、てした!」
痛くはないんだけど!
なんとなあく、ぱちん、みたいな変な感じがした!
初めての感覚。なんだろ、これ?
「お!魔力がはじかれた!
魔力も徐々に戻ってきているみたいだな。もう俺の魔力を超えた。
これなら安心だ」
ゲイルの言葉に、ふ、と部屋の空気が緩んだのが分かった。
みんなゲイルの診断があるまで、緊張してたみたい。
ご心配をおかけして申し訳ない!
安心だ、とゲイルが言った途端、俺はわっとみんなに囲まれた。
「良かったよお!僕たちが帰ったあと倒れたって聞いて心配したんだからね!
また……また…ああなっちゃうのかって……うえええええん!!
よかったああああ!!」
リオが俺に抱き着いてわんわん泣き出した。
俺が死にかけたの思い出しちゃったみたい。
俺はわんわん泣くリオの巻き毛を指で整えてやる。
もう!ぼっさぼさだよ、リオったら!
もう8歳なのに!
「まりょくつかいすぎたみたい。ゲイルがくれた。もう、だいじょうぶ!」
「……あまり…心配させないでくれ……」
「待機と言われ様子も分からず…。ゲイルを信じていなかった訳ではないのだが…。本当に…無事で良かった……!」
ライオネルの目にも涙が浮かんでいた。
その後ろの公爵の目にも。
王様がなんかすっごおくデカい何かを「お見舞いだ」といって渡してくれた。
?!これ!でっかい狼のぬいぐるみじゃん!
え?ルーダに似てない?!
「少しでも慰めになればと、『大きな白い狼のぬいぐるみをつくれ』と大急ぎで作らせたのだ。
枕元に置いて眠るがよい。よく眠れるだろう?」
ま…まくらもとに…入る…かな?
うん。背もたれにしたらちょうどよい感じ。
まるでルーダのお腹にもたれてるみたい。
「ぐう!」
あちこちから声が上がる。
あれ?みんなどうした?
「グハッ」だとか「無理ぃ」だとかいいながら口元や胸を押さえて悶えている。
また発作か。
この世界の大人って、良くこういう発作を起こすんだよ。
俺はこういうの慣れてるから、スルー。
みんながどっかから戻るまで、背中の安定感を堪能する。
するといち早く立ち直った王妃様が、なぜだか照れてれしながら背中に隠していたものをくれた。
なんだろう?
あれ?これって……!!
「!ルーくん!ルーくんだ!」
ちょうど豆しばサイズの白い狼のぬいぐるみ。
「うふふ。これは持ち歩きようにね?どうかしら。気に入って貰えた?」
「うん!きにいりました!かわいい!もっふもふ!かわいい!」
ぎゅむっと抱きしめてすりすり。
高級な素材を使用しておりまするな!肌触りも最高!
余りの気持ちよさに「ほう…」って息が漏れちゃう。
そしたら…
「ああん!可愛いわあ!可愛いわあ!用意させた甲斐があったわあああ!」
蘇った王妃様がまた旅だってしまいました。
お兄様はもう涙くんとバイバイして元気になったよね?
あなたのお母様ですよ?止めなくて大丈夫?
お兄様を探してみたら……
「ち!!ちーーー!!!」
どどど、どうした?!
口元を抑えている指の間からぼたぼたと……
マリーの場合は鼻血だからもんだいないけど、お兄様がそんなわけない!
これは…
「とけつ?!とけつーーー!!!ゲイル、ゲイルっ!!
おにいさま、とけつーー!!!はやくみて!みて!!
しんじゃうよおおお!!!!」
大慌てで呼んでるのに、みんな悠長!
「ああ。大丈夫?」とか「ほら、ハンカチ」だとか言ってる!
そんな場合じゃないでしょ?!
吐血だよ!大事件だよ!!
もーーーーっ!
「ないぞう きずついてるかも!ヒールして!ヒール!
あ、ぼく!
そうだ、ぼくがすればいいんだ!
ヒール!!!!」
ビッカーン!!
「サフィイイイイイイ!?!」
「…おに…さま…ちー、とまった…?
ないぞー…いたく…ない…?」
「い、痛くない!なんともないからね、サフィ!!」
「よかったあ…」
にこ。
ぱたん。
俺はせっかく回復してきた魔力を、大慌てで全開放出!
またしてもベッドのお世話になったのでした…。
でもいいの。お兄様を助けれたから。俺は満足!
後で分かったんだけど、お兄様の血は鼻血だった。
まさかの、あのマリーと同じ、鼻血!!!
嘘でしょ?!お兄様が?!
俺が寝ている横でお兄様はみんなからものすんごおく怒られたみたい。
でも、きっと俺の看病とかして疲れてたんだと思う。
はやとちりして、ごめんね、お兄様。
これ、ぜったいに入るタイミング見計らってたやつー!!
お兄様もおんなじことを感じたようで、ちょっと顔を赤くして複雑そう。
ゲイルや王様&王妃様はニヤニヤ。
公爵たちはどこか気の毒そうな表情。
お兄様、気にしなくて大丈夫よ!
みんな通る道だもの!
ゲイルだって泣いてたし!
俺はポンポンとお兄様の肩を叩いてなぐさめた。
王様がお兄様に生ぬるーい視線を送っている。
俺は無言のまま王様を「じとーっ」と見返す。
やめたげてっ!いたたまれないきもち、大人なら分かるでしょお!
王様だって経験あるでしょ!
え?あるからこそそんな顔になるんだ、って?
ええー、なにそれ。
王様と目と口パクで語り合っている俺にゲイルが首をかしげる。
「なにやってんだ、サフィ?」
そしてその大きな手で俺の顎を掴み、俺の目を覗き込んだ。
「サフィ、具合はどうだ?落ち着いたか?」
目を合わせたまま顎を左右に動かされる。
何してるの?
「ん。めまいはなさそうだな。視点も安定してる」
おお!お医者さんっぽい!
感心する俺に「うんうん」と満足そうにうなずき、今度は手を取られた。
俺の手を両手で包み、何やら…念を込めてる?
「あ!ぱちん、てした!」
痛くはないんだけど!
なんとなあく、ぱちん、みたいな変な感じがした!
初めての感覚。なんだろ、これ?
「お!魔力がはじかれた!
魔力も徐々に戻ってきているみたいだな。もう俺の魔力を超えた。
これなら安心だ」
ゲイルの言葉に、ふ、と部屋の空気が緩んだのが分かった。
みんなゲイルの診断があるまで、緊張してたみたい。
ご心配をおかけして申し訳ない!
安心だ、とゲイルが言った途端、俺はわっとみんなに囲まれた。
「良かったよお!僕たちが帰ったあと倒れたって聞いて心配したんだからね!
また……また…ああなっちゃうのかって……うえええええん!!
よかったああああ!!」
リオが俺に抱き着いてわんわん泣き出した。
俺が死にかけたの思い出しちゃったみたい。
俺はわんわん泣くリオの巻き毛を指で整えてやる。
もう!ぼっさぼさだよ、リオったら!
もう8歳なのに!
「まりょくつかいすぎたみたい。ゲイルがくれた。もう、だいじょうぶ!」
「……あまり…心配させないでくれ……」
「待機と言われ様子も分からず…。ゲイルを信じていなかった訳ではないのだが…。本当に…無事で良かった……!」
ライオネルの目にも涙が浮かんでいた。
その後ろの公爵の目にも。
王様がなんかすっごおくデカい何かを「お見舞いだ」といって渡してくれた。
?!これ!でっかい狼のぬいぐるみじゃん!
え?ルーダに似てない?!
「少しでも慰めになればと、『大きな白い狼のぬいぐるみをつくれ』と大急ぎで作らせたのだ。
枕元に置いて眠るがよい。よく眠れるだろう?」
ま…まくらもとに…入る…かな?
うん。背もたれにしたらちょうどよい感じ。
まるでルーダのお腹にもたれてるみたい。
「ぐう!」
あちこちから声が上がる。
あれ?みんなどうした?
「グハッ」だとか「無理ぃ」だとかいいながら口元や胸を押さえて悶えている。
また発作か。
この世界の大人って、良くこういう発作を起こすんだよ。
俺はこういうの慣れてるから、スルー。
みんながどっかから戻るまで、背中の安定感を堪能する。
するといち早く立ち直った王妃様が、なぜだか照れてれしながら背中に隠していたものをくれた。
なんだろう?
あれ?これって……!!
「!ルーくん!ルーくんだ!」
ちょうど豆しばサイズの白い狼のぬいぐるみ。
「うふふ。これは持ち歩きようにね?どうかしら。気に入って貰えた?」
「うん!きにいりました!かわいい!もっふもふ!かわいい!」
ぎゅむっと抱きしめてすりすり。
高級な素材を使用しておりまするな!肌触りも最高!
余りの気持ちよさに「ほう…」って息が漏れちゃう。
そしたら…
「ああん!可愛いわあ!可愛いわあ!用意させた甲斐があったわあああ!」
蘇った王妃様がまた旅だってしまいました。
お兄様はもう涙くんとバイバイして元気になったよね?
あなたのお母様ですよ?止めなくて大丈夫?
お兄様を探してみたら……
「ち!!ちーーー!!!」
どどど、どうした?!
口元を抑えている指の間からぼたぼたと……
マリーの場合は鼻血だからもんだいないけど、お兄様がそんなわけない!
これは…
「とけつ?!とけつーーー!!!ゲイル、ゲイルっ!!
おにいさま、とけつーー!!!はやくみて!みて!!
しんじゃうよおおお!!!!」
大慌てで呼んでるのに、みんな悠長!
「ああ。大丈夫?」とか「ほら、ハンカチ」だとか言ってる!
そんな場合じゃないでしょ?!
吐血だよ!大事件だよ!!
もーーーーっ!
「ないぞう きずついてるかも!ヒールして!ヒール!
あ、ぼく!
そうだ、ぼくがすればいいんだ!
ヒール!!!!」
ビッカーン!!
「サフィイイイイイイ!?!」
「…おに…さま…ちー、とまった…?
ないぞー…いたく…ない…?」
「い、痛くない!なんともないからね、サフィ!!」
「よかったあ…」
にこ。
ぱたん。
俺はせっかく回復してきた魔力を、大慌てで全開放出!
またしてもベッドのお世話になったのでした…。
でもいいの。お兄様を助けれたから。俺は満足!
後で分かったんだけど、お兄様の血は鼻血だった。
まさかの、あのマリーと同じ、鼻血!!!
嘘でしょ?!お兄様が?!
俺が寝ている横でお兄様はみんなからものすんごおく怒られたみたい。
でも、きっと俺の看病とかして疲れてたんだと思う。
はやとちりして、ごめんね、お兄様。
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