もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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俺、自由だー!

俺、お買い物を満喫する

お腹もいっぱいになり満足した俺は、今回のお出かけの目的である「お土産選び!!」。
感謝の気持ちを伝えたいツートップが同行してしまったので、2人の分はなんとか2人の目をかいくぐりゲットせねばならない。なかなか困難なミッションとなっている。
うーん。どうしようか…。
まず、ある程度みんなのお土産をゲットし、ゲイルとお兄様へのプレゼントの目星をつけて。そこから定番である「お花摘み(おしっこ)行ってくる」大作戦!これがよかろう。うむ!我ながら完璧な作戦である!はっはっは!

突然張り切り出した俺に、ゲイルが何か気付いたようだ。
さすがゲイル!勘がさえておる。

「…サフィ。ろくでもないこと考えるなよ?」

予め釘をさすゲイルに、俺はいい笑顔で元気よくお返事をした。

「うん!あったりまえ!」

だって、2人へのプレゼントはろくでもないことなんかじゃないもんね!
ゲイルはまだ少し不審そうだったが、俺の目に曇りが無いのを確認するとようやく納得。

「私がしっかりと手を繋いでいよう」

さりげなーくお兄様が俺を捕獲。
2人の俺への信用のなさときたら!俺が迷子になるって決めつけてる!
でも大丈夫。「ちょっとここで待ってて」して、お花摘みのふりでささーっと買ってしれっと戻るつもりだから!
気付かれないうちに任務遂行するつもりですのでね!



さて。どこに行こう。
さすが王都なだけあって、あちこちに面白そうなものが沢山!

ここで簡単に城下の様子を説明しておきましょう!
今俺たちはちょうど中央の噴水広場にいる。そこをまっすぐ進むと王城になる。けっこう距離はあるけどね。
でもって城下はぐるりと塀に囲まれていて、入り口ではしっかりと検問をおこなっております。
そこを入るとまずは冒険者ギルドや、宿屋や武器や、食べ物やさんがずらーり。
冒険者ギルドに関しては、冒険者はどうしても依頼のために出たり入ったりが多くなるから、町の出入り口にあることが多い。武器や、宿屋も同じ意味合い。
あと、たぶんだけど、街の入り口の守りを固めるっていう意味合いもあると思う。
食べ物やさんが入り口に多いのは、冒険者の食事と、旅をしてきてお腹を空かせたひとや少し疲れたひとがすぐに一服できるようにだろう。

でもって、その辺を超えるといわゆる下町ゾーン。
ここは商人さんとか、お店屋さんとか、色々な人たちが住み、店を開いているところ。
八百屋さん、果物やさん、パン屋さん、雑貨屋さん、魔道具やさん、仕立て屋さんなどなど。小さくて雑多な店が軒を連ねている。
主に下町の人の日常のお買い物用って感じみたい。

そして中央。ここが噴水広場。
噴水をかこうようにベンチがあちこちに配置されていて、ちょっとした憩いの場。
馬車の待機場所にもなっていて、観光客たちはここを利用することが多い。
ここには色々な出店のテントがずらーり。さっきのお好み焼き風みたいな飲食屋台が多い。テイクアウトして噴水周りで食べるっていうのが定番みたい。みると、俺たちみたいな観光客やデートとかの人が多い感じ。
観光客狙いなのか、ちょっとしたお土産用の手作り小物、プレゼント用の花束とかもある。

底を通り抜け、王城に近いゾーン。ここからはちょっとハイソな高級ゾーン。
貴族用のおしゃんてぃなカフェだとか、ちょっとお高い贈答用のお菓子だとか、ドレスや宝飾品とかのお店。
雑貨屋というのが申し訳ないような高級雑貨店もある。
貴族が「城下に行こう」というと、このゾーンを指すらしい。確かに、さっきまでの平民ゾーンと比べてドレスだとか高級馬車だとかが多い。
貴族が店の前に馬車を乗り付けるので、道幅は広めになっている。馬車で走りやすいようにという配慮か、下は石畳になっており、全体的に綺麗。

ゲイルとお兄様に行きつけの店を聞いたら、ゲイルが「ああ、あっちにあるぞ」と平民ゾーンのパン屋を指さし、お兄様が「あそこに見えるカフェだよ」とおしゃんてぃカフェを手で示した。
うん。どっちも、らしいね。


今回のお土産は下町ゾーンで買う予定。
だって、俺はまだ子供。それなのに「貴族用の超高級品をプレゼント」なんて俺の感覚だとちょっと違う気がするのです。身の丈っていうか…。俺の気持ちを表すのには、素朴で心のこもったものがふさわしいと思うので。
王様だって高位貴族のおっちゃんたちだって、高級品は見慣れてるし自分でいくらでも買えるでしょ。
だったらいっそ、自分では買わなさそうなもののほうが喜んでくれるんじゃない?
余った予算は全部パンとかにして孤児院とかに持っていくつもり。子供のお友達を沢山つくるのだ!


なので。

「サフィ。どこに行きたい?」

というゲイルに、俺は満面の笑みで

「下町のほう!」

と答えたのでした!
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