もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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俺、自由だー!

俺、大ピーンチ!冒険者に囲まれる!

ここまでで、俺のお買い物はものすごいことに。
まずは、お好み焼き風やさん。
その後は、かばん屋さんでポーチなどを買って、ジャンとお友達に。
次に雑貨屋さんでハンカチ爆買いと内緒のリボンと手袋を購入。
パンケーキ屋さんでお茶をして、ネイトとカイルとお友達になって。
それでもって、武器屋さんで爆買いし、ドイルと仲良しに。

え?ものすごい充実っぷりじゃない?
俺の初めてのお出かけ、大成功どころか、大大成功だよ!
そして残りのご予算は…270ギル(27000円)!
あとは魔塔のみんな、守り隊のみんな、公爵家の使用人さん、王家使用人さん用のお菓子の詰め合わせ!
それぞれ大体5000円くらいの予定!

確認のつもりでゲイルとお兄様に相談。
2人とも目をパチパチさせて絶賛してくれた。

「予算の組み方、完璧だ!エリアスにそこまで教わってたか?俺の息子、天才か?!」
「凄いねサフィ!初めてのお買い物でここまで計画的にお買い物できる子はいないよ!」

やだなあもう!そんなに褒めないでよう〰。てれてれ。
お家に帰るまでが遠足だから。
まだ買い忘れとかあるかもしれませんし!もじもじ。

思った以上に褒められちゃった。はずかしっ!
なんかいたたまれずくねくねわきわきしてたらば、なぜか保護者達が気まずそうに眼をそらした。

「……サフィ、それ他所でやるなよ?」
「うん。ちょっと誘拐されかねない」

誘拐ですって?!
でも、俺の聖女とか云々かんぬんは貴族の一部しか知らないはずでしょ。大丈夫だよー心配症だなあもう!

「いや、普通に可愛すぎるからな!」
「うん。そういう趣味の人もそうでない人も危ないからね?」

あ。お口にでてましたか。

「ああ。出てるぞ」

いやん。





お昼寝して最高額の爆買いしてテンションMAXの俺。
張り切って「貴族向けでない」「安くて美味しいもの」を求め、探検だー!
おー!!

ゲイルオススメの下町ツアーもいいけれど。
ここはやはり地元の皆さんの方が詳しいのではないでしょうか?

おれはキョロキョロとあたりを見回し、いい感じの人、つまりちょっとチャラそう(よくプレゼントとかしてそう)なこ綺麗な冒険者を見つけた。多分20代くらいの金髪君。

「あのね、じもとの人にしつもんしてくる。まってて!」
「サ、サフィ?!」

俺は2人に言い残すと、たかたかたっと冒険者さんに駆け寄ってお袖を引いた。

「たのもー!!!」

俺に袖をひかれた金髪冒険者さんはビクッとして振り返り、俺を見つけて目を丸くした。
それでもわざわざしゃがんで俺に目線を合わせてくれる。
茶色の目が困惑しながら俺を見つめた。

「え?俺?俺を呼んだのかな?
どうした?迷子…」

聞きながら、俺の後ろで心配そうに見守りする保護者を見つけたらしく、苦笑する冒険者さん。

「…じゃあないみたいだな。何か用か?」

あ、意外と真面目っぽい。見た目でチャラ男って決めつけてゴメン!
それと思ったより若かった。17歳くらい?

「あのね、オレはサフィ。もうすぐ6さいです!
10さいで冒険者になるよていなので!よろしくおねがいします!」
「サフィちゃんだな?俺はキース。16歳。冒険者だ。よろしくな!」

にこにこ。あくしゅあくしゅ。
優しい冒険者さんだ!

「やすくておいしいおかしを買いたいのですが、いいお店を知りませんか?みんなにおみやげなの。
おいしいのは、じもとの人がよく知ってるはずなので!」

「お菓子?お菓子の店が知りたいのか?」

チャラくなかったキースはあんまり詳しくないみたいで、顎に手を当て「うーん」と悩み出した。

「あ、あの!あの!知らなかったらむりしなくてよきですので!」

申し訳ない、と頭を下げる俺。無茶ぶりしちゃってすまんかった!
ところがキースはいい奴だった。

「大丈夫!ちょっと待ってろ?」

と俺の頭をぽん、ぽん。目をくしゃっとさせてイタズラっぽい笑みを見せたと思ったら、いきなり声を張り上げたのだ。

「おーい!安くて美味いオススメの菓子屋、教えてくれ!」

大きな声にわらわらわら、と集まってくる冒険者たち。

「どうしたー?なんで菓子屋なんだ?」

「この子が、おみやげを買いたいっていうからさ。いい店シラネ?」

この子、と言ったとたんに一斉に視線が俺に集中!全集中の呼吸ではなく目線!
うひゃああああ!や、やめてええええ!!

「お!かわいいのがいるなあ!」
「どれどれ!見せてみろ」

ほおおら囲まれた!こうなると思った!
みんなデカい!しかもマッチョ!
こんな人数に囲まれると、なんか怖いっ!

俺はキースの足にひしっとしがみついた。

「あら!可愛いおちびちゃんねえ!ひとり?ママは?」

ママ?
あっち!とゲイルを指差す俺。
あ、間違えた。ママになる筈だったけどママじゃない。お父様です!

指さされたゲイルを見てみんな爆笑!

「えらくイケメンなママじゃねえか!」
「なんだ!ゲイルじゃねーか!このかわいいのは息子か?」

オッサン冒険者がゲラゲラ笑う。どうやら知り合いもいたみたい。
1人の冒険者がニヤニヤしながらゲイルを揶揄った。

「ゲイル、あんた遂にケツ掘られちまったのか!パパはだれだー?」

輪の外から負けじとゲイルが言い返す。

「うるせえ!ママじゃねえ!俺がパパだ!
あと、俺のケツは無事だ!掘られてねえわ!
お前ら、うちのかわいい息子を怯えさせんなよ!箱入りなんだ、大事に扱え!」

冒険者とゲイルのやり取りを聞いて、キースが慌てて俺の耳を塞いだ。

「あああ!サフィは聞くな!
おいアンタら言葉に気をつけろ!子供の耳が腐っちまうだろうが!」

だがもう遅い。
俺は何やらカッコいい冒険者語みたいなのを、バッチリしっかりと聞いたのだ!
よーし!早速使ってみよう!
俺は首を傾げてゲイルに聞いた。

「ゲイルのケツ、ぶじ?ほれた?いたい?」

ゲイルが「あちゃー!」と頭の手を当て、冒険者のお口がぱかんと開く。

とたん。

ブワァッ!!

ものすごい圧がお兄様から発せられた。

「みなさん、子供の教育に悪いので、言葉に気をつけて下さいね?品のない言葉を口にしないように。サフィはすぐに言葉を覚えてしまいますから」

冷気1000%、氷点下の声音。
ヒイイ!こ、こわ!こわああああ!!魔王が降臨なされた!!
これ、いうこと聞くor サツるヤツ!YES以外の返事はダメなヤツ!

荒くれっぽい冒険者たちまで一瞬で静かになり、無言でひたすら頭の上下運動。
こくん、こくん、こくん、こくん。

「つい乗せられちまった!すまん!」

そんな中で、ゲイルだけは謝ってはいるが通常仕様。心臓に毛でも生えてるの⁈

思わず俺をギュッてしたせいで余計にお兄様の怒気を浴びるハメになったキースが、震える声で呟いた。

「……サフィのお兄さん、怖すぎねえ?
あとパパさん、メンタルつよすぎ」

オレの保護者たちがもーしわけない!!












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