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俺、自由だー!
俺、お菓子のプレゼンを聞く
そんなわけで、お菓子を求めて飛び出して行った「第一回冒険者オススメの手土産選手権」参加メンバーが戻ったときには、俺は冒険者仕様サフィちゃんになっていた。
肩当て、肘あて、胸当て、アームアーマーにレッグアーマー。腰には小さな剣まで下げていたのである。
「おーい!戻ったぞーーー!!」
ハアハア言いながら戻ったおいちゃん。
「あれ?ゲイル、ちびっこは?」
俺を探してキョロキョロキョロ。
「はい!ここでーす!」
はいはい!と手をあげておいちゃんと目が合ったはずなのに。
おいちゃんは俺から目をそらして、あっちこっちにうろうろ。
「あれええ?おっかしいなあああ?あのかわいいゲイルの息子くんはどこだああ?
みあたらないぞおおお?」
「ここ!ここ!ここですよーーーっ!」
俺はピョンピョン飛んでアピールした。
「ま、まさか!お前がちびっこ?ええ?!冒険者かと思ったぞ!
いやあ、見違えたぜ!すっかり冒険者じゃねーか!」
大袈裟に驚くおっちゃん。
ええ?そ、そうかなあ?やっぱりそう思う?えへへへへ。
どうやら、俺はすっかり冒険者に溶け込んでいたようだ。
俺はてれてれしながら、おいちゃんに教えてあげた。
「あのね。みんなが新人にくれるでんとうのやつ。いろいろくれたの!カッコいいでしょ!
オレも冒険者!」
えっへん、と胸を張る。
「すっげえピッタリじゃないか、チビ。
もういつでも冒険者になれるぞ!
よーし!おいちゃんとこに来るか?」
ひょいっとオレを抱き上げて高い高ーい。
「あははははー!!
行きたいけど、まだだめ!5さいですのでー!」
「そうかそうかあ!じゃあ、5年後にな!」
「うん!とうろくするからね!よろしくしてね!」
きゃっきゃと遊んでいたら、ゲイルからストップが入った。
「遊んでもらってよかったなサフィ。
でも、そろそろ終わりだ。
ほら見てみろ。みんなお待ちかねだぞ?」
なんと!気づいたら、机の前にずらーりと冒険者の列!
戻ってきた人をギルド長が一列に並べてくれてた。
みんな美味しそうなお菓子を持ってソワソワしてる。
「わあああああ!!い、いつのまに!ええ?こんなに?」
驚く俺に、冒険者たちがお菓子を掲げてアピール。
「ほら、見てみろ!俺のが一番だろ!」
「いやいや、こっちだろ!すぐ売り切れでなかなか買えねー貴重な菓子だ!」
「子供にはやっぱこっちだろ!」
あっちからこっちからで、なにがなんやらわけかわめ。
「ま、まってくださいませーー!」
そこからは大忙し。
貰ったお菓子をひと口ぱくり。もぐもぐもぐ。
でもって、美味しかった順(個人的主幹です)にどんどん並べていく。
みんなの視線がスゴい。ぷ、ぷれっしゃー!
冒険者さんのオススメだけあって、お菓子はどれもすんごくおいしい。
お口にいれたらすうって消えちゃうホロホロクッキーだとかナッツをカリッカリにして飴で固めたお菓子とか。
まあるくって噛んだらブニュってクリームみたいなのがでてくるなにか甘いもの。
噛んでも噛んでも減らない、ぐにぐにしたジャーキーっぽいなにか(顎が死ぬかとおもった!最後はゲイルが「ぺ、ってしろ」っていうのでぺってした)。
普通に美味しいみっちみちに生地の密度が高いパウンドケーキ。
お口に入れると甘くってすうっと溶ける紙みたいなので作ったバラのお菓子。
猫ちゃんのかたちのドーナッツ。
とにかくとにかく、色々ありすぎた。
どれも美味しくて、食べていくうちに「あれ?こっちのほうがおいしかったっけ?」みたいにわかんなくなってくの!
そのたびに「もっかい」って食べてたら………。
いつのまにかお腹がぱんぱん!はちきれそう!
最初は「わーい!」と喜んで食べていた俺も、だんだんお口が動かなくなり、遂にダウン。
「ど…どれも…どれもサイコー。
あとは…こじんてきしゅかんですので」
と断ったうえで、順位発表ー!
「ねこちゃんかわいいので、ねこちゃんドーナツさいようします!みんなでわけやすいのもよきです!」
お髭ボウボウな冒険者さんがガッツポーズ。
「おっしゃあ!!
はっはっは!やっぱり子供には猫ちゃんなんだって!
猫は正義なんだよ!」
猫好きか!
つづけてー、
「2位!オレのおせわしてくれるおねえさんたちにバラのやつがよきです!」
綺麗なお姉さん冒険者さんがウインク。
「うふふ!私のね!ほおら、こういう上品なものがいいのよ!ねえ?」
「だけれども。みいんなおいしくって、おもしろいのもかもあって、どれもとってもよいです!
みいんなゆうしょー!!ご協力かんしゃなのです!
あのね、みんなの代表で、ねこちゃんのおっちゃんとバラのおねえさん、こっちにきてくださいませ」
俺はおいちゃんとお姉さんに来てもらって「ありがとう」って言いながらハグ&ほっぺにチュ!
そしたら、おいちゃんもお姉さんも真っ赤になっちゃった!
「おいおい!そんな顔初めて見たぜ!照れてんのかよ!」
「うっせー!こんなかわいいチビに懐かれんの初めてなんだよ!」
「アンタその顔で小さい子やかわいいもの大好きだもんねー」
「お前だって照れてんじゃねーか!百戦錬磨のイバラ姫が、カオ赤いぞ!」
「だってこのこ、とっても可愛いんだもの!キュンときちゃった!」
わあああ!!ヒュヒュー!!
もんのすんごく盛り上がってくれて。
わっしょいわっしょい!
最後は俺の胴上げで手土産選手権は幕を閉じたのだった。
集まったお菓子は「サフィの土産だ。パパたちと食いな」って全部オレにくれた。
「みんな優しすぎない?」って言ったら
「かわいい冒険者には弱いんだよなー」
「まあ、ゲイルには世話になってるからな!」
「ワッハッハ!ゲイルの息子はみんなの息子みてえなもんだ!」
「また来いよ!待ってるからな!」
「ああん!かわいい!」
だって。
みいんなゲイルが大好きなんだね!さすがゲイル!
パンパンのお腹をかかえ「バイバイ」ってする頃には外は薄暗くなっていた。
楽しすぎてあっという間だったね。
教えて貰ったお店でお菓子を買って馬車へ。
雑貨屋さんと武器屋さんへは、ちょっと荷物が沢山ありすぎるから馬車で寄って貰った。
こうしてすべてのお買い物を終え、俺たちは王城ではなくそのまま馬車で公爵家へ。
だって…お土産が多すぎて、ゲートまで運ぶのが大変そうだったんだもん!
疲れ切った俺は、ゲイルのお膝ですやすやと眠りながらおうちに運ばれたのでした。
ちなみに。
俺は知らぬうちに勝手に「サンダープリンス」という二つ名を付けられていた。
それと、ギルドで俺がギュってした冒険者さんたちなんだけど、不思議なことにしばらくは怪我をしても異常に回復が早かったり、疲れにくくなったりしたんだって。
そのおかげで俺はギルドで「サンダープリンスに会えたら幸せになれる」と妖精扱いされていたのだった。
やーめーてーーーー!!
肩当て、肘あて、胸当て、アームアーマーにレッグアーマー。腰には小さな剣まで下げていたのである。
「おーい!戻ったぞーーー!!」
ハアハア言いながら戻ったおいちゃん。
「あれ?ゲイル、ちびっこは?」
俺を探してキョロキョロキョロ。
「はい!ここでーす!」
はいはい!と手をあげておいちゃんと目が合ったはずなのに。
おいちゃんは俺から目をそらして、あっちこっちにうろうろ。
「あれええ?おっかしいなあああ?あのかわいいゲイルの息子くんはどこだああ?
みあたらないぞおおお?」
「ここ!ここ!ここですよーーーっ!」
俺はピョンピョン飛んでアピールした。
「ま、まさか!お前がちびっこ?ええ?!冒険者かと思ったぞ!
いやあ、見違えたぜ!すっかり冒険者じゃねーか!」
大袈裟に驚くおっちゃん。
ええ?そ、そうかなあ?やっぱりそう思う?えへへへへ。
どうやら、俺はすっかり冒険者に溶け込んでいたようだ。
俺はてれてれしながら、おいちゃんに教えてあげた。
「あのね。みんなが新人にくれるでんとうのやつ。いろいろくれたの!カッコいいでしょ!
オレも冒険者!」
えっへん、と胸を張る。
「すっげえピッタリじゃないか、チビ。
もういつでも冒険者になれるぞ!
よーし!おいちゃんとこに来るか?」
ひょいっとオレを抱き上げて高い高ーい。
「あははははー!!
行きたいけど、まだだめ!5さいですのでー!」
「そうかそうかあ!じゃあ、5年後にな!」
「うん!とうろくするからね!よろしくしてね!」
きゃっきゃと遊んでいたら、ゲイルからストップが入った。
「遊んでもらってよかったなサフィ。
でも、そろそろ終わりだ。
ほら見てみろ。みんなお待ちかねだぞ?」
なんと!気づいたら、机の前にずらーりと冒険者の列!
戻ってきた人をギルド長が一列に並べてくれてた。
みんな美味しそうなお菓子を持ってソワソワしてる。
「わあああああ!!い、いつのまに!ええ?こんなに?」
驚く俺に、冒険者たちがお菓子を掲げてアピール。
「ほら、見てみろ!俺のが一番だろ!」
「いやいや、こっちだろ!すぐ売り切れでなかなか買えねー貴重な菓子だ!」
「子供にはやっぱこっちだろ!」
あっちからこっちからで、なにがなんやらわけかわめ。
「ま、まってくださいませーー!」
そこからは大忙し。
貰ったお菓子をひと口ぱくり。もぐもぐもぐ。
でもって、美味しかった順(個人的主幹です)にどんどん並べていく。
みんなの視線がスゴい。ぷ、ぷれっしゃー!
冒険者さんのオススメだけあって、お菓子はどれもすんごくおいしい。
お口にいれたらすうって消えちゃうホロホロクッキーだとかナッツをカリッカリにして飴で固めたお菓子とか。
まあるくって噛んだらブニュってクリームみたいなのがでてくるなにか甘いもの。
噛んでも噛んでも減らない、ぐにぐにしたジャーキーっぽいなにか(顎が死ぬかとおもった!最後はゲイルが「ぺ、ってしろ」っていうのでぺってした)。
普通に美味しいみっちみちに生地の密度が高いパウンドケーキ。
お口に入れると甘くってすうっと溶ける紙みたいなので作ったバラのお菓子。
猫ちゃんのかたちのドーナッツ。
とにかくとにかく、色々ありすぎた。
どれも美味しくて、食べていくうちに「あれ?こっちのほうがおいしかったっけ?」みたいにわかんなくなってくの!
そのたびに「もっかい」って食べてたら………。
いつのまにかお腹がぱんぱん!はちきれそう!
最初は「わーい!」と喜んで食べていた俺も、だんだんお口が動かなくなり、遂にダウン。
「ど…どれも…どれもサイコー。
あとは…こじんてきしゅかんですので」
と断ったうえで、順位発表ー!
「ねこちゃんかわいいので、ねこちゃんドーナツさいようします!みんなでわけやすいのもよきです!」
お髭ボウボウな冒険者さんがガッツポーズ。
「おっしゃあ!!
はっはっは!やっぱり子供には猫ちゃんなんだって!
猫は正義なんだよ!」
猫好きか!
つづけてー、
「2位!オレのおせわしてくれるおねえさんたちにバラのやつがよきです!」
綺麗なお姉さん冒険者さんがウインク。
「うふふ!私のね!ほおら、こういう上品なものがいいのよ!ねえ?」
「だけれども。みいんなおいしくって、おもしろいのもかもあって、どれもとってもよいです!
みいんなゆうしょー!!ご協力かんしゃなのです!
あのね、みんなの代表で、ねこちゃんのおっちゃんとバラのおねえさん、こっちにきてくださいませ」
俺はおいちゃんとお姉さんに来てもらって「ありがとう」って言いながらハグ&ほっぺにチュ!
そしたら、おいちゃんもお姉さんも真っ赤になっちゃった!
「おいおい!そんな顔初めて見たぜ!照れてんのかよ!」
「うっせー!こんなかわいいチビに懐かれんの初めてなんだよ!」
「アンタその顔で小さい子やかわいいもの大好きだもんねー」
「お前だって照れてんじゃねーか!百戦錬磨のイバラ姫が、カオ赤いぞ!」
「だってこのこ、とっても可愛いんだもの!キュンときちゃった!」
わあああ!!ヒュヒュー!!
もんのすんごく盛り上がってくれて。
わっしょいわっしょい!
最後は俺の胴上げで手土産選手権は幕を閉じたのだった。
集まったお菓子は「サフィの土産だ。パパたちと食いな」って全部オレにくれた。
「みんな優しすぎない?」って言ったら
「かわいい冒険者には弱いんだよなー」
「まあ、ゲイルには世話になってるからな!」
「ワッハッハ!ゲイルの息子はみんなの息子みてえなもんだ!」
「また来いよ!待ってるからな!」
「ああん!かわいい!」
だって。
みいんなゲイルが大好きなんだね!さすがゲイル!
パンパンのお腹をかかえ「バイバイ」ってする頃には外は薄暗くなっていた。
楽しすぎてあっという間だったね。
教えて貰ったお店でお菓子を買って馬車へ。
雑貨屋さんと武器屋さんへは、ちょっと荷物が沢山ありすぎるから馬車で寄って貰った。
こうしてすべてのお買い物を終え、俺たちは王城ではなくそのまま馬車で公爵家へ。
だって…お土産が多すぎて、ゲートまで運ぶのが大変そうだったんだもん!
疲れ切った俺は、ゲイルのお膝ですやすやと眠りながらおうちに運ばれたのでした。
ちなみに。
俺は知らぬうちに勝手に「サンダープリンス」という二つ名を付けられていた。
それと、ギルドで俺がギュってした冒険者さんたちなんだけど、不思議なことにしばらくは怪我をしても異常に回復が早かったり、疲れにくくなったりしたんだって。
そのおかげで俺はギルドで「サンダープリンスに会えたら幸せになれる」と妖精扱いされていたのだった。
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小説家になろう様でも投稿しています。