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たくさんの感謝と共に(おみやげ配るだけ!)
俺、おみやげ配り人になる4(守り隊のみなさん&侍女さんたち)
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ありもしない俺の結婚を嘆き始めてしまったエリアスが使い物にならなくなってしまったので、今日の勉強は夕方からになった。
俺のことになるとメンタルよわよわだ。
エリアスは、本当は侯爵として凄く優秀。
次々に家族を亡くして若くしていきなり当主になったのに、そんななかでしっかりと侯爵家をまとめ、領を治め、うるさい老害たちまで掌握しちゃったんだもん。貴族の顔だって当たり前のようにできるんだよね。
それなのに、俺の前では感情を隠そうともしないで見せてくれる。きっとそれは俺のため。
ちょっと特殊な育ちをしちゃった俺に、ほんの少しも不安を感じさせないように、大好きをそのまんまで伝えてくれるんだ。
だから、俺はこんな困ったエリアスも大好きだし、尊敬してる。
言ったら調子にのるからいわないけどね。
そんなエリアスを置いておいて。
俺はせっせとお土産を配って歩く。
次は、忘れてはならない、サフィラスガチ勢。
そう「サフィ様を守り隊」のみなさんであーる!
お忘れかもしれないが、思い出してほしい。
1にサフィさま、2にサフィさま、という、あのマリー率いるちょっと強火の護衛や騎士たち。
彼らはなぜか、本当になぜなのか分からないか俺のことを本当に大事に思ってくれる。
大事に思い過ぎてちょっとおかしな方向に突っ走ってはいるが、とても頼りになる人たちなのです。
こそっと訓練とか覗いてみると、男でも惚れ惚れしちゃうもん。
俺に気付いたらいきなり残念になるけど。
ちらちらとこっちを気にしながらアピールが凄いの!
知り合いが出てる学芸会を見てるみたい。
まあ、そんな彼らなので、きっとお土産も喜んでくれると思う。ハンカチだけど。
あとお腹すいてるだろうから猫ちゃんのドーナツも。
正確な人数が分かればいいんだけど。
マリーに確認したら
「裏の会員はカウントします?
公爵とかゲイル伯とかエリアス侯爵とか、レオン様、王様がたなどの名誉会員、
王城にいる準会員、今入会試験中の『おっちゃんたち』もいますけど…」
ひえ!なにそれ?!
俺の知らんうちに守り隊は非常にめんどうくさいことになってた!
公爵家勢はともかく、王城のみなさん!おっちゃんたちまでみんななにしてるの?
全部カウントしたら全然足りないじゃん!
名誉会員は個別であげるのでカウント対象外。おっちゃんたちも同様で。
「裏会員」は…どれくらいいるのか想像もできない!カウント対象外としましょう!主にお土産の数的理由で!
「えっと…。うん。そうだね。
侯爵家にいる正会員の皆さんにまずは配りましょう!今日はみんないるかな?」
「はい!この時間帯は移動されるサフィ様を見守るために中庭に集まっているはずです!
中庭にいると、貴族教育に向かうときと戻る時の2回もそこの窓からサフィ様が見えるんです。
お得な時間なんです!」
ドヤア、と自慢げに教えてくれたマリーさん。
そうだったの?し・ら・ん・か・っ・た!
言ってよー!言ってくれたら手ぐらい振ったのにい。
いや、そうじゃない!
それっていわゆる出待ちじゃん!
お勉強って早くても2時間、長いときは3時間くらいあるよ?何しちゃってんの!
は!てことは、今も…。
俺はそおっと窓に近寄り中庭を除いた。
「!!」
いる!わらわらと騎士たちが集まってる!
俺はあわててひっこみ、疑問に思ってたことを聞いてみた。
「あそこに集まって、オレのおべんきょう中はなにしているの?」
「中庭の周りに3メートルくらいの高さに鉄の棒があるんですよ」
そうそう!中庭をぐるりと囲むように高い鉄の柵みたいなのがあるの!
高い競技用の鉄棒みたいなやつ。柵にしては意味が無いし、なんなんだろうって思ってたんだよね。
「しってる。あれなにかなって思ってたの。騎士さんのおふとんほし?」
「いえ。筋トレ用の器具ですね。それで筋トレをしています!」
「は?」
え?中庭だよ?東屋とかお池とか果樹園とかある、癒しの場だよ?
唖然としている俺に何を思ったのか、マリーが詳細を教えてくれた。
「ジャンプして棒を掴み、懸垂とか」
「はああ?」
「大車輪だとか」
「それはスゴイ!!
てか、ずっと筋トレしてるの?なんじかんも?」
トレーニングの域、超えてない?そんなの罰ゲームじゃん!
あわわ、となった俺にマリーが顔の前でチチチと指をふる。
「そのほかにも、庭の手入れもしますよ。サフィ様の好きな形に木を整えたりもします」
「あのから一角のくまさん?守り隊が刈ってたの?!ちょっと手広すぎない?」
「ご希望があれば伝えておきますよ?あとは木の植え替えや、植物の手入れも…。
果樹、気に入っていただけたようで良かったです!実が甘くなるように苦心したんですよー」
「あ、はい。とてもおいしゅうござりました」
なんか思ってたより濃ゆい集まりだった…。
俺のためにと色々なことに手を出し始め、様々な道を究めだしたらしい。
うん。一芸が身に着くのはいいことだよね。うん……守り隊はどこへ向かっていくのだろう…。
俺は考えることを放棄した。
とにかく、想像以上に俺のために全力で動いてくれてたのは、申し訳なくもありがたいこと。
守り隊限定コンサートとか、なるはやでやらせて頂こう。
まあ、集まってるならちょうどいい。中庭にれっつらごー!
とことことっと中庭に向かった俺とティガマリ。
マリーが先に向かってみんなを整列させてくれるって。
俺の短い足(年齢相応です。身体が小さいので!)で到着したときには、守り隊の隊員たちはビシっと整列して待っていてくれた。
「全員、礼!」
ザザッ!一糸乱れぬキレッキレな礼だ。
風圧で前髪がファっとなった。すごい!
「直れ!サフィさまが、みなに話があるそうだ!楽にしろ」
キラッキラした目が一斉に俺に向けられた。
なんかちょっと困って小さく手を振ってみる。
「……えと。こんにちわ?」
ちょっと挨拶しただけなのに、どわああああ!
「こんにちは!!ああ、お可愛らしい!」
「ぐうううう!!」
「生サフィ様!ごちです!」
ピッ!
笛の音で一斉に黙る守り隊。
よく訓練されている。俺の中で「牧場」とか「牧羊犬」とかいう言葉がチカチカと点滅しております。
「さあ、サフィ様。どうぞ!」
俺はこほんと咳をひとつ。
「えーっと。守りたいのみなさん。
いつもオレを見守ってくれてありがとうございます。
ごえいだけじゃなくて、木を切ったりとかいろいろしてくれてたと聞いてびっくりです。
ほんとうに色んなことをしてくれていて、かんしゃです。
みんなのおかげで、オレはここで安心してすごすことができました。
かんしゃのきもちをこめて、みなさんにおみやげがあります。
オレがはじめて自分でかせいだお金でかいました。
ハンカチなので、どうか使ってください。
それとかわいかったので猫ちゃんのドーナツも。
たぶんみんなの分あるので、ひとりひとりわたしますね」
俺は剣の刺繍の入ったハンカチとドーナツをひとりひとりに渡していった。
渡すときにはちゃんと「ありがとうございます!」のハグもつけた。
せめてものお礼の気持ち。
全員に配るのは大変だったけど、みんなまるで宝石でも貰ったみたいに大事そうにハンカチをなでてたり、ひたすらみつめつづけていたので、喜んでくれたと思う。
「これ!大切にします!絶対に使いません!」
「いや、使って?」
「ドーナツとハンカチに状態保存の魔法をかけてくれるとこ、誰か知らね?」
「ドーナツはすぐに食べて?」
結局俺はこう宣言する羽目になった。
「ハンカチは使ってくださいませ!
それでダメになったら、またオレがプレゼントいたしまするので!」
猛烈な勢いで汗を拭き出した。
うんうん。それでいいの。使って。そのためにあげたんだから。
マリーが俺におねだり。
「あのー。私のハンカチもダメになったらまた貰えます?」
夜には公爵家の他の使用人さんたちもほぼ全く同じことを繰り返した。
みんなすごく喜んでくれたのは嬉しいんだけど、ハンカチしまい込もうとするんだもの。
ハンカチあげたひとはみんなダメになったらつぎのをあげるから。遠慮なく使って!
ここまで喜ばれるとは思わなかった。
なんか困っちゃうけど、嬉しいよね。
みんなにお世話になってる感謝の気持ちを伝えたはずなのに、俺の方が逆にプレゼントを貰った気分。
みんなが俺の知らないところで俺のために色々してくれてた。
俺のこと大事に思ってくれて、いつでも見守って助けてくれてる。
「嫌われ者3男」だったのに、いつの間にこんなに優しい世界に生きていたんだろう。
みんな、本当にいつもありがとうね。
これからもどうぞよろしくお願いします。
ちなみに、侍女さんたちや料理人さんたちにあげたバラのお菓子は、何故か棚の上にケースに入れられてしばらくの間飾られていた。
賞味期限があるよ、って教えて、期限ぎりぎりになってようやくみんなのお口に。
「おいしいでふーーーー!!」
「お口で溶けますううううう!!」
って泣きながら食べてたから、ちょっとしょっぱかったんじゃない?
あんまりにも大事そうにちまちま食べるもんだから、うれしいような切ないような。
今後はお菓子の定期便をしよう。
俺のことになるとメンタルよわよわだ。
エリアスは、本当は侯爵として凄く優秀。
次々に家族を亡くして若くしていきなり当主になったのに、そんななかでしっかりと侯爵家をまとめ、領を治め、うるさい老害たちまで掌握しちゃったんだもん。貴族の顔だって当たり前のようにできるんだよね。
それなのに、俺の前では感情を隠そうともしないで見せてくれる。きっとそれは俺のため。
ちょっと特殊な育ちをしちゃった俺に、ほんの少しも不安を感じさせないように、大好きをそのまんまで伝えてくれるんだ。
だから、俺はこんな困ったエリアスも大好きだし、尊敬してる。
言ったら調子にのるからいわないけどね。
そんなエリアスを置いておいて。
俺はせっせとお土産を配って歩く。
次は、忘れてはならない、サフィラスガチ勢。
そう「サフィ様を守り隊」のみなさんであーる!
お忘れかもしれないが、思い出してほしい。
1にサフィさま、2にサフィさま、という、あのマリー率いるちょっと強火の護衛や騎士たち。
彼らはなぜか、本当になぜなのか分からないか俺のことを本当に大事に思ってくれる。
大事に思い過ぎてちょっとおかしな方向に突っ走ってはいるが、とても頼りになる人たちなのです。
こそっと訓練とか覗いてみると、男でも惚れ惚れしちゃうもん。
俺に気付いたらいきなり残念になるけど。
ちらちらとこっちを気にしながらアピールが凄いの!
知り合いが出てる学芸会を見てるみたい。
まあ、そんな彼らなので、きっとお土産も喜んでくれると思う。ハンカチだけど。
あとお腹すいてるだろうから猫ちゃんのドーナツも。
正確な人数が分かればいいんだけど。
マリーに確認したら
「裏の会員はカウントします?
公爵とかゲイル伯とかエリアス侯爵とか、レオン様、王様がたなどの名誉会員、
王城にいる準会員、今入会試験中の『おっちゃんたち』もいますけど…」
ひえ!なにそれ?!
俺の知らんうちに守り隊は非常にめんどうくさいことになってた!
公爵家勢はともかく、王城のみなさん!おっちゃんたちまでみんななにしてるの?
全部カウントしたら全然足りないじゃん!
名誉会員は個別であげるのでカウント対象外。おっちゃんたちも同様で。
「裏会員」は…どれくらいいるのか想像もできない!カウント対象外としましょう!主にお土産の数的理由で!
「えっと…。うん。そうだね。
侯爵家にいる正会員の皆さんにまずは配りましょう!今日はみんないるかな?」
「はい!この時間帯は移動されるサフィ様を見守るために中庭に集まっているはずです!
中庭にいると、貴族教育に向かうときと戻る時の2回もそこの窓からサフィ様が見えるんです。
お得な時間なんです!」
ドヤア、と自慢げに教えてくれたマリーさん。
そうだったの?し・ら・ん・か・っ・た!
言ってよー!言ってくれたら手ぐらい振ったのにい。
いや、そうじゃない!
それっていわゆる出待ちじゃん!
お勉強って早くても2時間、長いときは3時間くらいあるよ?何しちゃってんの!
は!てことは、今も…。
俺はそおっと窓に近寄り中庭を除いた。
「!!」
いる!わらわらと騎士たちが集まってる!
俺はあわててひっこみ、疑問に思ってたことを聞いてみた。
「あそこに集まって、オレのおべんきょう中はなにしているの?」
「中庭の周りに3メートルくらいの高さに鉄の棒があるんですよ」
そうそう!中庭をぐるりと囲むように高い鉄の柵みたいなのがあるの!
高い競技用の鉄棒みたいなやつ。柵にしては意味が無いし、なんなんだろうって思ってたんだよね。
「しってる。あれなにかなって思ってたの。騎士さんのおふとんほし?」
「いえ。筋トレ用の器具ですね。それで筋トレをしています!」
「は?」
え?中庭だよ?東屋とかお池とか果樹園とかある、癒しの場だよ?
唖然としている俺に何を思ったのか、マリーが詳細を教えてくれた。
「ジャンプして棒を掴み、懸垂とか」
「はああ?」
「大車輪だとか」
「それはスゴイ!!
てか、ずっと筋トレしてるの?なんじかんも?」
トレーニングの域、超えてない?そんなの罰ゲームじゃん!
あわわ、となった俺にマリーが顔の前でチチチと指をふる。
「そのほかにも、庭の手入れもしますよ。サフィ様の好きな形に木を整えたりもします」
「あのから一角のくまさん?守り隊が刈ってたの?!ちょっと手広すぎない?」
「ご希望があれば伝えておきますよ?あとは木の植え替えや、植物の手入れも…。
果樹、気に入っていただけたようで良かったです!実が甘くなるように苦心したんですよー」
「あ、はい。とてもおいしゅうござりました」
なんか思ってたより濃ゆい集まりだった…。
俺のためにと色々なことに手を出し始め、様々な道を究めだしたらしい。
うん。一芸が身に着くのはいいことだよね。うん……守り隊はどこへ向かっていくのだろう…。
俺は考えることを放棄した。
とにかく、想像以上に俺のために全力で動いてくれてたのは、申し訳なくもありがたいこと。
守り隊限定コンサートとか、なるはやでやらせて頂こう。
まあ、集まってるならちょうどいい。中庭にれっつらごー!
とことことっと中庭に向かった俺とティガマリ。
マリーが先に向かってみんなを整列させてくれるって。
俺の短い足(年齢相応です。身体が小さいので!)で到着したときには、守り隊の隊員たちはビシっと整列して待っていてくれた。
「全員、礼!」
ザザッ!一糸乱れぬキレッキレな礼だ。
風圧で前髪がファっとなった。すごい!
「直れ!サフィさまが、みなに話があるそうだ!楽にしろ」
キラッキラした目が一斉に俺に向けられた。
なんかちょっと困って小さく手を振ってみる。
「……えと。こんにちわ?」
ちょっと挨拶しただけなのに、どわああああ!
「こんにちは!!ああ、お可愛らしい!」
「ぐうううう!!」
「生サフィ様!ごちです!」
ピッ!
笛の音で一斉に黙る守り隊。
よく訓練されている。俺の中で「牧場」とか「牧羊犬」とかいう言葉がチカチカと点滅しております。
「さあ、サフィ様。どうぞ!」
俺はこほんと咳をひとつ。
「えーっと。守りたいのみなさん。
いつもオレを見守ってくれてありがとうございます。
ごえいだけじゃなくて、木を切ったりとかいろいろしてくれてたと聞いてびっくりです。
ほんとうに色んなことをしてくれていて、かんしゃです。
みんなのおかげで、オレはここで安心してすごすことができました。
かんしゃのきもちをこめて、みなさんにおみやげがあります。
オレがはじめて自分でかせいだお金でかいました。
ハンカチなので、どうか使ってください。
それとかわいかったので猫ちゃんのドーナツも。
たぶんみんなの分あるので、ひとりひとりわたしますね」
俺は剣の刺繍の入ったハンカチとドーナツをひとりひとりに渡していった。
渡すときにはちゃんと「ありがとうございます!」のハグもつけた。
せめてものお礼の気持ち。
全員に配るのは大変だったけど、みんなまるで宝石でも貰ったみたいに大事そうにハンカチをなでてたり、ひたすらみつめつづけていたので、喜んでくれたと思う。
「これ!大切にします!絶対に使いません!」
「いや、使って?」
「ドーナツとハンカチに状態保存の魔法をかけてくれるとこ、誰か知らね?」
「ドーナツはすぐに食べて?」
結局俺はこう宣言する羽目になった。
「ハンカチは使ってくださいませ!
それでダメになったら、またオレがプレゼントいたしまするので!」
猛烈な勢いで汗を拭き出した。
うんうん。それでいいの。使って。そのためにあげたんだから。
マリーが俺におねだり。
「あのー。私のハンカチもダメになったらまた貰えます?」
夜には公爵家の他の使用人さんたちもほぼ全く同じことを繰り返した。
みんなすごく喜んでくれたのは嬉しいんだけど、ハンカチしまい込もうとするんだもの。
ハンカチあげたひとはみんなダメになったらつぎのをあげるから。遠慮なく使って!
ここまで喜ばれるとは思わなかった。
なんか困っちゃうけど、嬉しいよね。
みんなにお世話になってる感謝の気持ちを伝えたはずなのに、俺の方が逆にプレゼントを貰った気分。
みんなが俺の知らないところで俺のために色々してくれてた。
俺のこと大事に思ってくれて、いつでも見守って助けてくれてる。
「嫌われ者3男」だったのに、いつの間にこんなに優しい世界に生きていたんだろう。
みんな、本当にいつもありがとうね。
これからもどうぞよろしくお願いします。
ちなみに、侍女さんたちや料理人さんたちにあげたバラのお菓子は、何故か棚の上にケースに入れられてしばらくの間飾られていた。
賞味期限があるよ、って教えて、期限ぎりぎりになってようやくみんなのお口に。
「おいしいでふーーーー!!」
「お口で溶けますううううう!!」
って泣きながら食べてたから、ちょっとしょっぱかったんじゃない?
あんまりにも大事そうにちまちま食べるもんだから、うれしいような切ないような。
今後はお菓子の定期便をしよう。
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