もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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第2部   サフィ10歳。伯爵家の息子です!

俺の伯爵家での生活

伯爵家には、使用人さんがズラリと並んでお出迎えしてくれてた!
ちょくちょく来てはいたから、みんな既知。
なのにわざわざ外で待っていてくれたの!


「サフィラスさま!
おかえりなさいませ!!」

えへへ。これからは、ここが帰るおうちなんだね。
なんか、今更だけどてれちゃうね。

「みんな、ありがとう!
あのね…ただいま。
ふつつかものですが、これから末永くよろしくお願いします!」

改めてご挨拶した俺に、みんななぜか小さく震え出した。

「は…はい。末永く…っ、お世話させて頂きます…っ」
「ふふ…っ末永くご一緒させて下さい」
「末永くよろしくお願い致しますね!」

末永く末永くの輪唱!
ゲイルまでもが

「新妻みてえなセリフだなあ!
せっかくだし、お姫様抱っこして入るか?」

なんてニヤニヤしながら揶揄ってきた。
真剣に言ったのにい!

新息子にいむすこだし!
いいじゃん!末永く!
ずっと一緒ってことでしょー!」

ぷんすこする俺を、ゲイルがぐわっと抱き上げた。

「はははは!じゃあ、ほーら!
新息子のご入場だ!」
「うわあ!もうーっ!」

みんなの拍手の中、お姫様抱っこで入る俺。

「はずかしいでしょお!俺、もう10歳!」

なーんて。ちょっと恥ずかしいが、久しぶりの抱っこ(もう10歳だからね!)に満更でもない。いわないけど。

「…おっきくなったなあ。
あんなに小さかったのになあ…」

俺の重さを確かめるように、腕をゆさゆさしながらエントランスに向かうゲイル。

「ゲイルが沢山美味しいものくれたからね!
ゲイルがおっきくしてくれたんだよ」

って言ったら、

「ふは!そうか!」

と優しく微笑んだ。
俺はさりげなあくゲイルの胸に顔を寄せた。
ふわあ!おちつくう!

胸の中でつぶやく。
俺を救ってくれてありがとう。
息子にしてくれてありがとう。
これからもずっと一緒だよ、ゲイル!

ゲイルといると、なにもかもから守られてるみたいで安心する。それに、めちゃくちゃ幸せーってなるんだよね。
内緒だけどね、抱っこだって今でも大好きなの。
さすがにもう10歳のお兄さんだからやめた方がいいよね、って思って「子ども扱いダメ」って嫌がるフリしてるだけ。本当は抱っこ大歓迎!だったりする。

すうーっ、て大好きなゲイルの匂いを吸い込みながら、ふと心配になった。


「あのね、ゲイル。俺ってファザコンだと思う?」
「ファザコン?
サフィ、たまにおかしなこと言い出すよな。
どういう意味だ?」
「外国の言葉でね。
ファーザー、つまりお父様が大好きって意味」
「間違いなくファザコンだな」
「やっぱり?10歳でファザコンってダメ?
ゲイルばなれしなきゃなのかなあ」
「問題ねえだろ?
それ言ったら、俺はサフィコンだぞ?」
「あははは!そうだった!
エリアスもサフィコンだよね!
なら、俺だってファザコンくらいおっけー?」
「むしろ、大歓迎だな!」

うしろからティガーがさりげなく提言してきた。

「ティガコンも大歓迎ですよ?」

「ズルい!マリーコンも!マリーもコンしてくださいよう!」

マリーがジタバタ。

「お前らなあ…」と呆れ顔のゲイルが

「俺は特別に決まってんだろ?」

渾身のドヤ顔を決めた。


「あははははは!ゲイルは特別!
だけど、ティガーもマリーも大好きだよ!」


さて、ゲイルのおうちのご紹介、

公爵家よりも伯爵家ゲイルんちの方がおうちも敷地も小さめ。
広さとか部屋の数とか、ちょうど半分くらいかな?
辺境伯に並ぶ2代公爵家のグランディール家と比べたら、当たり前のはなし。
伯爵家としてはかなり大きなほうみたい。

俺的には最高!
広いお庭もあるし、敷地には薬草園や温室がある。
温室でも薬草を育ててるあたりが、いかにもゲイル。
緑魔法で育ててるから、すぐに採取できるそうな。素晴らしい!
あと、温室の横には調剤までできる調剤室もある。
冒険者になったら貴重なまもの材料とか獲ってきてあげるつもり!

エントランスを入ると、右手に食堂、調理場。使用人さんの食堂と休憩室。
左手に談話室(来客用)、図書室、大浴場、物置がある。
1番大好きな部屋は「物置き!」
「冒険者を治療したら礼にくれた」とかいう珍しいものや変なものも沢山あって、めちゃくちゃ楽しい!
俺的に宝の部屋だ。
ゲイルが居れば「これは、冒険者が魔の山で…」なんてエピソードも話してもらえる。正に絵本で見た話のリアルバージョン!最高すぎるでしょ?
これからはここに入り浸るつもり!


階段上がって2階。

正面はダンスホール。
来客お断りなので、俺の訓練所&運動場と化している。

2階の右手奥、突き当たりは王家と侯爵家、公爵家に繋がるゲートがある。
一応、お引越しの時に「どうする?」って確認したんだけど、各おうちが「そのままで!」というのでそのまんま。
なんかもう一蓮托生な感じ、あるよね。
俺的にはあちこちに「しゅん」っと行けるから助かるんだけどね!

俺の部屋があるのはその隣。
前からちょくちょく来てはいたんだけど、これで完全にお引越し。正式に俺の部屋になる。
部屋には、既に荷物が運び込まれていた。
ウサウサもちゃんといる。
初めてのお披露目で着たゲイルとお揃いの服も、もう着れないけど宝物。
リボン、ネックレス、お洋服、ぬいぐるみ、珍しい魔石、ドラゴンの鱗、エトセトラエトセトラエトセトラ。
いつの間にか、こんなにも増えてた。

棚には本が沢山並んでる。
あの「冒険者の絵本」も。俺が昔何度も読んでいたのを知っていた公爵が持たせてくれたのだ。

ベッドは3人くらい寝られる超特大仕様。
そう。
実は俺、未だにゲイルと寝てる。
だって…やめるきっかけがないんだもん!
忙しくて会えないときとか、ゲイルと寝る前におしゃべりしながら眠るの。この時間、めちゃくちゃ貴重なんだからね!
さすがに抱っこは卒業…はしてないけど、たまにしか…ほんとにたまにしかしてないからね!
せいぜいゲイルの胸元にすりすりするくらい。ぎゅうっ、は我慢してる。
これくらいはいいよね?

で。なんで超特大仕様なのかといえば。
お兄様がお泊まりのとき、ごねるからだ。

ゲイルは

「レオンに一部屋やるから!そっちに泊まれよ!」っ
て言うんだけど。

お兄様いわく

「さすがにもうサフィと2人で眠るのはいろいろと不味い。
でもゲイルだけがサフィと眠っているというのは度し難い!」

だそうで。
妥協点として、お兄様がお泊まりの時はここで3人で眠っているのである。なので特大に。

ちなみに王城向こうにお泊まりの時は、もう抱っこで寝るのはお兄様が恥ずかしいからと、おとなりに俺専用ベッドを並べてくれる。
複雑なオトコゴコロらしい。

俺だって「そろそろ1人で寝なきゃだよね」とは思うんだけど。
ゲイルもお兄様も「問題ない!」ていうし。
もう少しの間くらい、ね。いいよね?


俺の部屋の更に隣はゲイルの部屋。
ここは俺の部屋とドアで繋がってる。
(多分俺の部屋は本来なら奥様用の部屋なんだろう。
けど「サフィって息子もいるんだし、結婚しなくていいだろ」って言って俺の部屋になってる)
ゲイルの部屋にはお風呂もあって、大浴場行くのが面倒な時は俺もここで一緒に入ったりする。

ゲイルの部屋の向こうはゲイルの執務室。お仕事部屋。
領主としてのお仕事をする部屋なんだけど、大抵は執事さんが頑張ってくれてる。
執事さんはティガーのお父さん。めちゃくちゃ渋いイケオジで、やっぱり万能。そして(ゲイルのおかげで)とても苦労している。


階段を挟んで、左側は、客間が5つ。

1つはお兄様が来た時に使うお部屋(ほぼ俺の部屋にいるけど)
もうひとつはルーダとルーくんにも専用のお部屋。

ルー君が大きくなって、もう2フェン+俺&ゲイル&お兄様で寝るのはキツいからね。
2フェンとも、神界みたいなとこ(よくわかんない)に帰ってる時もあるけど、俺が呼び出した時以外はほぼほぼ王城で好きに甘やかされている。もうアップルパイが無いとダメな身体になってしもうたに違いない。
ゲイルんちにはたまにふらりと現れてゴロゴロしていく。

なんか、もう俺の守護獣っていうより、王城のペットじゃね?こっちが「ルー別邸」になってるよね?
まあ、聖獣が王城に居ついてるおかげか、国は安泰な感じなんだけど!
でも、飼い主は俺!お兄様じゃなくて俺でしょ?
もふらせてくれた後「サービスしてやった」みたいな顔するの、やめて?「ご褒美はないのか?」みたいなのもやめて?
おやつばっか食べてたらブタさんになっちゃうんだからね!
ほんと、自由だなあルー親子!


そして、ここにも3階があるんだけど。
その部屋が凄いの!
緑の間!
部屋に沢山の植物を並べてあって、あちこちにソファやクッション、小さなテーブルが置いてある。
自由に好きな場所でくつろげる仕様。
しかも天井は硬化ガラスみたいなやつ!透き通ったドーム状になってて、そのまま星を眺めたり、開いて直接空を見ることもできる。
居るだけで安らぐから、昔は疲れるとよくここに篭ってたりしたんだって。

「今は?」って聞いたら、「ん?サフィで癒されてるからか、疲れなくなったなあ」だって!
俺もゲイルに癒されてるよ!ゲイル、大好き!!!

使用人さんたちのお部屋は敷地内の別棟に。
みんなそこから通ってきてくれます。
貴族とかだと夜中も呼び出したりするから同じ棟に住ませる人が多いんだけど、

「結界はってあるから、警備もそこまで必要ねえしな。
みんなだって夜くらいゆっくりしたいだろ?」

だそう。
ゲイル、ほんとに好き!!







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