もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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第2部   サフィ10歳。伯爵家の息子です!

俺のお勉強!

さて。
初めての学校の授業なわけですが。
端的に言おう。学校での授業は…簡単だった。
というと偉そうに聞こえるかもしれないが、ほぼエリアスの授業で習った内容だったのだ。
経営科だからいわゆる嫡男としての領地経営や、商売のやり方について学ぶんだけど。
既知!むしろエリアスの方がわかりやすい!
こうしてみると、いきなり公爵家当主となったのに速やかに全て掌握し采配を振るうエリアス、優秀だったんだなあ。
先生としても優秀だったのがよく分かった。
俺といると親馬鹿みたいになっちゃうけど、本来は凄い人なんだよね。
俺といるとそう見えないけど。

あとね。
学校での最大の難関と言われてるのは算術らしいんだけど、これが前世の小学生、中学生レベル!
要するに足し算、引き算、掛け算なの!
10歳から12歳までの貴族高学院では正数まで。
13歳、14歳の行く貴族大学院でようやくマイナスや分数、少数を習う。
高校生だった俺からすれば、大学院レベルでも簡単すぎる!異世界大好き!ヒャッホー!

授業で先生に指され、スラスラと黒板に回答を書く俺にみんなあんぐり。

ミルくんなんかは

「…サフィってほんとにちゃんと新入生代表だったんだねえ!コネ枠じゃなかったんだ!
言動が言動だからてっきり可愛いおマヌケさんなのかと思ってた!」

と失礼なことを叫び、それにクラスメートまで頷いてる!
ああ!先生まで!!
キイイーーッ!
なんで奴らだ!いい仲間だと思ってたの、取り消し!

「ちょっとお!しつれーですよ、しつれー!!ちゃんとテスト受けましたし!
俺、ツエエだけじゃなくて頭まで良かったんだからね!」

は!
とんでもないことに気づいちゃった!
俺ってばもしかして無敵なのでは⁈
がびーん!
そ、そんなに完璧で良いのでしょうか?
俺ってば、神に愛され…
あ、普通に愛されてるわ!
そういや聖女だもんね…あはは…

1人でドヤったあげく、急にスン顔になった俺にクラスメート困惑。


「こういうところなんだよなー」
「うんうん。賢いの抜けてるよねえ。まあそこが可愛いんだけど」
「サフィってば確かに魔力多そうだし、頭も良い。凄えのになんか…頼りないんだよなあ…」
「そうなんだよなー。なんでだろ?」
「無敵だろうけど、戦闘中に石につまづいて転びそうだから?」
「あ!それわかるー!!」
「でもって敵に『痛いよう!』とか言ったら、敵なのに向こうが治療してくれるやつな!」
「敵までサフィに絆されるやつだな!」
「あるある!」
「はあ⁈ないですし!自分で治療できますうー!」

ぶう!
唇とがらせたらミルくん「やめな。かわいいだけだから!」とつままれた。

「転ぶのは認めちゃうんだ」
「ち、ちがうもん!転びませんし!」

もー!もーー!!

「せんせー!みんなが意地悪しますっ!
廊下とバケツして!」

指をさして訴えたら、先生、目を逸らしてぷるぷる震えてる。
キサマもか!!

頭から湯気を出してむくれる俺の口に、リースが何かをつっこんできた。

「!!アメ?アメだ!」

しかもアールグレイ味!俺が好きなやつ!
ご機嫌でコロコロしてたら、リースくんが

「うん。大人しくなったね。
サフィ用に用意しといてよかった。
さ、授業に戻ろう!」

とサクサクと俺を席に連れ戻した。

何ごともなかったかのように再開された授業。
お口の甘さを堪能しながら、俺は思った。
あれ?俺、なんでオコだったんだっけ?




とにかく授業は楽々!
俺、賢かった!
放課になったら、ミンミン(ミンツ&ミント)が「勉強教えてっ」とノートを広げてきた。
俺は丁寧に教えてやりながら、

「あのね。数のイメージがしにくい時は、指の数で確認したりしてもいいよ?」
「1と9、2と8、3と7みたいに足したら10になる数をセットで記憶するの」

などとアドバイス。
いつのまにか周りに集まったみんながメモしながら褒めてくれる。

「意外だけど、やっぱサフィは賢い」
「意外だけど、確かに学年トップだね」
「意外だけど教え方もわかりやすい」

意外だけど、って枕詞にしないで⁈
まあ褒められてるのは確か。

「ほーら!ほーら!
ミルくん!聞いた⁈これが正当なひょーか!」
「はいはい!
てゆーか、朝から気になってたんだけど。
その『ミルくん』ってなに?ボクのコト?」
「うん。カミールだからミルくん。
かわいくてピッタリでしょ!
カミールって綺麗だしかわいいから、かわいいあだ名にしたの!」
「う、うん。ありがと。
もう、サフィってばサラッとそういう発言するよねえ!
レオン様の影響かな。
ボクたちならいいけど、話す相手に気をつけなよ?」
「?わかったー」
「それ、わかってないやつだね」
「まあまあ!俺らもサフィ見とくから!」

保護者みたいなことを言い出したのはケイシー。

実は彼のお父さんは副騎士団長!
代々騎士団長を勤めるゲイツ伯爵家の家長だ。
でも彼は『自分より実力がある人がいるだろう』と団長の座を辞退し、オルガ先生を団長に推したという人格者。
俺はその話を聞いて一方的に副団長さんのファンだ。
そんな人の息子なので、ケイシーも人格者。
見た目も好き。
ケイシーの外見はいわゆるツーブロ茶髪に目は日本人みたいな黒なのだ。
個人的にとても落ち着く色合いの面倒見が良い級長さんなのです。

そんなケイシーの言葉なだけに怒るに怒れない。

「なんか、俺ってば子供扱い?」

しょんぼりしたら。

「サフィはこのクラスの癒し!
マスコットだな!」

と褒めてるんだかよくわからない言葉とともに頭をなでなでされた。
やっぱ子供扱いじゃん!

すると、元気な声が俺を励ました。

「サフィのおかげでウチのクラスすげー仲良くなってんじゃん!
普通なら、経営科ってみんなライバルって感じでギスギスするらしいぞ?」
「そうそう。サフィのおかげよ?サフィはそれでいいのよ!」

ミンミン!我が友よ!!

「よし!ミンミンにはテスト前に勉強会してあげちゃう!
俺と目指せトップof the経営科!」
「マジで?やったぜ!」
「きゃー!目指す目指す!」











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