184 / 538
不穏な影
ナージャのお母様を救い隊
グリフィス家の「ザ・美味いもんセット」(ゲイルと俺の好物セット)を帝国ご一同にもご堪能頂き、甘えん坊さんになってしまったナージャよしよししてる間に、公爵&リオ、キースが合流した。そして王城に向かったお兄様たちも戻ってくる。
バーン!と扉が開くや否やリオが飛び込んできた。
「ねえ!緊急事態ってどういうこと⁈サフィが早退してたのと関係あるっ?」
リオは相変わらずの勢い。
その後ろから現れた公爵は、さすがに落ち着いている様子。表情一つ変えずに淡々とこう言い放つ。
「サフィラス。敵は何処にいるのだ?私が排除しよう。名を教えてくれ」
あ。落ち着いてなかった。ヤル気だこの人。どうどうどう。
微妙に冷静でない公爵家に比べ、S級冒険者のキースはさすがだった。
「で、どうした?サフィ。そこにいる子、確か王族だよね?俺たちが呼ばれたこととなにか関係あるのかな?俺に何をして欲しい?」
腕を組んで何気ないふうで話しながらも油断無くナージャたちを牽制している。
俺はチームリーダーとして、まずはナージャたちを紹介することにした。
「えっとお。わざわざ集まってくれてありがとうね。この子はナージャでございます。帝国の第一王子で、こっちに留学してきたの。でもんって、俺の誘拐犯です!あと、こっちは侍従のヒュンゲルさん。よろしく!」
「「「「はあああああ⁈」」」」
キースが素早く俺の身体を引き寄せ、背にかばう。
公爵はあっという間に氷魔法を展開。ナージャの周りを囲っている。
「貴様!サフィに手を出すとは!」
ビリビリとその殺気で空気を震わせるキースと公爵に、ナージャとヒュンケルは抱き合ってブルブルと身を震わせていた。
瞬間。ブワリと暖かな空気が広がり、殺気や氷魔法で作られた檻が霧散した。
ゲイルだ。す、すごい!一瞬で場を制した!
この部屋がまるごとゲイルの結界内に入ったのだ。
「おい。落ち着けよ。まあ、まずは話を聞いてやってくれ」
ナージャたちの母国である帝国は、うちの国の半分くらいの大きさ。うちの国とはけっこういろいろ違うらしい。魔力というよりも武力重視。いわゆる物理攻撃に特化した国なのだという。
聖獣はライオン。王族の中に代々聖獣の声が聞こえるものがでるんだそうな。でもって、王族は聖獣の守護により圧倒的な力を得る。その力で国を平和に治めているんだって。いわゆる王族至上主義。
そして聖女さんは平民とか貴族とか身分や血に関係なく現れる。治癒や浄化に特化していて、戦いによる傷や戦いで穢された土地を浄化するのがお仕事。
聖女が生まれると聖獣がそれに気づいて、王族に伝える。それで早いうちに保護することが多いんだって。そのまま王子に娶られる場合が大半。すごく名誉なことだから、みんな喜んでお嫁になるんだってさ。これもナージャの「聖女を娶る発言」の理由の一つだったみたい。
王族至上主義っていうと前までの貴族至上主義のウチみたい。思ったより前時代的な武闘派の国なんだね。
まあ、魔王とか生まれないみたいでそれだけはちょっとうらやましいけど。
ちなみに、うちの貴族の多くは魔力持ちで様々な魔法が使える。どうやらそれは国を守護する聖獣フェンリルの加護によるものらしい。知らんかった!
魔法が使えるのは便利なんだけど、そのぶん魔素の影響を受けやすい。だからうちには魔王が生まれて、その魔王を生まれないようにするシステムみたいなのが聖女になるのですな。
ルー親子が「ほかの国にも聖獣がいるよ」「それぞれの聖女がいるよ」って言ってたのはこういうことなんだね。聖獣の能力の違いが、そのまんま国の個性とか聖女の能力の違いになってる感じ。
魔法に特化したフェンリルはかなり上位の聖獣らしいから、結果的にうちの国もこの世界の中ではかなりな上位国となっておりまする。
ちょっと前までは他の国の侵略とかあったみたいだけど、返り討ちを繰り返すうちに、どこの国もうちには攻めてくなくなったそうな。なのでうちの国の最近の戦闘っていうのは、貴族の家門同士の小競り合いに近い。あとはクーデター的な?
それも俺のコンサートでおっちゃんたちと王様たちが一枚岩となったおかげで、今は平和そのもの。
とにかく俺とゲイルがいるだけでこの平和は続いていくっぽい。
こういう背景を考えると、ナージャのしでかしはかなり激ヤバ。おもにナージャの国にとって。だってうちのほうが圧倒的に強いんだから!喧嘩うったらアカン!
お兄様のリボンとかなくって万が一誘拐とかになっちゃってたり俺が泣いちゃってたりしたら………。ひいいいい!想像しただけで恐ろしい!俺の身内の無双が行われるところだった!
では。このような背景を知ったうえで、ナージャの置かれた状況をば聞いていただきましょう。
お食事を終えた俺たちは、みんなで王城に移動してお話合いでございます!
一応、他国に国の代表としていくことになるから、王様と王妃様にも説明するのです。
ナージャたちはゲート使えないから、特別に今回だけ使えるように簡易許可を出してもらった。
ゲートのことを他にばらさないように魔法契約書にもしっかりとサインをもらったよ!
集まったお部屋は…いつもの会議室!あの、お披露目会のあと集まったお部屋だ。
みんなにソファやそこらへんに座ってもらって、俺は前で開会宣言!
はい、ちゅーもーく!
「えーっと。ごほん!ではこれから『ナージャのお母様を救い隊』、第一回会議を開催いたしまする!」
はい、はくしゅーーー!パチパチパチパチー!
俺たちにとってはいつものノリなんだけど、初めてのナージャは困ったみたいにきょろきょろして、慌ててパチパチしている。
うん。早く慣れてね。
「さいしょに、ナージャの事情を説明しますのでね。ナージャ、みんなに話をしていい?」
「うん。私の勝手な事情でサフィを巻き込んでしまった。それなのに助けてくれるというのだ。私に異論はない。ただ、我が国の内情にかかわる話だ。ここだけの話にしてもらいたい」
確認のためにみんなの顔を見回すと、みんな真剣な顔で頷いてくれた。よかったあ!
「ナージャのお母様は正妃様。でもって、聖女なんだって。ナージャの国の人の魔力量ってそんなに多くないの。肉体強化とかに特化した能力なんだって。聖女のお母様も同じ。浄化なヒールする魔力はあるけど、それは聖獣から借りて使ってる感じ。自分の魔力が大きいわけじゃないの。それでね、聖獣の声が聞こえる特殊な魔力持ちのナージャを産むときに、身体が耐えられず虚弱になっちゃったの。自己治癒もできないんだって」
みんなの視線がナージャに集中し、ナージャが泣き笑いみたいな表情になった。
「これって、誰かと似てるでしょ?」
「……母上と似てる。ナージャは…サフィだよね?」
リオがどこか痛いみたいな顔をして言った。
「うん。そう。ナージャのお母様はなんとか生きてるけど、厳しい状況なんだって。それで次の代の聖女の治癒なら…って自分の国の聖女を探したんだけど、まだ赤ちゃんだったの」
キースが額に手をあて「あー……」と脱力する。
そうだよねえ。せめて子供くらいならなんとかなったかもなのに。
「なんとかならないか、っていうときに、聖獣さんが『どこかに強い聖女がいる』って言いだしたんだって。それで聖獣さんの力で探して見つかったのが、うちだったの。誰かは公表してなかったけど、探索で場所を特定して、うちの学院だってわかったの。王様に正式に助けを要請するように頼んだんだけど『他国に弱みを見せられない』って断られたんだって」
「……身内の恥をさらすようだが……実は母上の派閥の政治的な力は弱まっている。代わりに側妃の派閥の力が強くてね。側妃の圧力がかかっているんだ。母がいなくなれば彼女が正妃だからね……。王宮の誰が敵で誰が味方なのか、私にはわからない。だから、父王に『留学したい』と嘘をついてここに来たんだ」
ここまではみんなちょっと同情的な感じで、うんうん、と聞いていた。
だけどナージャがこうを口にしたとたん、一気に空気は剣呑なものに。
「……本当の目的は聖女を娶って連れ帰ることだ。一目ぼれしたと言って連れ帰り、母上を治療してもらうつもりだった。聖女にはその代わりに私の妻、王太子妃という地位を与えようと……」
パリパリパリ…!
空気がビリビリすると思ったらキースの身体から電気が!静電気みたいなのがバリバリしちゃってる!
公爵の周りの空気はどんどん冷えていき、吐く息白くなっちゃってる!氷魔法でちゃってるじゃん!
そんな二人の間で化学反応がおきて水蒸気みたいなのがモクモクモク!
「ああああ!あくまでも!あくまでも、ナージャはご褒美のつもりでね!ナージャの国では王妃とか王太子妃とかがすごく名誉なことでみんな奪い合いみたい!でもって、ナージャも自分の国ではモテモテだったもんだから、およその国でもみんな喜んで結婚したがると思ってたみたい。
ちょっと痛い思考回路だけど、悪気はないの!自意識過剰は恥ずかしいけど、世間知らずの箱入り育ちだから、許してあげて!みんなだって、思春期特有の恥ずかしい勘違いとかしちゃったことあるでしょお!黒い歴史ってやつなの!もう十分恥はかいたから!一生の心の傷になってるから!許してあげて!」
俺が必死になってナージャをかばったおかげで、みなのお怒りは鎮まった。
ナージャはあまりの感動でだろう。床にうち伏して俯いて震えている。うんうん。いいんだよ。俺は分かってるから!
そんなナージャに周りからはどこか同情的な視線が集まっていた。
よし!この感じならみんな協力してくれそう!我ながらグッジョブ!
バーン!と扉が開くや否やリオが飛び込んできた。
「ねえ!緊急事態ってどういうこと⁈サフィが早退してたのと関係あるっ?」
リオは相変わらずの勢い。
その後ろから現れた公爵は、さすがに落ち着いている様子。表情一つ変えずに淡々とこう言い放つ。
「サフィラス。敵は何処にいるのだ?私が排除しよう。名を教えてくれ」
あ。落ち着いてなかった。ヤル気だこの人。どうどうどう。
微妙に冷静でない公爵家に比べ、S級冒険者のキースはさすがだった。
「で、どうした?サフィ。そこにいる子、確か王族だよね?俺たちが呼ばれたこととなにか関係あるのかな?俺に何をして欲しい?」
腕を組んで何気ないふうで話しながらも油断無くナージャたちを牽制している。
俺はチームリーダーとして、まずはナージャたちを紹介することにした。
「えっとお。わざわざ集まってくれてありがとうね。この子はナージャでございます。帝国の第一王子で、こっちに留学してきたの。でもんって、俺の誘拐犯です!あと、こっちは侍従のヒュンゲルさん。よろしく!」
「「「「はあああああ⁈」」」」
キースが素早く俺の身体を引き寄せ、背にかばう。
公爵はあっという間に氷魔法を展開。ナージャの周りを囲っている。
「貴様!サフィに手を出すとは!」
ビリビリとその殺気で空気を震わせるキースと公爵に、ナージャとヒュンケルは抱き合ってブルブルと身を震わせていた。
瞬間。ブワリと暖かな空気が広がり、殺気や氷魔法で作られた檻が霧散した。
ゲイルだ。す、すごい!一瞬で場を制した!
この部屋がまるごとゲイルの結界内に入ったのだ。
「おい。落ち着けよ。まあ、まずは話を聞いてやってくれ」
ナージャたちの母国である帝国は、うちの国の半分くらいの大きさ。うちの国とはけっこういろいろ違うらしい。魔力というよりも武力重視。いわゆる物理攻撃に特化した国なのだという。
聖獣はライオン。王族の中に代々聖獣の声が聞こえるものがでるんだそうな。でもって、王族は聖獣の守護により圧倒的な力を得る。その力で国を平和に治めているんだって。いわゆる王族至上主義。
そして聖女さんは平民とか貴族とか身分や血に関係なく現れる。治癒や浄化に特化していて、戦いによる傷や戦いで穢された土地を浄化するのがお仕事。
聖女が生まれると聖獣がそれに気づいて、王族に伝える。それで早いうちに保護することが多いんだって。そのまま王子に娶られる場合が大半。すごく名誉なことだから、みんな喜んでお嫁になるんだってさ。これもナージャの「聖女を娶る発言」の理由の一つだったみたい。
王族至上主義っていうと前までの貴族至上主義のウチみたい。思ったより前時代的な武闘派の国なんだね。
まあ、魔王とか生まれないみたいでそれだけはちょっとうらやましいけど。
ちなみに、うちの貴族の多くは魔力持ちで様々な魔法が使える。どうやらそれは国を守護する聖獣フェンリルの加護によるものらしい。知らんかった!
魔法が使えるのは便利なんだけど、そのぶん魔素の影響を受けやすい。だからうちには魔王が生まれて、その魔王を生まれないようにするシステムみたいなのが聖女になるのですな。
ルー親子が「ほかの国にも聖獣がいるよ」「それぞれの聖女がいるよ」って言ってたのはこういうことなんだね。聖獣の能力の違いが、そのまんま国の個性とか聖女の能力の違いになってる感じ。
魔法に特化したフェンリルはかなり上位の聖獣らしいから、結果的にうちの国もこの世界の中ではかなりな上位国となっておりまする。
ちょっと前までは他の国の侵略とかあったみたいだけど、返り討ちを繰り返すうちに、どこの国もうちには攻めてくなくなったそうな。なのでうちの国の最近の戦闘っていうのは、貴族の家門同士の小競り合いに近い。あとはクーデター的な?
それも俺のコンサートでおっちゃんたちと王様たちが一枚岩となったおかげで、今は平和そのもの。
とにかく俺とゲイルがいるだけでこの平和は続いていくっぽい。
こういう背景を考えると、ナージャのしでかしはかなり激ヤバ。おもにナージャの国にとって。だってうちのほうが圧倒的に強いんだから!喧嘩うったらアカン!
お兄様のリボンとかなくって万が一誘拐とかになっちゃってたり俺が泣いちゃってたりしたら………。ひいいいい!想像しただけで恐ろしい!俺の身内の無双が行われるところだった!
では。このような背景を知ったうえで、ナージャの置かれた状況をば聞いていただきましょう。
お食事を終えた俺たちは、みんなで王城に移動してお話合いでございます!
一応、他国に国の代表としていくことになるから、王様と王妃様にも説明するのです。
ナージャたちはゲート使えないから、特別に今回だけ使えるように簡易許可を出してもらった。
ゲートのことを他にばらさないように魔法契約書にもしっかりとサインをもらったよ!
集まったお部屋は…いつもの会議室!あの、お披露目会のあと集まったお部屋だ。
みんなにソファやそこらへんに座ってもらって、俺は前で開会宣言!
はい、ちゅーもーく!
「えーっと。ごほん!ではこれから『ナージャのお母様を救い隊』、第一回会議を開催いたしまする!」
はい、はくしゅーーー!パチパチパチパチー!
俺たちにとってはいつものノリなんだけど、初めてのナージャは困ったみたいにきょろきょろして、慌ててパチパチしている。
うん。早く慣れてね。
「さいしょに、ナージャの事情を説明しますのでね。ナージャ、みんなに話をしていい?」
「うん。私の勝手な事情でサフィを巻き込んでしまった。それなのに助けてくれるというのだ。私に異論はない。ただ、我が国の内情にかかわる話だ。ここだけの話にしてもらいたい」
確認のためにみんなの顔を見回すと、みんな真剣な顔で頷いてくれた。よかったあ!
「ナージャのお母様は正妃様。でもって、聖女なんだって。ナージャの国の人の魔力量ってそんなに多くないの。肉体強化とかに特化した能力なんだって。聖女のお母様も同じ。浄化なヒールする魔力はあるけど、それは聖獣から借りて使ってる感じ。自分の魔力が大きいわけじゃないの。それでね、聖獣の声が聞こえる特殊な魔力持ちのナージャを産むときに、身体が耐えられず虚弱になっちゃったの。自己治癒もできないんだって」
みんなの視線がナージャに集中し、ナージャが泣き笑いみたいな表情になった。
「これって、誰かと似てるでしょ?」
「……母上と似てる。ナージャは…サフィだよね?」
リオがどこか痛いみたいな顔をして言った。
「うん。そう。ナージャのお母様はなんとか生きてるけど、厳しい状況なんだって。それで次の代の聖女の治癒なら…って自分の国の聖女を探したんだけど、まだ赤ちゃんだったの」
キースが額に手をあて「あー……」と脱力する。
そうだよねえ。せめて子供くらいならなんとかなったかもなのに。
「なんとかならないか、っていうときに、聖獣さんが『どこかに強い聖女がいる』って言いだしたんだって。それで聖獣さんの力で探して見つかったのが、うちだったの。誰かは公表してなかったけど、探索で場所を特定して、うちの学院だってわかったの。王様に正式に助けを要請するように頼んだんだけど『他国に弱みを見せられない』って断られたんだって」
「……身内の恥をさらすようだが……実は母上の派閥の政治的な力は弱まっている。代わりに側妃の派閥の力が強くてね。側妃の圧力がかかっているんだ。母がいなくなれば彼女が正妃だからね……。王宮の誰が敵で誰が味方なのか、私にはわからない。だから、父王に『留学したい』と嘘をついてここに来たんだ」
ここまではみんなちょっと同情的な感じで、うんうん、と聞いていた。
だけどナージャがこうを口にしたとたん、一気に空気は剣呑なものに。
「……本当の目的は聖女を娶って連れ帰ることだ。一目ぼれしたと言って連れ帰り、母上を治療してもらうつもりだった。聖女にはその代わりに私の妻、王太子妃という地位を与えようと……」
パリパリパリ…!
空気がビリビリすると思ったらキースの身体から電気が!静電気みたいなのがバリバリしちゃってる!
公爵の周りの空気はどんどん冷えていき、吐く息白くなっちゃってる!氷魔法でちゃってるじゃん!
そんな二人の間で化学反応がおきて水蒸気みたいなのがモクモクモク!
「ああああ!あくまでも!あくまでも、ナージャはご褒美のつもりでね!ナージャの国では王妃とか王太子妃とかがすごく名誉なことでみんな奪い合いみたい!でもって、ナージャも自分の国ではモテモテだったもんだから、およその国でもみんな喜んで結婚したがると思ってたみたい。
ちょっと痛い思考回路だけど、悪気はないの!自意識過剰は恥ずかしいけど、世間知らずの箱入り育ちだから、許してあげて!みんなだって、思春期特有の恥ずかしい勘違いとかしちゃったことあるでしょお!黒い歴史ってやつなの!もう十分恥はかいたから!一生の心の傷になってるから!許してあげて!」
俺が必死になってナージャをかばったおかげで、みなのお怒りは鎮まった。
ナージャはあまりの感動でだろう。床にうち伏して俯いて震えている。うんうん。いいんだよ。俺は分かってるから!
そんなナージャに周りからはどこか同情的な視線が集まっていた。
よし!この感じならみんな協力してくれそう!我ながらグッジョブ!
あなたにおすすめの小説
結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です
柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。
そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。
真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。
けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。
「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」
彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。
アンリは実は、亡き国王の婚外子。
皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。
何もしなかっただけです
希臘楽園
ファンタジー
公爵令嬢であり王太子の婚約者であった私は、「地味だ」という理由で婚約を破棄され、王宮を去った。
それまで私が担っていた役目を、誰も知らないまま。
――ただ何もしなくなっただけで、すべては静かに崩れていく。
AIに書かせてみた第14弾は、「追放ざまぁ」系の短編。
あなたの愛したご令嬢は俺なんです
久野字
BL
「愛しい令息と結ばれたい。お前の家を金銭援助するからなんとかしろ」
没落寸前の家を救うため、強制的な契約を結ばれたアディル。一年限りで自分の体が令嬢に変わる秘薬を飲まされた彼は、無事に令息と思いを通じ合わせることに成功するが……
「お前がいると息が詰まる」と追放された令嬢——翌週から公爵家の予定が全て狂った
歩人
ファンタジー
クラリッサは公爵家の日程管理を一手に担う令嬢。前世の社畜経験を活かし、行事計画、来客対応、予算管理まで完璧にこなしていた。
だが婚約者ヴィクトルは言った。「お前がいると息が詰まる。もっと華やかな女がいい」
追放されたクラリッサが去った翌週、公爵家の予定が全て狂い始める。
舞踏会の招待状は届かず、外交晩餐会の料理は手配されず、決算書類は行方不明。
一方クラリッサは、若き領主の元で「定時退社」という夢を叶えていた。
「もう、残業はしません」
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。