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いざ帝国!
サフィ、帝国の大地に立つ!
「おおおお!!」
帝国の港は、なんというか凄かった。
あっちもこっちもそっちもどっちも、マッチョ、マッチョ、細マッチョ、マッチョ!
ザ・肉体労働者みたいなムキムキの海の男たちがあちこちゆきかい、「おーい!それはこっちに下ろせ!」と荷下ろしや荷運び中。
そんな中でも、特にマッチョがビシっと整列している異様な一角が。チャコール色の軍服をビシっと着こなしているところを見ると、あれが陸軍なんだろう。
先頭にいるのは……
「ナージャ!」
おおお!そもそもがまだ出会ったばかりなのに、その数日の異様な濃さのせいか、まるで長年の友に再開したかのような気分になる。
「サフィ!よく来てくれた!」
ちょっとやつれたように見えるナージャが、それでも俺の姿を見てパッと破顔した。
ナージャはまずは代表であるお兄様に向き直り、丁寧にあいさつを交わす。
レオンハルト殿下。遠路はるばるようこそ起こし下さいました。ご不自由はございませんでしたか?」
「久しぶりだね、ナージャ殿下。ご招待いただきありがとう。とても快適な旅だったよ」
「それはよかった!お疲れでしょう。まずは館にご案内し、お寛ぎください」
そして今度はゲイルに挨拶。
「あなたがグリフィス伯爵ですね。はじめまして。帝国第一王子、ナージャと申します。ご子息のサフィラス様とは教室でご一緒させて頂きました。殿下の外交にご子息と甥御さんを伴ってご同行頂けるというので、心待ちにしておりました」
「初めまして。ゲルリアス・グリフィスと申します。どうぞゲイルとお呼びください。息子から話は聞いております。仲良くして頂いたということ。ありがとうございます。ご無礼はございませんでしたでしょうか?」
「もう、ゲイルってば!俺とナージャは仲良しなの。無礼とかしてないからね!」
「サフィのいうとおりです。ご子息にはとても良くして頂きました。再会できてうれしく思います」
「ねえねえ、ナージャ。俺、ナージャのお母様に会うの、楽しみにしてたんだよ。俺にはお母様がいないから。とっても優しいって言ってたでしょ。王様にご挨拶させていただくとき、いらっしゃるかなあ?紹介してくれる?」
俺はナージャに目配せした。
ナージャにはちゃんと意味が通じたようだ。
「それが……母は今臥せっているのだ。人に移る病というわけではないから、それでも良ければ会って貰えるか?母もサフィの話を聞いて会いたがっていた」
「ご病気なの?じゃあ、ゲイルも一緒に行けばいいよ!俺のお父様はね、王国で一番のお医者さまなの。ヒールも使えるし、薬や薬草も使える最強のお医者様なんだよ!」
「ゲイル伯のご高名はこちらにも伝わってきている。だが……ご迷惑では?」
一度遠慮して見せるナージャに、再度勧める。
「迷惑じゃないよ!お兄様、ゲイル、いいでしょお?」
「そうだね。ナージャ殿下にはお世話になるんだし。ゲイル、お願いできるかな?」
「良いですよ。殿下は息子の学友でもありますしもしよろしければ、私に診せて頂けませんか?殿下に同行するということで、幸いにも様々な薬草をそろえてきております。お役に立てるかもしれませんよ?」
「せっかくなんだし診てもらいなよ!これも、運命なんじゃないかな?ちょうどよかったね!」
「……では、ご迷惑をおかけして申し訳ないが、お願いできるだろうか?」
「はい。承りました」
これで「帝国の文化を学びに来たお兄様」に同行していた医者が、医者の息子とナージャが学友だということで「たまたまナージャの母が臥せっていることを知り、治療を申し出る」という自然な流れをゲット!
これぞ様式美!
最初から計画してきたことだけど、きちんと「こういうことなんですよ」って体裁をとってアピールすることが大切。
そのあとは、ミカミカ、リオ、オルガ団長、キースと自己紹介&挨拶という定番。
オルガ団長とキースについては本当に初めましてなんだけどね。
俺たちがにこやかに挨拶など交わしている間に、船長と陸軍の人たち(推定)が話をしていた。フィガロ船長がウインクしたところを見るに、陸軍の軍団長にあの話をしているんだろう。
軍団長が、途中で眉を寄せ、そのあと険しい表情になったのを見ると、どうやら側妃に対して陸軍も思うところがあったようだ。
貴族同士の挨拶が終わったころを見計らい、さりげなくこちらに戻ってきた。
「ああ。彼はうちの陸軍の軍団長、リアム・シュレインだ。君たちが滞在中は彼が護衛につく。安心してほしい」
「ご紹介にあずかりました、陸軍軍団長、リアム・シュレインと申します。どうぞリアムとお呼びください。お迎えできて光栄に存じます。滞在中は陸軍が皆様をお守りいたします」
「ありがとう。私はレオンハルト。こちらは侍従のミカエル」
「ミカエルです。よろしく」
「彼は私の信頼する医師であるゲルリアス・グリフィス伯爵。そしてそちらはその息子であり私の大切な子、サフィラスだ。どうか気にかけてやってほしい」
「ゲイルとお呼びください。よろしく」
「サフィです!」
握手握手。
リオ、オルガ団長、キース、とあいさつは続いたのだが……。俺とゲイルが挨拶するとき口の端っこが今にも笑いだしそうにピクピクしてた。絶対にフィガロ船長から何か聞いたに違いない。
そして、オルガ団長とキースの時には、まるで憧れのアイドルを見るかのようなキラキラした目になった。脳筋軍団の間でオルガ団長とS級冒険者であるキースの名は伝説に近いようだ。帝国を代表する陸軍の精鋭たちが、まるで少年のような顔で二人の一挙一動を見守っている。
護衛というか戦力として来てもらったんだけど、違った意味でも来てもらってよかったかもしれない。
みんなのハートは鷲掴みだ。
帝国の港は、なんというか凄かった。
あっちもこっちもそっちもどっちも、マッチョ、マッチョ、細マッチョ、マッチョ!
ザ・肉体労働者みたいなムキムキの海の男たちがあちこちゆきかい、「おーい!それはこっちに下ろせ!」と荷下ろしや荷運び中。
そんな中でも、特にマッチョがビシっと整列している異様な一角が。チャコール色の軍服をビシっと着こなしているところを見ると、あれが陸軍なんだろう。
先頭にいるのは……
「ナージャ!」
おおお!そもそもがまだ出会ったばかりなのに、その数日の異様な濃さのせいか、まるで長年の友に再開したかのような気分になる。
「サフィ!よく来てくれた!」
ちょっとやつれたように見えるナージャが、それでも俺の姿を見てパッと破顔した。
ナージャはまずは代表であるお兄様に向き直り、丁寧にあいさつを交わす。
レオンハルト殿下。遠路はるばるようこそ起こし下さいました。ご不自由はございませんでしたか?」
「久しぶりだね、ナージャ殿下。ご招待いただきありがとう。とても快適な旅だったよ」
「それはよかった!お疲れでしょう。まずは館にご案内し、お寛ぎください」
そして今度はゲイルに挨拶。
「あなたがグリフィス伯爵ですね。はじめまして。帝国第一王子、ナージャと申します。ご子息のサフィラス様とは教室でご一緒させて頂きました。殿下の外交にご子息と甥御さんを伴ってご同行頂けるというので、心待ちにしておりました」
「初めまして。ゲルリアス・グリフィスと申します。どうぞゲイルとお呼びください。息子から話は聞いております。仲良くして頂いたということ。ありがとうございます。ご無礼はございませんでしたでしょうか?」
「もう、ゲイルってば!俺とナージャは仲良しなの。無礼とかしてないからね!」
「サフィのいうとおりです。ご子息にはとても良くして頂きました。再会できてうれしく思います」
「ねえねえ、ナージャ。俺、ナージャのお母様に会うの、楽しみにしてたんだよ。俺にはお母様がいないから。とっても優しいって言ってたでしょ。王様にご挨拶させていただくとき、いらっしゃるかなあ?紹介してくれる?」
俺はナージャに目配せした。
ナージャにはちゃんと意味が通じたようだ。
「それが……母は今臥せっているのだ。人に移る病というわけではないから、それでも良ければ会って貰えるか?母もサフィの話を聞いて会いたがっていた」
「ご病気なの?じゃあ、ゲイルも一緒に行けばいいよ!俺のお父様はね、王国で一番のお医者さまなの。ヒールも使えるし、薬や薬草も使える最強のお医者様なんだよ!」
「ゲイル伯のご高名はこちらにも伝わってきている。だが……ご迷惑では?」
一度遠慮して見せるナージャに、再度勧める。
「迷惑じゃないよ!お兄様、ゲイル、いいでしょお?」
「そうだね。ナージャ殿下にはお世話になるんだし。ゲイル、お願いできるかな?」
「良いですよ。殿下は息子の学友でもありますしもしよろしければ、私に診せて頂けませんか?殿下に同行するということで、幸いにも様々な薬草をそろえてきております。お役に立てるかもしれませんよ?」
「せっかくなんだし診てもらいなよ!これも、運命なんじゃないかな?ちょうどよかったね!」
「……では、ご迷惑をおかけして申し訳ないが、お願いできるだろうか?」
「はい。承りました」
これで「帝国の文化を学びに来たお兄様」に同行していた医者が、医者の息子とナージャが学友だということで「たまたまナージャの母が臥せっていることを知り、治療を申し出る」という自然な流れをゲット!
これぞ様式美!
最初から計画してきたことだけど、きちんと「こういうことなんですよ」って体裁をとってアピールすることが大切。
そのあとは、ミカミカ、リオ、オルガ団長、キースと自己紹介&挨拶という定番。
オルガ団長とキースについては本当に初めましてなんだけどね。
俺たちがにこやかに挨拶など交わしている間に、船長と陸軍の人たち(推定)が話をしていた。フィガロ船長がウインクしたところを見るに、陸軍の軍団長にあの話をしているんだろう。
軍団長が、途中で眉を寄せ、そのあと険しい表情になったのを見ると、どうやら側妃に対して陸軍も思うところがあったようだ。
貴族同士の挨拶が終わったころを見計らい、さりげなくこちらに戻ってきた。
「ああ。彼はうちの陸軍の軍団長、リアム・シュレインだ。君たちが滞在中は彼が護衛につく。安心してほしい」
「ご紹介にあずかりました、陸軍軍団長、リアム・シュレインと申します。どうぞリアムとお呼びください。お迎えできて光栄に存じます。滞在中は陸軍が皆様をお守りいたします」
「ありがとう。私はレオンハルト。こちらは侍従のミカエル」
「ミカエルです。よろしく」
「彼は私の信頼する医師であるゲルリアス・グリフィス伯爵。そしてそちらはその息子であり私の大切な子、サフィラスだ。どうか気にかけてやってほしい」
「ゲイルとお呼びください。よろしく」
「サフィです!」
握手握手。
リオ、オルガ団長、キース、とあいさつは続いたのだが……。俺とゲイルが挨拶するとき口の端っこが今にも笑いだしそうにピクピクしてた。絶対にフィガロ船長から何か聞いたに違いない。
そして、オルガ団長とキースの時には、まるで憧れのアイドルを見るかのようなキラキラした目になった。脳筋軍団の間でオルガ団長とS級冒険者であるキースの名は伝説に近いようだ。帝国を代表する陸軍の精鋭たちが、まるで少年のような顔で二人の一挙一動を見守っている。
護衛というか戦力として来てもらったんだけど、違った意味でも来てもらってよかったかもしれない。
みんなのハートは鷲掴みだ。
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