もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

文字の大きさ
205 / 538
聖女を救え!

作戦というか行き当たりばったり?

では。ここで軍からもたらされた重要情報を参考に、新たに寝られた作戦をば。

といっても、俺たちがやることは変わらない。

●ナージャ殿下の友人として文化交流のため帝国に来たレオンハルト王子。旅に同行する医者であり王の信頼も厚いゲイル。ナージャ殿下のクラスメートだった息子と、生徒会長だった甥のリオもこの機会に一緒に留学。王宮で王国からの使節として挨拶。サフィの希望でナージャの母である王妃にもご挨拶させて頂きたいと申しでる。その際、王妃の体調不良を知り、高名な医者のゲイルが治療を申し出る。
●ゲイルとサフィで聖女を治療。ゲイルがその衰弱の原因が毒であると突き止める。


で、ここからはナージャが頑張る。

●ナージャがその毒の出どころは宰相だと証言。聖女自身の口からも証言を得る。
●王妃を害そうとした罪状により、軍を後ろ盾に宰相捕縛を王に願い出る。その際、側妃を煽り側妃もグルだと明らかにする。

俺たちはナージャに同行し「成り行きとはいえ、関わってしまったからには責任をもって宰相の処罰まで見守りたい」と、王国がナージャ側についていることをアピール。なんならここらへんで使。それを止めようとリオも
それはその場の成り行きで、友人であるナージャを反逆者である宰相たちから守ろうとしての行為なんだけど、後から罪に問えないくらいに魔法が暴走しちゃうかもしれない。



俺が暴走しちゃうかも、って話をしているあたりで、帝国のみんなの顔色が徐々に悪くなっていって「罪に問えないくらいに暴走しちゃうかも」ってあたりでナージャがしみじみと「……あの出会いで私はよく生きていたな……。サフィが敵じゃなくて良かった……」と呟いたのが印象的だった。
いや、いくら俺だって子供の命なんて奪いませんし!俺は泣く子の味方だもん!

「泣いてる子にそんなひどいことするわけないでしょお!えへん!俺は弱い者いじめはしません。清く正しい最強の冒険者めざしてますしね!」

それを聞いたキースがニコッ。

「S級の俺以上なんだし、最強といってもいいんじゃないか?」

オルガ団長も苦笑。

「こんなことをいうのは悔しいが、魔法を使われたら我が軍でもサフィにかなうものはいないだろうな」

ぱああああ!そ、それって…………

「ゲイル!いつの間にか俺ほんとうに最強だった!夢がかなってた!俺、最強の冒険者だって!」

やったあ!俺、すごい!ドヤアアアア!ドヤアアアアアアア!!
渾身のドヤアを決めた最強冒険者の俺を、ゲイルが抱き上げてくれた。

「良かったな、サフィ!俺もかなり前からそうじゃないかと思ってた!ようやく気付いたか!そうなんだよお前は最強なんだって!」

んん?あれ?ゲイルの反応、思ってたんと違う……。

「え?もしかして……みんな気付いてた?」

仲間たちを見回せば、みんな苦笑しながら頭をこくり。

「言ってよねえええ!もっと早く言ってよねえええええ!!」

「いや、いまさらすぎて、わざわざ言うまでもないというか……」
「どう考えたってサンダーボルドの段階で最強でしょ」
「オルガ団長!リオ!それ、ちゃんと口に出してしっかりと言わなきゃ!」
「だって、サフィ、自分で俺ツエエですっていってたでしょ。もうとっくに最強だって普通なら気づくよ」
「リオだってアイスアローできるでしょ。リオツエエでしょうが!」
「サフィはそれ全部できるでしょ。それがおかしいの!普通はどれかできたらいいな、ってくらいなんだってばあ!」


ここでフィガロ&リアム団長が恐る恐る付け加えた。

「こっちからするとどれかひとつでも凄いぞ?」
「あんなの当たり前にバンバンだされたら、戦うの馬鹿らしくなるっての!」

うんうん、と軍の皆さんがマジなお顔。

「あのな、サフィ。王国で最強なら。ほぼこの世界で最強といってもいい。王国みたいに魔法を使える奴が多い国は他にないんだからな?」

ミカミカ、そうなの?そういえば、俺、他の国についてはあんまり習ってなかった。近隣諸国の外交とか、昔の戦争とかそういうことくらい。貴族はたいてい魔法が使えるっていうのは、うちの国くらいだったらしい。
ほえー……。

「すまん、俺の教育不足だ」

ゲイルが頭を下げた。ので俺も横で「ぞんじあげませんで」とぺこり。



俺たちの会話に、リアム団長がため息をついた。

「こんな可愛いのに最強なんだもんなあ。しかも、最強なのにこんなに可愛いんだぜ?王国、怖えわ」
「でも俺はサフィだからこそ、信じられる気がするぞ?なんつーか、悪意がねえ。基本的には善意でできてる」

フィガロ団長の言葉にお兄様が我が意を得たりと頷く。

「そう。サフィは最強なのにとてもかわいくて、しかもとてもいい子なんだ。最強で最高だろう?」

ええー?そんなに褒めないでよお。てれてれ。

「私の経験上、サフィはいつも思いもよらないことをしでかす。事態は思わぬ方向に進む。だけどね。どんなことも必ずすべてが良いほうに丸く収まるんだ。最後には誰もが笑顔になっている。それがサフィなんだよ。だから……君たちも安心していいよ」

「お兄様の俺に対する謎の信頼感!」

思わず叫ぶと、オルガ団長が真面目な顔でお兄様に同意した。

「いや、殿下のおっしゃる通りだ。俺もそれは感じていた。サフィが絡むと思わぬことが起こる。だが結果は最高の結果になる」
「そりゃあ、俺の息子、神に愛されてるからな!」

チュッと俺にキスするゲイルの顔はマジでした。確かに聖女という点では神に愛されている……のか?でもそれはゲイルだって同じだし、なんならナージャのお母様だって同じでしょうに。
みんなの俺に対する謎すぎる過大評価が怖い。

もっと怖いのは、それを納得して妙に士気が高まってしまったナージャ軍団だ。

「我々にはサフィが味方に付いている!」
「もう勝利は決まったようなもの!聖女をお救いするのだ!そして、我が国を売国奴の手から取り戻すぞ!」
「おーーー!!」

「神」っていう言葉の上に「サフィ」ってルビが見える気がするけど気のせいかなあ?
俺、確かに最強だけど、ツエエけど、まだ十歳ですのでね!期待しすぎないでええええ!!!
感想 892

あなたにおすすめの小説

結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です

柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。 そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。 真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。 けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。 「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」 彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。 アンリは実は、亡き国王の婚外子。 皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。

何もしなかっただけです

希臘楽園
ファンタジー
公爵令嬢であり王太子の婚約者であった私は、「地味だ」という理由で婚約を破棄され、王宮を去った。 それまで私が担っていた役目を、誰も知らないまま。 ――ただ何もしなくなっただけで、すべては静かに崩れていく。 AIに書かせてみた第14弾は、「追放ざまぁ」系の短編。

あなたの愛したご令嬢は俺なんです

久野字
BL
「愛しい令息と結ばれたい。お前の家を金銭援助するからなんとかしろ」 没落寸前の家を救うため、強制的な契約を結ばれたアディル。一年限りで自分の体が令嬢に変わる秘薬を飲まされた彼は、無事に令息と思いを通じ合わせることに成功するが……

「お前がいると息が詰まる」と追放された令嬢——翌週から公爵家の予定が全て狂った

歩人
ファンタジー
クラリッサは公爵家の日程管理を一手に担う令嬢。前世の社畜経験を活かし、行事計画、来客対応、予算管理まで完璧にこなしていた。 だが婚約者ヴィクトルは言った。「お前がいると息が詰まる。もっと華やかな女がいい」 追放されたクラリッサが去った翌週、公爵家の予定が全て狂い始める。 舞踏会の招待状は届かず、外交晩餐会の料理は手配されず、決算書類は行方不明。 一方クラリッサは、若き領主の元で「定時退社」という夢を叶えていた。 「もう、残業はしません」

「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった

歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。 だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」 追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。 一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。 誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。 「その言葉は、もう翻訳できません」

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。

下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。 ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。 小説家になろう様でも投稿しています。