もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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聖女を救え!

ナージャのお母様

ゲイルに見惚れた側妃様と、俺のドッカーンの効果で宰相が冷静じゃないうちに、さっさと話をまとめてしまう。
別に王国は悪いことをしようとしているわけじゃない。
帝国の王妃であり、聖女様でもあるナージャのお母様を助けようとしているのだ。こちらは堂々としていればいい。

ナージャにそっと目配せすると、ナージャにも俺の意図が伝わったよう。

「では、宰相、レオンハルト殿下の案内を頼む。サフィたちは私が母上のところにお連れ致します。父上、よろしいでしょうか?」

「う、うむ。そうするがよい。不自由がなきよう取り計らうのだぞ」

「はい。では、失礼いたします」

俺たちもナージャと一緒に頭を下げ、そのままそそくさとたいさーん!
オルガ団長とお兄様は人身御供。ごめんね、宰相をよろしくね!




こうして俺とゲイル、リオ、キースはナージャの案内で別邸へ向かった。
聖女様は、緑に囲まれた別邸で療養されているんだって。
だけど……ここ……。

別邸に向かいながら、ゲイルがだんだん渋い顔に。

「サフィ……感じるか?」
「うん。これ、ヤバいね」

魔力の少ない人にはわからないと思うんだけど、負の魔力の塊があちらこちらに。
恐らく、通常ならばこの国ではそこまで負の魔力はたまらない。だってそもそも魔力が少ない国なんだもの。その程度なら聖女の存在だけで浄化できていたんだろう。
それが聖女様のお力が長期にわたって衰えている関係で徐々に濃くなって、ついにここまでになってしまったんだと思う。
こんなところにいたら、そりゃあ治るものもなおらないよ。たとえて言うと、喘息の人が大気汚染された街にすんでいるようなものだもの。

でもでも、ご安心くだされ!これくらいなら、俺で十分!
ルーダ曰く、俺は居るだけで浄化してくみたいだから、俺がいる間に徐々に薄まっていくはず。
だけど、聖女様のためにはさっさと浄化しちゃった方がいいんだろうな。
ってことでどうやってやるのかわかんないけどイメージして浄化してみましょー!

えっとお……俺の身体からきれいな空気をぶわーっと出すイメージで。
光で闇を吹き飛ばすイメージで心の中で唱えた。「悪いのとんでけー!」
ぶわわわわーっ!!
俺の身体から何かが噴出。周りにぶわーっと広がっていった。
よしよし。ぶわぶわくん。その黒いのやっつけちゃって!

にこにこしながら歩いていると、ゲイルが上機嫌で笑った。

「サフィ、やったな?」
「えへへ。できちゃった!」

キースも空気の変化に気づいたようで、眉をくいっとあげながら「サフィか?」とあきれ顔。
リオに至っては「何し方は聞かないからね」とあきらめたような表情だ。

魔力の少ないナージャは不思議そうに首をかしげている。

「なんだか身体が軽くなった気がする」

それが分かるだけ凄いよ、ナージャ。聖獣さまの守護があるからかな?帝国人なのに少しは魔力があるみたい。
きっと魔力なしの団長とか軍のみなさんなら何も感じないんじゃないかな。まあ、逆に負の影響も受けないんだろうけど。

俺はなんとなくナージャの頭をなでなで。

「うんうん。ナージャはそのままでいな。かわいいねえ、ナージャ」

「な、どうしたんだ?え?」

照れくさいのか真っ赤になって狼狽えるのがかわいいので、おてても繋いであげましょ。
繋いだ手は、少し汗ばんでいて、ひんやりと冷たい。

「……ナージャ、緊張してる?」

優しく聞けば、ナージャの笑顔がくしゃりと歪んだ。

「そりゃあするだろう。……母上の命がかかっているんだ」

だよね。王様の前では立派だったけど、まだ十歳なんだもん。今日この日のために、ナージャは味方のいない中で必死に戦ってきたんだ。

「大丈夫。必ず助けるから。ナージャのお母様が元気になったら、みんなでピクニックしよう。この森で。美味しいお茶とお菓子を食べて、良かったねって笑おうね」

ぎゅっと手を握れば、ぎゅっと握り返される。

「ああ。…………サフィ、ゲイル……どうか、どうか、母上を頼む」

「任せて!」




森が開けると、そのにはきれいな小さなお城。真っ白できらきらしている。
心なしが空気が少しだけ澄んでいるようないないような。

「ここが母上のいらっしゃるところだ」

さあ、参りましょう!

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