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最終決戦!
お兄様と合流!
ナージャと聖女様には少し遅れて登場してもらうことにして、一足先に俺たちだけ王城に向かった。
お兄様と団長はどんな感じだろう?
困ってないといいけど。
王城に戻ると、宰相が待ち構えていた。
「お手を煩わせて申し訳ございません。正直なところ、これまで薬を取り寄せたり医師を読んだりと色々手を尽くしてはおりましたが、なかなか芳しくなく……。やはり聖女様の病ということで、我々とは違うのでしょうなあ。王国で診ていらっしゃるのとは違ったのではありませんか?」
さりげなあく探りを入れてきた。しらじらしいなあ!
ちょっとむっとしたので、この際だし宰相さんの心の真っ黒度を測ってみることにした。
とことこっと宰相さんに近寄って
「ああっ!」
っと躓いたふりして宰相さんの手を掴んでみた。
ばっちーん!
「ヒイ!」
宰相さんの手に猛烈な衝撃!(俺はなんともない)ほうほう。こうなるのかあ!強烈な静電気って感じなんだね。
もうこれは既に俺たちを敵視してるってことでおけですな!
「な……な……何を……!!」
ゲイルが苦笑しながら俺の手を引いた。
「申し訳ない。息子と私は帯電体質でしてな。静電気を起こしやすいのです」
「ご、ごめんなさい。このお洋服、静電気をためやすいみたい。痛かったですか?」
うるうるおめめでこてんと首を傾げて謝罪すれば、宰相さんも怒るに怒れない。
「せ、静電気……!なかなかに難儀な体質ですな……。気を付けてくださいね?」
手をさすりながらも、それ以上俺を責めることなくビビりながら俺とゲイルから距離を取った。
後ろでキースが小さく「たいでんたいしつ……」と震える声で呟いている。
しいっ!黙って!
これ、あとで側妃様にもやってみるつもりだから。ゲイルが!
ゲイルがにっこりと極上の笑みを浮かべながら(宰相さんの後ろの侍従が被弾していた。すごい効果だ!)宰相さんに頼んだ。
「聖女様の診断の結果を王にお伝えしたいのですが……。王にお取次ぎ願えますでしょうか?」
「治療」といわず「診断」としたことで、宰相さんが一瞬かすかに笑みを漏らしたのを俺は見逃さなかった。
「診断だけで治療はできませんでした」と誤解させたのですな!さすがゲイル!
この辺の絶妙なミスリードの誘い方、俺も見習いたいところでございまする。
案の定、油断したのか宰相さんのガードが緩んだ。
「ほう。診断の結果、ですか。分かりました。ご案内いたしましょう」
「お願いいたします」
にこにこ。にこにこ。
腹の探り合いはゲイルの勝利!
ちょっと離れたところにいる、俺たちを見守ってくれてたと思われる陸軍さんに手をふりつつ王様のところに向かったのでした。
通されたのは、いわゆる「面会室」みたいなお部屋。
テーブルと、それを囲むように長椅子が2つ。その少し後ろにも長椅子がいくつか。
俺とゲイルとリオがテーブルの前の椅子に座り、一応護衛扱いのキースがその後ろに立った。
ごめんね、キース。「後ろに座ってもいいのでは?」って言ったら「護衛だからすぐにサフィを守れる位置にいて当然だろ?」ってきらめく笑顔を返されちゃいました。
王様を待っていると、先にお兄様とオルガ団長が戻ってきた。
「サフィ!どうだった?大丈夫だった?何も問題はないかな?」
戻るなりお兄様にぎゅっと抱きしめられてしもうた。
過保護!
「大丈夫だよー!ゲイルもキースも一緒だもん」
「僕もいたし!僕だって頼りになるんだよ?」
「うん。リオもいたしね!」
他国で俺と離れたのが相当心配だったみたい。
「俺がいるんだから大丈夫に決まってるだろ?レオンのほうはどうだ?問題はなかったか?」
するとお兄様がちょっと困った顔をした。チラと宰相さんを見て当たり障りない言葉を選ぶ。
「うーん……。問題というか……お忙しいだろうに陛下自ら案内して下さってね……。留学中のナージャ殿下はどうだったかとひたすら聞かれて困ったことくらいかな……」
なぬ?まさか王様自ら!それで宰相さんがい俺たちのほうのお迎えに出てたのか!
王様って、王国でナージャに聞いてた感じだと側妃べったりで王妃様もナージャも放置みたいだったよね。でも、こっちにきてから王様の印象どんどん変わるんですけど?
普通に、四面楚歌の中なんとか王妃様と息子を守ろうとギリギリ耐えてる人みたいに見えてきたよ?
ナージャのことだって大好きじゃん、王様。
そもそもこうなったのだって、王妃様を治したくってお金をつぎ込みすぎたからでしょ?
脳筋で考えなしだけど。普通の親だよね。
でも、お兄様がナージャと親しいっていうのは建前だから、お兄様もさぞ困ったことでしょうな。
そもそも俺だってそこまでクラスで親しかったわけじゃないもん。いきなり誘拐されただけだし。
でもそんなこと言えないよね。お兄様、なんていって言い逃れたんだろう?
一応宰相さんの目があるから、聞きたいけど聞けない……。
するとお兄様が察してくれた。
「陛下とは話がはずんでね。殿下は……学園でとても人気があった、とか。いろいろなことに興味を持たれていた、とか……」
おお……。当たり障りなく、誰にでも当てはまるようなことをひたすら繰り返していたのですな。それはお疲れさまでござりました……。
「出入りの職人を呼んでくださって、王城内の作業場も案内してくれたんだけど……正直、よく覚えていないんだ。何しろ延々と質問され続けていたものだから……」
とりあえず、くたびれきったお兄様をヨシヨシしておいた。
と、とにかく、これでみんな揃いました!
王様にぶっちゃけちゃいましょー!
にんまりとほくそ笑む俺を見た宰相さんが、困惑した表情でそっと俺から目をそらした。
俺、もしかして変な子認定されちゃってない?ちょっとお!
お兄様と団長はどんな感じだろう?
困ってないといいけど。
王城に戻ると、宰相が待ち構えていた。
「お手を煩わせて申し訳ございません。正直なところ、これまで薬を取り寄せたり医師を読んだりと色々手を尽くしてはおりましたが、なかなか芳しくなく……。やはり聖女様の病ということで、我々とは違うのでしょうなあ。王国で診ていらっしゃるのとは違ったのではありませんか?」
さりげなあく探りを入れてきた。しらじらしいなあ!
ちょっとむっとしたので、この際だし宰相さんの心の真っ黒度を測ってみることにした。
とことこっと宰相さんに近寄って
「ああっ!」
っと躓いたふりして宰相さんの手を掴んでみた。
ばっちーん!
「ヒイ!」
宰相さんの手に猛烈な衝撃!(俺はなんともない)ほうほう。こうなるのかあ!強烈な静電気って感じなんだね。
もうこれは既に俺たちを敵視してるってことでおけですな!
「な……な……何を……!!」
ゲイルが苦笑しながら俺の手を引いた。
「申し訳ない。息子と私は帯電体質でしてな。静電気を起こしやすいのです」
「ご、ごめんなさい。このお洋服、静電気をためやすいみたい。痛かったですか?」
うるうるおめめでこてんと首を傾げて謝罪すれば、宰相さんも怒るに怒れない。
「せ、静電気……!なかなかに難儀な体質ですな……。気を付けてくださいね?」
手をさすりながらも、それ以上俺を責めることなくビビりながら俺とゲイルから距離を取った。
後ろでキースが小さく「たいでんたいしつ……」と震える声で呟いている。
しいっ!黙って!
これ、あとで側妃様にもやってみるつもりだから。ゲイルが!
ゲイルがにっこりと極上の笑みを浮かべながら(宰相さんの後ろの侍従が被弾していた。すごい効果だ!)宰相さんに頼んだ。
「聖女様の診断の結果を王にお伝えしたいのですが……。王にお取次ぎ願えますでしょうか?」
「治療」といわず「診断」としたことで、宰相さんが一瞬かすかに笑みを漏らしたのを俺は見逃さなかった。
「診断だけで治療はできませんでした」と誤解させたのですな!さすがゲイル!
この辺の絶妙なミスリードの誘い方、俺も見習いたいところでございまする。
案の定、油断したのか宰相さんのガードが緩んだ。
「ほう。診断の結果、ですか。分かりました。ご案内いたしましょう」
「お願いいたします」
にこにこ。にこにこ。
腹の探り合いはゲイルの勝利!
ちょっと離れたところにいる、俺たちを見守ってくれてたと思われる陸軍さんに手をふりつつ王様のところに向かったのでした。
通されたのは、いわゆる「面会室」みたいなお部屋。
テーブルと、それを囲むように長椅子が2つ。その少し後ろにも長椅子がいくつか。
俺とゲイルとリオがテーブルの前の椅子に座り、一応護衛扱いのキースがその後ろに立った。
ごめんね、キース。「後ろに座ってもいいのでは?」って言ったら「護衛だからすぐにサフィを守れる位置にいて当然だろ?」ってきらめく笑顔を返されちゃいました。
王様を待っていると、先にお兄様とオルガ団長が戻ってきた。
「サフィ!どうだった?大丈夫だった?何も問題はないかな?」
戻るなりお兄様にぎゅっと抱きしめられてしもうた。
過保護!
「大丈夫だよー!ゲイルもキースも一緒だもん」
「僕もいたし!僕だって頼りになるんだよ?」
「うん。リオもいたしね!」
他国で俺と離れたのが相当心配だったみたい。
「俺がいるんだから大丈夫に決まってるだろ?レオンのほうはどうだ?問題はなかったか?」
するとお兄様がちょっと困った顔をした。チラと宰相さんを見て当たり障りない言葉を選ぶ。
「うーん……。問題というか……お忙しいだろうに陛下自ら案内して下さってね……。留学中のナージャ殿下はどうだったかとひたすら聞かれて困ったことくらいかな……」
なぬ?まさか王様自ら!それで宰相さんがい俺たちのほうのお迎えに出てたのか!
王様って、王国でナージャに聞いてた感じだと側妃べったりで王妃様もナージャも放置みたいだったよね。でも、こっちにきてから王様の印象どんどん変わるんですけど?
普通に、四面楚歌の中なんとか王妃様と息子を守ろうとギリギリ耐えてる人みたいに見えてきたよ?
ナージャのことだって大好きじゃん、王様。
そもそもこうなったのだって、王妃様を治したくってお金をつぎ込みすぎたからでしょ?
脳筋で考えなしだけど。普通の親だよね。
でも、お兄様がナージャと親しいっていうのは建前だから、お兄様もさぞ困ったことでしょうな。
そもそも俺だってそこまでクラスで親しかったわけじゃないもん。いきなり誘拐されただけだし。
でもそんなこと言えないよね。お兄様、なんていって言い逃れたんだろう?
一応宰相さんの目があるから、聞きたいけど聞けない……。
するとお兄様が察してくれた。
「陛下とは話がはずんでね。殿下は……学園でとても人気があった、とか。いろいろなことに興味を持たれていた、とか……」
おお……。当たり障りなく、誰にでも当てはまるようなことをひたすら繰り返していたのですな。それはお疲れさまでござりました……。
「出入りの職人を呼んでくださって、王城内の作業場も案内してくれたんだけど……正直、よく覚えていないんだ。何しろ延々と質問され続けていたものだから……」
とりあえず、くたびれきったお兄様をヨシヨシしておいた。
と、とにかく、これでみんな揃いました!
王様にぶっちゃけちゃいましょー!
にんまりとほくそ笑む俺を見た宰相さんが、困惑した表情でそっと俺から目をそらした。
俺、もしかして変な子認定されちゃってない?ちょっとお!
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