もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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最終決戦!

俺、ぶっちゃける

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しばらくして王様がやってきた。
なんかバタバタしてると思えば、なんと側妃様までいる!
どうやらこっちに来る途中、側妃様に捕まっちゃったぽい。
宰相さんが王様呼びにやるとき側妃にも連絡したんだろうなあ。
心なしかナージャパパ、死んだ目をしている。


偉い人登場に慌てて立ち上がったが「よい」と座らされる。
王様、聖女様が気になりすぎて「冷遇するふり」も忘れて腰を下ろしながらいきなり「で、どうであった?」と聞いてきた。ま、まずは座ろう?落ちつきましょうね?

ここで宰相さんってば、俺たちが答える前に、さっきのゲイルの言葉から「診察はされたそうですよ」なーんて言ってしもうた!いかにもゲイルが「治療できなかった」雰囲気を出しちゃっておりまする。
それにわざとらしく側妃様が呼応。

「まあ!やはり聖女様の治療となると難しいのでしょうねえ。でも気になさらないでくださいね?」

さりげなーくゲイルに目配せ。その目をパチパチして みせる側妃様。

そこで負けないのがお父様!にこりと魅惑の笑みを浮かべ、爆弾投下!

「いやいや、そうでもありませんよ。私は医師ですかヒーラーでもありますので。診察さえできれば治療可能なのです。聖女様の病の原因も突き止めました」

ガタリ、と王様が立ち上がった。そのお顔は緊張のあまり真っ白。

ちなみに、宰相さんも違う意味で真っ白、側妃様は魅惑のスマイルに被弾したままポーっとしております。

「正妃の病の原因はなんだったのだ?治療ができたのか⁈今はどのような様子なのだ?」

矢継ぎ早な質問。握りしめた手は僅かに震えてる。本気で聖女様を心配してるの、俺でもわかる。
うん!王様は味方確定だね。ナージャのためにも良かった!

「まずはお伺い致します。帝国の皆様は基本的に魔力はお持ちではないということでよろしいですか?」

身構えたところに一見関係なさそうな質問に宰相が拍子抜けした顔をした。
王様も怪訝な表情。

「いかにも。聖女には魔力があるが、基本的には魔力なしがほとんどだ」

「だからわからなかったのでしょうな。聖女様は、魔力欠乏症でした」

「魔力欠乏症⁈」

王様がぽかんとする一方、宰相さんは肩の力を抜いた。きっとバレてない、助かったとでも思っているんだろう。

ゲイルはまず魔力欠乏症について説明した。

「あくまでも仮説ですが。魔力の多い子を産むのは王国でも命がけなのです。腹の子の魔力が母体に負荷を与えるからです。しかし聖女様はそれを常に自己ヒールすることで耐えておられた。いわば、魔力を24時間ずっと垂れ流し続けたのです。そのため、出産後には魔力を使い果たした。
多少なら自然回復するのですが、自然回復すら出来ぬほどに魔力を使ってしまったのです。
魔力持ちにとって魔力は生命力でもあります。魔力が枯渇すれば身体も維持できぬのです。
我が国では魔力欠乏症はよく知られており、対処法もございます。しかし帝国には魔力自体がないため、魔力欠乏症だと気付かれなかったのでしょう」

語り終えたとたん、宰相さんの大声が。椅子から立ち上がりスタンディングオベーション。ブラボー!ブラボー!

「なんと!素晴らしい!さすがは王国の医師!まさか魔力欠乏症だったとは!」

毒についてバレてないぞと喜ぶ気持ちが溢れんばかりですな。わかりやす!これで脳筋帝国の宰相ブレインなんてよくできるよね。あ、脳筋帝国の、だからできるのかな?
なーんて内心は見せずに俺もにこにこ。ゲイルを誉める。

「お父様、優秀なんです!」

これは本心!

「ちなみに対象法とは?」

ちょっと小狡い目をして宰相さんが手揉みしている。
ゲイルが当たり前のような顔でしれっと嘘をついた。

「ああ、『薬草』があるのですよ。『お茶のようなもの』でしてね。少し苦味はあるが、魔力回復を早めます」

宰相さん、『薬草』『お茶』でピクリピクリと反応。
なんと側妃様も反応してる!さっきまでゲイルを見つめてデレデレしてたのに、みるみる表情が強張ってる。

側妃様って、なんか底が浅いというか、すぐ顔に出るというか。甘やかされて育ったっていうけど正にそれ。
利用しやすそうではあるけど、相棒にはしたくないタイプ。

ここで俺も参加!

「あ!そういえば!お父様、聖女様も薬草のお茶を飲まれていましたよね?宰相様から頂いたとおっしゃっていました。宰相様、もしかして気付いてらしたのですか?」

すごーい!と目をキラキラさせてみました。
お兄様やリオやキースがニコニコ。これは「オマエ…悪よのう」だ。俺には分かる!
ゲイルもニコニコ。これは「サフィ!偉いぞ!」だ!えへへ。
気を良くした俺は、更に「無邪気な好奇心」を放つ。

「あの薬草はなんなのですか?王国と同じものなのでしょうか?」









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