もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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最終決戦!

対決!

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俺の言葉に宰相さんは笑顔でこう答えた。

「ええ。そうなんですよ。ナージャ殿下がお生まれになってから正妃様がお倒れになりなかなか回復されないので……。ずいぶん心配したのです。閣下もあちこちから薬をお取り寄せになりました。私はそんなお二人を見るに見かね、回復に良いという薬草を取り寄せたのです。お茶にして飲んでいただいたところ、少しではありますが回復の兆候がございましたので……。回復に良いというのは、魔力のことだったのかもしれませんねえ?」

笑顔ではあるが目は全然笑っていない。
そうくるならばこういきましょう。

「でも、最初は効果あったみたいなのに途中から悪化したんだよね?どうしてなんだろう……」

首をかしげて見せれば、側妃様が宰相さんを庇った。

「そ、それは……身体が慣れてしまったのではないでしょうか?」

するとゲイルが首を振る。

「いやいや、魔力回復の薬草は、身体に慣れて効きにくいなどということはございません。考えられるとすれば……途中で薬草が替わったか……」

「ええ?ゲイル、それって売る人が間違えたってこと?」

「いや、ありえない。ここは王宮だぞ?必ずチェックは入るはずだ。意図的に替えたとした考えられん」

「意図的に?薬草って、宰相さんが自分で取り寄せて届けてたって言ってなかった?っていうことは宰相さんが変えたの?」

じーーー、と宰相さんを見れば、宰相さんは真っ赤になって怒鳴りだした。

「まさか、私を疑っていらっしゃるのですか?この国のために粉骨砕身してまいりましたこの私を?!他国のものが口出しをしたかと思えば、宰相であるこの私を聖女に毒を盛った犯人扱い!許せません!」

「宰相!」

側妃様が思わず叫んだ。


しーん。


「宰相。誰も『毒を盛った』などといっておらん。魔力回復の薬草を他のものに替えたと言っただけであろう。語るに落ちたな」

王様の怒りを押し殺したような低い声が響く。

とたん、宰相がガラリと豹変。仮面を脱ぎ捨て叛意をあらわに叫ぶ。

「もういい!大人しくしておれば、王で居させてやったものを!おい、王がご乱心だ!部屋にお連れしろ!」

バン!と扉が開き、一斉に兵が俺たちを取り囲んだ。

「こうなっては仕方ありません。医師の診察と聞き嫌な予感がして備えておりました。王よ、あなたは聖女が倒れてからすっかり変わってしまった。聖女などもういいではありませんか!おらずとも、我が国の兵であれば他国を十分に倒せます!なぜこの国でくすぶっておるのです!まだまだ我が国の救いを待つ国はたくさんありますのに!腑抜けたあなたに代わり、私が公国の力を借りてこの国に以前の力を取り戻しましょう!」

「王国の皆様、どうぞ黙ってお帰りください。この国のことはこの国で解決いたしますので。国際問題にはしたくないでしょう?今なら無事にお帰り頂けますよ?」

ここで俺は叫んだ。

「いいよ、ガリウス!」

ガオー!という声と共に、俺たちの横にナージャと聖女様が姿を現した。

「な、なぜここに?!どうやって?!」

「私についているこの国の聖獣、ガリウスの力を借りたのだ。母上はゲイル様のお力により回復した!聖女が復活したのだ!貴様、聖獣と聖女に逆らうつもりか!」

ナージャの𠮟責を宰相はフンと鼻で笑い飛ばした。

「今更!聖女などもう不要なのです!公国の後ろ盾があれば、聖女などおらずとも勝利は我が国のものです!王城の兵も、腑抜けた閣下のことなどとうの昔に見限っているのですよ!」

「き、貴様!取り立ててやった恩も忘れ、我に仇なすか!」

「昔のあなた様を尊敬しておりました。しかし、今のあなたでは王足りえません。あなたがこの国を弱くしてしまったのです。仇をなすのではない、昔のあなたが目指した理想を私が引き継ぐのです!」

宰相が高らかと兵に命令する。

「聖女もろとも、捕縛しなさい!」




「ちょっと待たれよーーーーー!!」

ゴウっと強風が兵と俺たちの間を吹き抜けた。
はい。俺でーす!風魔法をやってみました!

「な、なんだ?!」
「きゃああああ!私のドレスが!!」

ん?ドレス?
見ると側妃様のドレスの裾がバサリ。ひっくり返ってカボチャみたいなおパンツが丸出し。あらら。
へえ。あの下ってあんな風になってるんだあ。ふむふむ。なんかヘンテコ。なんでこんなの履くの?
思わずガン見。

「いやーーーーー!!!」

「あーあ。みちゃあいられねえぜ」

ゲイルがちょいっと指を振り小さな風で治してやった。
側妃様は真っ赤な顔でうずくまり、屈辱でブルブル震えている。まあ、そうやってちょっと大人しくしててね。

「な、なにをしておる!捕縛しろ!」

気を取り直した宰相が叫ぶのを、今度はバリバリーっ!

「ぎゃあ!」

後ろに転び尻もちをつく宰相さんの目の前の床には20センチくらいの穴が。
サンダーボルトならぬ、ミニミニサンダーを宰相の前に落としてみました。

「ごめんなさーい!びっくりしてつい!」

王様に向かってわざとらしくお詫び。

王様が胸を押さえながらも「よ……よい。よくやった!」と言ってくれた。
うむ。王様の許可がでましたね!これは許可ってことでいいよね!

ゲイルとお兄様をみると「うん」と頷いてくれたので、どんどんいっちゃいましょー!
キースとオルガ団長が念のためナージャたちを庇ってくれているのを確認し、俺は今度は唖然と立ち尽くす兵士たちに向き直った。

「はいはいはーい。兵士の皆様も動かないでくださいませね。動くとびっくりしてついドッカーンしちゃうかもしれませんのでね?」

もひとつ中央にバリバリーっとしてやれば
ビシイ!
兵士たちは直立不動で動かなくなった。
まるで、だるまさんが転んだ状態。
うん。よきよき。無駄なサンダーはしたくないからね。痛いの可哀そうだし。

すっかりやる気を失った宰相さん一派に、ゲイルが憐みの目を向ける。

「あー……うちの息子が、すまん。サフィはやるっつったらやるからなあ……。怪我をしても生きてさえいれば後でヒールしてやるが……まあ痛いのが嫌なら大人しくしててくれ」

穏やかな微笑みを浮かべヒールしてやるからと慈悲を語るゲイルは正に聖女。
俺のお父様、優しすぎない?

そう、お父様のいうとおり大人しくていましょうねー?
にっこりとほほ笑んで指先にパリパリっと静電気を出して見せてやれば、みんなこくこくと高速で頷いた。
なぜか王様や味方の衆も頷いている。君たちはいいんだよ?


皆が固まってしもうたので、部屋には静寂が満ち満ちております。
そこでお兄様が俺を確保。
ぎゅっと抱っこして、王様に向かって微笑んで見せた。

「私のサフィが出過ぎたことをいたしました。申し訳ございません。お許しいただけますか?」

にっこり。こわくなーいこわくなーい。

王様は青くなりながらも無言で首を縦に振る。
かくかくかくかく。割と必死。

「では、運よく宰相が聖女様に毒を盛っていたことも判明し、運よく反乱も未然に防ぐことができました。陛下、これからのことをナージャ殿下と聖女様とお話合われてはいかがでしょうか?」

そこにバリバリーを聞きつけたのか、陸軍と海軍の皆様が登場!

「大丈夫ですかーっ!!………って、あれ?どういう状況でしょうか?」




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