もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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最終決戦!

宰相さん捕縛!

俺の魔法がつい暴走しちゃったおかげて、あっという間に宰相さんは捕縛された。

軍の皆様は、俺たちのことが心配で手助けすることはないかと「備品の請求」やら「経費の増額要請」やらなんだかんだと理由をつけて王城に日参してくれてたんだって。

だから、王様が俺たちのところに向かうと聞きつけ、近くに待機してたの。だから、バリバリーですぐに駆け付けてくれたってわけでした。優秀!

しかしながら、ばばーんとドアを開けてみれば、床に転がる宰相さん、同じく床にしゃがんで震える側妃様。そして何故か真っ青な顔&直立不動の兵。

団長ズ、ドアを開けた姿勢のままギギギとゲイルを見た。

「……どういう状況だ?」

問われたゲイルは肩をすくめ、両方の手のひらを上に向けて一言。

「サフィが、つい…な?」

わーん!俺に全振りい⁈
俺はエヘヘと笑って誤魔化した。

「つい、魔法がね?ちょっとだけバリバリーッてして、それで運よく宰相の悪事を暴いて、運よく反乱を防いだの」

団長さんたちが揃ってあんぐりとお口を開けた。
しばらく見てたけどなかなか戻らないからリオに頼んでタカタカっと近付いてぱくんと閉じてもらった。(俺はまだお兄様に確保されてるからね)
とたん

「「なんだそりゃーー!!」」
「いやいやいや、何それねえだろ王国おかしいだろうがよ!」
「こいつらなんで動かねえんだ?それも魔法か⁈」
「てか、なんでサフィは殿下の膝に?」

わあわあと大騒ぎ。
俺は一応教えてあげた。

「動かないのはね、魔法じゃないよ。大人しくしててねってお願いしただけ!
だよね、兵隊さん」

こくこくこくこく。
一斉に頭が縦に振られた。

「みんな怪我とかもないよね?」

がくがくがくがく。

「ほおらね!」

ドヤア!


ここで、オルガ団長とキースに庇われた聖女様とナージャに気づいたみたい。

「!聖女様⁈」
「まさか!回復なされたのですか⁈」

ザザっと床に膝をつく。

「御目通りが叶うとは!光栄に存じます!」
「ご回復をお待ち申し上げておりました!」

団長さんに合わせて、後ろに控えていた軍人さんたちもザザっと膝をついた。
おおー!!ぐ、軍隊ってかんじ!カッコよ!!

目をキラキラさせてたら、お兄様がぎゅ!

「サフィ?王国にも騎士団がいるだろう?私の騎士団もカッコいいよ?」

うん!知ってる。サフィールの「守り隊」もいるんだけどね。なんか、ちょっとだけ残念感があるんだもの。



こうべを垂れる軍人さんたちに、聖女様がスマイルを浮かべ厳かに告げた。

「そちらにいらっしゃるゲイル様が私を回復させてくれたのです。王国の皆様のおかげなの。宰相はそこの側妃国家掠奪を企み、私にも毒を飲ませていたのです。兵も宰相と同様、反逆に加担しました。捕縛しなさい」

「は!」

ザザっと軍人さんが入ってきて、あっというまに宰相さんたちを捕縛。さすか、仕事が早い!

側妃様も宰相さんもみんなすっかり逆らう気を失って素直に縛られておりましたよ。うん。素直が一番!

俺は気になったことがあったので、連れて行かれる前に聞いてみた。

「側妃さま!あの、さっき側妃様が丸出しにしたヘンテコなカボチャおパンツ、女性はみんな穿いているのですか?なんのために?ドレスをぼわんとさせるため?もっかい見てもよきです…フガッ」

「きゃーー!いやああああ!やめてえええ!」

まだ途中だったのに、お兄様にお口を塞がれた。

「サフィ?はしたないよ?女性にそのようなことを聞いてはいけないよ?」

「だって、すっごく変なんだもん。あれが普通なの?王国でもカボチャ?」

誰か教えてくれないかと見回したが、みんな赤い顔をして目を逸らす。
いいじゃん。穿いてないならまだしも穿いてるんだから!脱いで見せて、って言ってるわけじゃないでしょ。たまたま見えたから聞いただけなのに!

「お兄様がくれた僕のおパンツの方がおリボンついてて可愛いから、分けてあげようかと思っただけなの…モガッ!」

お兄様がすんごく怖いお顔で俺のお口を押さえて首を振った。

「みんな、耳を塞げ!!」
「は、はいっ!!」
「我々は何も聞いておりません!」

ざっとみんな耳と何故か目もつぶる。
後ろのほうで「お兄様がくれた…」「おリボン…」とぶつぶつ聞こえたが、お兄様がチラリと視線を送ると「ヒィッ」という声とともに静かになった。

お兄様は俺のお口を塞いだまま低ーい声を出した。

「あれはサフィのために用意したんだよ?だからサフィのは分けてあげなくていいからね?側妃様はあれがお気に入りなんだ。人の好みはそれぞれだからね?追求してはいけないよ?」

俺は声が出せないので必死でこくこくとうなづく。
て!手をどけてええ!

「あ、ごめんね。ちょっとビックリしちゃって」 
「ぷはあ!だ、だいじょうぶ。あのね、だって、せっかく用意してくれたから穿いてるけど、本当はおリボンないのが好きなの。ゲイルみたく黒いシンプルなヤツがいい。だから側妃様にあげようかなって…」

すると、唯一通常仕様のままだったゲイルがニコニコに。

「サフィが気に入ってんのかと思ってたが違ったのか!そうかそうか!お父様がお揃いのやつ用意してやるからな?サフィは緑のシンプルなやつにしようか?」

!お揃い!それ、よき!

「うん!緑のがいい!ありがとうゲイル!大好き!」
「うんうん。リボンのやつはレオンに……いや、ティガーに処分してもらおうな?」
「もったいないよ?」
「大丈夫だ!下着くらい好きなものを履け!」
「やったあ!」


お兄様が絶望感に満ちた声で告げる。

「……もういい。話は終わった」

「は!」

みんなの耳と目が解放された。
良かった!

「お兄様、せっかくくれたおパンツ嫌って言ってごめんね?そんなに落ち込まないで。側妃様にあげるのはやめるからね?」

なぐさめたら、お兄様が頭を抱えてしもうた。みんなの同情に満ちた視線がお兄様に向けられる。

キースが赤い顔で俺の頭を撫でた。

「サフィ?発言には気をつけような?」

「はーい?」



宰相さんと側妃様たちは完全に無の表情で軍人さんたちに連れられて行った。

「さよなら、宰相さん!とても楽ちんにひっかかってくれて助かりました!宰相さんがおバカなおかげで早期解決できもうした!ありがとう!」




「恐ろしい……私はよくサフィを誘拐して無事だったな……」

ぽつり落とされたナージャの呟きに、聖女様が「誘拐⁈」と般若のお顔になったのが、今日で一番怖かった。



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