もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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一路王国へ!

ちゅーしよ?

煮込んだイカは調味液から取り出して水魔法で水分だけ抜いた。
そう、俺が作ったのは簡易的イカ干し。それを手で割けば……裂きイカもどき!


これもせっせと半生に乾燥させて、半分をマジックバックに。
これはタコ焼きよりもたくさん作った。
王国に戻ったらみんなに配ってあげようと思って。
王様たちやお留守番した公爵とライオネル、ティガマリ、うちの使用人さんたち、守り隊のみなさまはもちろん、
毎週やってくるおっちゃんたちにも分けてあげるつもり。
そのつもりで2クラーケン分をまるっと裂きイカにした。
お酒好きが多いから、みんな大喜びしそう。
あと、ギルド長にも。
ゲイルと飲み友達みたいなんだけど、酔いつぶれたゲイルがとてもお世話になっておるのです。
ギルド長にはタコ焼きとイカ焼き、裂きイカをセットでお届けしよう。
うちのお父様がいつもすみません。おつまみにどうぞ。


マジックバッグに入れた残りは、一部は保存できるからナージャにお届けしてもらいます。
そしてそのさらに残りの分は……またしても食いしん坊たちの元へ。

「はーい!今度はサフィ特製の裂きイカもどき!」



「サフィ!俺の嫁になれ!」
「俺の息子になれ!!」

「だからやらねーっつってんだろうが!!!」

「サフィは私の嫁だって言っているだろう?!」

「いや、それなら俺の嫁に……」



いつの間にかキースが参戦していた。
俺のあずかり知らぬところで俺の争奪戦が行われている。
うん。裂きイカ美味しい。

俺もお酒飲みたいなー。
前世でもあと数年ではたちだったのに、結局お酒飲める年齢前に死んじゃったもん。
こっちだといくつから飲めるんだろう。

ちょっとくらいならいいのかな?

裂きイカをはむはむしながらこっそりお酒をひとくち。

とたん。
ボガンと身体が爆発。それくらいに一気に身体がかあっと熱くなって、頭がぼわんぼわんに。

「ふわわわわわわわ!」

めが回りますうううう。
あれええええ?身体もふわふわするううう。

「えへへへへへ。いいきもちー!あははははは!おそらとんでるみたーい!」

「サ、サフィ?お前なにしたんだ?真っ赤だぞ?」

「!お酒臭い!ゲイル、サフィがお酒を飲んでしまったようだ!」

「ヒール!いや、ダメだ。酒を集めて排出させようと思ったが、取り込んじまってて無理だ。本来の意味でのヒールじゃねえと……。こいつに俺のヒール聞かねえんだよ。自分でさせねえと……」

「……この状態ですよ?無理じゃあ……」

「えへへへー?大丈夫だよおおお?とってもいい気持ちなだけえ!あはははは!」

でもちょおっとふらふらするう……

「げいるう……だっこー……」

「はいはい。あーあ。ぐでんぐでんになっちまって……」

「もっとぎゅうってして……。あとねえ、ちゅーも」

「この甘えん坊め。ほら」

ほっぺにチュ。

「ほっぺだけじゃだめ!おでこにも。あとね、たくさんするのー」

「なんだその可愛いの。やっぱ帝国にくれ」

「やらんっつってんだろうが!」

ぶう。まだ?

「はやくう!」

催促したら、横からお兄様がチュッってしてくれた。
えへへへー。お兄様のチュウでもいいよー?

「おにいさまもしてー!たくさんチュって!」

ニコニコとオネダリしたら、すかさずゲイルに抱き込まれた。

「こおら!サフィ!お父様でいいだろ?」
「おにいさまにもしてもらうー!おにいさまもだっこー!」






ここから俺の記憶はない。
目覚めたら何故かゲイルがむすっとしたまま俺をしっかりと抱き込んでいて、お兄様が大変ご機嫌だった。
その日俺はゲイルのお膝から出してもらえなかった。
移動するときもゲイルに文字通り持ち運ばれる羽目になったのだった。



何があった?!





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