239 / 538
一路王国へ!
目を覚ましたらそこはおうちでした
「ううん……。よくねたー!」
ぐっすりと眠りぱちりと目を開けると、見慣れた天井が見えた。
あ、あれ?
ここってばウチ?
起き上がろうとしたら、身体が動かない!
普通なら驚くだろうけど、俺にとっては日常茶飯事。
はい、ゲイルです!
俺酔っ払い事件から過保護復活のゲイルが俺をしっかりと胸に抱き込んでご就寝でございまする。
うーん……。
こっそりゲイルの胸にモフっ。
程よき筋肉で、お母様のお胸(イメージ)とは違い、ちょっくら固めの胸筋ではありますが、俺にとってこれはどこよりの落ち着く最高のお胸なのです。
しかも、いい匂いするの。なんというか、シトラスとかそういう感じの爽やかな匂い。
スー。ハー。ほえ~。
ゲイルのここからは、癒しと元気のなんらかのホルモン?フェロモン?みたいなものが出てると思う。
ご機嫌でふんふんと匂いを嗅いでぐりぐりとお顔をこすりつけておりましたらば、
「こおら。何可愛いことしてんだ?」
俺を抱える腕にむぎゅっと更に抱き込まれてしもうた。
ありゃ!バレちゃった!
「おはよおゲイル!えへへへー。お父様の抱っこを堪能してた!
ゲイルのお胸、聖女様よりは固いけど、大好き!」
「お、おう!てか、聖女様の、とかいうなよ?!女性のそこになんらかの評価を与えると、ひどい目にあわされるからな?!」
「よくわかんないけど、了解!っていっても、聖女さまと王妃さまのしか知らないのでね。問題なっしんぐ!」
「お、まえーーー!!王妃様のって、そっちも不味いんだよ!…………俺のとどっちが良い?」
「うーんとね。王妃様のはお母様みたいだなって感じでお花にたいないい匂いで『ほわあ』、ってなるんだけど、ゲイルのは癒しと嬉しいのとで『ほへえ』って感じ?ゲイルもいい匂いだよ!」
「そ、そうか。よくわからんが、まあ、大きくなるまでは俺の抱っこで我慢しとけ」
「わかった!大きくなったら『ほわあ』していいの?」
「……まあ、相手による……か?
…………レオン、細えからなあ……筋肉もそこまではねえしなあ……。
キースのほうが……可能性はあるのか?………似たようなもんか。
すまん、サフィ。『ほわあ』は難しいかもしれん」
「そうなの?」
もう10歳だから『ほわあ』はダメかあ……。ちょっとだけ残念。
王妃様の抱っこは恥ずかしいけど、思い出すと胸の中があったかくてほわってするから。
今日は帰ったばかりでお疲れだからっていうので、お昼まで寝てていいんだって。
だけど、お昼くらいには王城にご挨拶に行かなきゃなの。
本当は外交から帰ったときには一日ゆっくりしてから連絡っていうことでいいんだけど、公爵が昨日ゲイルに語ったところによれば、王様と王妃様が俺たちが帰るのをずっと待っていたらしい。
それこそ毎日鳥が王城に到着するたびに「レオンからなにか連絡はないか?」「サフィはどうなのだ?」「いつ帰るという連絡は?」と文書室に走りこんできたらしい。
フィラーのおっちゃんたちも連日のように王城にやってきて「連絡はありましたか?」とうるさかったんだって。
でもって、帰国するときも港にまで迎えに行くってきかなくって、それではあまりに大事になっちゃうからっていうので「明日会えるから」ってようやく宥めてきたらしい。
「1日ゆっくりさせてやりたいところだが、こういった訳でな。すまんが一度王城に顔を出してもらえないだろうか?」
って頼まれて嫌とは言えなかったんだって。
俺は寝てたから聞いてなかったんだけどね。
公爵のあのお疲れ具合、その辺のこともあったのかもしれないなあ。
でも、俺だって王様や王妃様に早く会いたいから全然おっけー!
俺の第二のお父様、お母様みたいなものなんだもん。不敬かもしれないけど、俺はそう思ってる。
今日が金曜日だから、お昼になったらゲートで王城に行って、そのまんま週末はあっちで過ごすんだって。
ていうかゲイルが言うには「きっと帰して貰えないだろうからなあ。そのつもりでいたほうがいい」だそうな。
俺もそう思う。
ティガーとマリーに朝のお支度をしてもらって、使用人さんたちと守り隊のみなさんにただいまのご挨拶。
みんなにも帝国産のお土産各種買ってきたから、並んでもらって一人一人に渡した。
まとめて渡しておいて後から配ってもらっても良かったんだけど、並んで手渡しのほうがいいんだって。
ちゃんと「ただいま」とハグのセットでお渡しいたしました。
今回は帝国の職人さんが作った本体が緑色の万年筆にしたんだけど、みんなとっても喜んでくれてさっそく胸ポケットにセットしてくれた。
毎日使ってくれたら嬉しい。
イカ焼きは夜のお楽しみ。王城から戻ったらこっちでも「お留守番ありがとう宴会」するつもりだからその時にね!
学校の仲良しメンバーにも俺が帰国したことを連絡。月曜日には行くからね、って書いておいた。
みんなにもお土産があるんだ。
あと、行く時にもらったお守りとかのお礼もしないとね。
みんなが一緒みたいで心強かったもん。帰るところがある、待っててくれる友達がいるんだ、って、それを見るたびに幸せな気持ちになった。
ああ、もう!王国に戻ったばかりだけど、会いたい人がたくさんいるし、やりたいこともたくさん!
公爵家にもご挨拶にいって、使用人さんたちにもお土産渡したい。
魔塔にも顔を出さなきゃだし、おっちゃんたちにも、ギルドや孤児院にも会いに行きたい。
いつの間に俺にはこんなに大切な人ができていたんだろう。
あの小さな部屋に閉じこもってた一人ぼっちの毎日。
そこから出て、いつの間にか俺はこんなに多くの人に囲まれて、たくさんの居場所を貰って、暖かな思いを貰っている。
幸せだなあ。
帝国に行って改めて思った。
俺の帰る場所はここ。王国なんだって。
お母様、公爵、俺をこの世に生み出してくれてありがとう。
ゲイル。俺を連れ出してくれてありがとう。
王様、王妃様、お兄様。俺を家族みたいに受け入れてくれてありがとう。
みんなみんな、大好き。
この俺の大好きな気持ちが、きっと聖女の力なんだよ。
大好きが増えたから、聖女の力が使えるようになったんだと思う。
これから俺はこの大好きを力に変えて、この国で楽しくみんなを守っていくからね!
ただいま、王国!
あらためて。これからもよろしくね!
ぐっすりと眠りぱちりと目を開けると、見慣れた天井が見えた。
あ、あれ?
ここってばウチ?
起き上がろうとしたら、身体が動かない!
普通なら驚くだろうけど、俺にとっては日常茶飯事。
はい、ゲイルです!
俺酔っ払い事件から過保護復活のゲイルが俺をしっかりと胸に抱き込んでご就寝でございまする。
うーん……。
こっそりゲイルの胸にモフっ。
程よき筋肉で、お母様のお胸(イメージ)とは違い、ちょっくら固めの胸筋ではありますが、俺にとってこれはどこよりの落ち着く最高のお胸なのです。
しかも、いい匂いするの。なんというか、シトラスとかそういう感じの爽やかな匂い。
スー。ハー。ほえ~。
ゲイルのここからは、癒しと元気のなんらかのホルモン?フェロモン?みたいなものが出てると思う。
ご機嫌でふんふんと匂いを嗅いでぐりぐりとお顔をこすりつけておりましたらば、
「こおら。何可愛いことしてんだ?」
俺を抱える腕にむぎゅっと更に抱き込まれてしもうた。
ありゃ!バレちゃった!
「おはよおゲイル!えへへへー。お父様の抱っこを堪能してた!
ゲイルのお胸、聖女様よりは固いけど、大好き!」
「お、おう!てか、聖女様の、とかいうなよ?!女性のそこになんらかの評価を与えると、ひどい目にあわされるからな?!」
「よくわかんないけど、了解!っていっても、聖女さまと王妃さまのしか知らないのでね。問題なっしんぐ!」
「お、まえーーー!!王妃様のって、そっちも不味いんだよ!…………俺のとどっちが良い?」
「うーんとね。王妃様のはお母様みたいだなって感じでお花にたいないい匂いで『ほわあ』、ってなるんだけど、ゲイルのは癒しと嬉しいのとで『ほへえ』って感じ?ゲイルもいい匂いだよ!」
「そ、そうか。よくわからんが、まあ、大きくなるまでは俺の抱っこで我慢しとけ」
「わかった!大きくなったら『ほわあ』していいの?」
「……まあ、相手による……か?
…………レオン、細えからなあ……筋肉もそこまではねえしなあ……。
キースのほうが……可能性はあるのか?………似たようなもんか。
すまん、サフィ。『ほわあ』は難しいかもしれん」
「そうなの?」
もう10歳だから『ほわあ』はダメかあ……。ちょっとだけ残念。
王妃様の抱っこは恥ずかしいけど、思い出すと胸の中があったかくてほわってするから。
今日は帰ったばかりでお疲れだからっていうので、お昼まで寝てていいんだって。
だけど、お昼くらいには王城にご挨拶に行かなきゃなの。
本当は外交から帰ったときには一日ゆっくりしてから連絡っていうことでいいんだけど、公爵が昨日ゲイルに語ったところによれば、王様と王妃様が俺たちが帰るのをずっと待っていたらしい。
それこそ毎日鳥が王城に到着するたびに「レオンからなにか連絡はないか?」「サフィはどうなのだ?」「いつ帰るという連絡は?」と文書室に走りこんできたらしい。
フィラーのおっちゃんたちも連日のように王城にやってきて「連絡はありましたか?」とうるさかったんだって。
でもって、帰国するときも港にまで迎えに行くってきかなくって、それではあまりに大事になっちゃうからっていうので「明日会えるから」ってようやく宥めてきたらしい。
「1日ゆっくりさせてやりたいところだが、こういった訳でな。すまんが一度王城に顔を出してもらえないだろうか?」
って頼まれて嫌とは言えなかったんだって。
俺は寝てたから聞いてなかったんだけどね。
公爵のあのお疲れ具合、その辺のこともあったのかもしれないなあ。
でも、俺だって王様や王妃様に早く会いたいから全然おっけー!
俺の第二のお父様、お母様みたいなものなんだもん。不敬かもしれないけど、俺はそう思ってる。
今日が金曜日だから、お昼になったらゲートで王城に行って、そのまんま週末はあっちで過ごすんだって。
ていうかゲイルが言うには「きっと帰して貰えないだろうからなあ。そのつもりでいたほうがいい」だそうな。
俺もそう思う。
ティガーとマリーに朝のお支度をしてもらって、使用人さんたちと守り隊のみなさんにただいまのご挨拶。
みんなにも帝国産のお土産各種買ってきたから、並んでもらって一人一人に渡した。
まとめて渡しておいて後から配ってもらっても良かったんだけど、並んで手渡しのほうがいいんだって。
ちゃんと「ただいま」とハグのセットでお渡しいたしました。
今回は帝国の職人さんが作った本体が緑色の万年筆にしたんだけど、みんなとっても喜んでくれてさっそく胸ポケットにセットしてくれた。
毎日使ってくれたら嬉しい。
イカ焼きは夜のお楽しみ。王城から戻ったらこっちでも「お留守番ありがとう宴会」するつもりだからその時にね!
学校の仲良しメンバーにも俺が帰国したことを連絡。月曜日には行くからね、って書いておいた。
みんなにもお土産があるんだ。
あと、行く時にもらったお守りとかのお礼もしないとね。
みんなが一緒みたいで心強かったもん。帰るところがある、待っててくれる友達がいるんだ、って、それを見るたびに幸せな気持ちになった。
ああ、もう!王国に戻ったばかりだけど、会いたい人がたくさんいるし、やりたいこともたくさん!
公爵家にもご挨拶にいって、使用人さんたちにもお土産渡したい。
魔塔にも顔を出さなきゃだし、おっちゃんたちにも、ギルドや孤児院にも会いに行きたい。
いつの間に俺にはこんなに大切な人ができていたんだろう。
あの小さな部屋に閉じこもってた一人ぼっちの毎日。
そこから出て、いつの間にか俺はこんなに多くの人に囲まれて、たくさんの居場所を貰って、暖かな思いを貰っている。
幸せだなあ。
帝国に行って改めて思った。
俺の帰る場所はここ。王国なんだって。
お母様、公爵、俺をこの世に生み出してくれてありがとう。
ゲイル。俺を連れ出してくれてありがとう。
王様、王妃様、お兄様。俺を家族みたいに受け入れてくれてありがとう。
みんなみんな、大好き。
この俺の大好きな気持ちが、きっと聖女の力なんだよ。
大好きが増えたから、聖女の力が使えるようになったんだと思う。
これから俺はこの大好きを力に変えて、この国で楽しくみんなを守っていくからね!
ただいま、王国!
あらためて。これからもよろしくね!
あなたにおすすめの小説
結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です
柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。
そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。
真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。
けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。
「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」
彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。
アンリは実は、亡き国王の婚外子。
皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。
何もしなかっただけです
希臘楽園
ファンタジー
公爵令嬢であり王太子の婚約者であった私は、「地味だ」という理由で婚約を破棄され、王宮を去った。
それまで私が担っていた役目を、誰も知らないまま。
――ただ何もしなくなっただけで、すべては静かに崩れていく。
AIに書かせてみた第14弾は、「追放ざまぁ」系の短編。
あなたの愛したご令嬢は俺なんです
久野字
BL
「愛しい令息と結ばれたい。お前の家を金銭援助するからなんとかしろ」
没落寸前の家を救うため、強制的な契約を結ばれたアディル。一年限りで自分の体が令嬢に変わる秘薬を飲まされた彼は、無事に令息と思いを通じ合わせることに成功するが……
「お前がいると息が詰まる」と追放された令嬢——翌週から公爵家の予定が全て狂った
歩人
ファンタジー
クラリッサは公爵家の日程管理を一手に担う令嬢。前世の社畜経験を活かし、行事計画、来客対応、予算管理まで完璧にこなしていた。
だが婚約者ヴィクトルは言った。「お前がいると息が詰まる。もっと華やかな女がいい」
追放されたクラリッサが去った翌週、公爵家の予定が全て狂い始める。
舞踏会の招待状は届かず、外交晩餐会の料理は手配されず、決算書類は行方不明。
一方クラリッサは、若き領主の元で「定時退社」という夢を叶えていた。
「もう、残業はしません」
「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった
歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。
だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」
追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。
一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。
誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。
「その言葉は、もう翻訳できません」
悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています
かきんとう
恋愛
王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。
磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。
その中心に、私は立っていた。
――今日、この瞬間のために。
「エレノア・フォン・リーベルト嬢」
高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。