もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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ただいまーの学園生活

語学は俺に必要ないのですよ、お兄様!

後日、俺はお兄様に理不尽について抗議した。

「あのね、お兄様。俺、毎日語学の居残りマンツーマンなのですよ!
他の授業は大丈夫なので、語学はやらなくてもよきでは?
だってね、冒険は王国と帝国しか行かないことにしますので!公国に行かなきゃ問題なっしんぐ!でしょ?
なので、先生にお願いしてもらわなくて大丈夫です。お断りしてっ」

俺としましては「そうなの?サフィに良かれと思って頼んだんだけど要らなかった?ごめんね、先生には私から言っておくよ」という返事を期待していたのです。
なのに、お兄様のお返事は違った。

なんとなんと、ものすごくがっかりしたお顔になってこう言ったのであります。

「ごめんね?実は……勝手なんだけどサフィに期待してしまっていたんだ。
帝国でのサフィは素晴らしい活躍だったからね。だからつい、私の外交を助けて貰えたらと……。
サフィが隣に立ってくれたらどれだけ心強だろうかと思ってしまったんだ。
でも、サフィに無理を押し付けるつもりはないからね。残念だけど、諦めるよ。
私のこと、許してくれる?」

「そ、そうだったの?お兄様、外交心配?俺のお手伝い、必要なの?」

「うん。私は、サフィが居てくれたらものすごく嬉しいし心強いな。
だけど、これは私のわがままだよね?ごめんね、サフィ」 

寂しそうに無理やりに笑顔を見せるお兄様。
いつも頼り甲斐のあるお兄様が、こんなふうに俺の助けを必要としてくれるなんて……。
そう思ったら思わずこう言っていた。

「だ、大丈夫!俺、頑張るから!」

「え?」

「あのね、語学苦手だけど頑張りますのでね!お兄様をお助けしますので!
安心して!サフィにおまかせあれです!」

俺はお兄様の手をぎゅっと握って励ますように笑ってみせた。
ずっと俺のそばで俺を助けてくれたお兄様。
今度は俺がご恩を返す番でござるよ。任せて!

「ほんと?本当にいいの?無理はしていないかな?」

心配そうなお兄様に、俺は笑顔で請け負う。

「先生が『サフィ頭はいいからコツさえ掴めたら大丈夫だ』っていってましたので!
だから頑張ってみる!それでお兄様の助けになってみせるからね!
しっかりとお兄様をお守りして、それでもって外交でもお助けするの!」

断言すれば、お兄様はようやく心からの笑顔をみせてくれた。
ぎゅっと俺を抱きしめ、嬉しそうに笑う。

「ありがとうサフィ。とても嬉しいよ。
これからもずっと一緒にいてくれる?」

こんな風に頼ってもらえるのって、なんか嬉しい!
俺ってばお兄様に頼られるくらい大人になったってことだよね?
えっへん!

「もっちろん!お兄様が嫌って言っても一緒にいるからね!」




こうして俺の補習は続けられることになったのでした。
いいじゃん!
これからは「必要ないのに補習させられる」んじゃないもんね!
お兄様を助けるって目的でなら頑張れるでしょお!

意気揚々と補習に行く俺にびっくりなクラスメート。

「将来お兄様をお助けするために必要なんだって!だからがんばる!
だって俺はお兄様の立派な護衛になるんだから!」

そう説明したら、なぜか呆れられてしまった。
お兄様に頼られたから頑張る、って、俺って単純すぎた?

「まあ……アンタが補習を頑張るならどんな理由だっていいんじゃない?」

「だ、だな!とにかく、理由がなんであれ結果が大事ってことだよな!
頑張れよサフィ!」

「そうよね、結果は同じだもの!」

「……殿下を助けるという意味では、どのポジションでも変わらないからね。
サフィが殿下と共にあるのは決定なんだし。いいんじゃないかな?」

頑張るって言ってるんだから素直に褒めてっ!



ゲイルにも言ったら、ゲイルは俺を憐れむような眼で見て頭をなでてくれた。

「ちょっとだまされやすすぎねえか?」
「いや、結局幸せならそれでいいのか?」

とかぶつぶつ言ってるけど、別に騙されやすくないでしょ。

「俺ってば、どちらかといえば警戒心がある方じゃない?
ちゃんと悪い人とか見破れるし。なので心配いりませぬよ?」

慰めてみたら、余計になでなでが加速した。
ゲイルってば心配性だよね?


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