もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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★★★クリスマス企画 ifストーリー★★★

あんずさまリクエスト サフィちゃんの幸せな魔法 & youさまリクエスト ゲイルサンタさん

さて。待ちに待ったクリスマスイブ!
なんか、前世の感覚で、クリスマスよりもクリスマスイブにメインを置いてしまう悲しいサガよ……。

クリスマスといえば……そう、サンタさーん!!!
良い子のみんなにサンタクロースがプレゼントをくれるというアレである。
先述のとおり親しい人同士で贈り物をしあうのは好意的に受け入れられ、お店の人も街の人も思い思いにクリスマスを楽しんでいる。
よい子には、おとうサンタやおかあサンタ、ご近所タンサ、おじいサンタなど、いろいろなサンタさんがイブにプレゼントをくれる。
そして、サンタさんがおうちに来れない子供たちのために、毎年サフィサンタとゲイルサンタが大活躍しておるのでござりまするー!!

そういった子たちは24日の夜、孤児院の前、ギルドの裏の広場に集まってもらう。
するとそこに、聖獣に乗ったゲイルサンタがやってきてプレゼントをくれるのでございます!
ついでに、病気やケガなんかもサクっと治してくれるので、ゲイルサンタは大人気なのだ!



今年も俺たちの準備には余念がない。
どれだけの人が殺到して魔力をどれだけ使うかわかんないから、栄養もたくさんとっておく。

「ゲイルー!!あの服、ちゃんともっかいクリーンしてね?カビくさいかもだし!」

「りょーかい!ハルトんとこでプレゼント預かってきてくれるか?」

「後でお兄様が持ってきてくれることになってる!」

そう。プレゼントは王様たちが用意してくれるの。王様も王妃様も、いろいろなプレゼントを毎年楽しんで選んでくれている。本やお菓子、ボールや積み木などのおもちゃ、ナイフや靴などの実用品。とにかくいろいろな種類で、子供たちが喜びそうなものをたんまりと用意してくれるのです。
余ったものはそのまま孤児院に預けて、必要な子がいたら渡してもらうことになっている。

ちなみに、このゲイルサンタにギルドも協力してくれて、クリスマスから年末にかけてギルドの前では炊きだしが行われる。
あったかいスープ、パン、スコッチエッグ、木の実やドライフルーツたっぷりのシュトーレン(これも俺が持ち込みました)が食べ放題なのだ。
城下は王様の代になってから徐々に豊かになって、今はもう困窮する人とかはほとんどいない。
それでも子供にプレゼントをする余裕までは無い人、一人ぼっちで過ごすような人、お友達や仲間と語り合いたい人、いろいろな人が集まってきて、ここで好きにくつろいでいくのだ。
ちょっとした交流の場にもなっていて、ここで出会って付き合い始めた人とか、新しい授業提携につながった人もいたりする。冒険者が積極的に参加するのは、実は出会い狙いだったりもしたりとかしなかったりとか。

この炊き出しには、高位貴族のおっちゃんたちも参加してくれてて、それぞれの領地のギルトや孤児院で同じように炊き出しとゲイルサンタを行っているのであります。
国中でクリスマスという一大イベントを楽しめるようになっているのだ。




さて。お気づきでしょうか?
そう。炊き出しはおっちゃんたちがいるとして。
ゲイルサンタはゲイルしかいない。
何しろ聖獣に乗るなんて恐ろしいことができるのは、俺とかゲイルくらいなのですよ。
なので夜というか夕方6時くらいから30分おきに時間を細かく設定して、ゲイルサンタはルーの転移で国中を駆け回る。ついでに俺もルーダに乗って駆け回るのだ!
そう。俺にもお仕事があるのです!

ゲイルサンタがプレゼントと健康をくれるとすれば、俺は皆さまに想い出を届けておるのであります。
もう会えないあの人、懐かしいあの想い出、楽しかった日々……。
そういうキラキラな想い出をクリスマスの晩にお届けそているのです。
それぞれの街の上で、良い思い出を引き出す魔法のドームを展開!

クリスマスの聖なる夜は、誰もが幸せな思いを胸に抱き眠る。
亡くなったお母様の想い出、兄弟との楽しい日々、愛した人の笑顔……。
起きた時には忘れちゃってる人もいるけど、誰もが朝には「なんだか幸せな気持ち」「とてもいいことがあったみたい」とアゲアゲな気分。
ハッピーなクリスマスを迎えられるのだ!

心も体も幸せいっぱいにして、メリーメリークリスマス!
サフィサンタとゲイルサンタがみなさまに幸せをお届けいたしまするー!



「よし!準備できたぞ!」

ゲイルが緑のサンタ衣装(こちらではルーのシンボルカラーである碧と緑を採用しております)で登場。
ちゃんとお腹には綿をたっくさんつめて、真っ白なカツラとお髭もつけて、完璧!
ふっくらやさしいサンタさんに仕上がっております!


「俺もできたー!!」

俺の方の役どころは、ゲイルのお手伝いの妖精さん。
緑の衣装はお揃いなんだけど、ひざ丈のカボチャパンツに縞々ソックス。
背中には羽を背負っておりまする。
この羽は、帝国の職人さんにお願いして作ってもらった偽物なので、もちろん飛べません。
ですがそこは俺ですから!風魔法で飛んでみせれば、あら不思議!まるで本物の妖精さんなのでござります!

「ルー!ルーダ!今年もよろしくねっ!」

「了解した!また子供らに会うのが楽しみだ」

「わーい!今年もボクもオヤツとかもらえるかなあ?」

「たぶん差し入れとかあるんじゃないかな?」

そう。街の人も俺たちが行くのを楽しみにしてくれてて、クッキーやミルクを用意してくれてるの。
そういうのって嬉しいよね。



「ではでは。サフィサンタ、しゅっぱーつ!」

「よーし!ゲイルサンタもいくぞー!」




クリスマスイブの夜、王国の夜空を聖獣に乗ったサフィサンタとゲイルサンタが駆ける。
聖獣の首に着けた鈴の音が「もうすぐ着くよ」の合図だ。

シャンシャンシャンシャン


「サンタさんが来たーーー!!」

「ゲイルサンタさーん!」

「サフィーーーー!!」


あちこちから子供たちが飛び出してきて手を振ってくれる。



俺も手を振り返しながら杖をひとふり。
奇麗な光のショーを見せてあげたり、パラパラっとアメを撒いてみたり。
このアメには気持ちを楽しくする魔法が付与してある。
舐めるだけでちょっとだけウキウキした気持ちになりますのでね。
みんなで食べてみて。


「ヨー!ホー!みんな、いい子にしてたあ?
広場においでー!サンタが来たよー!!」




みんなみんな、ひとときの安寧を。
辛いことや悲しいことがある人もこの日だけはそれを忘れ、だれもが笑顔で過ごせますように。

メリークリスマス!HOーHO!




※※※※※※

あんずさま、youさまリクエストありがとうございました♡
コメントもありがとうございますー!



お兄様推しのあんずさまに、その後を……
この後、つかれきったサフィちゃんとゲイルは王城で毎年クリスマスを過ごします。
サフィちゃんはお兄様と一緒におねんね♡
プレゼントは何がいい、と聞かれて「王城に居た頃みたいにサフィを抱っこして寝たいな?」と言ってから毎年恒例となっております。
お兄様へのクリスマスプレゼントとしてゲイルも許可。
お兄様、幸せいっぱいだけど眠れぬ夜を過ごすのでございました…(*'ω'*)ニヤニヤ
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