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学院生活 波瀾万丈⁈
大忙しサフィ
学院に戻ってから大忙し。
授業に加えて外国語の補講でしょ、生徒会&課題教室でしょ。
でもって、週末は王城に行ったり冒険に行ったり。
俺の身体がいくつあっても足りませぬよ!
なので、何が犠牲になるかというと……王城が後回しになる。だってもう魔法の訓練も終わったし、オルガ団長の訓練も終わり。とうの昔に「冒険者として実践で学ぶ」という段階に入っておるのです。
つまり、王城に行っても特に「これをやるために」というのがないのでござります。
じゃあ何をしているのかといえば、お兄様とお茶をしたり、おかあさまとハルトおじさまとお茶をしたり。
え?お茶ばっかりじゃねえか、って?まあ、そうなの。
お茶をしながら、政治について話をしたり、外国の風習とか王族とかについて教えて貰ったり、いろいろおしゃべりするのが勉強にもなってるんだけどね。
俺としては、せっかく冒険者になれたんだから、サクサクっとランクを上げたい。
今は特例でC級だけど、A級になればドラゴンを狩っていいって言われてる。
実力的にはもうS級レベルだっていうから、あとは依頼の数をこなすだけなのだ!ギルド長に「大きな獲物を狩るよりも、そのレベルに応じた依頼をきちんとこなすことも大事だぞ?」っていわれちゃったのです。
そう、俺は焦っている。何故ならば!俺はキースと同じドラゴンスレイヤーの称号が欲しい!!
そんでもって、さっさと「サンダーエンジェル」とかいう恥ずかしい二つ名をなんとかしたいんだよおおおお!!
帝国にまで知られちゃってたし、これ以上よそに広まる前になんとかしたい。
依頼の数もB級にからA級だとそれなりになるし、そもそもランクアップに必要な強い魔物がすぐにいるとは限らない。探し回る時間を考慮したら、時間なんていくらあっても足りない!
そこで今週王城に行くときに相談してみることにした。
過去の例でいえば、俺が王城生活のあとちょいと倒れただけでお兄様は闇落ちしてしまった。
しかしもう俺も大きくなったし、学校があるときはちょいちょい会いに来てくれるとしてもそこまで一緒に過ごしているわけではない。今ならば、少なくとも1週間くらい……いや2週間くらいはもつのではないだろうか。
ゲイルに言ってみたら微妙な表情をして「まあ、やるだけやってみろ」と言った。
それどういう表情?
なので、俺はハルトおじさま、おかあさま、お兄様が揃ったときにこのように申し出てみた。
「あのですね。俺は今大変大変忙しいのです。放課後に生徒会もあるし、課題も出ちゃってるし、おまけに外国語の補講もあってね。でもって、冒険者としての活動もしなきゃなので」
「おお。なかなか大変そうじゃのう!」
「そうねえ。頑張ってるのね、サフィちゃん!偉いわあ!」
「私のために外国語を頑張ってくれているんだね。ありがとう、サフィ!」
「ということで、ご相談があります!俺の身体はひとつしかありません。あんだーすたん?」
「あんだーすたん?」
「ご理解できまするか、ってこと!」
「そ、そうね。サフィちゃんの身体はひとつだわ。理解できるわよ?」
「授業と、補講と、生徒会と課題はやめることができません。あんだーすたん?」
「うん。あんだーすたん、だよ?」
「そうなると、残るのは週末になにをするか。冒険者のお仕事をするか、王城に来るか、ということになります」
「そ、そうなるのかのう?」
「そこでご相談なのです。俺は冒険者のお仕事をせねばなりませぬ!なぜならば!
サクサクっと依頼をこなして、サクサクっとA級の冒険者になってドラゴンを狩らねばなりませんのでね!!!」
拳を突き上げて力説したが、いまいちみんなの反応が悪い。
「あんだーすたん?」
「いや、サフィはまだ10歳なのだし、さすがにそこまで急ぐ必要もないのではないか?」
「そうよねえ。そりゃあ狩れるだろうけれど、まだ学生さんなんだし」
「必要があるの!!もんのすんごおおおく必要なのです!!」
ふんふん息巻く俺をお兄様がひょいっとお膝に乗せ、俺の顔を覗き込むようにして聞いてきた。
「何がそんなに必要なの?」
「俺はドラゴンスレイヤーになりたいの!」
「「「え?」」」
「だーかーらあ!ドラゴンスレイヤーの称号が欲しいの!キースの二つ名みたいに、ドラゴンスレイヤーっていう二つ名になりたいのです!!」
おかあさまが「あら、まあ!」とお口に手をあて、ハルトおじさまが「ほ、ほう!」とまるでサンタクロースのような声をあげた。
お兄様だけは、俺の「二つ名」という言葉にハッと反応。
「それって、まさか……サンダーエンジェルが嫌だから?」
「え?なにそれ可愛い!まさかサフィちゃんの二つ名?」
「C級なのにもう二つ名があるのか!さすがはサフィだ!とても可愛らしい二つ名ではないか!サフィにピッタリだな!」
「それが嫌なのですってばああああ!!!可愛くないの!!カッコいいのがよきなのです!!」
冒険者なのに「エンジェル」ってなに?!普通は「漆黒の」とか「疾風の」とかさあ!「氷結の」とかじゃないの?!サンダーが使いたかったなら「雷鳴のサフィ」とかで良くない?なんでそこでエンジェルした?!
俺の剣幕にみんなは笑い出した。
「笑いごとじゃないでしょお!帝国の人も知ってたんだよ?!このまま他の国にまでひろまっちゃったらどうするのですか?!男の子なのにエンジェルって!おかしいでしょおが!!」
「いや、それを言うなら男の子でも聖女だしなあ……」
「そうよねえ。それにサフィちゃんはとっても可愛らしいし!まったく問題ないわよ?」
「そうだね。サフィは天使だもの。問題ないよね。サフィだってミカに会ったとき『大天使』だとか言っていただろう?同じことなのじゃないのかな?」
「そ、そう?……同じ……なのかなあ……。って!お兄様に言いくるめられるところでござった!」
「残念。気付かれちゃったか。でもね、本当にサフィは可愛いから問題ないと思うよ?」
「俺は!可愛いのではなくカッコいい冒険者になりたいのです!なので、ドラゴンスレイヤーに俺はなる!!」
授業に加えて外国語の補講でしょ、生徒会&課題教室でしょ。
でもって、週末は王城に行ったり冒険に行ったり。
俺の身体がいくつあっても足りませぬよ!
なので、何が犠牲になるかというと……王城が後回しになる。だってもう魔法の訓練も終わったし、オルガ団長の訓練も終わり。とうの昔に「冒険者として実践で学ぶ」という段階に入っておるのです。
つまり、王城に行っても特に「これをやるために」というのがないのでござります。
じゃあ何をしているのかといえば、お兄様とお茶をしたり、おかあさまとハルトおじさまとお茶をしたり。
え?お茶ばっかりじゃねえか、って?まあ、そうなの。
お茶をしながら、政治について話をしたり、外国の風習とか王族とかについて教えて貰ったり、いろいろおしゃべりするのが勉強にもなってるんだけどね。
俺としては、せっかく冒険者になれたんだから、サクサクっとランクを上げたい。
今は特例でC級だけど、A級になればドラゴンを狩っていいって言われてる。
実力的にはもうS級レベルだっていうから、あとは依頼の数をこなすだけなのだ!ギルド長に「大きな獲物を狩るよりも、そのレベルに応じた依頼をきちんとこなすことも大事だぞ?」っていわれちゃったのです。
そう、俺は焦っている。何故ならば!俺はキースと同じドラゴンスレイヤーの称号が欲しい!!
そんでもって、さっさと「サンダーエンジェル」とかいう恥ずかしい二つ名をなんとかしたいんだよおおおお!!
帝国にまで知られちゃってたし、これ以上よそに広まる前になんとかしたい。
依頼の数もB級にからA級だとそれなりになるし、そもそもランクアップに必要な強い魔物がすぐにいるとは限らない。探し回る時間を考慮したら、時間なんていくらあっても足りない!
そこで今週王城に行くときに相談してみることにした。
過去の例でいえば、俺が王城生活のあとちょいと倒れただけでお兄様は闇落ちしてしまった。
しかしもう俺も大きくなったし、学校があるときはちょいちょい会いに来てくれるとしてもそこまで一緒に過ごしているわけではない。今ならば、少なくとも1週間くらい……いや2週間くらいはもつのではないだろうか。
ゲイルに言ってみたら微妙な表情をして「まあ、やるだけやってみろ」と言った。
それどういう表情?
なので、俺はハルトおじさま、おかあさま、お兄様が揃ったときにこのように申し出てみた。
「あのですね。俺は今大変大変忙しいのです。放課後に生徒会もあるし、課題も出ちゃってるし、おまけに外国語の補講もあってね。でもって、冒険者としての活動もしなきゃなので」
「おお。なかなか大変そうじゃのう!」
「そうねえ。頑張ってるのね、サフィちゃん!偉いわあ!」
「私のために外国語を頑張ってくれているんだね。ありがとう、サフィ!」
「ということで、ご相談があります!俺の身体はひとつしかありません。あんだーすたん?」
「あんだーすたん?」
「ご理解できまするか、ってこと!」
「そ、そうね。サフィちゃんの身体はひとつだわ。理解できるわよ?」
「授業と、補講と、生徒会と課題はやめることができません。あんだーすたん?」
「うん。あんだーすたん、だよ?」
「そうなると、残るのは週末になにをするか。冒険者のお仕事をするか、王城に来るか、ということになります」
「そ、そうなるのかのう?」
「そこでご相談なのです。俺は冒険者のお仕事をせねばなりませぬ!なぜならば!
サクサクっと依頼をこなして、サクサクっとA級の冒険者になってドラゴンを狩らねばなりませんのでね!!!」
拳を突き上げて力説したが、いまいちみんなの反応が悪い。
「あんだーすたん?」
「いや、サフィはまだ10歳なのだし、さすがにそこまで急ぐ必要もないのではないか?」
「そうよねえ。そりゃあ狩れるだろうけれど、まだ学生さんなんだし」
「必要があるの!!もんのすんごおおおく必要なのです!!」
ふんふん息巻く俺をお兄様がひょいっとお膝に乗せ、俺の顔を覗き込むようにして聞いてきた。
「何がそんなに必要なの?」
「俺はドラゴンスレイヤーになりたいの!」
「「「え?」」」
「だーかーらあ!ドラゴンスレイヤーの称号が欲しいの!キースの二つ名みたいに、ドラゴンスレイヤーっていう二つ名になりたいのです!!」
おかあさまが「あら、まあ!」とお口に手をあて、ハルトおじさまが「ほ、ほう!」とまるでサンタクロースのような声をあげた。
お兄様だけは、俺の「二つ名」という言葉にハッと反応。
「それって、まさか……サンダーエンジェルが嫌だから?」
「え?なにそれ可愛い!まさかサフィちゃんの二つ名?」
「C級なのにもう二つ名があるのか!さすがはサフィだ!とても可愛らしい二つ名ではないか!サフィにピッタリだな!」
「それが嫌なのですってばああああ!!!可愛くないの!!カッコいいのがよきなのです!!」
冒険者なのに「エンジェル」ってなに?!普通は「漆黒の」とか「疾風の」とかさあ!「氷結の」とかじゃないの?!サンダーが使いたかったなら「雷鳴のサフィ」とかで良くない?なんでそこでエンジェルした?!
俺の剣幕にみんなは笑い出した。
「笑いごとじゃないでしょお!帝国の人も知ってたんだよ?!このまま他の国にまでひろまっちゃったらどうするのですか?!男の子なのにエンジェルって!おかしいでしょおが!!」
「いや、それを言うなら男の子でも聖女だしなあ……」
「そうよねえ。それにサフィちゃんはとっても可愛らしいし!まったく問題ないわよ?」
「そうだね。サフィは天使だもの。問題ないよね。サフィだってミカに会ったとき『大天使』だとか言っていただろう?同じことなのじゃないのかな?」
「そ、そう?……同じ……なのかなあ……。って!お兄様に言いくるめられるところでござった!」
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