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学院生活 波瀾万丈⁈
おかあさまとハルトおじさまにご報告でござる
そのまんまの勢いで、お兄様にわっしょいわっしょい抱き上げられて食堂へ。
お、お兄様のテンション、みたこともないくらいアゲアゲでございまするー!
ちょ、ちょ、ちょ!
すれ違ったみなさん、振り返ってこちらを二度見しておりますぞ?
驚かせてごめんねえ?ちょっと今お兄様アレですのでね?
お兄様の肩越しに目で合図すると、何か悟ったようにグッジョブをしてくれました。
うむ。グッジョブ!
でもって、かつてないスピードで食堂に到着!
二人の顔を見るや否や、お兄様は俺を抱っこしたままでこう宣言した。
「母上!父上!ご報告があります!この度私はサフィから婚約の約束を取り付けました!」
ガタン!
椅子を蹴倒す勢いでハルトおじ様が立ち上がる。
「成功したのか、レオン!!」
ハルトおじ様は顔を両手で覆って涙を流し始めた。
「こんな幸せが来ようとは……。うう……っ。もう思い残すことはない……」
いやいや、そんな遺言みたいなこと言うのはやめて⁈
一方お母様は、椅子から飛び上がるようにして立ち上がると、あっという間に俺の前に。
その勢いのまま俺ごとお兄様に抱き着いた。
「よくやったわ、レオン!!神様、ありがとうございます!
嬉しいわ!まあまあ、どうしましょう!サフィちゃんが私の息子になるのねえ!ああ!夢がかなったわ!
お式はいつがいいかしら?ああ、ドレス……は嫌がるわよねえ……じゃあ、裾の長い上着にして……
ああ!サフィちゃんならなんだって似合うじゃないの!」
抱き着いたと思ったら天に祈り、祈ったと思えば飛び上がり、また抱き着き。
おかあさまの情緒は瀕死の状態。
あとね、まだ結婚はしませんよ?!婚約だけだからね?俺まだ10歳ですし!
それとその前にゲイルに言って許可貰わなきゃなんですけれどもね?!
さすがにお兄様も苦笑しておかあさまに突っ込んだ。
「母上、まずはゲイルの説得からです!
サフィに頷いて貰ったからには、なんとしても婚約者の地位を手に入れてみせます!
まだ早いと渋られようと負ける気はありません!待っている間に鳶に攫われかねませんから」
「そ、そうね、そうね。私ったらちょっと気が早かったわね。ごめんなさいね、サフィちゃん。
嬉しすぎてつい……」
俺の手をにぎにぎしながら謝ってくれるおかあさま。
いえいえ。大丈夫でござりますよ?
そういうテンションはエリアスやマリーやマリーで慣れておりますのでね?
俺は「大丈夫ですよ」と鷹揚に頷いてみせた。
というか、ここまでずっと俺はお兄様の腕の中。
そろそろ下に降ろしては頂けぬだろうか?
「ところで、サフィちゃん。本当に本当に婚約者になってくれるのよね?
レオンが無理を言ったりしなかったかしら?」
「えっとお。お兄様が他の子と婚約して、その子と抱っこしたりちゅーしたりしたら嫌なので!
抱っこもちゅーも俺とだけなの。なので、お兄様は俺と婚約するしかないのです!そういうわけですので、大丈夫です!」
「え?あらあ……抱っこ……ちゅう……」
とおかあさまが顔を赤らめる。
「母上、そういう意味ではありません。サフィはまだ10歳ですよ?何を考えているのですか。
普通の『抱っこ』と『キス』です」
「え、ええ、そうね!そうよね!!わたしったら!も、もちろん分かってたわよ?」
何故だか大慌てで弁解を始めたおかあさま。
普通じゃない抱っこやちゅーがあるのだろうか?
「ええと……、要するに『レオンがサフィちゃん意外と婚約するのが嫌だから、サフィちゃんが婚約する』っていうことでいいのかしら?」
こくりと頷く。そういうことです。
「サフィ以外とは婚約してはダメだなんて、本当に可愛い独占欲ですよね?ふふふ。
私の婚約者は本当にかわいい」
「うむ。確かにそれならばレオンが無理強いしたわけでもなかろう。
あとはゲイルをどう説得するかだな。とにかく、なんとか婚約式に持ち込むのだ!
早ければ早いほどいい!気が変わらぬうちに!」
「そうですね。横やりが入る前に早く婚約してしまいたい」
「じゃあ、このままみんなでゲイルのところに行きましょうか?」
「そうだな!今ならばまだゲイルも出かけてはおるまい。すぐに向かおう!」
「あのー………」
「父上!婚約の申し込みに向かうのですから、なにか手土産を用意せねば!いくらゲイルと私たちの仲とはいえ、サフィを軽く見ているなどと思われなくはありません!」
「そうだな!宝物庫から一番大きな宝石を持っていこうではないか!それでサフィのブローチかなにかを作らせるようにしよう」
「それはいいわね!確か、レオンの目の色の宝石があったんじゃない?」
「いっそのこと、イヤリングとネックレスとブローチをセットで作らせてはどうだ?」
「そうしましょう!それと幻と言われるお酒があったでしょう?あなたが王位についた記念にって隣国から届いた。あれを持っていきましょう!」
「あ、あれをか?!……いや、しかし、仕方あるまい。あれならばゲイルも喜んで受け取るだろう。レオンとサフィの幸せのためだ」
「父上、良いのですか?退位の際に飲むのだと楽しみにしていらしたのに……」
「このような時に使わなくていつ使うのだ?息子の幸せのためならば惜しくはない!」
「あのおおおおおおお!!!」
ぐううううううう!
俺が声を張り上げると同時に、俺のお腹がグウっとなった。
「お取込み中失礼!でも……お腹が空いたのでございまする……」
先に朝ご飯したらダメなのでしょうか?
お、お兄様のテンション、みたこともないくらいアゲアゲでございまするー!
ちょ、ちょ、ちょ!
すれ違ったみなさん、振り返ってこちらを二度見しておりますぞ?
驚かせてごめんねえ?ちょっと今お兄様アレですのでね?
お兄様の肩越しに目で合図すると、何か悟ったようにグッジョブをしてくれました。
うむ。グッジョブ!
でもって、かつてないスピードで食堂に到着!
二人の顔を見るや否や、お兄様は俺を抱っこしたままでこう宣言した。
「母上!父上!ご報告があります!この度私はサフィから婚約の約束を取り付けました!」
ガタン!
椅子を蹴倒す勢いでハルトおじ様が立ち上がる。
「成功したのか、レオン!!」
ハルトおじ様は顔を両手で覆って涙を流し始めた。
「こんな幸せが来ようとは……。うう……っ。もう思い残すことはない……」
いやいや、そんな遺言みたいなこと言うのはやめて⁈
一方お母様は、椅子から飛び上がるようにして立ち上がると、あっという間に俺の前に。
その勢いのまま俺ごとお兄様に抱き着いた。
「よくやったわ、レオン!!神様、ありがとうございます!
嬉しいわ!まあまあ、どうしましょう!サフィちゃんが私の息子になるのねえ!ああ!夢がかなったわ!
お式はいつがいいかしら?ああ、ドレス……は嫌がるわよねえ……じゃあ、裾の長い上着にして……
ああ!サフィちゃんならなんだって似合うじゃないの!」
抱き着いたと思ったら天に祈り、祈ったと思えば飛び上がり、また抱き着き。
おかあさまの情緒は瀕死の状態。
あとね、まだ結婚はしませんよ?!婚約だけだからね?俺まだ10歳ですし!
それとその前にゲイルに言って許可貰わなきゃなんですけれどもね?!
さすがにお兄様も苦笑しておかあさまに突っ込んだ。
「母上、まずはゲイルの説得からです!
サフィに頷いて貰ったからには、なんとしても婚約者の地位を手に入れてみせます!
まだ早いと渋られようと負ける気はありません!待っている間に鳶に攫われかねませんから」
「そ、そうね、そうね。私ったらちょっと気が早かったわね。ごめんなさいね、サフィちゃん。
嬉しすぎてつい……」
俺の手をにぎにぎしながら謝ってくれるおかあさま。
いえいえ。大丈夫でござりますよ?
そういうテンションはエリアスやマリーやマリーで慣れておりますのでね?
俺は「大丈夫ですよ」と鷹揚に頷いてみせた。
というか、ここまでずっと俺はお兄様の腕の中。
そろそろ下に降ろしては頂けぬだろうか?
「ところで、サフィちゃん。本当に本当に婚約者になってくれるのよね?
レオンが無理を言ったりしなかったかしら?」
「えっとお。お兄様が他の子と婚約して、その子と抱っこしたりちゅーしたりしたら嫌なので!
抱っこもちゅーも俺とだけなの。なので、お兄様は俺と婚約するしかないのです!そういうわけですので、大丈夫です!」
「え?あらあ……抱っこ……ちゅう……」
とおかあさまが顔を赤らめる。
「母上、そういう意味ではありません。サフィはまだ10歳ですよ?何を考えているのですか。
普通の『抱っこ』と『キス』です」
「え、ええ、そうね!そうよね!!わたしったら!も、もちろん分かってたわよ?」
何故だか大慌てで弁解を始めたおかあさま。
普通じゃない抱っこやちゅーがあるのだろうか?
「ええと……、要するに『レオンがサフィちゃん意外と婚約するのが嫌だから、サフィちゃんが婚約する』っていうことでいいのかしら?」
こくりと頷く。そういうことです。
「サフィ以外とは婚約してはダメだなんて、本当に可愛い独占欲ですよね?ふふふ。
私の婚約者は本当にかわいい」
「うむ。確かにそれならばレオンが無理強いしたわけでもなかろう。
あとはゲイルをどう説得するかだな。とにかく、なんとか婚約式に持ち込むのだ!
早ければ早いほどいい!気が変わらぬうちに!」
「そうですね。横やりが入る前に早く婚約してしまいたい」
「じゃあ、このままみんなでゲイルのところに行きましょうか?」
「そうだな!今ならばまだゲイルも出かけてはおるまい。すぐに向かおう!」
「あのー………」
「父上!婚約の申し込みに向かうのですから、なにか手土産を用意せねば!いくらゲイルと私たちの仲とはいえ、サフィを軽く見ているなどと思われなくはありません!」
「そうだな!宝物庫から一番大きな宝石を持っていこうではないか!それでサフィのブローチかなにかを作らせるようにしよう」
「それはいいわね!確か、レオンの目の色の宝石があったんじゃない?」
「いっそのこと、イヤリングとネックレスとブローチをセットで作らせてはどうだ?」
「そうしましょう!それと幻と言われるお酒があったでしょう?あなたが王位についた記念にって隣国から届いた。あれを持っていきましょう!」
「あ、あれをか?!……いや、しかし、仕方あるまい。あれならばゲイルも喜んで受け取るだろう。レオンとサフィの幸せのためだ」
「父上、良いのですか?退位の際に飲むのだと楽しみにしていらしたのに……」
「このような時に使わなくていつ使うのだ?息子の幸せのためならば惜しくはない!」
「あのおおおおおおお!!!」
ぐううううううう!
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「お取込み中失礼!でも……お腹が空いたのでございまする……」
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