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学院生活 波瀾万丈⁈
お兄様はしょた?
とりあえず、婚約者としての公表をすることになった。
「では、来週はどうだろうか?」
ハルトおじ様のお口から出た飛んでもない日程に俺たちは仰天。
本当は婚約発表とかってもっと時間をかけて準備するものじゃないの?!
当たり前の疑問を口にすれば、これまた当たり前のように
「いつ婚約してもいいように何年も前から準備だけはしていたのでな。問題はない」
と言われてしもうた。
これにはゲイルもキースもティガマリすらもドン引き。
「何年も前っていったいサフィがいくつのときだ?……狙ってやがるのは分かっていたが…」
ゲイルの言葉にお兄様がにっこり。
「聖女だと知ったときは僥倖だと思ったよ。合法的にサフィを手に入れる道ができたからね?ならば備えておくにこしたことはないだろう?チャンスは逃したくないからね?」
「聖女だって分かったとき?!俺そのときまだ5つでしたが?!」
「5歳のお披露目で婚約者を見つける家も多いんだよ?良いお相手を逃さぬようにと早いうちに婚約させるんだ。おかしくはないでしょう?」
「いや、お前そりゃ政略結婚の話だろ?……レオンは10歳違いか?てことは15歳だったよな?それで5つのサフィを見初めるとか……いや、ねえわ……」
「最初は普通に『私が守ってあげたい』と思っていただけだからね?
でも、考えてみて欲しい。こんなかわいい天使と1週間共に過ごしたんだよ?私にとても懐いてくれて、一緒のベッドでサフィを抱きしめて眠って、膝に乗せて食事をさせて。幸せでしかないでしょう?まだ恋愛感情とまではいかなかったけど、どう考えても手放す未来なんてないよね?なんとかして共にいるつもりだったよ?」
「確かに。サフィは子供でも可愛かったもんなあ」
しみじみと呟くキース。
「ああ。サフィは天使だからな。そりゃ仕方ねえか……」
「いやそれで納得するう?!俺の保護者たち、おかしくないですか?」
「何を言っているんだ?サフィだぞ?!サフィを普通の子供だと思うなよ?子供だってなんだって可愛いもんは可愛いだろうが!俺の息子を舐めんな?!」
いや、お父様、本人にそれ力説されても……俺どういう顔したらいいの?
俺の保護者の異常なほどの俺への愛に引いたのは初めてかもしれない。
だって5歳だよ?!
そこにハルトおじさまが手をパンパンと叩いて場を収集。
「まあまあまあ!良いではないか!結果として今の幸せがあるのだからな!
これからのことを考えようではないか!」
「そうよそうよ!備えあれば憂いなしというでしょう?結果的に備えていたからこそすぐに婚約式ができるのだし!
いいことでしょう?ねえ、サフィちゃん!」
二人からの圧!
「う、うん?」
「そうと決まれば、すぐに準備にかかろう!」
「待て待て待て!一応言っておくが、サフィは卒業まではここから通わせるからな?お泊りも週末のみだ」
「ちょっと待ったあ!
週末は依頼をこなさねばならぬのです!そのお話しに王城に行ったんでしょうが!
おれってばとっても大忙しなの!逆に忙しくなっちゃったら、もとももの……もとともの…「もともこも、か?」そう!もともこもないでしょお!
キース、俺はね。早急にランクをあげねばならぬのです!」
「ああ。あのサンダーエンジェルをなんとかするってやつだよな?」
「うんそう!それでね。王宮にお泊りできませんよーってお話をしにいったら、婚約することになったの」
「いや、それでどうしてこうなるのか意味がわからんが。とりあえず、週末は俺と依頼をこなすってことでいいんだな?」
「そうなのです!
でもって、お兄様が個人的にギルドに後学のために討伐に同行』依頼を出して俺たちと一緒に来るんだって。俺たちがお兄様からの依頼と討伐依頼とを受ける形にするんだって」
「そ、そうか。……レオン……お前狭量すぎないか?」
さすがのキースもこれには呆れかえってしまった。
「何を言っている。当たり前でしょう。好きな子が他の男と夜を共にするなんて許せないよね?これが私の妥協点だよ?正式な依頼を出すつもりだからね?」
「夜を共にするって……お前なあ、冒険者じゃ野営なんて当たり前だぜ?俺が大切なサフィに不埒な真似なんぞするわけねえだろ?」
「俺もキースは信頼してる。その点はレオンよりよほど信用できるぜ?なあ?」
「ですよね。私もそう思います。キース様ならばサフィラス様を安心してお預けできますからね」
ゲイルもティガマリも残念なものを見るようにお兄様を見る目は半眼だ。
「で、でもね?かわいい男心よっ!恋する男の子は繊細なんだからっ」
「そ、そうだぞ?誰もがゲイルたちのように心臓に毛が生えているわけではないのだぞ?」
おかあさまとハルトおじ様がなんとか息子を庇おうとしたが、藪蛇だったようだ。
「ああん?!ハルトなんつった?誰に心臓に毛が生えてるって?まさか俺じゃねえよなあ?」
「い、いや、あのだなあ…」
「お前はちまちまと細かすぎるんだって!もちっとどーんと構えてろよ。王だろうがよ」
「す、すまぬ。これでもな?頑張ってはいるのだぞ?」
「そもそも、うちのキースだぞ?理性に関しちゃ、レオンよりよほど信頼できる。現にこれまでずっと見守りに終始してきたじゃねえか。そのせいでレオンにかっさらわれたわけだしな」
「ゲイルの言う通りだ。実際、俺のこれまでの努力はレオンの暴走で無にされたわけだし」
「だよなあ。10歳の子供に泣き落としとかなあ……ねえわあ……」
「泣き落とししたわけじゃあないぞ?!」
「それに近いだろうがよ。サフィは俺に似て手のかかる泣く子に弱えんだよ」
確かに!俺、泣く子とかに弱いかも!その自覚はある!なんとかしてあげなきゃって思っちゃうんだよねえ。
「サフィ?頷かないで?!」
「とにかく!話はそれたけれども、俺は早くA級にならなきゃなので!婚約の式とかはそれからです!
でなきゃ、本末てんとーでしょ!お兄様もしょうがないのでついてきていいから。いいよね。キース?」
キースは苦笑しながら頷いてくれた。
「まあ……仕方ねえな。断っても付いてきそうだしな。依頼にしてもらえるなら一石二鳥だろう。レオンの実力なら自分の身は自分で守れるだろうし」
「てことで。婚約はしてもいいけど、式とかは忙しいから後で!」
こうして婚約はしたけれども(書面にサインしただけだけれどね)今のところの生活は変わらない。
ただ、お兄様のことはこれからは「レオン」って呼んで欲しいそうだ。
でもって、ハルトおじ様はまだ早いけど「ハルトお父様」に。
キースは、キースかお兄様ということになった。
お兄様は「婚約者として毎日会う権利がある」というので、グリフィス家に毎日通ってくるのだそうだ。
忙しくないかと聞くと「食事や睡眠は毎日必ず必要なことだろう?それをサフィと共にするだけだからね?」だって。
とりあえずお兄様は今日は王宮に戻り、明日の朝俺が学校に行くときに俺に同行する。
学院にも連絡するのと、俺のお友達たち「婚約者として挨拶しておきたいから」だそうな。
なんか大事になってきた…。
こそりと挨拶すませて頂きたいが…無理だろうなあ。
「では、来週はどうだろうか?」
ハルトおじ様のお口から出た飛んでもない日程に俺たちは仰天。
本当は婚約発表とかってもっと時間をかけて準備するものじゃないの?!
当たり前の疑問を口にすれば、これまた当たり前のように
「いつ婚約してもいいように何年も前から準備だけはしていたのでな。問題はない」
と言われてしもうた。
これにはゲイルもキースもティガマリすらもドン引き。
「何年も前っていったいサフィがいくつのときだ?……狙ってやがるのは分かっていたが…」
ゲイルの言葉にお兄様がにっこり。
「聖女だと知ったときは僥倖だと思ったよ。合法的にサフィを手に入れる道ができたからね?ならば備えておくにこしたことはないだろう?チャンスは逃したくないからね?」
「聖女だって分かったとき?!俺そのときまだ5つでしたが?!」
「5歳のお披露目で婚約者を見つける家も多いんだよ?良いお相手を逃さぬようにと早いうちに婚約させるんだ。おかしくはないでしょう?」
「いや、お前そりゃ政略結婚の話だろ?……レオンは10歳違いか?てことは15歳だったよな?それで5つのサフィを見初めるとか……いや、ねえわ……」
「最初は普通に『私が守ってあげたい』と思っていただけだからね?
でも、考えてみて欲しい。こんなかわいい天使と1週間共に過ごしたんだよ?私にとても懐いてくれて、一緒のベッドでサフィを抱きしめて眠って、膝に乗せて食事をさせて。幸せでしかないでしょう?まだ恋愛感情とまではいかなかったけど、どう考えても手放す未来なんてないよね?なんとかして共にいるつもりだったよ?」
「確かに。サフィは子供でも可愛かったもんなあ」
しみじみと呟くキース。
「ああ。サフィは天使だからな。そりゃ仕方ねえか……」
「いやそれで納得するう?!俺の保護者たち、おかしくないですか?」
「何を言っているんだ?サフィだぞ?!サフィを普通の子供だと思うなよ?子供だってなんだって可愛いもんは可愛いだろうが!俺の息子を舐めんな?!」
いや、お父様、本人にそれ力説されても……俺どういう顔したらいいの?
俺の保護者の異常なほどの俺への愛に引いたのは初めてかもしれない。
だって5歳だよ?!
そこにハルトおじさまが手をパンパンと叩いて場を収集。
「まあまあまあ!良いではないか!結果として今の幸せがあるのだからな!
これからのことを考えようではないか!」
「そうよそうよ!備えあれば憂いなしというでしょう?結果的に備えていたからこそすぐに婚約式ができるのだし!
いいことでしょう?ねえ、サフィちゃん!」
二人からの圧!
「う、うん?」
「そうと決まれば、すぐに準備にかかろう!」
「待て待て待て!一応言っておくが、サフィは卒業まではここから通わせるからな?お泊りも週末のみだ」
「ちょっと待ったあ!
週末は依頼をこなさねばならぬのです!そのお話しに王城に行ったんでしょうが!
おれってばとっても大忙しなの!逆に忙しくなっちゃったら、もとももの……もとともの…「もともこも、か?」そう!もともこもないでしょお!
キース、俺はね。早急にランクをあげねばならぬのです!」
「ああ。あのサンダーエンジェルをなんとかするってやつだよな?」
「うんそう!それでね。王宮にお泊りできませんよーってお話をしにいったら、婚約することになったの」
「いや、それでどうしてこうなるのか意味がわからんが。とりあえず、週末は俺と依頼をこなすってことでいいんだな?」
「そうなのです!
でもって、お兄様が個人的にギルドに後学のために討伐に同行』依頼を出して俺たちと一緒に来るんだって。俺たちがお兄様からの依頼と討伐依頼とを受ける形にするんだって」
「そ、そうか。……レオン……お前狭量すぎないか?」
さすがのキースもこれには呆れかえってしまった。
「何を言っている。当たり前でしょう。好きな子が他の男と夜を共にするなんて許せないよね?これが私の妥協点だよ?正式な依頼を出すつもりだからね?」
「夜を共にするって……お前なあ、冒険者じゃ野営なんて当たり前だぜ?俺が大切なサフィに不埒な真似なんぞするわけねえだろ?」
「俺もキースは信頼してる。その点はレオンよりよほど信用できるぜ?なあ?」
「ですよね。私もそう思います。キース様ならばサフィラス様を安心してお預けできますからね」
ゲイルもティガマリも残念なものを見るようにお兄様を見る目は半眼だ。
「で、でもね?かわいい男心よっ!恋する男の子は繊細なんだからっ」
「そ、そうだぞ?誰もがゲイルたちのように心臓に毛が生えているわけではないのだぞ?」
おかあさまとハルトおじ様がなんとか息子を庇おうとしたが、藪蛇だったようだ。
「ああん?!ハルトなんつった?誰に心臓に毛が生えてるって?まさか俺じゃねえよなあ?」
「い、いや、あのだなあ…」
「お前はちまちまと細かすぎるんだって!もちっとどーんと構えてろよ。王だろうがよ」
「す、すまぬ。これでもな?頑張ってはいるのだぞ?」
「そもそも、うちのキースだぞ?理性に関しちゃ、レオンよりよほど信頼できる。現にこれまでずっと見守りに終始してきたじゃねえか。そのせいでレオンにかっさらわれたわけだしな」
「ゲイルの言う通りだ。実際、俺のこれまでの努力はレオンの暴走で無にされたわけだし」
「だよなあ。10歳の子供に泣き落としとかなあ……ねえわあ……」
「泣き落とししたわけじゃあないぞ?!」
「それに近いだろうがよ。サフィは俺に似て手のかかる泣く子に弱えんだよ」
確かに!俺、泣く子とかに弱いかも!その自覚はある!なんとかしてあげなきゃって思っちゃうんだよねえ。
「サフィ?頷かないで?!」
「とにかく!話はそれたけれども、俺は早くA級にならなきゃなので!婚約の式とかはそれからです!
でなきゃ、本末てんとーでしょ!お兄様もしょうがないのでついてきていいから。いいよね。キース?」
キースは苦笑しながら頷いてくれた。
「まあ……仕方ねえな。断っても付いてきそうだしな。依頼にしてもらえるなら一石二鳥だろう。レオンの実力なら自分の身は自分で守れるだろうし」
「てことで。婚約はしてもいいけど、式とかは忙しいから後で!」
こうして婚約はしたけれども(書面にサインしただけだけれどね)今のところの生活は変わらない。
ただ、お兄様のことはこれからは「レオン」って呼んで欲しいそうだ。
でもって、ハルトおじ様はまだ早いけど「ハルトお父様」に。
キースは、キースかお兄様ということになった。
お兄様は「婚約者として毎日会う権利がある」というので、グリフィス家に毎日通ってくるのだそうだ。
忙しくないかと聞くと「食事や睡眠は毎日必ず必要なことだろう?それをサフィと共にするだけだからね?」だって。
とりあえずお兄様は今日は王宮に戻り、明日の朝俺が学校に行くときに俺に同行する。
学院にも連絡するのと、俺のお友達たち「婚約者として挨拶しておきたいから」だそうな。
なんか大事になってきた…。
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