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俺はA級になる!
冒険者サフィ
学院生活は婚約者になったけど何も変わらなかった。みんな俺を避けたりもせず通常営業。
威厳はないが、平和である。
一方、冒険者生活の方には変化があった。
土曜日、キースとギルドにいけば、ギルド長のクリスがうんざりしたような顔で待ち構えていた。
「あー、なんだ、キースとサフィに指名依頼が入っている。
すまんが、毎回お前らが依頼に依頼主を同行させてほしい。『冒険者と同行しダンジョンや魔物の生態を学びたい』そうだ」
「「あーー……」」
俺とキースは天を仰いだ。
これは…早速のアレですな。
うちのレオンが申し訳ない!!
俺はキリッとギルド長に宣言した。
「今俺たちが受けることができる一番ヤバい依頼をください。俺がC級、キースがS級だから、B級までいけるでしょ」
ランクの違う二人がチームの場合、下位ランクの冒険者の一つ上のランクの依頼が受けられるのだ。
ギルド長はニヤリと笑い懐から依頼用紙を取り出した。
「ほら」
渡されたのは…
『冒険者と同行しダンジョンと…』
「確かにヤバいけど!そういう意味ではなく!」
「ははは!冗談だ。
これだな。これから貼り出すところだったんだが…やるか?」
キースが受け取り苦笑した。
「これは確かに。ヤバい案件だな。というか…これ、Sか Aレベルじゃないか?」
「合同案件だからな。ランクが下がるんだ」
「なになに…えっとお、アイスドラゴンの討伐⁈ドラゴン⁈え?これB級でいいの⁈」
「単体ならSかA級なんだがな、辺境伯のとこからの依頼なんだよ。あそこの騎士団と協力しての案件になるからな。いわばサポートだ。辺境騎士団っていやあ、A級B級冒険者並みがゴロゴロいやがるからな。合同ならB級で打倒だろう」
「やったあ!受ける!ドラゴン倒す!ドラゴンスレイヤーになる!!」
なんという幸運!鴨がネギ背負ってやってきました!
わーいわーい、とぴょんぴょんすれば、ギルド長が呆れ顔。
「いや、だからサポートだって!」
「倒せるなら倒していいでしょ?」
「そりゃまあそうだが…」
「早く!早く指名の依頼主呼んで!すぐ行きますので!」
ギルド長を急かしていると、
「呼んだ?」
「え?レオン?あれ?俺たちがウチを出るとき、王宮に帰っていったよね?!」
「俺を迎えに来たんだよ。よお、サフィ!婚約おめでとさん!」
レオンの後ろからひょいっと顔を出したのは……
「ミカミカ!!ミカミカー!!!おうちに帰ってるって聞いてたけど?!」
「ああ。その依頼、俺んとこな。俺の実家、辺境だっていったろ?
アイスドラゴンが出たってんで呼び出されてたんだよ。んで、殿下に相談してギルドに依頼することにしたんだ」
やっぱ、サフィたちが受けたか、と笑うミカ。
そういえばミカミカ、辺境伯の息子って言ってた!
「まさか依頼主、ミカミカ?嘘でしょ?
お兄様という依頼主を連れてミカミカの依頼にいくの?
なんて家庭内産業!そんなのってあり?!」
「まあまあ!
俺は助かる。んで、サフィも依頼をこなせる!一石二鳥じゃねえか、良かったな!
なあ問題ないだろ、ギルド長」
「まあな。依頼は依頼だからな」
「で、久しぶりだな、キース!
いろいろ……まあなんだ……ご愁傷様」
「……まあな。だが逆に堂々と家族でいられるからな。兄としてサフィを見守るつもりだ」
「あはは!いい男だな!俺ならレオンみたいな面倒な奴よりアンタを選ぶぜ!」
「そりゃキースはいいオトコですよ!決まってるでしょお!俺の自慢の家族だもん!
強いし、性格もいいんだからね!」
エヘンと自慢すれば、キースが目をイラズラっぽく輝かせた。
「今から俺にしてもいいんだぞ?」
「キース!私の婚約者を口説かないでもらえるかな?全く、目を離すとすぐにこれだ!」
慌てたように俺を胸に抱き込むレオンに、キースとミカミカは呆れ顔だ。
「冗談だよ。なあ、ミカ。こいつ少し心が狭すぎないか?」
「すまんな。初恋だからさ、さんざん拗らせちまってんだよ。許してやってくれ」
カウンター前でわちゃわちゃしておりましたらば、ギルド長に叱られた。
「お前ら、依頼受けるってことでいいんだろ?カウンター前を塞ぐな!後ろが詰まっちまうだろうが!
さっさと行ってこい!」
「はーい!」
「泊まりになるだろうから、ゲイルには俺から伝えておいてやる。キース、サフィが暴走しないように見とけよ!」
俺の扱い!
レオンがギルド長の言葉を聞き咎め、首を傾げた。
「そこはサフィを守れ、ではないのか?」
「はあ?1番ツエエのがサフィだぞ?
サフィ、そこの依頼主二人を守れよ!」
「がってんしょーちのすけ!」
威厳はないが、平和である。
一方、冒険者生活の方には変化があった。
土曜日、キースとギルドにいけば、ギルド長のクリスがうんざりしたような顔で待ち構えていた。
「あー、なんだ、キースとサフィに指名依頼が入っている。
すまんが、毎回お前らが依頼に依頼主を同行させてほしい。『冒険者と同行しダンジョンや魔物の生態を学びたい』そうだ」
「「あーー……」」
俺とキースは天を仰いだ。
これは…早速のアレですな。
うちのレオンが申し訳ない!!
俺はキリッとギルド長に宣言した。
「今俺たちが受けることができる一番ヤバい依頼をください。俺がC級、キースがS級だから、B級までいけるでしょ」
ランクの違う二人がチームの場合、下位ランクの冒険者の一つ上のランクの依頼が受けられるのだ。
ギルド長はニヤリと笑い懐から依頼用紙を取り出した。
「ほら」
渡されたのは…
『冒険者と同行しダンジョンと…』
「確かにヤバいけど!そういう意味ではなく!」
「ははは!冗談だ。
これだな。これから貼り出すところだったんだが…やるか?」
キースが受け取り苦笑した。
「これは確かに。ヤバい案件だな。というか…これ、Sか Aレベルじゃないか?」
「合同案件だからな。ランクが下がるんだ」
「なになに…えっとお、アイスドラゴンの討伐⁈ドラゴン⁈え?これB級でいいの⁈」
「単体ならSかA級なんだがな、辺境伯のとこからの依頼なんだよ。あそこの騎士団と協力しての案件になるからな。いわばサポートだ。辺境騎士団っていやあ、A級B級冒険者並みがゴロゴロいやがるからな。合同ならB級で打倒だろう」
「やったあ!受ける!ドラゴン倒す!ドラゴンスレイヤーになる!!」
なんという幸運!鴨がネギ背負ってやってきました!
わーいわーい、とぴょんぴょんすれば、ギルド長が呆れ顔。
「いや、だからサポートだって!」
「倒せるなら倒していいでしょ?」
「そりゃまあそうだが…」
「早く!早く指名の依頼主呼んで!すぐ行きますので!」
ギルド長を急かしていると、
「呼んだ?」
「え?レオン?あれ?俺たちがウチを出るとき、王宮に帰っていったよね?!」
「俺を迎えに来たんだよ。よお、サフィ!婚約おめでとさん!」
レオンの後ろからひょいっと顔を出したのは……
「ミカミカ!!ミカミカー!!!おうちに帰ってるって聞いてたけど?!」
「ああ。その依頼、俺んとこな。俺の実家、辺境だっていったろ?
アイスドラゴンが出たってんで呼び出されてたんだよ。んで、殿下に相談してギルドに依頼することにしたんだ」
やっぱ、サフィたちが受けたか、と笑うミカ。
そういえばミカミカ、辺境伯の息子って言ってた!
「まさか依頼主、ミカミカ?嘘でしょ?
お兄様という依頼主を連れてミカミカの依頼にいくの?
なんて家庭内産業!そんなのってあり?!」
「まあまあ!
俺は助かる。んで、サフィも依頼をこなせる!一石二鳥じゃねえか、良かったな!
なあ問題ないだろ、ギルド長」
「まあな。依頼は依頼だからな」
「で、久しぶりだな、キース!
いろいろ……まあなんだ……ご愁傷様」
「……まあな。だが逆に堂々と家族でいられるからな。兄としてサフィを見守るつもりだ」
「あはは!いい男だな!俺ならレオンみたいな面倒な奴よりアンタを選ぶぜ!」
「そりゃキースはいいオトコですよ!決まってるでしょお!俺の自慢の家族だもん!
強いし、性格もいいんだからね!」
エヘンと自慢すれば、キースが目をイラズラっぽく輝かせた。
「今から俺にしてもいいんだぞ?」
「キース!私の婚約者を口説かないでもらえるかな?全く、目を離すとすぐにこれだ!」
慌てたように俺を胸に抱き込むレオンに、キースとミカミカは呆れ顔だ。
「冗談だよ。なあ、ミカ。こいつ少し心が狭すぎないか?」
「すまんな。初恋だからさ、さんざん拗らせちまってんだよ。許してやってくれ」
カウンター前でわちゃわちゃしておりましたらば、ギルド長に叱られた。
「お前ら、依頼受けるってことでいいんだろ?カウンター前を塞ぐな!後ろが詰まっちまうだろうが!
さっさと行ってこい!」
「はーい!」
「泊まりになるだろうから、ゲイルには俺から伝えておいてやる。キース、サフィが暴走しないように見とけよ!」
俺の扱い!
レオンがギルド長の言葉を聞き咎め、首を傾げた。
「そこはサフィを守れ、ではないのか?」
「はあ?1番ツエエのがサフィだぞ?
サフィ、そこの依頼主二人を守れよ!」
「がってんしょーちのすけ!」
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