もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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俺はA級になる!

ドラゴンさんにご紹介

てなわけで、みんなを引き連れてとっとこ参ります。
ブリードのちょっと手前でみんなは待機。
俺だけ先にブリードの元へ。


おお!キースとブリード、意外や意外話が弾んでいらっしゃるようす。
なにやら大笑いしたキースがブリードの足をバンバンと叩いている。
いつのまにそこまで打ち解けたの?

そんなキース&ドラゴンに俺は大声で呼びかけた。

「おーい!あのねえ、みんなも連れてきたんだけど、紹介してよきですかー?」

一応先に確認なのです!
お約束のホウレンソウでございまするよ!




「お、戻ったのか、サフィ。皆はどうだった?」

笑いすぎて目に涙がにじんでる。いったい何を話していたのか気になるー!
だがそれは一旦おいておいて。

「あのね、なんか俺たちのことめちゃくちゃ心配してバンバンしてて血がどばーだった!
だからヒールしてね、挨拶しに連れてきたんだけど……」

「いや、すまん。情報量が多すぎて意味がわからん」

キースが一瞬でスンっとなった。

「詳しくはのちほど!
まずはグリード、お返事をお願いしまーっす!
みんな近くで待たせてるの。ご挨拶してよき?」




「みんなとは?他の人間たちか?」

首を傾けるグリード。

「ここの辺境を収める人たちだよ。
元からいたフィリューゲルは辺境の人と共存してたの。
なので、ブリードも挨拶してもらってよきでしょおか?
さっきのお肉はこの人たちからもらったの。つまり、ブリードには一宿一飯の恩ならぬ、肉一山ひとやまの恩があるのですよ。
だからこの人たちを覚えておいて欲しいんだけど。
でもって、今後会ってもここの人たちのことは攻撃しないでね!」

お肉と聞いてブリードの目がきらりん!

「ほう。あの肉を!」

急にねこなで声になった。

「のう、サフィ。我も共存とやらをしてやってもよいぞ?なにか助けが欲しいときはサフィが我を呼ぶがいい。駆けつけてやろう。
その代わりと言ってはなんだが……その際には焼いた肉を用意しておくように」

「……いい感じで言ってるけど、ブリードってば、焼き肉が食べたいだけでしょお?」

じとーーーー。

「い、いや、これぞ共存ではないか?
焼いた肉程度で我の助けを得られるのだぞ?安いものだろう」

「えー?まあそれはそうだけど。
でも呼ぶっていっても、どうやって?」

そもそもブリードがどこにいるのか知らないし!
元々ここに住んでるわけじゃないじゃん。




するとブリードが当たり前のようにこう提案してきた。

「名付ければよい。さすれば、フェンリルとおぬしのように我とおぬしもつながることができるぞ?」

「いや、だってもうブリードっていう名前あるでしょ?」

「サフィが『ブリードと名付ける』と意識して名を呼べば、それすなわち名付けとなる。
やってみるがいい。サフィならばできよう」

このドラゴン、めっちゃノリノリなんだけど!

「もう一度言おう!焼き肉が食べたいだけでしょお?」

じとーーーー。

「よ、良いではないか!何百年も生きておるのだ!新しい楽しみが欲しくて何が悪い!」

「いや、別にいいけどお?」

「ま、待てサフィ!
よくわからんが、フェンリルと同じようにっていうことは、名付けたらこいつもお前の眷属だか守護獣だかになっちまうんじゃないのか?」

おっとお!そうでござった!
俺の使い魔みたいになっちゃうじゃん!
セーフ!ありがとうキース!ぐっじょぶ!

ジロリとブリードを睨めば、

「バレたか」

悪びれる様子もなくしれっとしている。

「こら!何気なく何をさせようとしておるのですかっ!断固抗議するっ!」

「いや、先ほど言うたであろう?この年まで生きると、なにもかもが惰性なのよ。
新しいことなど何も起こらぬ。
しかし、サフィといるとたいそう楽しそうではないか?
フェンリルまでいるのだぞ?」

つまり……俺ってば「娯楽枠」?
ちょっとそれってどうなのさ!

「いや、普通の人間ならば泣いて喜ぶことなのだぞ?あらゆる宝や物を差し出し願うことなのだが……」

「あ、結構です。
そういうの、もうお腹いっぱいですので!」

手を付きだししっかりと「のーさんきゅー!」
勝手にペット増やしたらゲイルとレオンに怒られちゃうでしょうが!

すると敵もさるもの。今度はターゲットを変えてきた。

「ならばキース。魔力がちと足りぬかもしれぬが試してみないか?」

「遠慮する!」

「そこをなんとか!」

いやいやいや。無理矢理に下僕になりたがるドラゴンなんている?
あ、ここにいたわ!
ブリードさんっていうんですけどねー?





らちが明かないので、先に挨拶だけすませてしまおう。そうしよう。

「みんなを連れてくるからね!ちゃんと挨拶してよね、ブリード!」


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