もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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俺はA級になる!

恐怖の品定め

でもって、仕方がないのでブリードを眷属にした。
ブリードより魔力がないと眷属にできないっていうから、いちかばちかで「ダメですように!」と願ったけどできてしもうた。

「……できたみたいだね」

「マジか……。ドラゴンの眷属になるならまだしも、ドラゴンを眷属にするって……」

「なあ、俺さあ、怖いことに気付いちまったんだけど。
ブリードって、アイスドラゴンを従えてんだろ?
てことは……サフィ、あのドラゴン四頭を従えてるってことにならねえか?」

しーん……。
え?嘘でしょ?
ドラゴン一頭だっていらないのに、さらに他のも?


ガビーン!

「ちょっとブリード!どういうこと?まさか、まさかだよねえ?!」

「いや、まあそうなるな」

「そうなるな、じゃない!」

「別に問題なかろう?眷属といっても『サフィが呼べば駆けつけるぞ』というだけのものだ。
我も退屈しておるでな。それくらいの余興を楽しみにしてもよかろう?」

「一応聞いておくけど。
呼んでもないのに勝手に遊びにきたりとかしないよね?」

ジロリと睨めば、そっと視線をそらすブリード。

「し・な・い・よ・ね?!」

「いや、まったく呼ばれなければ眷属になった意味がなかろう?!
少しくらいは楽しませてもらっても良いではないか?
あのドラゴンたちに迷惑しておったのだろう?我が一頭引き受けてやるというのだ。
感謝されてしかるべきだろう?」

恩着せがましいなあ。
てか、俺気付いちゃったんだよね。

「あのさあ、ブリードってばもともと番を探しにきてたんでしょ?
てことはだよ。俺が眷属にするとか関係なく一ドラ選んで連れて行く気だったんじゃないの?」

あちゃー、気付いちまったか、とミカミカ。
ミカミカ、気付いてて黙ってたでしょ!どうせ俺より辺境の安全のほうが大事なんだ…いじいじ。

さりげなく目をそらしたキースも気づいてたよね?
キースに至っては、たんに面倒くさくなっただけでしょ?
そろそろキースの性格分かってきたよ、俺。
完璧にスパダリなんだけど、揉めそうなことは「ま、これくらいならいいか」って自分が折れて終わらせるタイプだよね、キースってば。
元の国をでたのだって、なんだかんだ争いが嫌ってのもあるけど、その半分は争いになるのが面倒だったかでしょ。
どうりで生き生きと冒険者してるはずだよ。

いい笑顔のレオンが黙ってたのは、単に俺のペット増やして俺の戦力増強させたかったからだろう。
だってレオンってば俺命なんだもん。レオンのことだって分かってきたんだからね。


しかしながら、勝手に遊びに来られると大騒ぎになる。
フェンリルならもふもふだからいいけど、ドラゴンはヤバい。下手したら軍隊出動してしまう。

手のひらをパリパリッとさせながら俺はブリードに近づいた。

「し・な・い・よ・ね?」

「ヒィッ!そ、そのような物騒なものを見せるな!
わかった!必ず連絡してからか、変体で行くから!」

ブリザードドラゴンになると神獣扱いで、フェンリルみたいに省エネモードになれるんだって。
早く言ってよね!




のちにこれを見ていたものはこう語ったという。

「ドラゴンって、悲鳴を上げるんですね。あんな悲鳴初めて聞きました。
とにかく恐ろしいものを見たんです。はい。
あれは天使じゃありません。鬼ですよ、鬼」





とにかく眷属にしてしまったものは仕方がない。
キースやレオンたちも連帯責任でゲイルに一緒に誤ってもらおう。

と。


「獲ったぞーーーーー!!!」

「焼いてくれーーーーー!!」

ドガーン!ドゴーン!ボカーン!


目の前の空き地に肉が落とされた。
哀れな三ドラゴンの帰還である。

三ドラを前にしても、ムキムキたちはびくともしない。
それどころか憐れむような視線をなげかけている。
心なしかその視線の先は……ドラゴンのたぶんドラゴンなところ。
うん。やめてあげて?



俺は優しく三ドラに声をかけた。

「おかえりー!あ、この人たちがさっきの肉をくれた人だからね?
一宿一飯の恩っていうでしょ?食べ物の恩は忘れたらダメなのですよ?
てことで、今後ここの人たちには迷惑はかけないように。
約束できるなら焼いてあげるますけど?」

「?なんだか嫌に優しくないか?
まあそれくらい問題ない。約束しよう。こ奴らは襲わぬ。
だから早く焼いてくれ!俺は腹が減っているんだ!」

「我はもとよりこの地を守護しておったのでな。当然のことよ」

「あ、我も!問題ありませぬぞ!」

お座りしてお行儀よく肉が焼けるのを待っている三ドラ。
まるでよくしつけらえた忠犬のようである。
大人しくしているだけに、その姿が余計に涙をそそる。
三ドラと話したことがあるキースが「もう見ていられない」とばかりにそっと目をそらした。



オスとしての最後の晩餐になるかもしれないのでね。
たくさん食べておくのですよ?
心の中でそっとつぶやき合唱。

「ファイヤー!!」

かりっとジューシーに焼き上げてあげました。



がっふがっふと大喜びで肉にかじりつく三ドラ。
見守るムキムキたちが茫然としている。

「まさかここまで餌付けできるとは……」

「いや、焼いた肉でこんなに大人しくなるだなどと……」

「そもそも、ドラゴンに餌付けしようと思うか?
『肉が欲しけりゃとってこーい』なんてするヤツいるか?
サフィくらいだろ?」

「「「「確かに」」」」



その三ドラを別の意味で獲物を見るかのように見つめる視線がひとつ。
ブリードである。

「ふむふむ。良い尻尾の形をしておる。引き締まった尻もなかなか……」

「素直そうな小柄がよいか、いや、懐かぬものを懐かせるのも一興……」

こ、こわ!めっちゃ怖いこと言ってる!!!
完全に品定めじゃん!

俺は思わず一番怖くないキースを盾にしてしまった。
するとすかさずレオンに引き寄せられる。

「サフィはこっちでしょ?」

こっわ!こっわ!こっちもこっわ!






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