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俺とレオンの婚約式
レオンと婚約者のちゅう
ハルトお父様には「二週間のサフィ禁止」が言い渡された。
ゲイルだけじゃなくて、俺をなでなでも、抱っこも、会話も禁止。
言い渡された瞬間、ガガーン、と立ち尽くすハルトお父様。
てゆーがハルトお父様、って長くない?
これからずっと家族なんだから、ハルトお父様のことはゲイルと別にしてパパと呼ぶことにしよう。
パパは叫んだ。
「そんなああああ!嬉しかっただけなのだ!嬉しすぎてタガが外れてしまっただけなのにいいいい!!」
確かに、ずっと俺もゲイルもパパがゲイルにアレだなんて気づきもしなかったもん。
そういう意味ではちゃんと隠してたしわきまえてたよね。
それを想うと少し可哀そうかもしれない。
いや、何十年も隠してきたんでしょ?ちゅーくらい許してやってもよいのでは、とすら思ってしまう。
だってゲイルはすんばらしいから。好きになるのはしょうがないよ。
ちゃんと「ちゅーするね?」って言ってからしたらよかったのにねえ。
そう言ったらゲイルが「サフィ?!」と情けない声を出した。
ゆさゆさゆさゆさ。
「………レオン、ごめんね?」
ゆさゆさゆさゆさ。
「あのね、レオンも大好きだからね?」
ゆさゆさゆさゆさ。
「えっとお………レオン、大好きいいいいいい!」
チュッチュッチュ!
これでどうだ、の右ほっぺお鼻左ほっぺへの連続ちゅう!
「…………ゲイルじゃなくていいの?」
レオンがしゃべった!
「レオンがいいです!俺が婚約したいのはレオン!レオンが大好きですのでねっ!!」
ぎゅううううう!
いや、ほんとに申し訳なかったと思っている。
だからこんなに一生懸命ご機嫌をとっているわけで………。
そう。あのパパのまさかの暴走、お母様の腐バレかーらーのー、俺とゲイルの愛の劇場!
これにより、レオンはすっかり闇落ちしてしもうたのでございます。
あれにはさすがのキースも同情的だった。
「いやあ……あんだけ楽しみにして画策してあれだもんなあ。俺でもそうなるぜ……。
父親が義父に抱き着いて熱烈なキスをかましたあげく、婚約者と義父による愛の抱擁で終わる婚約式……。
いや、マジで悲惨。ありえねえ……」
被害者であり加害者になってしまったゲイルは「ハルトが俺の2メートル以内に入れない結界」を自分に張り、俺をレオンのお膝に置いて帰っていった。
「サフィ、レオンのとこに数日は泊ってやってレオンを復活させてくれ。学校には連絡しとくから。
いや……さすがに今回のレオンは不憫すぎる……」
と言い残して。
ゲイルは帰る前に、めずらしく「ありがとな」と公爵の肩をやさしくぽんぽんと叩いていった。
公爵がなんとかゲイルを助けようと奮闘したのに感動したようだ。
確かにあの阿鼻叫喚の中即座に動き、不敬をものともせず頑張ったのは賞賛に値する。
公爵もねぎらわれて嬉しそうに笑った。見たこともない無邪気な笑みだった。
それだけが今日の「ちょっとほっこり」シーン。
でもって俺はせっせとレオンのご機嫌取りというわけなのでござります。
レオンのお膝に乗っかってゆさゆさゆさゆさ。
今度は背中に乗っかってゆさゆさゆさゆさ。
必殺ちゅうの三連発でようやくレオンは再起動してくれたのでした。
ミカミカは「レオン、しばらく二人にしてやるよ。サフィ、レオンを頼むな?」と言いおいて部屋から出て行ったので、レオンのお部屋には俺とレオンだけ。
なので存分に甘えておくんなさいまし!
「えっとねえ、何かしてほしいことある?なでなでする?ほっぺすりすりする?」
なんとか元気を出してもらおうと、大人気のサフィちゃんケアを提案するも、フルフルと首を振られる。
でもって、ちょんちょん、と唇をつつかれた。
「?うるさかった?」
「サフィから私のお口にキスしてくれる?」
「はにゃ?」
え?レオン、今なんとおっしゃられました?
「あのね、私たちはもう正式に婚約者になったんだよ?
だから、サフィから私のお口にキスしてくれる?」
「ななななな、なぬーーーーーー!!!!
そそそそそれってば、みせいねんいんこー!アウトではござりませぬかっ?」
あわわわと真っ赤になって抗議する俺に、レオンは当然のようにこう言った。
「?婚約者がキスをするのは当たり前だよね?
だって、普通のお友達はキスしないでしょう?
それとも……やはりサフィは私と婚約するのは嫌だったのかな?ゲイルのほうが……」
「ゲイルはお父様ですし!!」
「なら、私からしてもいいかな?……私からだと、ちょっと大人なキスになるけど、いい?」
俺の背をしっかりと抱きしめたまま、レオンのお顔が近づいてきた。
逃げ道をふさがれ、思わずぎゅむっと目をつぶる。
ちゅ。
ちゅ。
ちゅ。
数回ついばむようなキスを唇に落とされた。
そのまま柔らかくはむ、はむ、と唇で唇とつままれる。
ひええええ!いったいいつこのキスは終わるの?!
前にしたときは「ちゅっ」て感じだったのに、これが、これが婚約者?!
心臓がびっくりするくらいバクバクと音を鳴らし、ピンチを訴えている。
息を止めるにも限界があるのだ。
なんとか息を吸おうと横を向くのだが、レオンはそれを許してくれない。
そのたびに俺の頬に添えた手できゅっと起動修正されてしまう。
「んーーーー!!」
し、し、し、しぬうううううう!!
ぷはあ、と大きくお口を開ければ。
にゅるん。
何かがお口に入ってきた。
え?なななな、なに?
そのにゅるんは縦横無尽に俺のお口の中を動き回る。
もももももしかしてもしかして、これは!レオンの舌!!TANGというやつでは?!
ひゃああああああ!うひゃあああああ!!!
な、なんかどっかおかしなところがあって、そこを舐められると「ひゅ」ってなるし!
なにこれなにこれええええ!!こんなの知らない!
息を吸いたいのに吐いた息すらレオンに吸われ、瀕死の俺。
するとレオンがまるで人工呼吸のように舌と一緒に息を吹き込んできた。
ふう、ふう、ふう。
肩で手俺の頭を支え、空いた方の手で俺のお耳をふにふにふに。
「……んっ!」
!!変な声!変な声でたあああああ!!!
もうやだあああああ!!!
ボッカーン
俺は酸欠と頭に血が上りすぎてそのまま気を失ってしもうたのでした。
ゲイルだけじゃなくて、俺をなでなでも、抱っこも、会話も禁止。
言い渡された瞬間、ガガーン、と立ち尽くすハルトお父様。
てゆーがハルトお父様、って長くない?
これからずっと家族なんだから、ハルトお父様のことはゲイルと別にしてパパと呼ぶことにしよう。
パパは叫んだ。
「そんなああああ!嬉しかっただけなのだ!嬉しすぎてタガが外れてしまっただけなのにいいいい!!」
確かに、ずっと俺もゲイルもパパがゲイルにアレだなんて気づきもしなかったもん。
そういう意味ではちゃんと隠してたしわきまえてたよね。
それを想うと少し可哀そうかもしれない。
いや、何十年も隠してきたんでしょ?ちゅーくらい許してやってもよいのでは、とすら思ってしまう。
だってゲイルはすんばらしいから。好きになるのはしょうがないよ。
ちゃんと「ちゅーするね?」って言ってからしたらよかったのにねえ。
そう言ったらゲイルが「サフィ?!」と情けない声を出した。
ゆさゆさゆさゆさ。
「………レオン、ごめんね?」
ゆさゆさゆさゆさ。
「あのね、レオンも大好きだからね?」
ゆさゆさゆさゆさ。
「えっとお………レオン、大好きいいいいいい!」
チュッチュッチュ!
これでどうだ、の右ほっぺお鼻左ほっぺへの連続ちゅう!
「…………ゲイルじゃなくていいの?」
レオンがしゃべった!
「レオンがいいです!俺が婚約したいのはレオン!レオンが大好きですのでねっ!!」
ぎゅううううう!
いや、ほんとに申し訳なかったと思っている。
だからこんなに一生懸命ご機嫌をとっているわけで………。
そう。あのパパのまさかの暴走、お母様の腐バレかーらーのー、俺とゲイルの愛の劇場!
これにより、レオンはすっかり闇落ちしてしもうたのでございます。
あれにはさすがのキースも同情的だった。
「いやあ……あんだけ楽しみにして画策してあれだもんなあ。俺でもそうなるぜ……。
父親が義父に抱き着いて熱烈なキスをかましたあげく、婚約者と義父による愛の抱擁で終わる婚約式……。
いや、マジで悲惨。ありえねえ……」
被害者であり加害者になってしまったゲイルは「ハルトが俺の2メートル以内に入れない結界」を自分に張り、俺をレオンのお膝に置いて帰っていった。
「サフィ、レオンのとこに数日は泊ってやってレオンを復活させてくれ。学校には連絡しとくから。
いや……さすがに今回のレオンは不憫すぎる……」
と言い残して。
ゲイルは帰る前に、めずらしく「ありがとな」と公爵の肩をやさしくぽんぽんと叩いていった。
公爵がなんとかゲイルを助けようと奮闘したのに感動したようだ。
確かにあの阿鼻叫喚の中即座に動き、不敬をものともせず頑張ったのは賞賛に値する。
公爵もねぎらわれて嬉しそうに笑った。見たこともない無邪気な笑みだった。
それだけが今日の「ちょっとほっこり」シーン。
でもって俺はせっせとレオンのご機嫌取りというわけなのでござります。
レオンのお膝に乗っかってゆさゆさゆさゆさ。
今度は背中に乗っかってゆさゆさゆさゆさ。
必殺ちゅうの三連発でようやくレオンは再起動してくれたのでした。
ミカミカは「レオン、しばらく二人にしてやるよ。サフィ、レオンを頼むな?」と言いおいて部屋から出て行ったので、レオンのお部屋には俺とレオンだけ。
なので存分に甘えておくんなさいまし!
「えっとねえ、何かしてほしいことある?なでなでする?ほっぺすりすりする?」
なんとか元気を出してもらおうと、大人気のサフィちゃんケアを提案するも、フルフルと首を振られる。
でもって、ちょんちょん、と唇をつつかれた。
「?うるさかった?」
「サフィから私のお口にキスしてくれる?」
「はにゃ?」
え?レオン、今なんとおっしゃられました?
「あのね、私たちはもう正式に婚約者になったんだよ?
だから、サフィから私のお口にキスしてくれる?」
「ななななな、なぬーーーーーー!!!!
そそそそそれってば、みせいねんいんこー!アウトではござりませぬかっ?」
あわわわと真っ赤になって抗議する俺に、レオンは当然のようにこう言った。
「?婚約者がキスをするのは当たり前だよね?
だって、普通のお友達はキスしないでしょう?
それとも……やはりサフィは私と婚約するのは嫌だったのかな?ゲイルのほうが……」
「ゲイルはお父様ですし!!」
「なら、私からしてもいいかな?……私からだと、ちょっと大人なキスになるけど、いい?」
俺の背をしっかりと抱きしめたまま、レオンのお顔が近づいてきた。
逃げ道をふさがれ、思わずぎゅむっと目をつぶる。
ちゅ。
ちゅ。
ちゅ。
数回ついばむようなキスを唇に落とされた。
そのまま柔らかくはむ、はむ、と唇で唇とつままれる。
ひええええ!いったいいつこのキスは終わるの?!
前にしたときは「ちゅっ」て感じだったのに、これが、これが婚約者?!
心臓がびっくりするくらいバクバクと音を鳴らし、ピンチを訴えている。
息を止めるにも限界があるのだ。
なんとか息を吸おうと横を向くのだが、レオンはそれを許してくれない。
そのたびに俺の頬に添えた手できゅっと起動修正されてしまう。
「んーーーー!!」
し、し、し、しぬうううううう!!
ぷはあ、と大きくお口を開ければ。
にゅるん。
何かがお口に入ってきた。
え?なななな、なに?
そのにゅるんは縦横無尽に俺のお口の中を動き回る。
もももももしかしてもしかして、これは!レオンの舌!!TANGというやつでは?!
ひゃああああああ!うひゃあああああ!!!
な、なんかどっかおかしなところがあって、そこを舐められると「ひゅ」ってなるし!
なにこれなにこれええええ!!こんなの知らない!
息を吸いたいのに吐いた息すらレオンに吸われ、瀕死の俺。
するとレオンがまるで人工呼吸のように舌と一緒に息を吹き込んできた。
ふう、ふう、ふう。
肩で手俺の頭を支え、空いた方の手で俺のお耳をふにふにふに。
「……んっ!」
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もうやだあああああ!!!
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