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俺とレオンの婚約式
責任ということ
思えば俺はいままで「責任」ということを考えたことがなかった。
まだ子供だから、と好き勝手に言って、好きなことをしてきた。
それでもなんとかなっていたのは、周りに恵まれたから。
思いついたことを言ってみれば、ゲイルやレオンが相談に乗ってくれた。
キースや冒険者たちも協力してくれた。
みんなが力を貸してくれた。
俺には公爵家という後ろ盾があり、最強のゲイルがずっと俺を助け、守ってくれていたのだ。
俺の自由はそういったものの中で守られていた。
もちろん感謝はしてたけど、ずっとそんな中で育ってきたから、俺は責任を負わなくて済んだ。
俺が何かをするだけ。後始末はみんながやってくれていたんだ。
そんなことに今さらだけど気付いてしまった。
俺は物心ついて以来、初めてといっていいくらい、いま自己嫌悪している。
チートに胡坐かいて、みんなに助けてもらって。
俺ってば、努力で得たものじゃないのに、偉そうに好き勝手やってきただけなんじゃないの?
それってどうなの?
聖女だからかもだけど、たいていのことはうまくいって。
結果的にいい感じになって、みんなもにこにこになってたから良かった。
だけどそれってたまたまだよね?
ラッキーパワーのお陰によるものが大きいのではないだろうか?
普通の人にはそういうのってないでしょ。
チートに甘えてきた俺が、王妃とかになっちゃって、みんなの気持ちが本当に分かるって言えるのかな?
みんなのためになることを考えられるのかな?
ひとりよがりになっちゃわない?俺に何ができるの?
そう。今になって俺の背中に「国を守る責任」だとかがどかんとのしかかってきたのだ。
その日、俺は頭からゆげがでそうなくらい一生懸命考えた。
授業中先生に叱られ俺専用バケツ持たされ廊下に出てなさいされるくらい考えた。
学校でみんなの噂になるくらい考えまくった。
するとみんながサフィは病気じゃないかだのなんやらかんやら騒ぎ出してしもうた…
「考えごとをしてるだけ」って言ってるのに信じてもらえない。
俺だって考えごとくらいするのにい!
「サフィどうした⁈熱でもあるのか?」
「どこか痛いのか?」
「誰かに意地悪された?いや、サフィなり平気だよなあ…神経太いし…」
「お腹空いてるんじゃない?チョコ食べる?」
「落ちついて。まずは様子を見よう」
いや、ほんとなんでもないから!
チョコはもらうけど!
頭使うと甘いもの欲しくなるよね。ふしぎー!
真面目に考えごとした結果。
「ヤベえ!サフィがヤベえ!おい、ミル!保護者を呼べ!」
「分かった!サフィが大人しいなんて、相当だもん!」
午後にはなんとゲイルとレオンが召喚されていたのでござる!
どうしてこうなった⁈
こうして俺は特別室にてゲイルに熱を測られ舌をひっぱられ、レオンにあちこちくるくるチェックされ散々弄り回された挙句
「どうしたの?」
とようやく聞いてもらえたのだった。
いまごろ⁈
「だからあ!考えごとしてたの!真面目なやつ!」
すったもんだの末、悩みだのなにか辛いことはないかだの、あまりにも心配された俺は、悟った。
これはもうさっさと言ってしまうほうが楽なのでは、と。
俺は思い切ってすべてを語った。
自分でいうのもなんだけれども、こんなに大事なことを一生懸命考えて語ったのは始めてではなかろうか?
レオンが王子様だということの意味に改めて気付き、そしたら将来はレオンは王様で俺は王妃様ってことに気付いてしもうたこと。
俺にそんな責任が負えるのかと心配になってしまったこと。
マタニテ…もとい、マリッジブルーみたいに婚約ブルーなこと。
そもそも、俺ってばチートなだけ。それは俺が努力で得たのものでもないのに、と自己嫌悪なこと。
そのたもろもろを、頑張って話した。
そしたらば。
ふたりは一緒に悩んでくれるどころか、笑い出したのであります!!
「ブッファァ!いや、そこ?!いまごろ?!いまさらすぎねえか?」
「あはははは!サフィでもそんなこと考えるんだねえ!」
「ちょっとお!俺の真剣に言ってるのにっ!酷いっ!!」
プンスカ激おこな俺に、ゲイルがあっさりと言った。
「いや、お前さ、既に国を纏めてんじゃねえか
反乱防いで、福祉を充実させ、治安を良くしたろ?」
「は?してないよ!」
何それ、英雄じゃあるまいし!
まだ10歳なのにそんな経歴あるわけないでしょうに。いくらなんでも親バカがすぎませぬか、ゲイル!
するとレオンまでこう言い始める。
「ほかにも、軍事国家を平和な友好国に変えて、王国の産業も発展させたよね?」
「魔物を減らして、スタンピードの脅威も抑えて、伝説のドラゴンも味方にしちまったよな?
おまけにブリーダーしてんじゃねえか」
「いやいやいや。魔物を減らして云々はともかく、あとは知りませぬが⁈誰の話⁈」
「「だから、サフィだろ?(だよ?)」」
「はああああ⁈」
ゲイルたちの説明によれば、あのおっちゃん達と仲良くなったのが、国を纏め反乱を防いだことになるらしい。
アレが⁈
あ、そういえば「国が一枚岩になった」とお給料貰ったのでした!
俺、反乱防いでた!!
「そりゃあ、サフィのサンダーボルトもだけどな。あいつらを味方にしたのは、サフィの歌だぞ?あの老害どもは、そのまんまのお前が気に入ったんだよ。いいたい放題のお前が、さ。お前はそれでいいんだよ」
ちなみに、福祉を充実させて治安を良くしたというのは、俺が孤児院の子に抱っこをあげたくてギルド祭りをしたことらしい。
結果、おっちゃんたち高位貴族が福祉に関心を持ち、それぞれの領地の孤児院だとかにテコ入れ。定期的に訪問したり寄付したりするようになった。
それに下級貴族も右に習えして支援の輪が広がり、5年たった今ではスラム対策にまで着手しはじめているらしい。
街の人も子供たちを気にかけるようになり、孤児院などの親の無い子との交流が生まれた。それでちょっとした手伝いをさせたり見習いとして雇ってくれたり、家に招いてくれたり、勉強を教えたりしてくれるようになった。
そうなれば、そのまま引き取られる子も増え、そうでない子も手に職がつき働けるようになった。職人を目指す子供も現れて、そのかわり仕方なく盗みに走るような子もいなくなり、子供を利用するような犯罪者も減った。
こうして全体的に国が平和になり活気付いたのだという。
あとはギルドが激変した効果もでかいのだという。
「まず、冒険者同士の争いが減った!おまけに小綺麗になったし、サフィに接してきたおかげで乱暴な口をきかなくなった!
んで、街の人との交流が進み、ちょいとした犯罪なら冒険者が解決しちまうようになった。自警団みてえなもんだな。それが犯罪抑制になってんだ。
で、そいつらが他の街でそれを広めるだろ?てなわけで、国全体が犯罪者が入りにくい国になったんだよ」
な、なんと!あれからそんなことに!!
いつもギルドにいるみんなを見てるからそれが当たり前になって意識してなかった!
言われてみれば最初の頃と比べて冒険者がキレイ!しかも礼儀正しくなってる!
冒険者のみんな、頑張ってたんだね!
これは聖女の力によるものだけど、冒険者の死亡率が減ったのもいいことなんだって。
冒険者が増え、魔物が減り、その被害も減り、あぶれた冒険者が昔なら街で悪さしたりとかあったんだけど、今は町の人の手伝いしたりちょこっと街で働いたりして、街の人も助かり冒険者も助かるという正の循環ができてる。
助け合いの輪、ってのが機能しだしたのだ。
良かった。これはチートのお陰だけど、持っててよかった聖女の力!
軍事国家云々というは帝国のことだった。
あのままだったら宰相やら側妃母国やらに反乱されて、帝国は軍事国家まっしぐら、今度は小さな国を属国にどころではなく他国侵略を開始するとこだったみたい。ひえー!!!
ナージャママを助けたかっただけなのに!まさかそんなこと!
でもって、これはその副産物。俺のイカ焼きで食の大革命が起きた。
新たな食材として重宝され、海軍一丸となり狩っているそうな。
国の名物として観光の目玉にする計画が立っているんだって。頼むから狩り尽くさないで欲しい。
こうした色々もろもろのお礼にって、沢山の技術者さんを王国に派遣してくれて、一気に産業が発展しているらしい。これが産業の発展。
お、おお……!確かにやったの俺だわ!
「どれも、サフィの魔法や聖女の力とかだけじゃないよね?サフィがサフィだからでしょ?
孤児院のために頑張ったり、冒険者を叱り飛ばしたり。街の人や色々な人を結んだのは、サフィ自身の力だよ。
それに、帝国のことだってそう。帝国まで皆を引っ張って行った。海軍を味方につけて、みんなを説得したのは誰だった?
全てサフィがやったんだよ?」
ほんとだ!能力関係ないやつが沢山あった!
やりたいからやったこと、普通にお話し合って相談しあって始めたことがミラクルと起こしてる!
勝手にみんながひきついでとんでもないことにしてくれちゃってる!!
な、なんか、なんか!
「俺、いろいろやってたね?!凄かった!」
「あははははは!だな!俺の息子はすげえぞ?」
「ふふふ。でしょう?私の婚約者はすごいんだよ?」
まだ子供だから、と好き勝手に言って、好きなことをしてきた。
それでもなんとかなっていたのは、周りに恵まれたから。
思いついたことを言ってみれば、ゲイルやレオンが相談に乗ってくれた。
キースや冒険者たちも協力してくれた。
みんなが力を貸してくれた。
俺には公爵家という後ろ盾があり、最強のゲイルがずっと俺を助け、守ってくれていたのだ。
俺の自由はそういったものの中で守られていた。
もちろん感謝はしてたけど、ずっとそんな中で育ってきたから、俺は責任を負わなくて済んだ。
俺が何かをするだけ。後始末はみんながやってくれていたんだ。
そんなことに今さらだけど気付いてしまった。
俺は物心ついて以来、初めてといっていいくらい、いま自己嫌悪している。
チートに胡坐かいて、みんなに助けてもらって。
俺ってば、努力で得たものじゃないのに、偉そうに好き勝手やってきただけなんじゃないの?
それってどうなの?
聖女だからかもだけど、たいていのことはうまくいって。
結果的にいい感じになって、みんなもにこにこになってたから良かった。
だけどそれってたまたまだよね?
ラッキーパワーのお陰によるものが大きいのではないだろうか?
普通の人にはそういうのってないでしょ。
チートに甘えてきた俺が、王妃とかになっちゃって、みんなの気持ちが本当に分かるって言えるのかな?
みんなのためになることを考えられるのかな?
ひとりよがりになっちゃわない?俺に何ができるの?
そう。今になって俺の背中に「国を守る責任」だとかがどかんとのしかかってきたのだ。
その日、俺は頭からゆげがでそうなくらい一生懸命考えた。
授業中先生に叱られ俺専用バケツ持たされ廊下に出てなさいされるくらい考えた。
学校でみんなの噂になるくらい考えまくった。
するとみんながサフィは病気じゃないかだのなんやらかんやら騒ぎ出してしもうた…
「考えごとをしてるだけ」って言ってるのに信じてもらえない。
俺だって考えごとくらいするのにい!
「サフィどうした⁈熱でもあるのか?」
「どこか痛いのか?」
「誰かに意地悪された?いや、サフィなり平気だよなあ…神経太いし…」
「お腹空いてるんじゃない?チョコ食べる?」
「落ちついて。まずは様子を見よう」
いや、ほんとなんでもないから!
チョコはもらうけど!
頭使うと甘いもの欲しくなるよね。ふしぎー!
真面目に考えごとした結果。
「ヤベえ!サフィがヤベえ!おい、ミル!保護者を呼べ!」
「分かった!サフィが大人しいなんて、相当だもん!」
午後にはなんとゲイルとレオンが召喚されていたのでござる!
どうしてこうなった⁈
こうして俺は特別室にてゲイルに熱を測られ舌をひっぱられ、レオンにあちこちくるくるチェックされ散々弄り回された挙句
「どうしたの?」
とようやく聞いてもらえたのだった。
いまごろ⁈
「だからあ!考えごとしてたの!真面目なやつ!」
すったもんだの末、悩みだのなにか辛いことはないかだの、あまりにも心配された俺は、悟った。
これはもうさっさと言ってしまうほうが楽なのでは、と。
俺は思い切ってすべてを語った。
自分でいうのもなんだけれども、こんなに大事なことを一生懸命考えて語ったのは始めてではなかろうか?
レオンが王子様だということの意味に改めて気付き、そしたら将来はレオンは王様で俺は王妃様ってことに気付いてしもうたこと。
俺にそんな責任が負えるのかと心配になってしまったこと。
マタニテ…もとい、マリッジブルーみたいに婚約ブルーなこと。
そもそも、俺ってばチートなだけ。それは俺が努力で得たのものでもないのに、と自己嫌悪なこと。
そのたもろもろを、頑張って話した。
そしたらば。
ふたりは一緒に悩んでくれるどころか、笑い出したのであります!!
「ブッファァ!いや、そこ?!いまごろ?!いまさらすぎねえか?」
「あはははは!サフィでもそんなこと考えるんだねえ!」
「ちょっとお!俺の真剣に言ってるのにっ!酷いっ!!」
プンスカ激おこな俺に、ゲイルがあっさりと言った。
「いや、お前さ、既に国を纏めてんじゃねえか
反乱防いで、福祉を充実させ、治安を良くしたろ?」
「は?してないよ!」
何それ、英雄じゃあるまいし!
まだ10歳なのにそんな経歴あるわけないでしょうに。いくらなんでも親バカがすぎませぬか、ゲイル!
するとレオンまでこう言い始める。
「ほかにも、軍事国家を平和な友好国に変えて、王国の産業も発展させたよね?」
「魔物を減らして、スタンピードの脅威も抑えて、伝説のドラゴンも味方にしちまったよな?
おまけにブリーダーしてんじゃねえか」
「いやいやいや。魔物を減らして云々はともかく、あとは知りませぬが⁈誰の話⁈」
「「だから、サフィだろ?(だよ?)」」
「はああああ⁈」
ゲイルたちの説明によれば、あのおっちゃん達と仲良くなったのが、国を纏め反乱を防いだことになるらしい。
アレが⁈
あ、そういえば「国が一枚岩になった」とお給料貰ったのでした!
俺、反乱防いでた!!
「そりゃあ、サフィのサンダーボルトもだけどな。あいつらを味方にしたのは、サフィの歌だぞ?あの老害どもは、そのまんまのお前が気に入ったんだよ。いいたい放題のお前が、さ。お前はそれでいいんだよ」
ちなみに、福祉を充実させて治安を良くしたというのは、俺が孤児院の子に抱っこをあげたくてギルド祭りをしたことらしい。
結果、おっちゃんたち高位貴族が福祉に関心を持ち、それぞれの領地の孤児院だとかにテコ入れ。定期的に訪問したり寄付したりするようになった。
それに下級貴族も右に習えして支援の輪が広がり、5年たった今ではスラム対策にまで着手しはじめているらしい。
街の人も子供たちを気にかけるようになり、孤児院などの親の無い子との交流が生まれた。それでちょっとした手伝いをさせたり見習いとして雇ってくれたり、家に招いてくれたり、勉強を教えたりしてくれるようになった。
そうなれば、そのまま引き取られる子も増え、そうでない子も手に職がつき働けるようになった。職人を目指す子供も現れて、そのかわり仕方なく盗みに走るような子もいなくなり、子供を利用するような犯罪者も減った。
こうして全体的に国が平和になり活気付いたのだという。
あとはギルドが激変した効果もでかいのだという。
「まず、冒険者同士の争いが減った!おまけに小綺麗になったし、サフィに接してきたおかげで乱暴な口をきかなくなった!
んで、街の人との交流が進み、ちょいとした犯罪なら冒険者が解決しちまうようになった。自警団みてえなもんだな。それが犯罪抑制になってんだ。
で、そいつらが他の街でそれを広めるだろ?てなわけで、国全体が犯罪者が入りにくい国になったんだよ」
な、なんと!あれからそんなことに!!
いつもギルドにいるみんなを見てるからそれが当たり前になって意識してなかった!
言われてみれば最初の頃と比べて冒険者がキレイ!しかも礼儀正しくなってる!
冒険者のみんな、頑張ってたんだね!
これは聖女の力によるものだけど、冒険者の死亡率が減ったのもいいことなんだって。
冒険者が増え、魔物が減り、その被害も減り、あぶれた冒険者が昔なら街で悪さしたりとかあったんだけど、今は町の人の手伝いしたりちょこっと街で働いたりして、街の人も助かり冒険者も助かるという正の循環ができてる。
助け合いの輪、ってのが機能しだしたのだ。
良かった。これはチートのお陰だけど、持っててよかった聖女の力!
軍事国家云々というは帝国のことだった。
あのままだったら宰相やら側妃母国やらに反乱されて、帝国は軍事国家まっしぐら、今度は小さな国を属国にどころではなく他国侵略を開始するとこだったみたい。ひえー!!!
ナージャママを助けたかっただけなのに!まさかそんなこと!
でもって、これはその副産物。俺のイカ焼きで食の大革命が起きた。
新たな食材として重宝され、海軍一丸となり狩っているそうな。
国の名物として観光の目玉にする計画が立っているんだって。頼むから狩り尽くさないで欲しい。
こうした色々もろもろのお礼にって、沢山の技術者さんを王国に派遣してくれて、一気に産業が発展しているらしい。これが産業の発展。
お、おお……!確かにやったの俺だわ!
「どれも、サフィの魔法や聖女の力とかだけじゃないよね?サフィがサフィだからでしょ?
孤児院のために頑張ったり、冒険者を叱り飛ばしたり。街の人や色々な人を結んだのは、サフィ自身の力だよ。
それに、帝国のことだってそう。帝国まで皆を引っ張って行った。海軍を味方につけて、みんなを説得したのは誰だった?
全てサフィがやったんだよ?」
ほんとだ!能力関係ないやつが沢山あった!
やりたいからやったこと、普通にお話し合って相談しあって始めたことがミラクルと起こしてる!
勝手にみんながひきついでとんでもないことにしてくれちゃってる!!
な、なんか、なんか!
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