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俺とレオンの婚約式
キースとミカミカ
婚約してから、俺が王城に来たときにはレオンは俺とふたりきりでいたがるもんだから、キースとミカミカはいつも二人で別室で控えてくれてる。
何にも知らない俺は「キース、王城につれてきたあげくに放置してごめんねえ」とちょっと心苦しくさえ思っていた。
キースは「騎士団に顔を出したり、ミカと好きにしてるから気にするな!何かあればすぐに俺を呼べよ?」っていってくれてたんだけど。ほんとうに「好きにしておった」のでした!
二人そろって急に改まってレオンと俺に「話がある」と言い出したとき、ミカミカとその肩を抱くキースに「も、もしや!」とようやく察し!
そうしたら案の定。ミカミカが爆弾発言!
「あのな、突然だけど俺たち婚約することにしたから!
だから悪いがサフィとレオンの婚約式が終わったら、実家に行ってくる。しばらく留守になるが大丈夫か?」
「……ってことだ。悪いな、レオン。ミカエルは俺が貰う。
婚約後も俺はサフィの護衛、ミカエルはレオンの侍従を続けるつもりだ。そこは安心しろ」
カッコよくウインクかまされ、俺は思わず叫んだ。
「ちょっとおおおおお!いつの間にそこまで?!
キース、手が早すぎない?」
いやね、最近やけに一緒にいるよなーとは思ってたんだよ?
でもねえ、そんなまさかこの二人が!!俺の「キースに申し訳ないなあ」って気持ちを返してくれ!
レオンも晴天の霹靂だったみたいで「え?嘘だろう?!」と絶句したまんま。
こんなレオンは珍しい。それくらい驚いたんだと思う。
ママの再婚を知らされる子の心境なのかもしれない。
でもって再起動したとたんレオンは猛烈な勢いで怒りだした。
「サフィの言う通りだ!
キース!君が優秀な男だと知っているが、少し手が早すぎないか?
サフィに振られたばかりでミカまで手を出すとは!何を考えている?!ミカは私の大切な家族だ!それを理解しての狼藉か!!」
そしたらキースが、俺をチラリと見て苦笑した。
「いや、俺も学んだんだよ。長期戦で待つ間に鳶に攫われることもある、ってな」
あ、はい。そうでしたね。申し訳ない。
レオンもこれにはきまり悪げ。
「今後ミカエル以上に気が合うやつに会えるとは思えない。
ミカエルは可愛いし、優秀だ。なのに貴族らしくない。そこに惚れた。
レオンの婚約が決まればミカエルにもそういう話が殺到するはずだ。今まで婚約者がいなかったのが不思議なくらいなんだぜ?となれば、年齢的に断り続けるのも難しいだろう?
てことで、俺も悠長に構えていられないんでね。ママを奪っちまってすまんな」
最後の一言、余分だよね?
ほおら、レオンが再燃しちゃった!
俺は慌ててレオンのお口をむぎゅっとおさえ、ミカミカに聞いてみた。
「ミカミカはそれでいいの?」
「まあ、俺もそういうことだ。
レオンとはずっと一緒にいるって約束したし、いざって時に俺はレオンを優先しちまう。
でも、それを許す結婚相手ってなかなかいねえだろ?
でも、キースなら理解し合えるんだ。
キースもいざってときはサフィを優先するし、俺はレオンを優先する。
それに、俺とキースなら一緒に戦えるしな!キースは俺より強えし」
最後の言葉でちょっと赤くなったミカミカ。
そうか、辺境は強さこそ正義だもんねえ。キースってば伝説のS級だしね。そういうことなのだね。うんうん。
レオンがちょっと寂しそうにミカミカを見る。
「……そうか。ミカはそれでいいんだな?」
キースがミカミカを援護する。
「こう考えろよ。俺だってサフィを手放したんだからな?お互い様だろ?
レオンもこれで俺に焼きもちを焼く必要はなくなるんだぜ?そういう意味では俺は今後はミカエル一筋だからな!
あ、もちろんサフィは大事だぞ?俺の家族で相棒としてな!」
この言葉はレオンの心に響いたようだ。なんて現金なレオン!
ちょっとレオンの表情が柔らかくなった。
「……複雑だが、痛み分けといったところか。
キース、約束しろ。ミカを大切にすると。私の大切な親友で家族なんだ」
「ああ。まかせておけ」
「レオン……ありがとう」
ひゃっほおおおおう!あくしゅあくしゅーー!!
「やったね!おめでとお、二人とも!幸せになって!!
でも、イチャイチャはこそりとお願いしまするよ?
子供の俺の目には毒ですのでね?」
俺の言葉にミカミカがかああっと赤くなった。
照れるミカミカ、かわいいっ!
「ば、こら!人前でするわけねえだろ!!」
「そうか、人前でなければいいのか?
どこならいいんだ、俺のお姫様?」
キランキランな王子スマイルできゅ、とミカミカの腰を抱き寄せるキース。
耐えきれなくなったミカミカの鉄拳がガツンと落ちた。
「キース!黙ってろ!」
ほおらね!カミングアウトしたとたんのこれ!
キースの甘々が駄々洩れしだしましたよーーー!!
俺知ってた!甘々モードのキースってばすんごい王子なんだから!
とりあえず先に婚約した先輩としてこれから婚約するふたりにアドバイスをしておく。
「……キース?ミカミカは天使だから、お手柔らかにね?
婚約者のちゅーはきちんと許可を取るのですよ?
いきなりかまされたら死んでしまいますからね?」
「「婚約者のちゅー?」」
ミカミカとキースが首を傾げた。
「サ、サフィ!あれはもう謝っただろう?」
「レオン、お前なにしやがった!サフィはまだ子供だぞ?」
「まさかお前そこまでしやがったか!せめて成人するまで待てよ!!」
グイっと俺を抱き込むミカミカとキースの視線が冷たくレオンに刺さる。
「そうはいうが、私はもう5年も待っているんだぞ?
キースはどうなんだ、キースは!!」
「…………善処する」
首まで真っ赤になったミカミカと、そっと目をそらすキース。こりゃもうやらかしたな!
何にも知らない俺は「キース、王城につれてきたあげくに放置してごめんねえ」とちょっと心苦しくさえ思っていた。
キースは「騎士団に顔を出したり、ミカと好きにしてるから気にするな!何かあればすぐに俺を呼べよ?」っていってくれてたんだけど。ほんとうに「好きにしておった」のでした!
二人そろって急に改まってレオンと俺に「話がある」と言い出したとき、ミカミカとその肩を抱くキースに「も、もしや!」とようやく察し!
そうしたら案の定。ミカミカが爆弾発言!
「あのな、突然だけど俺たち婚約することにしたから!
だから悪いがサフィとレオンの婚約式が終わったら、実家に行ってくる。しばらく留守になるが大丈夫か?」
「……ってことだ。悪いな、レオン。ミカエルは俺が貰う。
婚約後も俺はサフィの護衛、ミカエルはレオンの侍従を続けるつもりだ。そこは安心しろ」
カッコよくウインクかまされ、俺は思わず叫んだ。
「ちょっとおおおおお!いつの間にそこまで?!
キース、手が早すぎない?」
いやね、最近やけに一緒にいるよなーとは思ってたんだよ?
でもねえ、そんなまさかこの二人が!!俺の「キースに申し訳ないなあ」って気持ちを返してくれ!
レオンも晴天の霹靂だったみたいで「え?嘘だろう?!」と絶句したまんま。
こんなレオンは珍しい。それくらい驚いたんだと思う。
ママの再婚を知らされる子の心境なのかもしれない。
でもって再起動したとたんレオンは猛烈な勢いで怒りだした。
「サフィの言う通りだ!
キース!君が優秀な男だと知っているが、少し手が早すぎないか?
サフィに振られたばかりでミカまで手を出すとは!何を考えている?!ミカは私の大切な家族だ!それを理解しての狼藉か!!」
そしたらキースが、俺をチラリと見て苦笑した。
「いや、俺も学んだんだよ。長期戦で待つ間に鳶に攫われることもある、ってな」
あ、はい。そうでしたね。申し訳ない。
レオンもこれにはきまり悪げ。
「今後ミカエル以上に気が合うやつに会えるとは思えない。
ミカエルは可愛いし、優秀だ。なのに貴族らしくない。そこに惚れた。
レオンの婚約が決まればミカエルにもそういう話が殺到するはずだ。今まで婚約者がいなかったのが不思議なくらいなんだぜ?となれば、年齢的に断り続けるのも難しいだろう?
てことで、俺も悠長に構えていられないんでね。ママを奪っちまってすまんな」
最後の一言、余分だよね?
ほおら、レオンが再燃しちゃった!
俺は慌ててレオンのお口をむぎゅっとおさえ、ミカミカに聞いてみた。
「ミカミカはそれでいいの?」
「まあ、俺もそういうことだ。
レオンとはずっと一緒にいるって約束したし、いざって時に俺はレオンを優先しちまう。
でも、それを許す結婚相手ってなかなかいねえだろ?
でも、キースなら理解し合えるんだ。
キースもいざってときはサフィを優先するし、俺はレオンを優先する。
それに、俺とキースなら一緒に戦えるしな!キースは俺より強えし」
最後の言葉でちょっと赤くなったミカミカ。
そうか、辺境は強さこそ正義だもんねえ。キースってば伝説のS級だしね。そういうことなのだね。うんうん。
レオンがちょっと寂しそうにミカミカを見る。
「……そうか。ミカはそれでいいんだな?」
キースがミカミカを援護する。
「こう考えろよ。俺だってサフィを手放したんだからな?お互い様だろ?
レオンもこれで俺に焼きもちを焼く必要はなくなるんだぜ?そういう意味では俺は今後はミカエル一筋だからな!
あ、もちろんサフィは大事だぞ?俺の家族で相棒としてな!」
この言葉はレオンの心に響いたようだ。なんて現金なレオン!
ちょっとレオンの表情が柔らかくなった。
「……複雑だが、痛み分けといったところか。
キース、約束しろ。ミカを大切にすると。私の大切な親友で家族なんだ」
「ああ。まかせておけ」
「レオン……ありがとう」
ひゃっほおおおおう!あくしゅあくしゅーー!!
「やったね!おめでとお、二人とも!幸せになって!!
でも、イチャイチャはこそりとお願いしまするよ?
子供の俺の目には毒ですのでね?」
俺の言葉にミカミカがかああっと赤くなった。
照れるミカミカ、かわいいっ!
「ば、こら!人前でするわけねえだろ!!」
「そうか、人前でなければいいのか?
どこならいいんだ、俺のお姫様?」
キランキランな王子スマイルできゅ、とミカミカの腰を抱き寄せるキース。
耐えきれなくなったミカミカの鉄拳がガツンと落ちた。
「キース!黙ってろ!」
ほおらね!カミングアウトしたとたんのこれ!
キースの甘々が駄々洩れしだしましたよーーー!!
俺知ってた!甘々モードのキースってばすんごい王子なんだから!
とりあえず先に婚約した先輩としてこれから婚約するふたりにアドバイスをしておく。
「……キース?ミカミカは天使だから、お手柔らかにね?
婚約者のちゅーはきちんと許可を取るのですよ?
いきなりかまされたら死んでしまいますからね?」
「「婚約者のちゅー?」」
ミカミカとキースが首を傾げた。
「サ、サフィ!あれはもう謝っただろう?」
「レオン、お前なにしやがった!サフィはまだ子供だぞ?」
「まさかお前そこまでしやがったか!せめて成人するまで待てよ!!」
グイっと俺を抱き込むミカミカとキースの視線が冷たくレオンに刺さる。
「そうはいうが、私はもう5年も待っているんだぞ?
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