もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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俺とレオンの婚約式

サフィの計画

俺は詳しく説明することにした。

「リンドールが閉鎖的な国っていうのは知られておるでしょう?
独自の文化や風習を持つって聞いておるのですが、それは本当なのでしょうか?」

衝撃から立ち直った宰相さんが答えた。

「我が国は固有の文化があるのは確かです。
基本的に婚姻も他国の者とすることはございません」

「その理由って、種族に関することなのでは?」

俺の言葉にリンドール勢に緊張が走った。

「種族?どういう意味なんだい、サフィ?」

「言ってもいいですか?」

リンさんたちが目を見交わし決意したように頷く。

「もしかしてなんだけど、リンドールの皆様には妖精さんとか、もう絶滅したっていうエルフさんとかの血が流れておるのではありませぬか?」

「……まさか!サフィはどうしてそう思うの?」

レオンが驚いたように目を見開いた。

「第一に、そのお耳です。人族とは違いとがったお耳はエルフの特徴でしょう?
それとその美貌。あとは……勘です」

「「「「勘?!」」」」

全員の声が揃ってしまった。
リンドール勢はぽかんと可愛らしくお口を開けている。

俺は厳かに頷いた。

「うむ。勘でござります。
だって、空気?オーラ?がキレイなんだもん。
清浄な空気っていうかね?そういうのを感じるのです」

勘を侮ってはいけない。冒険者にとって最後は勘がモノをいうのだ。
根拠はあるけれどそれは説明できるようなものではない。
これまでの経験、知識、様々なものを総合的に瞬時に判断したものを「勘」と呼ぶのだと俺は思っている。

「…………いや、なんともはや。サフィラス様には参りましたな……。空気、ですか。
そうか、あなたには分かるのですな……」



俺の想像は当たっていた。リンドールの祖は森の民、エルフだったのだ。
元々リンドール自体が妖精やエルフと仲の良い国だったらしい。
人とエルフや妖精が混じり合い仲良く暮らしてきたのだ。
何代も重ねるうちに、エルフの血も薄れ、能力も今やほとんどないらしい。
それでもすでに絶滅してしまったエルフの血を絶やさぬよう、国を閉鎖して守ってきたのだという。

「エルフと言っても、ほとんど血は薄まってしまい、今や少し人より長命なだけ。
それでも多少は魔を寄せ付けぬ力がございます。それを狙う輩もおりますぬえ、外に漏れぬよう外交を拒んでおりました。
元より豊かな地ではございません。細々と暮らしておりますゆえ、他国に狙われることもございませんでした」

絶対に漏らしたくない秘密があればこそ、普通の国の「閉鎖的」よりも、いっそ「他国を拒絶してきた」っていうくらいの閉鎖っぷりだったということ。

そこに隣国ロンドが勢力を伸ばしだした。王国への賠償金であっぷあっぷしていたロンドは、なんとかリンドールから資金を得ようと画策。
それが今回の「訪問の強制」だったわけだ。

「ロンドはリンドールの文化とか風習とかに詳しいの?全く交流とかはなかったのですか?」

「はい。こういってはなんですが……ロンドはあまり親しくしたいと思うような国ではありませんからな」

だったらば、やはりこの作戦でいけると思う。

「あのね、リンドールの風習を捏造しましょう!
リンドールのゼン王子は女性!リンドールの王家は代々長子を性別関係なく『王子』として育てる文化がある、ということにしませんでしょか?」

「「「「はあ?!」」」

「女性だから、ロンドの王女に手を出すわけがない!傷ものにしようがない!
つまりすべてはロンドの策略であり言いがかりだっていうこと!」

あんだーすたん?

「方法といたしましてはね、まずは王国がリンロン問題をさりげなく持ち出して、ロンドから『王子に傷者にされた』って言わせるの。
そしたらゼンが『それはあり得ません』って言って『なぜなら私は女だからです』って。
証拠を出せって言われたら、第三者として王国が確認するということにして、王国王妃と別室に行く。
それで確認したふりして、王妃が『確かに女性でした』って宣言したらいいでしょ?」

これはゼンが妖精さんみたいだからできる作戦。
いくら俺だって、ゼンがナージャみたいだったらこんなとんでもないこと言わない。

「で、では私はどうなるのでしょう?」

婚約者さんが恐る恐る名乗りでる。

「うーん……男ですね」

失礼だとは思うが、セオさんはすこおし平らなお胸をしていらっしゃる。
それは……そう、鍛えられた騎士のお胸くらいの盛り上がり。
こう言っては何だが、「筋肉です!」で通るくらいの感じなのだ。
実際のところ、オルガ団長とどっこいどっこいだと思う。言わないけど。

言わなかった俺の言葉を視線から察し、レオンが渋い表情で首を振った。
理由は口にするなということだろう。
うむ。お胸のことはノータッチでまいります!

「セオさんはとっても美形で凛々しいから、きれいな騎士さんとかでいけると思いまする。
ほら、レオンの護衛のミカミカだって美人さんですしね?
それでも男ですし」

レオンの後ろに控えていた美形を思い出したのか、みなさま「ああ」というお顔になった。
良かった、ミカミカが居てくれて!ありがとう大天使様!!

幸い、お互いに睨み合いの時には戦いだからって婚約者さんも簡易的な鎧を身に纏っていたらしい。
ナイスですよ!セオさん!
ちなみに読み通りというか、セオさんは騎士でもあるそうな。幼い頃から王子を守るべく武術を磨いてきたらしい。
完璧じゃん!!

「でもって、ロンドがごちゃごちゃ言って来たら『姫にあらぬ疑いをかけ言いがかりをつけようとは言語道断!確認した王国の威信にかけて卑劣な行為は許さぬ!』して、ナージャの帝国勢に『なんと!そのような卑劣な行為、武人として許せぬ!帝国もリンドールの側につきますぞ!』してもらったらよき。
ロンドに『今後リンドールには関わりません』って書状書かせて、賠償金もらったらよきです」

最初は「なに言ってんだこいつ」って目をしていたみんなも、王妃様に確認してもらうっていうあたりから徐々に乗り気になってきた。

「……確かに。それはいけるかもしれません。王国の確認であれば、ロンドも何もいえますまい」

「ゼンの美貌なら女性だったと言われても説得力がありますしね」









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