もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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俺とレオンの婚約式

幸せな夜

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俺の言葉を聞いたとたんレオンが弾けた。
ついさっきまでかわゆい子犬のお顔でオネダリかましてきたくせに、いきなり悪魔のような魅惑的な笑顔に豹変したのだ。

「サフィの同意が得られてうれしいよ。ということは、今日は特別な日だから、ちょっと特別なキスも許してくれるということでいいのかな?」

ま、まさか!特別なチュウって、あの「にゅるり」をするつもりではないでしょうね?!

「それはダ……むう!!!」

慌てて「それはダメえっ」といおうとしたお口をチュウでふさがれた。
優しくちゅ、ちゅ、っていう俺が好きなやつじゃなくって、のっけから息できないやつ!!

「んーーーーーー!んんーーーーーーーっ!!」

トントンと背を叩くが放してはくれぬレオン。

キスの合間に「鼻で息をするんだよ?」とささやき、またしても深く口付けてきた。
そんなことを言われましても!!ドキドキしちゃってどこで息してるのかもわかんないっ!


目を白黒させたらば、今度は人工呼吸の容量で俺に息を吹き込んできた。

「ぷふーーーーっ」
「ぷはーーーーーっ」

いやこれ可笑しくないですか?可笑しいですよね?キスの音じゃなくないですか?
ちょっとこんな時なのにテンションが変なことになって笑いがこみあげてきた。ついぷぷっと笑ってしまう。

「んんっあはは……っ、うん…うっあはははっ!」

だ、ダメ、ダメ、息が苦しい!笑いと酸欠で余計にピンチ!

そんな俺にレオンが「もう。サフィってば」とお口を開放してくれた。
ようやく息ができるうううう!!

「んひゃう!!」

と思ったらば、ぺろりと服を捲られてお腹にチュウをされてしもうた!

「にゃ、にゃにするにょおおおおおお!!」
「ふふふ。柔らかくてかわいいね?食べてしまいたいくらいだ」

かぷり、とお腹をあまがみされた。

「ひゃあああん!食べたらダメっ!」
「じゃあ、これならいい?」

今度は上目遣いでペロリとお腹を舐めた!ひえ!

「甘いね?サフィはどこもかしこも甘い。お菓子でできているのかもね?」

そんなことはありません!普通の人間ですので!甘かったらそれは病気ですよ?

ペロリされるとお腹がビクッとなっちゃう。唾液の痕がスースーしてそれもまた変な感じ。

「な、舐めるものダメですのでっ!俺はふつー!ふつーのあじっ!」
「ええ?じゃあ、何ならしていいの?」

こてりん、と首をかしげる可愛い仕草。仕草は可愛いのに、その目は肉食獣のように「逃がさないよ?」って言ってる。
レオンの目って、興奮すると青くなるんだ。いつも透きとおったみたいな綺麗なエメラルドが今はラピスラズリの輝きを放っている。
怖いのに、きっとこの顔を知ってるのは俺だけだよね、って思ったらちょっとうれしいような気もする。

で、でも、何ならいいのって言われても!!逆に聞きたい。何なら大丈夫なの?
俺は考えた。必死で猛烈な勢いで頭を働かせた。
にゅるりはダメ。へにょへにょになっちゃうし変な感じになるもん。
お口に激しいチュウは息ができなくて死んじゃう。
お腹はひゃうってなるし……どこなら…………。

考えて考えて、俺はそっと手を差し出した。

「て。手ならよき……?」

パチリ、とレオンが瞬きをし、破顔する。

「ふふ。サフィは可愛いね」

俺、俺、なにか間違えたかもしれない……。




結果的に俺は間違えてた!

「にゃあああ!も、もうはなしてえ………」

ちゅぷ。ぺろ。

「ダーメ。手ならいいんでしょう?ふふふ。どこもかしこも甘いね?」

それはたぶんさっきクッキーを持ったからでは?
なんて言いたいけれども言えない俺。
レオンがトロリと蕩けた眼をして俺の手をペロペロしておるのでござりまする。

ひゃああああ!

最初はチュって全部の指先に口付けられて、手の甲、手の内側、手首……。
そして今度は人差し指を口に含まれた。
温かくて濡れた感触。ちゅぽっと口から出した後、丁寧に指についた唾液を舐め取る。
その仕草が!もんっのすんごく!エッチ!!!
上気した頬、潤んだラピスラズリ。指にかかる熱い吐息。濡れた音。

俺をじっと見つめたまま、美味しそうに俺の指を舐めるレオン。
指なのに、指なのに、なんか変!!
お腹とか背中がぞくぞくして、変な声がでちゃううううう!!

右手が終わったら今度は左手。
最高のご馳走みたいに丁寧に一本一本を味わうレオンに、俺はもう涙目。
ビクンビクンと身体を震わせながら必死で耐えておりまする。

「んん………っな、なんか…っなんかっ……レオンがえっちいいいいい!!!」
「手ならいいと言ったのはサフィでしょう?」

クスクス笑うのやめてっ!濡れた手に息がかかって……っふにゃああああああ!

「だ、だって、だって、手もへんなんだもんっ。ひゅわってするううう」

虫の息で訴えれば、レオンが嫣然とほほ笑んだ。

「きもちいいの?」
「?へんなのっ」
「それはね?きもちいいっていうんだよ?サフィ、覚えて?」
「ひゃん!」

か、噛んだ!指を噛まれたああああ!
噛んだ後をペロリと舐めながら、耳元に熱い息を吹き込まれた。

「ほら、サフィ?きもちいい?教えて?」

はむ。はむ。はむ。

「んんっ!!み、みみはダメえ!」
「わがままだなあ、私の婚約者は。じゃあ、にゅるりしなければお口はいいんだったよね?お約束したものね?」

ちゅ、ちゅ、ちゅ。
今度は口に戻ってきた。
宥めるような優しいキスにうっとりしていると、それが徐々に深くなっていく。
ちゅうっ。はむうっ。ちゅうううっ。

頭がぼうっとして、なんだかお口がしびれたみたいになって、俺の中がレオンのことでいっぱいになった。
無意識に俺の方からもレオンのお口に「ちゅ」「はむうう」ってお返ししてしまう。
こ、これ、これって……

「き、きもちー?」

レオンが幸せそうに笑った。

「きもちいい?」
「きもちいい……。レオンん……おれ……きもちいい……。ちゅう、すき……」

レオンはなんどもなんども気持ちいいチュウをしてくれた。
お口だけじゃなくて瞼にも、鼻にもほっぺにも。
あまりにも気持ちよくって、なんか身体がぐにゃんぐにゃんみたいになる。

「…………きねん…のこる……?れおんすきって、しんじた……?」

夢うつつのささやきに、レオンがぎゅうっと俺を抱きしめた。

「うん。幸せで……記念に残る最高の夜だ。
サフィは私を好き。信じるよ。だって……とっても強くてかわいいサフィがこんな顔をするのは私の腕の中だけでしょう?」

ちゅ、ちゅ、ちゅ。

「レオン……きもちーよ……?だいすきー………すう………すう………」




キスでとろんとろんになった俺は、そのまま寝てしまったらしい。


ちょっと怖かったけど、俺にとっても記念の夜だったよ。
だって、レオンが俺のこと大好きってすっごく伝わったもん。
俺もレオンのことが大好きって伝わったみたいだしね。






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