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サフィ大忙し
見知らぬ冒険者
ギルドから出たらば、見知らぬ冒険者パーティーに出会った。
5人組で全員20代前半くらいの若者だ。だけどその装甲は「今ダンジョン最深部から出てきたの?」っていうくらいボロボロ。おまけに身体のあちこちが傷だらけだ。
ボロボロの冒険者はどこにでもいるから、特に驚かない。
このギルドのメンバーは俺のラッキーチャームの効果かこういうタイプは減ってきたけど、よそから来た人って割とこんな感じだもん。
だけど……この冒険者たちはそういう冒険者たちとは違った。
まず、比較的温暖なこの辺りを中心に活動する冒険者の鎧は主に革や鉄、高級なものになるとミスリル。要はなんらかの革に部分的に金属を組み合わせた軽装備が多い。
でもこの人たちは、革ではなく毛皮。寒い地域で愛用される装備品。つまり割と遠方から来た冒険者ってこと。
おまけに……なんていったらいいんだろう。どこか不自然なくらい……ギラギラ?触れたら切れてしまいそうな、そんな切実な雰囲気があった。
初めて出会ったはずなのに表現しがたい感情を秘めた視線が、俺たちを射抜く。
何故だか明らかに俺をロックオンしてる!
とっさに俺を庇って一歩前に出たキースとゲイルからピリピリしたものを感じた。めっちゃ警戒しておりますね。
「……流れの冒険者か。俺たちに何の用だ?」
キースの言葉で向こうからリーダーらしい男が一歩前に出た。腰に長剣を下げているから剣士なんだろう。その鞘すらあちこちへこんでいるところをみると、剣と鞘と両方使って戦うようなことがあったのかも。
彼は皮肉気に唇の端をゆがめ、フンと鼻を鳴らした。
「別に?さっきギルドで話を聞いちまってな。なあ、そこの子供がA級冒険者って本当か?ドラゴンライダーとか聞こえたが」
なぬ!聞いておりましたか!ではでは早速……。
「はいはいはい!俺はA級冒険者、ドラゴンライダーのサフィラス!ドラゴンライダーの!サフィラスですよおおお!!」
しっかりと手をあげ、初めての名乗りを上げる。大事なので二回言った。
そう、俺はドラゴンライダー!
どうだどうだ!凄いでしょお!
ところがリーダーは俺に尊敬のまなざしを注ぐどころが、落胆を隠そうともせず、俺に蔑視の視線を送ってきた。
「聞き違いじゃなかったのかよ……。
てか、その子供、どう見たって育ちのいい貴族の坊ちゃんだよなあ?そっちのハンサムな兄ちゃんたちが護衛だろう?
あーあ!すげえ強いA級がいるってのはガセかよ!まさかとは思うか、金で階級を買ったのか?それとも何人か雇って手柄を横取りしたのか?なあ?」
キースとゲイルから物凄い殺気が放たれたが、そっと背を引きそれを止めた。
待って待って!喧嘩しないの!強者とは余裕をもって接するものですぞ?
そもそも俺に害をなそうとすれば聖女パワーで弾かれるはずだから、弾かれてない時点で問題ないのだ。
心の広いドラゴンライダーはこのようなことでオコにはなりませぬよ?
それに、どこかやけっぱちのように見えて、そっちの方が気になる。
そう思った俺は、しっかりとキースとゲイルの服をひっぱりながら、穏やかに野良冒険者たちに声をかけた。
「えっとお。決めつけはよろしくないと思いますぞ?」
にこにこ。
すると後ろの連中が何を勘違いしたのか、憎々し気にこう吐き捨ててきた。
「おいおい!護衛の背に隠れてなに言ってんだ?」
「いやいや、階級偽造だろう。そっちのセクシーな護衛の兄ちゃんがギルマスを誑し込みやがったんじゃねえの?王都のギルドも堕ちたもんだぜ」
瞬間。
グワッ。
ものすごい圧が俺から放たれた。
とっさに野良冒険者たちがズサッと俺から距離を取る。
キースとゲイルすらとっさに俺を振り返り左右に分かれた。
「なんて言いましたか?」
エフェクトが見えるのならば、ずもももも、と俺の背後に黒雲が出ていることだろう。
保護者達がどいたことで俺の前には道ができている。
一歩踏み出し、もう一度問う。
「ゲイルがセクシーかつカッコよかつ最高なのは俺も認めるけど。その後なんて言いましたか?」
後ろから「いや、セクシーしか言ってねえだろ」「しっ!ゲイルは黙ってろ。しょうがねえよ、ファザコンなんだから」と聞こえるが二人とも黙ってなさい!
「ねえ、聞こえた?お耳はついておりますか?」
にっこり笑って見せたが、俺が歩を進めるたびに向こうも同じだけ下がっていく。
「オジサン、どうして下がるの?冒険者なのにこんな子供が怖いの?ねえ、こっちに来てくださいませ?俺ってば、階級を買って護衛の手柄を横取りした貴族のお坊ちゃんなんでしょお?」
パリパリ、と放電しちゃってるのが分かる。
「ゲイルがなに?誰をどうしたって言ったの?もう一回言ってみて?」
「ひ、ひいいいい!」
後ろの方の冒険者が石に躓いて尻もちをつく。
前衛のリーダーはガクガクと震えながら、無意識なのか剣の柄に手をかけた。
「あ、剣抜いちゃうの?よきですよ?俺がお相手致しまするよ?」
「サ、サフィ?俺は気にしてねえから」
「はぁ?!俺は気にしますが?!大好きなお父様を会っていきなり馬鹿にされたんだけど?!」
「弱いものいじめはやめとこうぜ?」
「キースも黙ってて!『護衛の二人』は手出し口出し無用ですので!これはドラゴンライダーとしての俺の戦いなの。手を出したら一週間口ききませんから!!」
「「ええええーーーー」」
護衛さんたちとやり取りをしている間に、一番後ろにいた奴が逃げようとしてる。
「ミニミニサンダーボルト!!」
ドカーン!
目の前に穴をあけてやると「ギャア!」と倒れ込んで動かなくなった。
「ま、まさか当てちまったのか?!」
しつれーな!
「当ててないよ!手加減して超ミニミニにしたでしょお!弱虫だから気絶しただけでしょおに!」
口撃はしても攻撃なんてしません!俺ツエエなんだから、こんな人たちに手なんて出すわけないでしょ!
プンスカと抗議してやると、ドガーンで完全に戦意喪失した野良たちの顔が無になっていた。
完全戦意喪失である。
え?まだ戦ってもいませんけど?!
「ちょっとお!まだ俺なんにもしてないでしょお!
はあ?!人のこと、会ったばっかでいきなり馬鹿にしてきてこれですか?冒険者として恥ずかしくないの?礼儀とかって言葉、知ってる?挨拶大事!いきなり人のことディスるとか、あり得ないからね!」
俺、不完全燃焼です!
5人組で全員20代前半くらいの若者だ。だけどその装甲は「今ダンジョン最深部から出てきたの?」っていうくらいボロボロ。おまけに身体のあちこちが傷だらけだ。
ボロボロの冒険者はどこにでもいるから、特に驚かない。
このギルドのメンバーは俺のラッキーチャームの効果かこういうタイプは減ってきたけど、よそから来た人って割とこんな感じだもん。
だけど……この冒険者たちはそういう冒険者たちとは違った。
まず、比較的温暖なこの辺りを中心に活動する冒険者の鎧は主に革や鉄、高級なものになるとミスリル。要はなんらかの革に部分的に金属を組み合わせた軽装備が多い。
でもこの人たちは、革ではなく毛皮。寒い地域で愛用される装備品。つまり割と遠方から来た冒険者ってこと。
おまけに……なんていったらいいんだろう。どこか不自然なくらい……ギラギラ?触れたら切れてしまいそうな、そんな切実な雰囲気があった。
初めて出会ったはずなのに表現しがたい感情を秘めた視線が、俺たちを射抜く。
何故だか明らかに俺をロックオンしてる!
とっさに俺を庇って一歩前に出たキースとゲイルからピリピリしたものを感じた。めっちゃ警戒しておりますね。
「……流れの冒険者か。俺たちに何の用だ?」
キースの言葉で向こうからリーダーらしい男が一歩前に出た。腰に長剣を下げているから剣士なんだろう。その鞘すらあちこちへこんでいるところをみると、剣と鞘と両方使って戦うようなことがあったのかも。
彼は皮肉気に唇の端をゆがめ、フンと鼻を鳴らした。
「別に?さっきギルドで話を聞いちまってな。なあ、そこの子供がA級冒険者って本当か?ドラゴンライダーとか聞こえたが」
なぬ!聞いておりましたか!ではでは早速……。
「はいはいはい!俺はA級冒険者、ドラゴンライダーのサフィラス!ドラゴンライダーの!サフィラスですよおおお!!」
しっかりと手をあげ、初めての名乗りを上げる。大事なので二回言った。
そう、俺はドラゴンライダー!
どうだどうだ!凄いでしょお!
ところがリーダーは俺に尊敬のまなざしを注ぐどころが、落胆を隠そうともせず、俺に蔑視の視線を送ってきた。
「聞き違いじゃなかったのかよ……。
てか、その子供、どう見たって育ちのいい貴族の坊ちゃんだよなあ?そっちのハンサムな兄ちゃんたちが護衛だろう?
あーあ!すげえ強いA級がいるってのはガセかよ!まさかとは思うか、金で階級を買ったのか?それとも何人か雇って手柄を横取りしたのか?なあ?」
キースとゲイルから物凄い殺気が放たれたが、そっと背を引きそれを止めた。
待って待って!喧嘩しないの!強者とは余裕をもって接するものですぞ?
そもそも俺に害をなそうとすれば聖女パワーで弾かれるはずだから、弾かれてない時点で問題ないのだ。
心の広いドラゴンライダーはこのようなことでオコにはなりませぬよ?
それに、どこかやけっぱちのように見えて、そっちの方が気になる。
そう思った俺は、しっかりとキースとゲイルの服をひっぱりながら、穏やかに野良冒険者たちに声をかけた。
「えっとお。決めつけはよろしくないと思いますぞ?」
にこにこ。
すると後ろの連中が何を勘違いしたのか、憎々し気にこう吐き捨ててきた。
「おいおい!護衛の背に隠れてなに言ってんだ?」
「いやいや、階級偽造だろう。そっちのセクシーな護衛の兄ちゃんがギルマスを誑し込みやがったんじゃねえの?王都のギルドも堕ちたもんだぜ」
瞬間。
グワッ。
ものすごい圧が俺から放たれた。
とっさに野良冒険者たちがズサッと俺から距離を取る。
キースとゲイルすらとっさに俺を振り返り左右に分かれた。
「なんて言いましたか?」
エフェクトが見えるのならば、ずもももも、と俺の背後に黒雲が出ていることだろう。
保護者達がどいたことで俺の前には道ができている。
一歩踏み出し、もう一度問う。
「ゲイルがセクシーかつカッコよかつ最高なのは俺も認めるけど。その後なんて言いましたか?」
後ろから「いや、セクシーしか言ってねえだろ」「しっ!ゲイルは黙ってろ。しょうがねえよ、ファザコンなんだから」と聞こえるが二人とも黙ってなさい!
「ねえ、聞こえた?お耳はついておりますか?」
にっこり笑って見せたが、俺が歩を進めるたびに向こうも同じだけ下がっていく。
「オジサン、どうして下がるの?冒険者なのにこんな子供が怖いの?ねえ、こっちに来てくださいませ?俺ってば、階級を買って護衛の手柄を横取りした貴族のお坊ちゃんなんでしょお?」
パリパリ、と放電しちゃってるのが分かる。
「ゲイルがなに?誰をどうしたって言ったの?もう一回言ってみて?」
「ひ、ひいいいい!」
後ろの方の冒険者が石に躓いて尻もちをつく。
前衛のリーダーはガクガクと震えながら、無意識なのか剣の柄に手をかけた。
「あ、剣抜いちゃうの?よきですよ?俺がお相手致しまするよ?」
「サ、サフィ?俺は気にしてねえから」
「はぁ?!俺は気にしますが?!大好きなお父様を会っていきなり馬鹿にされたんだけど?!」
「弱いものいじめはやめとこうぜ?」
「キースも黙ってて!『護衛の二人』は手出し口出し無用ですので!これはドラゴンライダーとしての俺の戦いなの。手を出したら一週間口ききませんから!!」
「「ええええーーーー」」
護衛さんたちとやり取りをしている間に、一番後ろにいた奴が逃げようとしてる。
「ミニミニサンダーボルト!!」
ドカーン!
目の前に穴をあけてやると「ギャア!」と倒れ込んで動かなくなった。
「ま、まさか当てちまったのか?!」
しつれーな!
「当ててないよ!手加減して超ミニミニにしたでしょお!弱虫だから気絶しただけでしょおに!」
口撃はしても攻撃なんてしません!俺ツエエなんだから、こんな人たちに手なんて出すわけないでしょ!
プンスカと抗議してやると、ドガーンで完全に戦意喪失した野良たちの顔が無になっていた。
完全戦意喪失である。
え?まだ戦ってもいませんけど?!
「ちょっとお!まだ俺なんにもしてないでしょお!
はあ?!人のこと、会ったばっかでいきなり馬鹿にしてきてこれですか?冒険者として恥ずかしくないの?礼儀とかって言葉、知ってる?挨拶大事!いきなり人のことディスるとか、あり得ないからね!」
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