もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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サフィ大忙し

バースご一行

俺が大泣きしたことでしょんぼりしてしもうたバース勢ですが。
そもそも悪いのはバースくんたちではないのだけれどもね。
どこかというのならば、それは……リンロン。いや、もっともっというならば、ロンド!
俺のあれやこれやだってそもそもリンロンが争わなきゃ派生しなかったのだもの。
ロンドのやらかしでリンロン戦争になったからドラゴンが来ちゃったわけですし?
俺は依頼されて向かったわけですし?
ロンのやらかしが全ての元凶!それさえなければ……

んん?え?
ちょ、ちょっとまって?

それがなきゃ俺はまだA級冒険者にもドラゴンライダーにもなれていなかったとかいう?
もっというと、レオンとも婚約できてなかったんじゃない?
ライダーはともかく婚約に関しては俺は別に急ぎじゃないからいいのだけれど、あんなに張り切って喜んでるレオンを見たらば、やはり俺としても……。

やめよう。
これ、堂々巡りのやつだ。
アレが良くなればあっちが立たず?風が吹けば桶屋が儲かる、みたいな?



なんとなあく、この一連のあれやこれやで得したのは俺とレオンだけって気がしてきた。
なのにちょっと取次頼まれたくらいで逆切れして泣き喚いた自分に深く深ーく反省。

「えっと……ご、ごめんね?取り乱して」
「い、いや、こちらこそすまなかったな……。サフィラス様はまだ子供なのに……」
「あ、いまさらだけれども、サフィでいいですのでね?ライダーかサフィでお願いもうす!」
「あ、ああ。サフィがよければ……」
「それでね。よく考えたらば、このドラゴン案件で得したのって俺とレオンじゃないかって気がしてきたのでござりまするよ。リンロンが原因なんだけど、結局王国は両国に恩を売って外交を開けましたし。ロンから賠償と魔道具頂けますし。A級になって俺はドラゴンブリーダーからドラゴンライダーになれましたし、レオンは婚約できましたしね。ドラゴンを眷属にしましたし」

整理してみると、ほんとお得!
バース勢も王国勢も

「言われてみれば……すげえな!」
「確かにそりゃサフィ独り勝ちじゃねえか!」
「いやいや、漁夫の利の殿下だろ?なんてったって念願の……だからなあ」

うむ。お判りいただけたか。

「ということで、バースくんたち、よければゲイルのおうちでおもてなしされてくだされ」
「俺んちかよ!!そこは王城じゃねえのか?」
「だって、そしたらそく外交になっちゃうじゃん!バースくんが忍んできた意味なっしんぐでしょ!
ゲイルは俺のお父様。しからば、どうせ外交に行くんだし、今のうちから親睦深めておけばよきなのですよ!」

ねえ、とバース君を見れば眉を下げ頭をかきかき。

「あー……迷惑だよな?そのまま帰ってもいいぜ?もともとそのつもりだったんだし。ドラゴン様の問題を解決してくれたうえ、話ができるように取り計らって貰った。
ロンドも今後は大人しくなるようだしな。連合うちとしちゃあ、十分な成果だ」

うんうん、とバース勢。
え?もしかして遠慮してるの?!最初の悪印象どこいったってくらい謙虚!

これにはなんとなくゲイルも同情のお顔になった。
一応中身は当たり前なことを言ってるだけなんだけど、普段遠慮を知らない冒険者たち(王国勢!君たちのことですぞ!)に囲まれているだけに、新鮮!なんだよねえ。

実はゲイル、こういうのに弱いのです。
案の定、「あーー!」と息を一つ吐き、どん、と胸を叩いた。

「よし、お前ら俺んとこに寄ってけ!美味い酒と美味い飯を食わせてやる!
数日くらいなら余裕あんだろ?うちに泊まって観光していくといい」

美味い酒と聞いてバース勢の目の色が変わる。

「い、いいのか?!」
「ああ。どうせいける口なんだろ?せっかくだ。つまみにクラーケンも食わせてやる」
「く、クラーケン?!あの伝説のか?!」
「実在したのか?」
「狩ったのか?誰が?!……いや愚問だったな…」
「食えるのか…?!」

俺はものすごい食いつきを見せる面々に断言してあげた。

「最高のお味。一度たべたら狩らずにはいられませぬ。やめられないとまらない!」

「世話になろう!!」
「よろしく頼む!!」



「よし!これで被害者のフォローも(ゲイルが)ばっちり!
これにてドラゴン案件、一件落着!
みなのしゅー、盛大な拍手ーーっ!!」

「「「おおおおお!!」」

パチパチパチパチー!!!
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