もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

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僅かな日常

ご機嫌レオン

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にしても、レオンはどうしてこうもご機嫌なのだろうか。
黒雲を背負ったレオンはアカンのですが、ご機嫌すぎるのも不思議。
俺の知る限り、そこまでご機嫌になる要素なかったように思うのですが。

もぐもぐしながら、単刀直入に聞いてみる。

「レオンレオン。なんか今日すんごくご機嫌。何かあったの?」

そしたらレオン、目をぱちくりしたあと照れくさそうに微笑んだ。

「昨日ね、眠くなったサフィがゲイルの所に泊まるって言っていたよね?
でも、私のお願いを聞いてくれて私を選んでくれた。それが嬉しくて」

んん?え?

「もしかしてレオンが『寂しいな』っていうからこっちに戻ってきたこと?
それだけでこんなにご機嫌になっちゃってるの?」

ちょっとびっくりした俺に、レオンが「だって、サフィはゲイルのことが大好きでしょう?」と拗ねたように唇を尖らせた。

え?なにその顔、かわいい!
俺よりも10歳も上なのに、俺がゲイルよりレオンと戻るのを選んだだけでこんなになってたんだ!

きゅーーーん!!

余りの可愛さに俺の胸はきゅんきゅん。
ぐわっと来るこの気持ち、ふわっふわの子猫がよちよちと俺に向かって必死で歩いてきたのを見たような気持ちに似てる。

普段は頼りになるカッコいいキラキラ王子様のレオンなんだけど、たまに見せる、いや、俺には結構頻繁に見せるこういう拗ねたり情けなくなったりするところ。
そういうところが好き!

俺はもぐもぐする手を止めて、レオンのことをじいっ。

「サ、サフィ?」

「レオンってば、かわいいね?」

「!!」

かああああっ!
あ、赤くなった!

にこにこしながら「レオンってば、とってもかわいい」ともう一度言えば、目をきょろきょろさせてソワソワし始めた。

かわいすぎる!
子猫をツンツンしたり、ころりと転がして子猫が困ってるのをによによと見守る気持ち、わかる!
俺、いまそれです!

調子にのってかわいいを連発しておりましたら、レオンがキッと顔を上げた。

「サフィ?私のことをからかってるの?………悪い子だ」

ひょいっとお膝に乗せられて、耳元で囁く。

「婚約者をからかうような悪い子には……お仕置きしないとね?
私は……サフィのほうが可愛いと思うよ?キラキラ輝く瞳に、悪戯そうな笑み」

「ひ、ひゃああ!」

耳に息がかかって背中がゾクゾクするう。
焦ってぐいぐい押し返そうとしたらその手も捕まった。

「その小さな手も、足も、柔らかなピンクの頬も、すべてが可愛い。そう……食べてしまいたいくらいにね?うん。ちょっと食べてしまおうか?」

いうなり、はむ!
俺の小さな指を口中に含まれた。

「れ、れ、れお、れおん?!」

「んん?」

そのまま指を舌で丁寧にたどった。
まるでアイスキャンディーのようにぺろーんって。
なんだろう。
なんだか……とってもイケナイ物を見ているみたいな……

「……とっても……おいしいね?」

目を細めて唇の端を上げるレオンってば、可愛いの正反対!
このお顔……アカンやつだ!!
大人のにゅるりんされたときのお顔!!

案の定、ゆっくりとレオンのお顔が近づいてきた!

ピンチです!!

俺は慌てて手を取り返すと、両手でバッテンを作ってお口を塞いだ。

「えっちなちゅーは禁止です!にゅるりんちゅーは大人のちゅーですので!!」

ぎゅうっと目をつぶっていたら……



「……ふっ……ふふふふっ!
ね?私は可愛いだけじゃないんだよ?覚えておいてね?」

バッテンの上にチュッとしてレオンが笑う。



揶揄われたアアアアっ!!
酷いっ!婚約者をいじめて楽しいの?!
プンスカと頬を膨らませれば「ふふ。ほら、可愛いのはサフィでしょう?」とそのホッペをツン。

まさか、さっきの仕返し?
大人げないレオンに、俺は心に誓ったのであった。

これからはレオンが可愛くても心の中で思うだけにしよう。
















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