もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

文字の大きさ
383 / 538
僅かな日常

纏めてみました!

こうしてまさかの生徒会から情報を頂いた俺。
色々なことを整理するために、帰ってから(ちなみに今日も王城です)自分の言葉でノートに書き出してみた。


●バースの話
色々な文化を持つ小国が集まって連合国となった。それぞれの民族から代表を出して政治を行う合議制。
身分の差はあくまでも便宜上のもの。魔物がほとんどいないため、安心して暮らせるし平和。農業にはあまり向かない土地なので酪農が盛ん。礼儀とか貴族の振る舞いはバースではあまり重視しない。
お互いに親睦を図るため、酒を飲みかわす際はべろべろになるまで飲んで相手への信頼を示す。
温泉があり、そこが男たちの社交場のようになっている。女性は家でたらい風呂。(綺麗好きな国民性のようだ。王国の冒険者たちに聞かせてやりたい)

●先輩の話
それぞれの地域により特性がある。獣人地区は狩猟がメインで、革や毛皮の加工が盛ん。脳筋。
中央は酪農が中心でチーズや乳製品がおいしい。のどかでのんき。大雑把。がさつ。
農地が限られているため、少ない土地で収入が見込めるよう、バースでしか採れないような珍しく貴重な果物や野菜を育てている。
その他にもいろいろな民族がそれぞれの地域に別れて暮らしている。
民族間の中は良好だが、お互いの文化や風習を変えることはなく、それぞれが勝手に暮らしてるって感じ。


前者だと、色々な国の人が集まって集団となり、連合国家としてお互いの文化や風習を認め合いながらワイワイやっている印象。
後者だと、色々な国の人がそれぞれの文化や風習を守りお互いに踏み込むことなく良き隣人として暮らしてるっていう印象。
要は「全体的なまとまりがあるか否か」だ。「便宜上の連合」なのか「実際に連合国として機能している」のかの違い。

正直このあたりが王国とかで曖昧なのは……ぶっちゃけ大した脅威でもなかったからだろう。
言葉は悪いが、どうでも良かったのだ。
リンドールとロンドも恐らく同意見。
それぞれの特産品があるといっても、何しろ小国だから、規模が小さい。
わざわざ遠方からリスクを冒して訪れるほどのものでもないし、ちまちまと一国ずつ侵略するのも面倒。そんなところ。

先輩たちが取引に訪れていたのも、国としてというよりも「商人として」「珍しいものを仕入れに」というメリットと、もともと海運業、漁業の盛んな国だというから「ついでに」行けるということもあったのだろう。
国家規模での取引にメリットはないが、元から船を有し海路で簡単に行くことができる状況にあるのなら、商会として十分利益が見込めるからだ。



「うーん」


俺は大きくそのメモにこう付け加えた。

「温泉」「泥パック」「毛皮」

そしてそこに大きく丸をつける。


温泉でゆっくりして、美味しいチーズや乳製品を楽しむ。
それだけじゃなくって、帰りに豪華な毛皮や革製品(バッグとか)それぞれの民族の工芸品を買って帰るのはどうだろうか?いわゆる抱き合わせ商法。ツアーとかでよくあるやつだ。
いっそ専用の馬車を用意して、ツアーみたいにして回らせるのもありなのでは?

バースが貧乏だっていうのは、それぞれが好き勝手にやっているだけでその連携ができていないからだ。
昔のまんま、発展性しようとせずに「ほそぼそと食べていける幸せ」に甘んじているから。
でも、それではいつか行き詰るときがくる。

そもそも「連合国」として機能していたなら、冒険者の代わりに身体能力の優れた獣人さんたちに調査の依頼もできただろう。
お互いに融通し合うこともできたかもしれない。
魔物の脅威も、他国の侵略もなく平和だったからこそ、彼らはそれに甘えてしまっていた。
それは悪いことじゃないけど、今回のドラゴン騒動みたいに不足な事態がおこると、とたんに窮地に陥ってしまう。
ドラゴン問題を解決しても、そこの根本的なところでいつか必ず行き詰ると思うのだ。
なにかをきっかけに、その連携ができれば………

俺が思うに、王国と外交するよりも先に「内交」が必要!
てゆーか、この際だ、外交をきっかけに「内交」にも取り組んでもらいましょー!





感想 892

あなたにおすすめの小説

結婚式の翌朝、夫に「皇太子の愛人だろう」と捨てられました――ですが私は、亡き国王の娘です

柴田はつみ
恋愛
母の遺した薬草店を守りながら、慎ましく暮らしていたアンリ。 そんな彼女に求婚してきたのは、国内でも名高い騎士にして公爵家当主、アルファだった。 真っすぐな想いを向けられ、彼を信じて結婚したアンリ。 けれど幸せなはずの結婚式の翌朝、夫は冷たく言い放つ。 「君を愛していると本気で思っていたのかい? 」 彼はアンリが第一皇太子と深い仲にあり、自分との結婚は身を隠すための偽装だと誤解していたのだ。 アンリは実は、亡き国王の婚外子。 皇太子にとっては、隠して守らなければならない妹だったのである。

何もしなかっただけです

希臘楽園
ファンタジー
公爵令嬢であり王太子の婚約者であった私は、「地味だ」という理由で婚約を破棄され、王宮を去った。 それまで私が担っていた役目を、誰も知らないまま。 ――ただ何もしなくなっただけで、すべては静かに崩れていく。 AIに書かせてみた第14弾は、「追放ざまぁ」系の短編。

あなたの愛したご令嬢は俺なんです

久野字
BL
「愛しい令息と結ばれたい。お前の家を金銭援助するからなんとかしろ」 没落寸前の家を救うため、強制的な契約を結ばれたアディル。一年限りで自分の体が令嬢に変わる秘薬を飲まされた彼は、無事に令息と思いを通じ合わせることに成功するが……

「お前がいると息が詰まる」と追放された令嬢——翌週から公爵家の予定が全て狂った

歩人
ファンタジー
クラリッサは公爵家の日程管理を一手に担う令嬢。前世の社畜経験を活かし、行事計画、来客対応、予算管理まで完璧にこなしていた。 だが婚約者ヴィクトルは言った。「お前がいると息が詰まる。もっと華やかな女がいい」 追放されたクラリッサが去った翌週、公爵家の予定が全て狂い始める。 舞踏会の招待状は届かず、外交晩餐会の料理は手配されず、決算書類は行方不明。 一方クラリッサは、若き領主の元で「定時退社」という夢を叶えていた。 「もう、残業はしません」

「通訳など辞書で足りる」と追放された令嬢——三国会談で、婚約者は一言も話せなくなった

歩人
ファンタジー
宮廷通訳官エレノーラは五つの言語を操り、婚約者クラウスの外交を陰で支えてきた。 だがクラウスは言った。「通訳など辞書で足りる。お前は要らない」 追放されたエレノーラは隣国で新たな道を歩み始める。 一方、クラウスは三国会談の場で辞書片手に立ち往生。 誤訳が外交問題に発展し、窮地に陥ったその場に、隣国の通訳官として現れたのは——。 「その言葉は、もう翻訳できません」

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。

下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。 ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。 小説家になろう様でも投稿しています。