もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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ミカミカとキースの結婚式!

完璧です!

お母さまとミルくん、そして俺がああでもないこうでもないと厳選した衣装は、恐ろしいほどにミカミカにピッタリだった。
素材や色味を変えていたりするものの、純白の衣装に身を包んだミカミカは、光り輝いていた。
これはミカミカの美しさの比喩でもあるし、物理的にでもある。
何しろ、もともとキラキラ光り輝くお月様のような銀髪の持ち主なのだ。
光沢のある衣装と髪飾りと相まって、あちこちがキラキラと光を放っておるのです。
ま、まぶしいいい!
大丈夫?これ、あまりに神々しすぎて見た人の目がつぶれちゃわない?

お母さまも「まあ……」と言ったっきりお口を開けて見惚れている。
お口を閉じてください、お母さま!

「なんかさあ、ドレスみたいでこっ恥ずかしいんだが。これ、俺が着ても大丈夫なのか?」

「勿論!てゆーか、ミカミカしか着こなせないと思うっ!ミカミカのための衣装だもん!かんっぺきです!
キースも惚れ直しちゃうと思うよ?」

全力で褒める俺。
ほら、侍女さんたちもお母さまも、頭がもげんばかりに頷いているでしょお!
空気を読んだ侍女さんが、「サッ」とミカミカの前に大きな姿見を出す。

「ほら!見て、ミカミカ!大天使降臨だよ!」

「こ、これ………俺か?マジで?!」

鏡に映る自分の姿に目を見張るミカミカ。
驚愕の表情すら美しさしかない。圧倒的美貌の勝利です。
でも当のミカミカは鏡に映るのが自分だって信じられないみたいで、鏡を見ながら頬をつねったり、変顔……しようとしてお母様に「やめてっ!美への冒涜よっ!」と止められていた。





そこに「準備はいいかい?」とレオン登場。

「……ミカエルか?いや……化けたな?」

見惚れるのはいいのですが、化けたな、は失礼ですよ!

「大天使でしかないよね!ミカミカ最高に綺麗でしょ?レオンも見惚れちゃった?」

ドヤりながら聞く俺にレオンは何故か焦ったように言い訳をし始めた。

「いや、確かに美しいけれど、ミカエルの顔は見慣れているからね?私にはサフィのほうが……」
「あ、今そういうのはいりませんので!今日の主役はミカミカ!おっけー?」

いつもの「サフィ賛辞」に入りそうなレオンを慌てて止める俺に、今日の主役が笑いだした。

「あはははは!サフィ、レオンにそれは無理だ。レオンにはサフィしか見えてねえもん」
「私がミカに見惚れるのもどうかと思うが?キースに睨まれそうだし、ミカは私にとって兄弟のようなものだからな。一応整った容貌だとは思っているぞ?今日はまた宗教画のように美しい」
「うわ!棒読み!さすがレオン、ぶれねえな!」
「ふふふ。ミカはキースの誉め言葉があれば十分だろう?」
「まあな!」

軽口の応酬のあと、レオンはふと真面目な表情に。

「今日の君は本当に美しい。ミカエル、幸せになれ」

そう言ってハグしようとして、その手をおろし苦笑した。

「……これからは気楽にハグもできないな?キースに妬かれてしまう」
「妬かねえよ、お前がサフィにベタぼれだって分かってるしな?」

さあ来いよ、と手を広げるミカミカ。
二人は笑いながらぎゅっと抱きしめ合った。

「なあ、この法案、5年前のやつだろう?お前にはもう必要ないのに……無理をさせたな。ありがとう」
「どのみち私とサフィの式までには成立させるつもりだったしね?早まっただけだ」

ポンポンとお互いの背を宥めるように叩き、離れるふたり。

「辺境でまさか式まで済ませて来るとは!私とサフィより先に式を挙げるなど、侍従失格だぞ?」

茶化すように言って微笑むレオンの目は、少し潤んでいた。
二人でお互いを支え合って過ごした日々を思い出しているのかな。恋愛感情ではなくとも、レオンにとってミカミカが大切な人だもんね。
二人の友情に、俺、もう泣きそう。
お母さまも侍女さんたちもそっと涙をぬぐっている。
この感情、なんていうんだっけ?前世にピッタリの言葉があったような……
ああ、「尊い」だ!この二人の関係、めちゃくちゃ尊い!



ミカミカの方も少しかすれた声でふざけてみせる。

「お前の結婚って、最低でも五年後じゃねえか!俺もキースも成人してんだぜ?そこまで待てるかっての!」
「ミカ、それを私に言うのか?私は婚約まで五年、結婚まで更に五年待つつもりなのだぞ?」

いきなりスン顔のお兄さまに、ミカミカも微妙なお顔。

「レオンってすごいよな。ほんと、尊敬する。聖人君子か?」
「私にもそれなりの欲はあるぞ?」


い、いかん!雲行きが怪しくなってまいりました!
危険を察知した俺は、慌てて声を張り上げた。

「と、ところで、レオン!キースの支度はできたの?」

そう。ミカミカの支度はお母さまと俺、キースの支度はレオンとティガマリに頼んであったのです。
マリーはともかくティガーがいれば完璧に仕上げてくれていると思うんだけど。









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