もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!

をち。「もう我慢なんて」書籍発売中

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ミカミカとキースの結婚式!

二人を連行します!

こうして聖堂での入籍式はつつがなく終わり……サプライズのお時間です!
花で飾りはしたのだけれど、結婚式場というほど飾り立てはせずシンプルに「式典」として纏めてあった聖堂とはちがい、結婚式会場、いわば本丸となる大広間は、豪華絢爛!
花やリボンで全体を華やかに飾り付け、入場と同時に音楽を奏でる音楽隊もご用意いたしておりまする!

お酒やお料理もたっぷり。クマさんと、伯爵家の料理人が腕を振るい、下町のカイルさんとネイトさんのカフェからもたくさんのケーキを届けてもらった。


これは「式典」ではなくあくまでも「身内を招いた結婚パーティー」!だから国民の血税ではなく俺とレオンとゲイル、そしてパパとお母さまの個人資産(お小遣い)でご用意しておりますのでご安心を!
ちなみに、キースの身内として俺とゲイル、ティガマリ、エリアスはもちろん、お世話になっておりまする冒険者ギルドのギルド長クリス&その相方カイトもご招待いたしました!えへん!
クリスはギルド長。冒険者代表として騎士団と合同で動くこともあるから、王城へは何度か来たことがある。あれでやろうと思えばきちんとした作法も心得ているのです。
問題はカイト。冒険者から押しかけ女房同然にクリスの相方をゲットしたので「礼儀?はあ?」なのだ。
キースをお祝いしたい気持ちはあれど、王城っていうので尻込みして、カイトのくせにモダモダ。
結局ゲイルが突貫でマナーを叩き込み、ようやく参加できたのでした。
言っとくけどこの法案、君たちも使うかもしれないんだからね?

あとは、ゴリラ軍団(母ゴリラと兄2ゴリ)、団長さん、バイツー先生、今日は特別に護衛のジグルドとミシャ、それに聖堂にいたメンバーのなかからいつメンのオッちゃんたちが結婚式の参加者となる。

公爵とライリオも参加したがったんだけどね。
リオは今回は生徒会と一緒に裏方に回って采配を振るって貰っております。
可哀そうだけど公爵とライは、何かあったときに備えて待機。高位貴族が大広間に集結してしまうからね。王宮への来客対応をお願いしたの。
がんばって公爵家!



入籍式が無事に終わり「やったな!」感いっぱいのキースとミカミカ。
俺とレオン、パパとお母さまでさりげなあく二人の腕を取り出口に誘導。
出ながらゲイルとオッちゃんたちに目配せも忘れません。
大広間集合だよ?おけ?

「サフィどうした?どこ行くんだよ?」
「俺たちはこれから部屋に……」
「ええ?まだ夕方だよ?そんなに疲れた?せっかくだから、みんなでお食事致しましょう!」
「うん。キースには悪いが、部屋はまた後かな?クマーノに特別料理を用意させたんだ」

ぐいぐいと大広間に向かって押して押して押しまくる。

「いや、そっち食堂じゃねえだろ」
「いいからいいから!」
「お、おい!」
「大丈夫大丈夫!」

大広間の前でお母様が素早く二人の衣装を整える。
すかさずミカミカの頭に隠してあったベールを被せる俺。

「は?え?な、なんだ?!」

扉をパッカーンと開ければ、パンパカパーン、と高らかに鳴り響くラッパの音。

「新郎たちの入場です!盛大な拍手を!」

わあああああ!!
パチパチパチパチー!


「「……は?」」


唖然とする二人の脇から素早くゲイルたちが室内に滑り込む。

「サプラーイズ!」
「結婚おめでとう、キース、ミカエル」

「「………は?え?」」


目の前にはたくさんの人が二人を祝うために扉の左右に分かれて待機していた。
手に手に花を持ち「おめでとうございます」「おめでとう」と二人に手渡す。

訳の分からないながらも声援に応えながらゆっくりと進むふたり。
壇上に作られた二人の席に着くころには、両手は花で埋まっていた。
そこにティガーがサッと現れ手早くバラバラの花をリボンで纏めて花束に。
あっという間にブーケの完成だ。

「ほら、ミカミカ。ブーケを持って!
二人とも並んでみんなの方を見て!」

正面のいわゆる舞台席から会場に向き直る二人。

「な、なあ、これってもしかして……」

気付きましたか、ミカミカ。

そこにゲイルが大きな声で宣言。ナイスタイミング!

「これより、キースとミカエルの結婚披露宴を執り行う!
みんな、グラスを持て!」

みんな慌てて自分の席に着き、その場に置いてあったワイングラスを手に持った。
俺とレオンも急いでグラスを持ってキースとミカミカにも手渡す。

「あ、ありがとう」
「す、すまん」

とっさに受け取る二人。
ゲイルがグラスを掲げる。

「準備はいいか?
キース、ミカエル、入籍おめでとう!二人の未来に幸あらんことを!
キースとミカエルの結婚を祝して。
かんぱーい!!」
「「「「かんぱーい!」」」」

「かんぱいー!さあ、ミカミカとキースもぐぐっと!飲んで飲んで!」

ミカミカとキースが顔を見合わせ、一気にグラスを空にした。
わああああっ、と会場が盛り上がる。
侍女さんたちが、手に持った籠からばっさばっさと花びらを二人の頭上に振りかけた。

純白の衣装に降り注ぐ白薔薇の花びらが、まるで天使の羽根のようで。
二人の美しさと相まって、とても幻想的な光景です。

と、天使たちがその腕を俺とレオンの肩にがしっと回した。

「で?これはいったいどういうことなんだ?レオン。ウチの兄貴たちもいるじゃねえか」
「こっちはギルド長までいるぜ?どういうことだ、サフィ?」

「えへへへへ?結婚式?
辺境で勝手に式あげられちゃって寂しかったから、サプライズ的な?」
「私たちもミカエルとキースを祝いたかったんだ」






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