パラサイト～レッツ異世界寄生ライフ～

1章

第2話 これが罰か。

　目を開ける。何も見えない。
　生まれたばかりだからか？
　というか、なんか周りの圧迫感が凄い。
　とりあえず、自分の身体を確認しようとした。

　何かおかしい。

　生前の様に手や足を動かそうとしても、動かない。
　いや、正確には手や足の感覚がない。
　どういうことかと思い、首を動かしてみる。
　首は動く。
　いや、これも正確ではない。
　動かしてみても、身体全体が捩れる様な感覚がする。

　んんんー?!
　どういう状況？
　全く理解できないんだが？
　俺の身体はどうなってるの？

　ていうか、そこそこ動けるけど、圧迫感が気になってしょうがない。
　例えるなら、布団の中に潜り込んだ上から人に圧し掛かられている様な感じだ。
　窮屈な割に、地味に心地良いのも変な感覚なんだけど。

　ひとまず、この圧迫感を取り除く事から始める必要がありそうだ。

　とりあえず、動かせる範囲でモゾモゾモゾモゾと動いてみる。
　動いてみて解ったけど、周りを何かに囲まれてる様だ。

　暫く動き続けていると、ペリッと何かが剥がれる様な、ヒビが入る様なそんな音がした。
　次の瞬間、強い光と共に大量の水流を感じた。

　わぷっ！　何!?　何事!?　羊水!?　違う！　外から羊水とか無いわ！　溺れる!?

　突然の出来事にワタワタするが、身体が思う様に動かない。
　そのまま、水流に流されるまま、入っていた場所から出た。
　慌てながらジタバタする事2分程、何故か普通に呼吸ができた。

　溺れないと解ったら、少し冷静さを取り戻せたので、ジタバタと動いていた動きを、水流に乗ったり、逆らったりしてみると、少し動ける様になった。

　うむうむ。
　呼吸と動けるのは大事。
　だいぶ余裕が出てきた。
　ここは水の中かな？
　ということは、人形生物ではない？

　まぁ、転生だし、仕方ない部分はあると思いながらも、人魚とかの可能性も捨てきれない。
　僅かに期待しつつも、手足が無い事から、オタマジャクシなんかかなとも思う。

　そうだ。
　そういえば、ステータスが確認出来るとかって話だった。
　どうすれば見れるんだろ？　ステータス見れれば、種族とか、そういうのも確認出来るだろうし。
　よくあるラノベなんかだと、ステータスオープン！　とか言うんだよね。
　それはなんか恥ずかしい。ていうか、喋れないし。
　うーん？　どうするの？

　色々悩んでいたが、あっさり解決した。
　少し集中してみると、頭の中に漠然とした情報が流れてきた。
　こう、何とも言えない気持ち悪い感覚だけど、これは俺が慣れてないからなのかな？
　頭にいきなり情報を流し込まれてる感じ。
　まぁその内慣れるだろ。
　今はそれより確認だ。
　何々？

【キリュウ　ライト】
【種族】寄生虫(幼体)
【LV：1】
【HP：3】
【MP：0】
【所持スキル】

寄生LV：1、酸耐性LV：10、毒耐性LV：10、腐蝕耐性LV：10

【称号】

転生者




……え？

　ちょいちょいちょい待て待て待て待て。
　何度も頭の中の情報を確認する。

　……うん。寄生虫？　どういうこと？
　しかもHP３て！
　死ぬ！　すぐ死ぬ！

　え!?　チート転生物じゃないの!?
　今時のニーズとサプライは!?

　オタマジャクシから蛙になって、そこから特殊な種族になって成り上がるとかなら分かるよ？

　なのに、寄生虫て！

　これが前世でニートだった罰なのか!?
　とか考えてた俺の後ろから、何か大きな影が迫ってる事に気付いた。

　振り向くとそこには。
　大きなタガメ？　ゲンゴロウ？
　良くわからんけど、そんな感じのがいた。