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抱き締めても良いですか?
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しおりを挟む「ごめん……お前にその気が無いなら、無理に一緒に居なくても……」
「好きとは、何ですか?」
「……え?」
「旦那様や奥様、桃ノ木様やぼっちゃんが大切です。母を助けて下さった。私にも居場所を下さった。桃ノ木家は私の恩人です。守りたいと思っています」
力なく正座している浩介を見守った。まだ、頬が涙で濡れている。
「でも、あなたを思う気持ちは違います。あなたを幸せにしたい、傷ついて欲しくない、笑っていて欲しい、そう思っています」
「……俺が瑛太さんの所へ行ったらどう思う?」
「嫌です……行ってほしくありません」
激しく首を横へ振っている。
心臓がドクドクしてくる。膝立ちになりながら浩介に詰め寄った。
「なあ、俺にキスしたいか?」
「はい」
「触りたい? 抱きたい?」
「はい」
「俺も同じだっつーの!」
泣いている顔を捕まえると思い切りキスをした。唇が腫れていようが関係ない。開かせた唇から舌を差し込みながら絡めた。
「なあ、浩介」
「……はい」
「好きって言ってくれ。それだけで、俺はお前から離れて行かないから」
濡れた唇に触れた。俺を見上げた浩介が唇を震わせている。
「好きです……あなたと同じであるなら、私もあなたが好きです」
長い両腕が伸ばされる。俺の背中に回ろうとしている。
でも、止まってしまう。
浩介の何が、俺に触れるのを躊躇わせるのだろう。穴が空くほど見つめられながら、促すように俺から抱き締めた。
「……抱き締めても良いですか? 私が触れても……?」
「めちゃくちゃ抱き締めろ」
長い腕が力いっぱい抱き締めてくる。俺も広い背中を抱いた。
「良く聞け、泣き虫浩介。こうして抱き締めて、俺に触れろ。そんでいっぱいキスしてくれ」
「……嫌じゃ」
「嫌じゃない。次言ったらぶっ飛ばす」
シャツをめくってやる。裸の肩に噛みついた。
「お前が触れてくれたら……ちゃんと濡れるから」
耳にも噛みついた。ずっと浩介にキスしてまわりたかった。項にも、張っている胸板にも唇を滑らせていく。
そんな俺を抱き上げてくる。ベッドに運んだ浩介と一緒に倒れ込んだ。俺が浩介の服を脱がし、彼が俺を脱がせてくる。首筋に吸い付くようにキスをされ、大きな手が俺のモノに触れた。優しく梳かれている。それだけで腰が浮くほど感じた。
「ずっと……触れたかった!」
「俺も……!」
唇が下がっていく。脇腹の痣に舌が這った。我慢できずにイッてしまう。浩介の手が濡れてしまう。
「……もっと、しても良いですか?」
「足りるわけないだろう!」
顔を引き寄せると口を開きながら彼の唇を奪った。俺が入れるより先に彼の舌が滑り込む。口内を荒らす浩介の舌にも、溢れているαのフェロモンにも、後ろはどろどろだ。彼の手をそこへ導いてやる。
「ん……な? お前が触れると濡れるだろう?」
「……はい!」
顔が破顔した。浩介が笑っている。
ゆるゆるの笑顔に、奥がじんっと熱くなってたまらない。
「浩介……もう、入れろ……!」
「まだ、慣らしていませんから」
長い指が入ってくる。俺の項にキスをしながら指を三本入れてきた。
「もう……こんなに緩んでいるなんて……」
「はや……くっ!」
我慢が出来ない。早く欲しい。
しがみつく俺の中へ、浩介が入ってくる。熱い塊に、入れただけでイッてしまう。震える俺を抱き締めた浩介は、濡れたそこをこねてくる。
「どうしたらもっと感じてもらえますか?」
「キス……したい」
「はい」
「もっと俺に触れてくれ」
「私にも触れて下さい」
密着したまま抱き合った。離したくなくて、浩介の首にしがみついた。
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