SweeT&BitteR ~甘く甘く 時に苦く 僕らは恋をする~

樹々

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番外編

1-4

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「……純……!」

 低い声が熱く囁いた。

 グッと中に押し入ってくる。

「はぁっ! ……ぁ……ぁ……ぁあ!?」

 激しい腰使いだった。遠慮なしの打ち込みにパニックになる。

 揺れる体をがっしりと掴んだ大介は、腰の力だけで俺の中を行き来した。

「純……純……!」

 肩に埋まった顔が何度も俺の名前を呼んでいる。

「ぁ……とま……とまんねぇ……!」

 ギュッと抱き込まれていた。なおも結合が深くなる。

 あの一点に、当たった。

「ああ!」

 俺も大介にしがみ付いた。深い結合が、良い一点を何度も突いてくる。

「純……純……!」

「ぁ……ぁ……大介……駄目……駄目……はやっ……!!」

 広い背中を抱き締めた。なおも中を探る彼のモノに涙が溢れて仕方がない。

 何かが壊れてしまいそうな錯覚がして。必死にしがみ付いていた。

「ん……ぁ……はぁ……ぁ……純……!」

 耳に、大介の声が吹き込まれている。

「ん……ん……純……ぁ……ぁあ」

 揺さぶられながら、そろりと目を開けた。肩に埋まってしがみ付いている大介を見る。

 俺の体を抱き締めると言うよりは、抱き付いていて。

「……大介……?」

 相変わらず疼く体を押して、大介の髪を撫でた。ビクッと大きく揺れた体。フルフル震えながら、腰を止めて顔を起こしている。

「……純……俺……!」

 言い淀んだ大介の、頬が紅潮していた。健康的に焼けた肌が、赤味を差している。明かりを背に、ギュッと一度、唇を噛み締めている。

「……ぁ……体……変……だぁ……!」

 まるで泣き出しそうな顔で見下ろされた。目が見開いてしまう。

「純……純……!」

 助けを求めるように、また俺の肩に顔を埋めてしがみ付いている。呆然と抱き付かれながら、胸が騒いでたまらない。

「ぁ……はぁ……ん……体……マジ……やべぇ……!」

「大介……」

「どうしたら……ぁ……純……!」

 しがみつく、大きな子供を抱き締めた。

「……来いよ」

「……純……!」

「体が……したい通りに来いよ……兄ちゃんが、受け止めてあげる」

 黒髪に右手を差し込んだ。フルリと震えた体を感じる。

 形の良い唇を噛んだ大介は、グッと腰を押し付けてきた。

 何度も、何度も、深く出し入れされる。必死に抱いている彼の体を、こちらもかなり必死で受け止めながら、噛みすぎないよう、熱いキスで塞いだ。

 舌を差し込み、合わせるように促してやる。すると夢中になって吸い付かれた。

「ぅん……ん……ぁ……純……」

 陶酔した大介の声。今度は彼から塞がれる。甘い喘声を漏らしながら、角度を変えてはキスしてくれた。

 俺の腰も甘く疼いてくる。立派に立ち上がったモノが、彼のお腹に擦られている。

「大介……」

「ぅ……」

「もっとおいで……大介……」

「ぅん……」

 俺の声に耳を澄ませた大介は、大きな子猫のように震えていて。

 痛いことも。

 恥ずかしいことも。

 全部吹き飛んだ。



 たまらん……!!!



 脳内で絶叫した俺は、可愛くて仕方がない大介を抱き締めていた。



***



「……あああ~~~~!! 可愛すぎだろう、お前!!」

 思い出しながらベッドの上で絶叫した。

 俺にしがみ付いて、半泣きして。

 いつもの最強っぷりは全く消えていた。どうして良いのか分からないと、俺を頼ってくれた。

 本能のままに抱いた大介は、俺の中で果ててしまって。さすがに俺も驚いて。

 その後の顔と言ったら……。


『わ、わりぃ! だ、大丈夫か? いてぇか!? 純……純……!』


 慌てふためいて俺を抱き締めて。

 眉根を寄せては情けない顔をして。

 心配そうに俺の体に触れていた。

 フルフル震えた唇が、本当に泣いてしまうかもしれないと思うほど可愛かった。

「……たまらん……マジでたまらん……! お前ありえないから!!」

 薄いアルバムの中に映る大介を見つめた。大丈夫だからと微笑んで見せた俺を心底心配していた。労るように寝かせてくれた。

 広い胸だ。男の俺でも充分抱きつける。

 一緒になってベッドに入って、被せた掛け布団の中で抱き付いた。

 何度も大丈夫だと告げてやれば、そのうち疲れて眠ってしまった大介。

「……鼻血出そうだったな~」

 その寝顔は、とても人をぶっとばす人間のものではなかった。元が良い顔をしているのだから、力を抜いた顔はとてもイケメンだった。

 こっそり携帯で写真を撮りまくった。芯から寝てしまったのか、起きる気配はなくて。

 たくさん撮った後、静かにシャワーを浴びた。中に出されたモノは、自分で掻き出しておいた。言えばきっと、気にすると思ったから。

 さっぱりしてから大介の側に戻った。隣に寝転び、顔を突き合わせて眠った。

「……可愛いよ、お前」

 写真の中の大介に語りかける。

「大好きだよ、大介」

 キスしている写真に、自分もキスすると瞼を閉じた。

「……ああ~~会いたいな~~」

 今頃仕事を頑張っているのだろう。兄ちゃんとして、一家の大黒柱として。

 そんな姿も好きだから。会えない寂しさは写真で誤魔化そう。

 その代わり。

 帰ってきた時は思い切り抱き締めてやる。

「な、大介?」



 俺に甘えろ。



 すんごい甘えてこい。



 全部受け止めてやるから。



 駅で撮った笑顔の大介を見つめながら、ふわりと笑う。

 俺の恋人は、最高に可愛い顔をしていた。

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