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28話 壁になったピックルス
しおりを挟むエール王国、貴族エリア。第8エリア管理局。
「ミスターピックルス、困りますヨ。ワタシがせっかく作ったスペシャルなボウギャークをもう破壊されちゃうなんテ」
「も、申しわけないソイソス博士。プリティ☆デビルが呼び出した謎の巨乳女にやられてしまってな」
「アレ作るのにアバレールZを3本も使ったんですヨ。ただでさえ第8エリアは『あんはぴエナジー』の供給が減ってきてるんですかラ。このままでは第8エリアが管理できなくなるネ」
「つ、次こそは必ずプリティ☆デビルを打倒してみせるさ。この絶壁のピックルス、最後の勝負に出るのだ。だからソイソス博士、どうかアバレールZを分けてくれないだろうか」
「うーん、そこまで言うなら仕方がないネ。」
「そ、それでは……!」
「ミスターピックルス、ユーをスペシャルにしてあげるネ」
「え?」
__ __
「それじゃあ、あの下着はボウギャークの仕業だったのね」
「ええ、どうやらピックルスの策略だったみたいで……」
「店ごと破壊したからもう大丈夫ルナ」
身に着けた者を貧乳にする下着を販売していた店舗型ボウギャーク『ウォールマート』を倒したことで、ウェスタさん含め、被害にあっていた女性たちは元の胸を取り戻すことができた。
それに加えて、女性たちがウォールマートで買った下着代を、シャーチクさんがピックルスから奪っ……取り返したので、そのお金を街の善良なランジェリーショップに渡し、下着の無料配布を行なってもらった。
「そういえば、ウォールマートを倒した時に何故か少量のあんはぴエナジーの増加と、大量のはぴねすエナジーの増加がみられたルナ。今までボウギャークを倒した時と比べものにならないくらい大量だったルナ」
「ほーん。なんでだろうな?」
はぴねすエナジーが大量に出るのは良い事だが、なんであんはぴエナジーも増えたんだ?
「ああ、それなんじゃがな、おそらく……」
「女の人が、おっぱいぼーん! してた!」
「……は? おっぱいぼーん?」
「拙者とフレイムが教会からホワイト達のところへ向かう途中に見たんじゃがの、街にいたおなごの胸元がいきなり光り出して、巨乳になったのじゃ」
「それで、服がばーん! して、おっぱいがぼーん! になったの!」
「あ、ああー……」
シャーチクさんと同じように、ボウギャークが作ったマイクロ下着が消えて、もとの巨乳に戻ったことで、貧乳に合わせて着ていたトップスがはじけ飛んだと。
「まわりの男どものだらしない顔といったらなかったわい」
「それで女性からあんはぴエナジーが出て、周りの男どもからはぴねすエナジーが出たルナね」
「男って……」
それはまあ、うん。許してやってくれや。
……。
…………。
「シャーチクさん、どうですか?」
「はい、とても良いデザインのものが買えました。ありがとうございます」
喫茶ペチカの定休日。ボウギャークのお礼とお詫びということで、俺たちはシャーチクさんと一緒に街のちゃんとしたランジェリーショップへ来ていた。
「私も新しいの買い直したわ。サンデーちゃん達は買わなくていいの?」
「俺は別になんでもいいからなあ」
「拙者はサラシを巻いてるのじゃ」
侍かよ。
「フレイムはこれ!」
フレイムが手に持っていたのは、ふくらみを持たせた可愛いシルエットの、いわゆるカボチャパンツというやつだった。うん、年相応で良いと思います。
「でも変身したらもふもふになるから下着はいらないの」
「いや要らなくはないと思うけど……」
「サンデーにはこれが似合うと思うルナ」
「なんだ? ってこれほぼヒモじゃねーか!」
こんなん着てないのと一緒だろ。
「ルナちゃんは下着いらないの?」
「こやつは白衣1枚じゃからの」
「このヒモブラでも着けとけよ」
「そんなの着てないのと一緒ルナ」
「さっきお前が俺にオススメしてきたやつだよ!」
そんな感じでワチャワチャしつつ、周りを見渡す。
お店のお客さん達はみんな楽しそうに下着を選んでいる。ここの空間ははぴねすエナジーで溢れているのだろう。
男だったら、下着選びなんてほとんどのやつが適当に済ませて終わりだと思うが、女性にとっては日々のモチベーションに関わる大事なものなのかもしれない。
「あ、これなんかサンデーに似合いますよ」
「シャーチクさんのオススメかあ。どれどれ……ってこれ、ストライプのマイクロビキニ……」
「さすがシャーチク、サンデーの需要を分かっておるな」
「ホワイトちゃんもとい、サンデーちゃんは喫茶ペチカでマイクロビキニを着て欲しい女の子ランキング1位だものね」
「えっなにそれ!? 俺知らないんですけど!?」
「だってルナちゃんがこっそりアンケート集計してるもの」
まったく、中性的なスレンダーボーイッシュ女子にマイクロビキニを着せたがる国民性は日本と変わらないということか。
そんな感じで和気あいあいと下着選びを楽しんでいた時だった。
ピコン! ピコン!
『ボウギャーク、でたあ!』
「なにっ!?」
「ボウギャークじゃと!」
プリデビ☆チョーカーからボウギャーク出現のお知らせが届き、俺たちは慌てて店の外に向かった。
……なんか今回ドラ〇もんバトル〇ームみたいなアラーム音してんな。
「ゼッペキボウギャーーーーーク!!」
「なっ……なんじゃあアレは!?」
「おっきい壁だ!」
「絶壁ボウギャーク!?」
一体、何者なんだ……!?
「いやどう見てもこいつピックルスルナ」
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